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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


1999-08-20

_ 世の中は

高校野球で盛り上がっているが、私は嫌いだ。 野球は好きだけれど「野球部」とか「野球部員」と言う手合いは嫌いだ。

それはさておき、先日買って来た「ニーチェの顔」と言う本が面白い。 岩波文庫版の「ツァラトゥストラはこう言った」を訳した氷上さんの著書なのだけれど、「ツァラトゥストラはこう言った」に脚注が無いわけがやっとわかった。 この本の中で氷上さんはニーチェの思想の背景、ヘーゲル、ワーグナー、ショーペンハウエルとの関わりなどについて詳しくしかも判りやすく述べているのだけれど、これがまた非常に面白い。
 特にヘーゲルの文章が何故晦渋で言はんとするところが判りにくいかについてのくだりは明快で、ニーチェの著作に関する本は何冊も持っているけれどこの本が一番良心的で且つおもしろい、お薦めです。

_ -今日の言葉-

ヘーゲルの文章は、心をしずめてためつすがめつ眺めていれば、つまり厳密に用語を分析し文脈を確定すれば明瞭になってくるといったしろものではない。 このうなぎをつかまえようとするのがまちがいであり、むしろうなぎだということがはっきりわかることがだいじなので、そのぬるぬるしていることがうなぎ全体(真理は全体である)からにじみでていることが、心底から合点が行くことがだいじなのである(真理は具体的である)

 

氷上英廣著「ニーチェの顔」より


2002-08-20 意地で更新

_ 8/18 スタジオAtoZ撮影会

木塚咲ちゃん(その1) ライカD-III+ジュピター3 50mm/f1.5 1/125s f2.8
木塚咲ちゃん(その2) ライカD-III+コシナ・ノクトン 50mm/f1.5 1/125s f2.8
井上直美ちゃん ライカD-III+コシナ・ノクトン 50mm/f1.5 1/125s f2.8
フィルムはコダックのゴールド100>
咲ちゃんは上から見おろしより下から見上げて撮った方が上がりが良い。 次回からはその点に留意しつつ撮ろうと思う。 井上直美ちゃんは身体をひねった方が綺麗な線が出てより映える様だ。

_ また罠

更新した所で木塚掲示板を覗くと、またもやチャット開催中。 入ってみると木塚咲ちゃんも日記を読んでいるという かりんさんが居ます(苦笑)。 話の運び方が上手いのはやはり修行の賜物でしょうか?。

・・・しかしそろそろ寝ないとまずいなぁ。

_ 人体実験

マクドナルドでチーズバーガー2個とビッグマック1個を購入。 チーズバーガー2個(158円+税)よりビッグマック1個(250円+税)の方が格段に満足度が高いことが判った。 ビッグマックはギリギリ食べ物だがチーズバーガーは配合飼料だ。

_ 「やべぇ、こいつプリンスの影響受けてるよ!」

昨日書いた「板ちょこ」名・関係いたします、ホームページ等を公開されております皆様方には、今後「8月20日以降」の公開・名前・肖像・文書、個人・団体に関する一切を使用する事をお断りするらしいアイドルグループなんですが、これってプリンスのパクリですかねぇ?。
д(The artiste formally known as Itachoco)
とか書いてみる。 ※「д」は適当に選んだだけなので別の文字でもかまいません。

_ 8/18 AtoZ撮影会 1部

台風接近のため、御苑の分が高円寺のスタジオに差し替えになってしまった。 スタジオ差し替えって事で白ホリの味気ないところかと思ったら、こぎれいなハウススタジオで一先ず安心。 雨もやんだので近くの公園で撮ってみることになってそちらへ移動したが、薮蚊が物凄い。 客もモデルもスタッフも刺されまくり。 私も顔ばかり3箇所刺された。 公園が狭いためにモデルは交代でって事で先ず出てきた井上直美ちゃんもいきなり足とか胸とか刺されてます。 胸の刺され痕が妙にエロい(苦笑)。 ひとしきり撮った所で木塚咲ちゃんも登場。 ほ、細い。 直美ちゃんのほうは固定客がいるので安心して咲ちゃんの方に残り、重点的に撮ってみた。 上からの見おろしと下からの見上げを撮ってみたのだけれど、スカートだったのであまり低い位置からは撮れなかった。 前述の通り下からの見上げのほうがいい感じで撮れていた。 目が強いのでそれを生かす構図にしたほうが良いようだ。 一本撮り終えてフィルムを変えようと思ったらRTSIIがぶっ壊れた。 これは痛い。

あとはもう35mmはライカを重点的に回して、6×6のローライコードと6×4.5のプラウベルをサブで回して、押さえでOM−1.  1930年代のカメラを3台振り回して撮影会ってのも我ながらどうかしているけど、信頼度の高い順に並べたらこうなったんだから仕方がない。 マナーの悪い客もガッツキ野郎もおらず、和やかな雰囲気で撮る事が出来た。 1部と2部の境目が曖昧だったのがちょっと困った(そのまま続くのかと思ったら2部だった)けれどほかに不満は無かった。 このあと相模大野へ移動。

_ 相模大野駅自由通路

ララルーのシングル発売記念キャンペーンの最後の締めがありまして、撮影会の1部から直行。 ついたら丁度始まる所でした。 ララルーは今年の正月に一回見ていて、その時はまだ日記でお茶を濁さずに律儀にレポを書いていたんですが、「2度と見たくねぇ」と思っていました。 然し乍ら多少はスタッフの仕切りも改善したようなので言ってみる事にしたわけです、ロハだし(笑)。 思っていたよりはかなり良かったです。 


2004-08-20

_ 都内某所へ

予想外の大残業で、帰宅したのが10時過ぎ。 飯を食ったりなんだりしているうちに11時を回ってしまい、慌てて都内某所へ。
暗室に入って干してあったネガを取り込んで、ネガチェックをして・・・、とやっていたら2時を回ってしまい、プリントにかかれたのは3時過ぎ。 そのまま6時過ぎまでプリントをして、水洗・乾燥まで終えたのは9時過ぎ、急いで酒田へ。


2006-08-20 のんびり秋葉原

_ AKB48 チームA昼公演

メール予約が昼のみ当選。 殺伐とした状況に嫌気が差してハズレた夜の分は並ばない事にした。
籤運悪く、あらかた席が埋まってから入場。 上手の端の方ならまだ席が無いでもなかったが、全体を見渡したかったので立ち見二列目。
まだ見ていない人も多いので漠然と。
一曲目で頭を抱えたが、あとはまぁ慣れていくのだろう。 中盤からアンコールへの盛り上がり方は好みだが、一回では評価を下しにくい。
私が「伊勢佐木町ブルース」みたいだと思った曲を、友人は「Tour de France」みたいだと言っていた。

_ バソコン更新

現在の主力機がそろそろ寿命なので、昼公演の後、友人にジャンク屋を引き回して貰って、およそ二万でWindows2000が入ったFMVとイイヤマの15インチモニターを購入。
漸く移行作業が終わった。


2007-08-20

_ グラビア日誌

昔はこんなことも書いていたのになぁ・・・と感慨に耽りながら、久し振りに書いてみる。

_ ビッグコミックスピリッツ

AKB48がまぁ水着グラビアと言う事で、複雑な気分ながら通勤途中のコンビニエンスストアで表紙を確認。
立ち読みされない綺麗なうちに・・・とも思ったが、職場でバレるのも得策ではないと言うか洒落にもならないので我慢して退勤後に駅の売店で購入。
表紙は左から小野、高橋、篠田、河西、板野と言う判り易い顔の並び。 撮影は藤代冥砂と言う事で、表紙以外はキレイキレイには撮ってくれない。
表紙を捲るともうそこは藤代冥砂の色。 表紙の面子以外には、前田、大島(麻)、峯岸、成田そして小林。一般大衆に人気のある連中に水着映えする大島(麻)と成田が入るのは判るが、そこに小林と言う好事家向けの顔付け。
可愛く撮ってくれない藤代のお陰で一番の貧乏籤を引いたのが峯岸。 高橋とカキ氷を食べている写真のみ例外的に可愛く写っているが、あとは藪睨みだったりピンぼけだったり。
後半の見開きページでガチャピンの顔真似をしたような半目の写真が涙を誘う。
逆にどう撮っても破綻しない小野は全カット当たり。 これは凄い。
「初水着」だの「初ビキニ」だのと躍る文字の割に、一番訴求力の有るカットは前田と小野が一つのパンを両端から齧る奴だと言う皮肉。
ピーカンの浜辺で撮った水着の写真以外は、それなりに面白く撮れている。
少なくとも先日発売のB.L.T.U-17よりは余程まともに撮れている。
峯岸以外は。
今回のスピリッツのグラビアは、全く以って峯岸の無駄遣い。

_ 週刊プレイボーイ

こちらも水着グラビア。 表紙とセンター16P。
表紙は秋元、大島(優)、大島(麻)、前田、渡辺の5人。
グラビアページは、表紙の5人に加えて、登場順に増田、小林、宮澤、奥。 佐藤(由)、中西、篠田、峯岸、小野、柏木。
表紙の5人は1Pづつ、あとの連中は1/3Pだったり、1/4Pだったり。 小野の扱いが悪い上にハズレカットってのが珍らしい。
中にはインチキ水着も有りつつ、グラビアとしては中々の出来。

表紙は秋元の表情が若干硬いものの、撮られ慣れている両大島と渡辺が良い写り。
水着の上に何か一枚羽織った集合写真からプロフィール写真への流れは良く、中西と佐藤の顔が白すぎる以外は上手く撮れている。
特に小林は「実は可愛いのではないか」と錯覚させるくらい。

見開きに全員横並びでジャンプしているベタな写真からひとり一人の写真へ。
扱いは小さいながら、宮澤が実に味わい深い表情。 峯岸もぽってりした唇が上手く撮れている。
はすに構えさせてゴツく見えない様に撮った秋元も、まぁ良い出来。 出来ればアラを隠すのではなく、上手く生かして撮って頂きたかった。
柏木は撮られ慣れていない所為か、素材の良さが生かしきれておらず、ちょっと残念。

増田にピントが合っているものの、被写界深度が浅すぎて中西がピンぼけだったり、残念な点も無くは無いが、全体的に見れば良いグラビアだった。


2009-08-20 週プレ DESTROY

_ ワニブックス@モバイル 小林香菜「よのなか入門」 〜新たなる地平2009編〜 (第61回)

今回も晴れて自由の身になった編集氏による「香菜ちゃんの人気者でGOGO!企画」。
前回の人見知り話から続く展開。

ファンの方からの「趣味をはっきり決めて欲しい」と言う要望に、「特技はある」と豪語する小林。 眉に唾をつけながら読み進める。

小林の「特技」とは『俳句』。 短歌で始まったはずが何時の間にか川柳になり、ついに俳句。
ぜんぜん作ってないと鋭くツッコむ編集氏に「でも作れます。もう作れます。今作れます」・・・と蕎麦屋の出前でも最近は恥ずかしくて言わないような見得を切る。
で、せっつかれて作ったのが

こんなにも 責められるのは ひどいだろ

・・・川柳にもなっていない。
他に何か無いのかと言われて悩む小林の図。
みんな悩んで大きくなった。

別のファンの方からの、小林には超能力が有る筈だから調査して欲しい」と言う依頼に、編集部に何故か常備されているホンモノのESPカードを使って早速実験大会。

俺様ちゃんの超能力はこんなんじゃねぇ、ホンモノなのだ・・・と例によってホラなのか本気なのか誇大妄想なのかわからない事を言い出す小林。
小林の超能力とは「人が思っていることを感じ取ることができます。」
それが一番欠けているのではないかと至極もっともな疑義を呈する編集氏に実例を挙げる小林。

「握手会のときとかに、"この人(私から)推し変えしそうだな〜"と思ったら、やっぱりその後推し変えしてたりとか……。」

なのに何の対策も講じないのが小林らしい。

ESPカードの方はと言えば、一回目の成功率は六割。 これはイケると踏んだのか、揃えられるまでやるといきなりやる気を出すのも小林らしい。
久しぶりに見る根拠の無い自信の空中楼閣の上で得意げににやける小林の図。 空のお城に棲んでいてこそ小林。

漸くトンネルを抜けたようなそうでないような感じでは有るが、小林の超能力の有無を突き詰める次回更新は8/27予定との事。

_ 週プレ DESTROY

週刊プレイボーイ特別編集 AKB48スペシャルムック「AKB48総選挙!水着サプライズ発表」
・・・と言う、無駄に長いタイトルのムック本が出たので買ってきた。
「AKB48初の水着写真集」と銘打っているが、既に篠田麻里子の水着展開は終了していると言う皮肉。

撮り卸しのほぼ水着グラビアは前半のみ。
例の愁嘆場の地獄絵図のレポート記事や、AKB48冠番組出演者の暴露座談会…のようなもの、康インタビューと、読み物が続く。
スピートワゴン小沢一敬の「2003年に中日の川崎憲次郎がオールスターに選ばれたときのことを思い出すね。」との一と言に唸る。
康インタビューは、インタビュアーの稚拙さが却って秋元康のペテン師としての大きさを描き出している。 まだ枯れていなかったので安心したというか何と言うか。

カップリング曲を歌う連中の座談会的なものの写真が酷い。 ストロボの使い方が素人以下。
劇場の光源を生かした見開きの集合写真は色味はともかくとして(ともかくとしてはいけないのだけれどそれはさておき)良くも悪くも「らしい」表情を捉えている。
松井玲奈だけ「よその人」的な疎外された空気の中に居るのだけれど、それが却って存在を浮かび上がらせている。
選挙ポスターずらり、PV撮影風景のあと、過去撮影分からの使い回しグラビアとSKE48の各チーム及び研究生の集合写真、そしてオフショット。

SKE48の集合写真もまたヒドイ出来。 「殿方充が居る!!」と思ったら、中西優香だったり、「高田彩奈の生霊が!!」と思ったら高田志織だったり。
せめて実物並みに撮っていただきたい。

随所に見られるヤッツケ仕事感と、抱えているライターの層の薄さにゲンナリ。
プレイボーイも小峯の頃は仮令ヤッツケでもそうは感じさせない仕事をしていたように思うのだけれど、メンバー名鑑のキャプションが使いまわしだったり、色校もヘッタクレも無かったり、良いのは紙だけだった。
そう言えば小峯、スハゲティは食べられるようにになっただろうか?

グラビアそのものについては、日を改めて。

2015-08-20 かたじけなさに涙こぼるる

_ 『南波一海のアイドル三十六房presents RYUTist タワレコ東京ツアー2015』(2015.8.16 タワーレコード錦糸町店)

インストアイベントにあまり早く行くのも野暮であるなぁ・・・とのんびり出かけたら既にぎっしり。 人並みの隙間から見えそうな場所を探す。
写真を撮るには過酷な状況であり、ファインダーを覗いている間はストレスも溜まるのだけれど、カメラを下ろしてステージに目をやり耳を澄ますとさっきまでの苛立ちが鎮まり、幸せな気分に。
正直村から正直を広めにやってきたような4人は「汚れちまった」我々にはあまりにも眩しく、直視するのが憚られるくらいなのだけれど、知らず知らずのうちに涙腺が弛緩する。
かたじけなさに涙こぼるる
購入したアルバムは、時間は掛かったが、今出すことに意味のある、聞きしに勝る素晴らしいものであった。

大石若奈(RYUTist)

写真はまとめてこちらに。

_ MilkShake@東京アイドル劇場(2015.8.16)

長崎発のアイドルMilkShakeのライブを観てきた。
昨年の今頃に矢張り東京でイベントやライブに出たことがあって、その時が初見。 漸く裏を返すことが出来た。
会場としては撮影禁止だがMilkShakeは撮影可との事で、七つ道具背負って品川へ。

東京アイドル劇場はカラオケ屋に間借りしての興行形態なのだけれど、思ったより設備も運営もしっかりしていた。

中核を担ってきたメンバーが辞めたり、人員の変動はありつつも雨降って地固まる。 補って余りあるを絵に描いたようなグループ総体としてのレベルアップは成長と言うより進化の域であった。

昨年は振り付けの独自解釈が目立った(それはそれで味があった)のだけれど、今年は歌って踊る部分は高いレベルで均質。
やるべき事をきちんとやった上で目配り気配りが出来ており、大掴みで客席を見ることも出来ているし、場内の客一人ひとりを目で殺すような芸当もさらりとやってのける。


(目で殺しに来る藤本実緒)

曲は長崎らしさを盛り込みつつ、あざとさや田舎臭さは無い。 地方発のアイドルでは東京への対抗心を無駄に燃やして洗練を目指したはずが野暮に堕することがままあるが、国際港湾都市の懐の深さであろうか、肩に力が入り過ぎる事も無い。
実に良いものを見た。


河合ゆうな(MilkShake)

写真はまとめてこちらに。


2016-08-20 戯れる女神たちを覗き見るような、厳かで美しい写真たち

_ 七菜乃写真展 私の女神たち -My Venuses-

荒天の日曜。 空いているうちにじっくり見たかったので、開廊した頃合いに観覧。
七菜乃が在廊していると場は華やぐのだけれど、じっくり見られる状況にはなり難い。 そもそも私が落ち着かない。

今回、七菜乃は撮影者であり、被写体はこの撮影のために募られて集まった18人の「女体をもった人」。

A4サイズの紙の真ん中にキャビネくらいのサイズでプリントしたものが中心で30数点。
飾りやすい大きさで落ち着いたデザインの ガラス張りの白い箱のような額装が、写真と良く合っていた。
奥の方でチェキやポラロイドも同様に額装。
心理的なハードルも低い、総じて納得すれば手の出せる値付け。

正面奥の壁に巨大なプリントが一枚。
クリップで挟み、そのクリップを画鋲で壁に留めていたのだけれど、作品を挟むクリップにも緩衝材として畳んだ紙を噛ませているなど、細やかな心配り。

森の中で撮った裸婦像。 七菜乃は「女体」と言う表現をすることが多いが、今回の写真展は「私の女神たち」。
柔らかく写る効果を用いて撮ったものが多いのだけれど、カットごとに効果の出方が変わっているので、スカイライト系のフィルターに脂をつけたのだと思われる。

モデルの配置やポーズに押しつけがましいところは無く、指示ではなく啓示と言うか、何かに導かれるようにして自ずとそうなっているような感じ。
実家の所有する森なので安心して撮り撮られていたであろう事もあり、表情も柔らかい。
膝を抱えて組んだ手の甲、透き通るような白い肌に浮かぶ静脈に目を見張る。

戯れる女神たちを覗き見るような、厳かで美しい写真たちだった。


2017-08-20

_ 七菜乃写真展『My Aesthetic Feeling』(再訪)

晴れた日曜の午後とあって、ごった返すと言う程ではないが、なかなかの集客。
作者在廊中となると更に混むので、早めに行っておいて良かった。

画廊での写真展なので当然販売もしているのだけれど、「被写体が誰某である」と言うのと売れ行きには特に相関が無さそうなのが面白い。
良いと思われた、手元に置きたいと思われた作品が買われて行く。
売約済の作品の横には赤いシールが貼られるのだけれど、私が見ても面白いと感じる写真が売れていた。

結果としてどうなるかは見る人夫々の嗜好に係るので措くとして、撮影者としては性的興奮を惹起せしめることは意図しておらず、美しいと思ったものを美しく切り取って写真として形にしている。

私が気に入ったのは美しいものに隠し味として悪戯心と諧謔を一滴垂らしたもの。
この一滴が効いている。

_ 石川栄二写真展「66から」

中央線に乗ったところで洒落のきつい土砂降りになり、駅で遣り過ごしてからギャラリーニエプスへ。

「66から」とタイトルにあるように、当初はリコーフレックスで撮影した写真を中心に展示する予定だったが、選んでいるうちにそれ以外の物が増えてしまったとの事。
左側の壁、パリはローキーに柔らかく。
右側の壁、ヨルダンはハイキーにかっちりと。
ローキーなプリントは「黒」と「黒と灰色の間の色」の間の色。
ハイキーなプリントは、白く飛んでしまうところは飛んでしまうに任せて、残ったところの黒と灰色で絵を作る感じ。

ヨルダンとパリ、土地々々の光と空気、撮影者の心情や気分などが写真に出ているように感じられた。

ヨルダンで撮影した作品のテストプリントを見せた戴いたのだけれと、テストプリントの常で色味を確認した後の処理が雑になり、定着不足で変色してしまったプリントが幾つか有った。
出そうとして出せるものでは無く、変色も進行してしまってこのままの色では保存出来ないのだけれど、その変色ぶりがまた味わい深かった。

バライタ紙の手触り、定着不足のプリントの匂い。
撮ってフィルム現像してプリントしたくなる、物狂おしい後味の写真展。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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