_ 昨日書いた店の
「梅安冬の闇」と言う品書きの由来は、池波正太郎の連作時代物で仕掛人藤枝梅安シリーズってのが有って、それの「冬の闇」と言う章で梅安氏が喰っていたのを作ってみたとのこと。
皮を剥いて輪切りにして、面取りをして隠し包丁を入れた大根を浅蜊のだしで下煮しておいて、出す時には小鍋にだしを張って大根を二つ、そのまわりには浅蜊を並べて、大根の上には1:2:√3の直角三角形型のあぶらげを四枚(つまり一枚分)並べて火に掛けて一煮立ち、浅蜊に軽く火が通ったところで出される。
実の所、煮た大根を喰って旨いと思ったのは生まれて初めてだ。
あと吃驚したのは山芋の千切り。 これは文字通り山芋を千切りにして、刻み海苔を振って山葵を添えただけのものなのだけれど、上手い人が良い包丁で刻むとぬめりが少なく、太さも揃っていて角もしっかり立っているので非常に旨い。 その分下手糞が切れない包丁で作ると、角がぐすぐずのぬめぬめになって、手が滑るから太さもまちまちになってとんでもない物が出来上がる。 家で作る時にはこのぬめり(どうしても普通の人が作ると出てしまう)を取る為に軽く酢水で洗ってやってから薪の束みたいに向きを揃えて小鉢に盛って、上から鰹の塩辛を一匙かけてレモンかスダチを軽く絞ってやると誤摩化せるし、これはこれで旨い。
で、「冬の闇」なのだけれど、池波正太郎の本に出てくる食いものがらみの部分を抜き書きして解説を付けた本が何冊か出ているので、それなら時代物に興味の無い人でも涎を垂らし乍ら読める。
・・・と言う訳で本のコーナーに「食いものの本」をアップ。