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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2010-03-08 前半 [長年日記]

_ 雑誌レビュー UTB 4月号(1)

この号から微妙にレイアウト変更。 カメラマンのクレジットが日本語表記になり、フォントも大きくなった。
これまでは写真を見て「おっ!」と思っても横文字表記では検索してもカメラマンについての情報に辿り付けないことがまま有り(すぐに出てくるのは Takeo Dec.くらい)、一時期のとんがった雑誌作りだった頃は実に困った。

メイクやスタイリストに関してはこれまで通り横文字表記なので、バランスは悪く多少品下がった印象はあるものの、便利にはなっている。
ここのところ毎号のように載っていた長野博文の写真が無い。 食傷気味ではあったが、無ければ無いで寂しい。

AKB48(前田敦子、松井珠里奈、渡辺麻友、板野友美、小嶋陽菜)
表紙+巻頭グラビア。 見開きで集合、それぞれで1ページずつ、最後に集合で1ページの8ページ7カット。 撮影は細居幸次郎
集合での板野の撮られ方が上手い。 特に表紙の写真が良い。
天地開闢以来、どちらかと言わなくても嫌いだったのだけれど、最近目にする映像における板野友美は動画静止画問わず質の高い仕事をしている。

前田敦子は定石通りの撮り方(髪の分け目の方向から)で、面白みには欠けるが表情の変化は楽しめる。

渡辺麻友は珍しくカットごとの表情に差異があり、生き物である事が確認できた。

小嶋陽菜は例によってカットごとの出来不出来が激しく、気の抜けた表情もあるが、決めるべきところは決めている。 唇の青海苔黒子が消えていることから見てルージュは厚塗り。

松井珠里奈は表情の大人っぽさと、撮られ慣れていないポーズの隙の齟齬が面白い。
カメラの位置が低い時の顔の向きが少々拙いのだけれど、この人は造作が整いすぎているので、多少の隙は有った方が親しみは持てる。

板野友美は集合で撮った写真の立ち方、身体の捻り方、表情の作り方、全てにおいて一頭地を抜く仕事振り。
他の四人がカメラの方向を向いているのに対して、板野はレンズの向こう側を見ており、下から見上げるように撮られてもうまく顎を引いて隙の無いポージング。
それでいて構えたところは無く、どんな写真でも正体を現さない大島優子とは対象的。
「お耳がピョンピョン」などと無邪気に言っていた頃の可憐さは無いが、歳相応の可愛らしさは出せている。

インタビュー部分も訳知りが書いているので頓珍漢な質問は無く、メンバーも余計な説明をしなくて良い分突っ込んだ話をしている。 板野の演技についての話が興味深い。

桜庭ななみ
桑島智輝の撮影で6ページ12カット。
屋外で夕方から夜に掛けて撮られたものらしく、刻々と明るさと色温度が変化する中で色味にバラつきが出てしまっているが、日が暮れてからと駅のコンコースで撮った人工光源下での写真はピタリと決まっている。
ライトアップされた街の燈りで撮った最後の2ページが、桜庭ななみの柔らかい表情もあいまって味わい深い。

足立梨花
熊谷貫の撮影で6ページ7カット。
屋外で撮った爽やかな色調の前半と、屋内で撮った生々しい色調の後半で構成。
前半は良いのだけれど、後半は少々生々しさ過多。 よくよく見ると、メイクをしていない部分の肌や布地の質感は綺麗に出ている。 どうやら茶色い床や壁に反射した光とファンデーションが喧嘩をしてしまっているようだ。
そのあたりをさっ引いて見ると、良い写真。

柏木由紀・高城亜樹
門嶋淳矢の撮影で、7ページ7カット。
柏木は下瞼が上がった、眩しいのを我慢して目を開いた表情。 それでも不細工にはならないのは流石。
高城は同じ条件でも自然に目を開いている。 撮られ慣れていない所為か、顔の向きはまちまちなのだけれど、そこが面白い。
正面を切るより多少傾いだ方が印象は良いし、右手前になっても左手前になっても破綻はしないので、上手く使い分けると表情に幅が出ると思う。
隙の無い柏木と隙だらけの高城。

ベッキー・クルーエル
桑嶋智輝の撮影。 スタジオでの撮影なので安定した出来。 こう言う箱庭写真はやはり巧い。
造作は整っているが基本的に素人なので、作った表情は単調だが、動かして撮る事によって切り取る角度を変えており、それを上手く散りばめることで見られるものにしている。

藤原令子
デビューを控えたまだ何者でもない少女の「今」を捉えた、4ページ6カットの抜擢グラビア。 先入観無く見られて新鮮。
2ページ目は肖像写真の王道。 唇の縦の線にピントが合っており、光量も深度も頃合。 「写真って良いなぁ・・・」と思える佳品。
こう言う着衣グラビアは若者受けしないと思うが、今後も載せていただきたい。

鈴木愛理、菅谷梨沙子、矢島舞美、嗣永桃子、真野恵里菜
「スクール・デイズ」と題して、ハロープロジェクトから今年卒業と言う節目の年を迎える五人で卒業アルバム的なグラビア。
前半のスタジオ撮影部分は根本好伸、後半のロケ部分は佐藤浩之。
スタジオ撮影は記念撮影的な紋切り型写真で面白みは薄いが、後半は五人五様、上手く撮ってもらえている。
前号に載った写真集からのカットが酷かった菅谷梨沙子もそれなりに。
それにしても嗣永桃子は実体以上の何かが写りこんでおり、何だか良く判らない可愛らしさ。


中盤のモノクロ読み物ページは後回しにして後半グラビアへ。

後半カラーページは封入トレカとプレゼントチェキの一覧から。
封入トレカのハロプロ五人組は卒業アルバムの個人写真然としたものなのだけれど、こうした規定演技になると嗣永桃子の強さが際立つ。
私の買ったものにはCセットが入っていたが、小嶋陽菜が久々に当たり写真。

プレゼントチェキでも嗣永桃子は人智を超えた写真映りの良さ。 神掛かっている。

_ 雑誌レビュー UTB 4月号(2)

プレゼントチェキでは、AKB9期研究生の営業巧者ぶりが目立つ。 目立つというか、鼻に付く。
対象的なのはSKE48の桑原みずきで、こちらは書きこむ面積と文字量は多いものの、内容は真っ向勝負で清々しい。
北乃きいはサインを入れただけの淡白な物。 大物感が漂う。

北原里英
全て大きめの写真で構成した5ページ5カット。
風に躍る髪が夕陽に映えて美しい1ページ目から、水着も有る3カットを経て、〆は夕映えのハレーションも美しい屋外での写真。
ぽってりした魅惑の唇も艶めかしい。
一瞬が一瞬ではない、無限の時間が詰まったような1カット目が秀逸。 このグラビアに通底するのはこの「無限の時間」。 自己過少評価の人 北原里英 の心境の変化が窺えるインタビュー部分も興味深い。
表情からポーズまでガチガチだったこの雑誌での初グラビアから考えると長足の進歩だが、もっと凄い表情は出せるように思う。 まぁ、水着で自然な表情ってのも却って不自然ではあるのだけれど。

AKB48(竹内美宥、石黒貴己、島田晴香、島崎遥香)
AKB48 9期研究生から四人で3ページ5カットの顔見世グラビア。 1ページに二人ずつ、集合でさらに1ページ。
プレゼントチェキでの営業熱心なところを見てからなので、単品で見ればどうと言うことも無い写真でも、何故か鼻に付く。
媚以外に売るものが無いのも判らないではないが、それだけではこの先食って行けない訳で、AKB48になることが自己目的化してしまっている危うさを改めて感じた。 研究生セレクションの後、この中の何人が残れるだろう。
研究生のまま辞めて、表立った活動が出来ているのが鈴木菜絵とだけであると言う現実。
手馴れた感じの表情が並ぶ中、ぎこちない笑顔の島田が一服の清涼剤。
島崎は抜擢もむべなる哉、ただ突っ立っているだけでも目を惹く。

SKE48(松井玲奈、桑原みずき、高柳明音、平松可奈子)
SKE48のチームSとチームKIIから、今春高校を卒業する面子を集めて5ページ5カット。
撮影は週刊プレイボーイでよくAKB48を撮っている飯塚昌太。
プレイボーイで目にする写真が詰まらないのは編集者のディレクションが悪い所為ではないかと考えていたのだけれど、この人のレタッチの癖に起因する部分もあるようだ。 押絵のような奥行きの無さ。
床の白とバックのグレーで極端に輪郭の出方が違う。 弄り過ぎて濁った色合いもいただけない。
ただ、松井玲奈の表情に関しては実に上手く捉えられていて、本人の自画撮り以外では初めてその素材の良さが引き出された写真を見た。

森田美位子
藤本和典で2ページ。
ナベプロ主催オーディションのグランプリということで、押し込んだのかな・・・とも思ったが、流石に素材は良い。
写真の方はと言えば、初々しいの表情と、何と言うか涙ぐましいまでの自己補整を心掛けたポージングが微笑ましく、良い味。
インタビュー部分がどうかしていて面白い。 このキャラクターは掘り下げると無限の鉱脈が出て来そう。
87年2月生まれと言う事で、さほど若くは無いのだけれど、童顔なのと前述の通り初々しいのとで、実年齢より若く見える。

松田芙由香
Talented Beauty と題して、さまざまなジャンルからキラりと光る才能をお届けするらしい新連載の一回目。ミュージカル「アニー」にダフィー役で出演すると言う松田芙由香を寺坂Johny! の撮影で2ページ。
94年生まれなのに、アニーの子供キャストの中では最年長とのこと。 いい笑顔。

団地少女 Vol.11
アライテツヤの連載グラビアも11回目。 今回は「初めてメイクをしてもらった」と語る11歳、葵わかな。
少女と言うより幼女と言う感じでは有るがそれはさておき、この連載には珍しく動きの有る写真もありつつ、斜めに入り組んだ線を上手く使った2ページ。
判りやすい中に判りにくさが同居した2カット。 眼福。

川口春奈
藤本和典の撮影。 ストロボを上手く使った4ページ7カット。
シャッターを開けたままライトを使って光跡を描かせてから、ストロボをドカンと一発炊いてモデルを写しこんでみたり、寄れるだけ寄ってリングストロボを当ててみたり、手の込んだ写真。
技巧だけが先走っておらず、川口春奈も楽しそうなので上手くまとまっている。

北乃きい
桑島智輝の撮影。CDデビューにあたってのグラビアとあって、それらしく音楽スタジオで楽器やアンプを使った4ページ4カット。
桑島智輝は人工光源の下でその場に有るものを組み合わせて撮らせた写真に妙味がある。
照明を抑えたスタジオの中でギターやアンプを道具立てにすることで、役者属性のモデルに上手くスイッチを入れている。

スマイレージ
細居幸次郎の撮影で4ページ4カット。
全員が黒髪ストレートのロングヘアで、素人には見分けが付きにくいが、四人が四人とも平均以上の造作で且つその傾向がそれぞれに違うので、よくよく見れば見分けは付く。
現場派のAKB48客が流れたのがももいろクローバーだとすると、書斎派のAKB48客が入れ込んでいる(少なくとも私の周囲では)のがスマイレージ。
私の琴線には触れないが、身の回りの隠居連中が軒並み転ぶのは頷ける9人四様の可愛らしさ。

矢島舞美写真館 vol.6
隔月刊誌の6回目。 休載した号もあるので、季節は一回り以上。
根本好伸の撮影で8ページ10カット。 見開き1箇所。
曇天と言えど、雪原ともなると眩しげな表情にもなったりしているが、衣装からメイクからきっちり練られているので、写真としては見応えのあるものに仕上がっている。
特に2カット目3カット目が味わい深い。
矢島舞美は目線を外して意識のみをカメラに向けた写真が良い。
前半グラビアで顕著だったような、化学調味料を利かせ過ぎて平板になってしまうハロプロの手法が嫌いなのだけれど、矢島舞美のこの連載企画には、毎度唸らされる。

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「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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