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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2010-03-26 悲痛なる感激 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 16号

岡本玲
非常に面白いグラビア。
整った顔立ちではありつつ、飛び抜けた感じはなく、歯並びも良くない(そこが人工的でなくて良いわけなのだが)。
背は高からず低からず、体型も太ってはいないがどちらかというと貧相。 パーツそのものを見て行くと誉めるところは少ないのだけれど、いざ写真に撮られてみると、なんだかとてつもなく可愛らしくなる。
特に着衣の写真でそれが顕著で、表情から身のこなしから全てが実体以上。
水着の写真が有ったほうが雑誌としては売りやすいのだと思うが、それが蛇足であるようにすら思える。

チームYJの沼
北原と指原の漫画話。 ヤングジャンプ連載の漫画を北原は熱く、指原はぬるく語る。 休憩中の雑談からの文字起こしだそうだが、読み物として面白く仕上がっている。
北原里英は漫画を語らせても正統派。 きちんと広く深く読み込んでいる。 指原莉乃は漫画も好きなものだけを拾い読み。
斬られ役でいいからGANTSに出せと編集氏に持ち掛ける指原。 どうかしているが、このどうかしているダメさ加減が素晴らしい。
まったく碌な死に方はしないと思うが、このどうかしている加減の尋常でないところが指原の味なのだと思う。

渡り廊下走り隊
写真集からのグラビアを3ページ6カット。 集合で1ページ、四分割でピンの写真、最後に中川のバストアップの写真で〆。 さりげなくチームYJの仲川を推す構成。
菊地加入前の仕事なので四人。
似たような選り抜きグラビアが方々に載っているので、これについては別項にて。

_ 週刊プレイボーイ 13号

例によってブレイクヒストリーなる読み物が酷い。
気が向いたらコラムにでも。

巻中グラビアにSKE48からセカンドシングル選抜の連中。
巻末に渡り廊下走り隊。

SKE48
セカンドシングル「青空片想い」の選抜組でのグラビア。
撮影は例によって今村敏彦で、8ページ32カット。
今村らしい写真も見られるが、いかんせんロケーションが悪い。
編集後記でも軽く触れられているが、草原で撮る予定が前日の荒天で雪原に。
そこに水着で放り出された連中は、無理して笑ってはいるものの顔面蒼白。
松井玲奈に到っては半死半生の体。
元気そうなのは夏にしか風邪を引かないであろう矢神久美のみ。

8ページだったらスタジオ撮影分だけでも埋められたと思うし、上がりを見ればそちらの方が遥かに良い訳で、編集者のディレクションミスが足を引っ張っている。

これで屋外撮影分が光や空気感や背景を生かしていれば話は別だが、小間切れのクローズアップが多くて背景もヘッタクレも無い。
それでも上辺だけではない笑顔を絶やさないSKE48の面々の仕事振りは誉めてよいし、楽しく撮影する雰囲気を出せる今村も、その点では流石。
上がりに拘わってカリカリするカメラマンだとこうは行かなかったろうと思う。

屋内撮影分は実に良く撮れてい。 光を柔らかく回しているので、強い光に弱い松井玲奈の表情も生きている。
3ページ目までは見応えのある写真。 それが屋外撮影分を使った見開きの寒々しい写真で台無しに。
小さめの写真を屋内屋外取り混ぜて散りばめたページになると、屋内の良く撮れた写真と屋外の悲惨な状況下での写真の出来の差は歴然。
寒空であろうが雪原であろうが、そこに必然性が欠片でもあれば救いも有るのだけれど、青空の下の草原でやろうとしたそのままを寒空の下の雪原で演繹しようとしただけで、そこには必然性も救いも無い。
この編集者の無為無策がもたらした悲惨な状況下での連中の頑張りが、女子挺身隊的な「悲痛なる感激」を生んでおり、偶然の産物ではあるが見応えのあるグラビアが生まれている。

渡り廊下走り隊
例の写真集からのグラビア。 5ページ8カット。
平嶋のメイクが濃すぎる。 矯め過ぎて持ち味を殺してしまっている。
平嶋はその朴とつとしたところが持ち味なので、塗りたくって派手な顔に仕立てれば映えると言うものでもない。
その持ち味を生かすためには多田や渡辺とは違った方向からやらなければならない筈なのに、同じような扱い。
宿場女郎ではないのだから、派手に塗りたくれば良いと言うものでもない。
Girl next door を地で行く現実感溢れる平嶋の周りに現実感の希薄な他の連中が居る訳で、その中心を魅力的なものに見せないと、他の三人の持つ美点も引き立たない。

_ 週刊ヤングジャンプ17号

220ページからの見開きで、菊地あやかのインタビューとグラビア。
インタビューは、渡り廊下加入にまつわる話、解雇されてから復帰に到るまで、復帰以降以降の研究生としての日々、最後にこの一年半を振り返っての総括の四部構成。1ページと1/4のスペース乍ら、内容は濃い。

先日の他誌での御披露目グラビアに添えられたインタビューでは判らなかった多田と渡辺の反応が記されていて、漸く腑に落ちた。
渡り廊下以外のメンバーの反応であるとか、もっと知りたい部分はあるが、限られたスペースで良くまとめたとは思う。
AKB48とヤングジャンプの関わりは、神保町決戦以降のものであり、他誌に比べて長いとは言えないが、深いところまで掘り下げている。
付き合いの長さに胡座をかいた読むに堪えない記事を目にする事も多い中、貴重な2ページ。

この一年有半を振り返っての総括の中で菊地は、失ったものは確かに大きいし遠回りだったけれど、そこでしか得られないものもあったかも知れないと語っているが、まさしくその通りで、以前とは比べ物にならない強い輝きを放てるようになったと、私は思う。

順風満帆と言っても過言では無かった解雇前と比べると、復帰して以降は「復帰」とは言いつつも扱いは研究生であり、公演に出られても不定期で且つ代役かバックダンサー。 恵まれていたとは言い難い。
しかし劇場公演では勿論、大きな会場でのコンサートでも、後ろで踊っていてる連中の中に頭抜けたのを見つけて顔を確認すると菊地あやかで有ったことは一度ならずあり、何度唸らされたか知れない。
口さがない連中にはこの先も色々と言われ続けるとは思うが、背負った十字架の大きさと重さを自覚している菊地ならやっていけると思う。
良いインタビューだった。

グラビアの方はバストアップの一枚もの。
撮影はいつもの門嶋淳矢でも栗山秀作でもなく、桑島智輝。
柔らかく回した光の中、菊地の憂い顔の美しさを上手く切りとっている。

制服風のいでたち、ブラウスのボタンを二つ目まで外し、横からの風に軽く靡いた髪が頬に掛かり、口の端を少し歪めた、何か言いたげであるような、敢えて黙して語らぬような、様々な感情が入り混じった表情。
撮るも撮ったり撮られるも撮られたり、喜びと悲しみ、恍惚と不安、希望と絶望が一枚に凝縮された一枚。
順風満帆なままであったら、この表情は出せなかったであろうと思う。

菊地あやかは解雇されることで大きなものを失ったが、遠回りをすることでより多くの何かを得て戻って来た。

"J'ai l'extase et j'ai la terreur d'etre choisi." (Paul Verlaine: Sagesse II - IV - VIII)

_ コラム更新

コラム置き場に

    AKB48「総選挙」なるものの欺瞞
    日の当たらないところにも歴史はあるをアップロード。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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