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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2011-03-14 "アイドル"という言葉が輝く時代 [長年日記]

_ UTB 2011 4月号

表紙の中央には "アイドル"という言葉が輝く時代 とある。
グループアイドルばかりが持て囃される偏りはありつつも、アイドルであること、ファンとしてそれを楽しむ事が肯定されないまでも是認はされる世の中になりつつある事に感謝したい。

AKB48(大島優子、北原里英、小嶋陽菜、高橋みなみ、宮澤佐江)
表紙と巻頭グラビア、7ページ6カット、見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
見開きで集合、あとは個別で1ページずつ。
春らしくピンクで揃えつつ、個々人に合わせた「らしい」衣装。 高橋と北原は膝の下辺りから、小嶋は全身、大島と宮澤はアップ、ピントの置き場も深度も適切、そして構図の切り方が実に厳しい。
5人が5人「らしく」撮られているし、スカートの裾を掴む手、髪を触る指、様々な形で表情を出している。 切り取り方の巧さもあるが、小嶋と宮澤、そして大島が特に良い。

大島は困った写真。 表紙、集合、個別と全て違った趣の表情。 どれも良いのだけれど、個別のカットが凄まじく良い。 顔の右半分と左半分で考えている事が違うような、何とも形容し難い表情なのだけれど、それを読み解こうとするとずるずる引き込まれてしまうような怖さがある。
正常な判断が下せなくなるので、出来るだけ引いて見ていたいのだけれど、深みに嵌まりそうな一枚。

鈴木愛理
6ページ6カット、撮影は西田幸樹。
雪の降る街で撮った2カットと、屋内で撮った4カットで構成。
万遍無く廻った光の中で見せる柔らかな表情。 降り積む雪の眩しさは、浜辺の太陽の眩しさと「眩しい」が異なる。 曇天の西田幸樹にハズレ無し。
週刊誌などでは未だに真冬でも海辺で撮った水着グラビアを載せたがるが、それとは対極にある、季節に合わせたグラビアを乗せてくれるUTB。 有り難い。

bump.y
6ページ6カット、撮影は長野博文。
長野らしいグラビアでは有るが、今回は些か光が強すぎるようで、眩しげな表情が散見される。 この5人はね変な小細工をせずに撮った方が良いように思う。

松山メアリは大理石のような硬質な美しさ。 色気とかそう言うものとは、別の部分の美。
桜庭ななみは長野の撮影手法に身を任せて、「撮られる」と言うより「撮らせている」感じ。
高月彩良は長野に幻惑されて良い具合に思考を停止して素材の良さが出ている。 逆に宮武美桜は、毒気に当てられて呆然としている感じ。
宮武祭は、どうかしている小父さんの本質を見極めようとしているような表情。 ナボコフ的な少女ではなく、レーモン・クノー的なそれ。

橋本愛
4ページ4カット、撮影は熊谷貫。
撮り甲斐のあるモデルなのだと思う。 撮る側も撮られる側も、楽しそうな写真。
熊谷貫が、例によってゴリゴリ迫って撮っても、受けて立ち跳ね返せる力がある。
3ページ目が凄い。 これは熊谷貫にしか撮れないカット。
ともすればきつく切り取られがちな顔も柔らかく。

スマイレージ
6ページ6カット、撮影は桑島智輝。
集合で前後1ページずつ、個別カットを間に挟む構成。
ハイキー気味に撮って、肌の色を揃えている。 作り込み過ぎのような気がしないでもないが、綺麗には撮れている。
軽く扱われがちな福田や小川に手間が掛けられているのも嬉しい。
それぞれの個性が認知されたと判断したのかもしれないが、ショートカットで四人並べるってのは如何なものか。
メンバーの個性を上手く引き出している同業他社と較べて、この辺りが拙劣。 殿様商売。

逢沢りな
今年二十歳になる逢沢りなの大人を引き出した7ページ6カット、うち見開き1箇所。 撮影は細居幸次郎。
水着のカットより、服を着たカットの方が寧ろ艶っぽい。 布地面積を徒に減らすのではなく、ロケーションやメイク、そしてモデルの表情で醸し出す「大人」。 
二つ枕だがダブルベッドと言う、微妙なロケーションも良い。 4ページ目の横顔に引き込まれる。
最後の見開きも、大きな判型を生かし切った割付け。 写真を生かす編集が出来るのも、この雑誌の強み。

指原莉乃
立場が人を作る事を示す6ページ6カット。 撮影は桑島智輝。
部屋着っぽい白い衣装から徐々に薄着になって水着になる構成。 水着になると未だ表情が硬いが、服を着ている分にはカメラの前に素で立てるようになって来た。 大きな進歩。
無駄な自虐性が無いので、指原そのものの良さか無理なく引き出されている。
水着の写真も表情こそ硬いが、週刊プレイボーイの時のような陰惨さは無い。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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