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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2014-02-03 見るも無残 [長年日記]

_ UTB+ 2014 3月増刊

横山由衣
表紙と巻頭グラビア11ページ12カット、うち見開き一箇所。 撮影は小池伸一郎。
一寸これは無い。 UTBだけは中身を確認せずに指名買いしてきたが、此れまでで最低にして最悪のグラビア。 
どんなスケジュール調整でこうなったのか知る由も無いが、この状態の横山に11ページってのが私には判らない。 但し、カメラマンに罪はない。 エル・アラメインのイタリア軍みたいな絶望的な状態で、よく撮ったと思う。

今のAKB48のスケジュールで摂生をしろと言うのが先ず無理な話なのではあるが、塗り絵レベルのレタッチをしなければどう撮っても公に出来る写真にならないような体形になっている横山に水着の仕事を取ってくる了見がそもそも間違っている。
服を着た状態では誤魔化せても、水着になると構図を切る際に先ずウエストを中心とした「そのまま写ってしまっては困る部分」をどう誤魔化すか考えながら撮らなければならない。 そんな状況下に置かれては、どんなカメラマンでも良い上りなど期待するほうが無理である。

小池伸一郎の画面構成の上手さと構図の厳しさは出ているが、それが横山由衣を生かしているかと言うとそうでもない。 なぜなら、横山由衣が死んでいるから。
とれるポーズは限られており、自分の体形がどう言う状態にあるか判っているから表情も冴えない。 そもそも肌の状態がよろしくない。
どうにもならない手詰まりの状態で、見栄えはしないが使えない事も無いものをなんとか12カット撮り、選び出したカメラマンと編集者の苦労は見ておいて損は無いが、被写体としての横山には魅力の欠片も無い。

摂生しようの無い状況に置かれてそれに疑念を持てないと言うことが自分より我慢強くない同輩や後輩にどれだけの災厄を齎しているか、横山由衣は知るべき。
AKB48と言う組織の中の中間管理職としての評価が幾ら高かろうと、写真を撮られる職業の人としては落第。

_ UTB+ 2014 3月増刊(続)

矢倉楓子
6ページ11カット、撮影はMARCO。
ピントが甘いのは相変わらずだが、その場の雰囲気を汲み取るのは上手い。 余白が多く、引いて撮ると冗長なのも相変わらずだが、割り付けに助けられている。
セルフポートレートを恒常的に撮ることの弊害として「決め顔の画一化」があるのだけれど、矢倉もその陥穽に陥っており、カメラと素で向き合えていない。
撮る側が間合いを外したカットでは生きた表情も見られるので、素材としての良さは垣間見られるが、一寸物足りない。

宮脇咲良
6ページ9カット、撮影は桑島智輝。
こちらも決め顔の呪縛に囚われすぎている。 一寸困ったような顔をしてみせると映えるのは判るが、その顔しかしないと言うのはどう言う事なのか。
自己演出についての指原莉乃のアドヴァイスは正鵠を得ていると思うが、それを金科玉条としてしまっては指原の意図に反するのではないか。

松村沙友理
6ページ7カット、撮影は資人導。
UTBに於ける乃木坂46のグラビアは何時も乍ら練られていて見応えがある。
メイクや衣装だけでなく、ライティングも変えて、通奏低音を響かせつつ、ページを繰るごとに印象の変わるブーレ。
紋切り型のポートレートではあるが、6ページ目が秀逸。
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2014-02-08 吹雪を呼ぶアイドル [長年日記]

_ せのしすたぁ1stアルバム「I'm sick !!!」発売記念インストアライブ(タワーレコード新宿店)

福井の荒ぶるアイドル せのしすたぁ が上京とのことで、見に行ってきた。

数十年に一回の大雪とあって、郊外在住の知己の中には都内へ出てくるのを断念したのも居たくらいで、前評判の高さからすると多くは無い集客。 それでも観覧エリアは埋まっていた。

大体時間通りに開演。 黒いキャミソール的なものの上から白いワイシャツに黒いネクタイを締め、下は黒のパンツと言うかスラックスと言うか。 ジャケットとボルサリーノを脱いで、サングラスを外したブルースブラザースと言った感じのいでたち。 のっけから紙袋を被って登場し、しばらくそのまま歌う。
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IRAごっこ由来かと思ったら、そう言う事ではないようだ。

喋りは達者と言うほど達者ではなく、内容も詰めて来てはいないのだけれど、その分 "その日" "その時" の客の状態に合わせて臨機応変に。 横から最低限の指示は出るので、ぐだぐだになり過ぎる事も無く、喋ってダレると見るや次の曲に行く潔さもあるので間延びし過ぎる事も無い。

紙袋をぶん投げたあと、しばらくはステージの上だけでおとなしく(おとなしくも無いが)歌い踊っていたが、エンジンが掛かって来るとかわるがわる客席に下りてきて煽ったり叫んだり、オーイングサークルに参加したり、最前列でガッツいたり。 仕舞いには柵を乗り越えてステージに戻ったり、その柵を客が支えたり。
客席に下りてきても怪我人が出るような騒ぎ方ではなく、割と牧歌的。

客の側の自己顕示の為の悪ふざけも突出した形では現れず、ステージの上から盛り上がることを強要することも無い(なぜなら、そう言うときは下に下りてくるから)

コアな客は所謂「ピンチケ層」と「クラブ系(いろんな意味で)」に分かれているのだけれど、それなりに上手くやっていていがみ合うことも牽制し合うこともない。
客の規模と質のバランスの上に成立した幸せな祝祭空間。
オケのベースラインがしっかりしているからか、アイドル現場にしては珍しく手拍子が走ることも遅れることも無い。 これは曲作り音作りの上手さを象徴しているように思った、

歌詞に感謝するくだりがあるところでは「土下座しまーす」と明るく土下座。 客も一斉に土下座。 まったくどうかしている。

歌声は ゆうほ が主で、まお が従と言った感じ。 声量と声の質で引っ張っている。
振り付けは ゆうほ が担当していて、動きもエモーショナル。
喋ったり煽ったりする部分は まお が、歌って踊る部分は ゆうほ が主導、役割分担をざっくり纏めると別表の通り。

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ひとしきり暴れた終演後、店の人に「すいませんでした!」と土下座していたのが面白かった。

参考:せのしすたぁオフィシャルサイト


2014-02-16 I wish time could stop for us. [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2014 11号

大島優子
表紙と巻頭グラビア8ページ7カット、うち見開き1箇所、撮影は西田幸樹。
大島優子のグラビア見るのは何時以来だろうか。 職場への行き帰りにコンビニエンスストアや書店が無いのと、所得に限りが有るのとで、限られた指名買い出来る媒体しかチェックできていないので、私の見ていないところでは掲載されていたのかもしれないが、久し振りに見た大島は瘧が落ちたと言うか、実に良い顔をしていた。

衣装は丈長で透かしの入ったコットンのキャミソールワンピースとミニ丈のタートルネック・ニットワンピースの2パターン。 部屋の外で撮ったカットでは、キャミソールワンピースの上にニットコートを羽織っており、この辺りの季節感の出し方がヤングジャンプらしい細やかさ。
薄着だが水着ではなく、季節感も出しつつ薄着である不自然さを軽くする道具立て。
時間の無さは感じられるが、限られた時間の中でどれだけの事が出来るか、しっかり練られた上で撮影されているのが救い。
西田幸樹は何時もながら光の足し算引き算が巧み。 今回は引いて撮れない状況だったこともあってか、寄って撮った締まった構図。

AKB48の頸木から解き放たれれば、大島優子は役者へと舵を切ってしまうだろうし、アイドルの顔をして見せることも無くなってしまうだろう。 それはそれで喜ばしいのだけれど、アイドルとしての大島優子を静止画として記録する時間と労力を充分に掛けられないまま今日に到ってしまったことが、私は残念でならない。

写真だけで語り尽くし得る8ページなのだけれど、各ページにキャプションが入っている。
表紙を繰って1ページ目、後ろ手でドアノブに手を掛ける大島の立ち姿の横に「時 間 よ 、と ま れ」と縦書きに。 これで先ず涙腺が緩む。
用意された衣装をどう着れば、着た上でどう振舞えば映えるかを分かった上で扇情的なポーズをとってみせる過剰なまでの仕事師ぶりは相変わらずで、鼻白むところ無きにしも非ずなのだけれど、それを上回る表情と仕草の訴求力。 こう言う大島優子が見たかった。
更にページを繰ると見開きでソファーに凭れるカットが現れる。 口を真一文字に引き結び、眩しい訳ではない光線状態なのに下瞼が緊張した、何か涙を堪えるかのような表情。
全てのカットに、濃淡はあれど微妙に翳が有り、青少年のリビドーを刺激する種類の万人受けするようなグラビアにはなっていないが、大島優子に幾許かでも好意を持つ者が見れば、まさに今しか撮れない写真が、一齣に永遠を閉じ込めるような良質のグラビアが、この世に遺された事を感じ取れるのではないだろうか。

最後のカットはドアを開けて、去り際に振り返るような一枚。
ドアに掛けた左手に、扉の向こうへ去ることを逡巡するかのような揺れ動く心が表れている。

忘れられないものになるであろう、良質な8ページ。

_ 更新情報

コラム置き場に

自己実現に失敗した大人達の失われた人生を押っ被せられるアイドルの不幸についての一論考

をアップロード。
書いたり消したり直したりしているうちに年を越し、春になってしまった。


2014-02-17 らく里の道も一歩から [長年日記]

_ 立川らく里の会 ~らく里の道も一歩から~

大雪の余波で諸方交通機関が乱れる中、安定して動いている都バスで両国へ。
前夜にテレビで両国の町が取り上げられたらしく、焚き付けられて町をうろつく輩も多かったようだ。

「生兵法」立川寸志
「動物園」立川らく里
「時そば」立川らく里
<中入り>
「血煙高田馬場」「敵違い」「月世界旅行」片岡一郎
「熊野の牛王」立川らく里

開口一番は談四楼門下の寸志さん。


「生兵法」立川寸志

以前見た時に感じた天狗連臭がなくなり、口調のよさだけでは無くなっていた。 間が良い。

片岡一郎さんの活弁は流石に真っ暗な中で撮ったものはどうにもならず、写真は無し。
メリエスの「月世界旅行」は四方田犬彦の著作の中で紹介されていて知ってはいたが、実際に見たのは初めて。 思ったより雑なつくりで、その粗雑な筋立てをあの手この手で補完する弁士の語りが楽しい。

らく里さんは根多おろしも含めて三席。
「熊野の牛王」は「権助魚」の続きと言うかサゲの違うものと言うか。 誰もやらない物と言うのには、大抵合理的な(つまらないとかわかりにくいとか)理由があるものなのだけれど、蛇足と言えば蛇足ではあるのだけれど、これはこれで良いかなと思えるもの。
らく里さんの落語の面白さは、先代可楽にも似た「吐き捨てるような科白」と、謎の信念に凝り固まった困った人の描写にあると思うのだけれど、新作を演る際に色濃く出ていたそれらが、聞き慣れた古典にも出るようになっていて驚きつつ楽しんだ。

「動物園」立川らく里

_ その他の写真は

こちらに

立川寸志
立川らく里


2014-02-24 悲喜こもごもな土曜 [長年日記]

_ ドロシーリトルハッピー「STARTING OVER」リリースイベント(亀戸サンストリート)

墓参を済ませて都内へ戻る車中で時計とスケジュールと見比べて、なんとか間に合いそうな亀戸へ。
日曜の田舎の電車の事ゆえ接続が悪く、サンストリートに辿り着いた頃には一時を回ってしまっていたが、開演が遅れたらしく一曲目の途中に間に合った。

風は冷たいが、南中高度が上がった所為か陽射しは強くなっており、日なたに居る分には暖かい。 晴れた土曜とあって買い物客も多く、目当てで来た客以外にも足を止める人は多く居た。

リーダーの白戸が「今日から10日連続のリリースイベントです。」と話すと、客も演者も苦笑。 リリースイベントもフルアルバムとなると連日それなりの曲数を披露することになり内容も変えなければならない、客の側も枚単価が上がることによる可処分所得への食い込みが厳しくなる。

見終えてから友人とも話したのだけれど、このアルバムの少し前から、音作りが変わってきたような気がする。 音数が減ってシンプルになった分、聴きやすくなった。
振り付けもこれ見よがしに激しく難度の高さを見せ付けるようなくどさは無くなり、高度な表現技術を事も無げにこなしてみせる方向に舵を切られており、スーフィーのスカートのように回転することで美しく広がるスカートを生かした貯めの有るターンも増えた。
これまでの盛り込み・詰め込み過ぎてくどく野暮ったかった部分が整理されて、よりシンプルに。 この方向性は間違っていないと私は思う。

スケジュールの都合とかで早坂がお休み。 全篇被せオケ無しの生歌でやっているので、歌割りに関しては変更があったようだが、フォーメーションに関してはそのまま。 この辺りの判断も良い。

今日は全員ストレート。 髪の長さや髪質、振り付けの解釈が異なるので髪の躍らせ方にも微妙な違いがあって面白い。

高橋麻里は湿度が低いのと激しく踊る曲の後に歌い上げる曲が続くセットリストに手古摺っているところもあったが、今日も安定した歌唱。

秋元瑠海は定型から少しはみ出すくらいの大きな動き。 それを悠々とこなすので見ていて飽きない。

どのメンバーについても言えることなのだけれど、動きの激しさから凶相になることが無くなり、声を張り過ぎなくなった事により悲壮感も消えた。 これは大きな、良い変化だと思う。 

_ WALLOP放送局『坂本寿里 卒業ミニライブ』

メグリアイの坂本寿里が本日限りとの事で、万障繰り合わせてみた。
出演は坂本のほか、山田・山中・佐々木・大塚・野月の6名、受験期間でお休みの岡崎みさとと、体調不良らしい白鳥愛花がお休み。

今回は企画コーナー無しで全篇ライブ。 坂本が考えたセットリストが上手く出来ていて、最近あまりやっていなかった曲も含めて盛り上がれるものを中心にしつつ、聞かせる曲も挟み、最後に代表曲中の代表曲で〆る趣向。

構成の良さもあってライブそのものは楽しかったが、今日で辞めて行く坂本がアイドルとしての振る舞いに飛びぬけて長けており、今後に不安は残った。

坂本はキャリアが長いこともあって持ち歌の全てを自家薬籠中のものとしており、振り付けも動きの持つ意味を解して踊れているし、客の総体を大掴みに捉えていて、その場に居るすべての人を殺しに行っているのだけれど、4期以降になるとこれが出来ていない。

4期5期の連中が、そうした表現技術以前に振り付けやフォーメーションを憶えるのに汲々としているのを見るにつけ、メンバー個人の資質ではなく送り手の矜持に係る部分の欠落が状況を沈滞させているように思う。

<時間切れ、この項続く>



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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