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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2014-05-07 [長年日記]

_ フォトテクニックデジタル 2014 2月号

仙石みなみ
14ページ17カット、見開き1箇所。 撮影は松田忠雄。
グラビアの仕事も多くこなしている割に仙石みなみの表情が単調。 顔の構造上仕方が無いのかもしれないが、意識しないと口が閉じられない。
13ページから15ページまでの4カットと17ページの後ろ向きになったカット以外、全て口が半開きで、意図してかどうかは判らないが笑顔寄りの表情になってしまっている。
口を閉じきらないまでも開かないように意識したカットでは表情に諧調を出せているので、これまでそうした事が求められて来なかったのだと思われる。
指示されれば出来るけれど、自らはそれが出来ない。 反骨を売りにする割に、考える努力をしない。 これがアップアップガールズ(仮)と言うグループを私が評価しない理由の一つであり。 アップフロント傘下で成り上がることしか考えていないような「内輪受け」感がどうにも鼻につく。

閑話休題、前述の13ページから15ページに掛けての4カットはモデルとしての可能性を感じる佳品。 放っておくと同じ顔になってしまうのだけれど、それを松田忠雄が矯めつ眇めつして撮った過程をなぞりながら見ると面白い。

香音
6ページ8カット、撮影は長野博文。
前半の屋外撮影分は些か塗りが厚く見えてしまっているが、後半のスタジオ撮影分はそれなりに。 背景の緑はまさしく長野のそれなので、地の肌の色が浅黒いと長野マジックが逆効果になってしまうのかもしれない。

カールツァイス・ラヴァーかく語りき(松田忠雄インタビュー)
松田忠雄の語る、コシナが復活させた旧ヤシカ・コンタックスマウントレンズ群についてのあれこれ。

― ところで、お使いのツァイスはマニュアルレンズですけど不便なところはないですか?
松田「個人的には、オートフォーカスの測距点でピントを合わせてから、再フレーミングをするというのが大嫌いで、マニュアルしか使いたくないんだよ。だからそういった面では全然。鏡筒の"鉄"という感じとか、リングの感触もいいしね。
(フォトテクニックデジタル 2014 2月号、54ページ)


私の機材や撮り方では参考にならない上に不愉快になることすらあり、レクチュア系の記事は殆ど読まないのだけれど読み物として面白かったし、このくだりは大いに頷けた。
ファインダーさえ良ければマニュアルフォーカスの方がストレスが少ないこともある。
私は純正ツァイスが写り過ぎるので厭になり、メイヤー系レンズとノフレクサーしか使わなくなってしまったのだけれど、松田忠雄のツァイスレンズ評は概ね正鵠を得ていると思う。

高須力のライブ a GOGO!(LinQ)
相変わらず決定的瞬間狙いで説明的過ぎる写真が多いが、撮影場所を選べて何箇所かで撮ることが出来た所為か、臭いなりに上がりは悪くない。
ただ、ここからLinQのライブの楽しさがどんなものであるかは感じられないので、その点に於いてライブ写真としての大切なものは矢張り欠けているように思う。

_ フォトテクニックデジタル 2014 3月号

小島瑠璃子
14ページ19カット、撮影は上野勇。
体育館、スケートリンク、ゲレンデ。 動かしたり止めたりしてさまざまな表情を引き出している。
スケートリンクで転んだ体でのカットなどは臭すぎるが、表情も多彩。 可愛らしかったりきりっとしていたり、基本的に商売用の小島瑠璃子の顔をしつつ、時折それ以外の顔も出しているのが良い。
事務所の大きさもあると思うが、仕事が引きも切らずあるのは理解できる。

WHY@DOLL
6ページ13カット、撮影は長野博文。
スタジオで4ページ、屋外で2ページ。 肌が白くメイクも薄いことが幸いしてか、スタジオ撮影分は長野博文らしい透明感のある仕上がり。
撮られ慣れてはいない被写体を上手く泳がせて撮った屋外撮影分も良い表情。

高須力のライブ a GOGO!(WHY@DOLL)
引き続きライブの模様を4ページ6カット、撮影は高須力。
狙撃兵が白兵戦に巻き込まれて、まごまごして被写体との距離を測りかねているうちにライブが終わってしまったような虚無感。
そしてスポーツ写真から脱却できずに撮っているのでコントラストとシャープネス(シャッタースピードも)が過剰。 結局のところ、この人は何が撮りたいのであろうか。
長野博文の撮ったものと較べると何が過剰で何が足りないのかが見えてくる。 髪の毛の靡き方、肌の質感、表情の諧調、これらに無頓着。
結局この人は連載の中で読者に何を見せたいのだろうか。

_ UTB 2014 4月号

川栄李奈
表紙と巻頭グラビア12ページ11カット、見開き1箇所。 撮影は佐藤裕之。
生き物としての川栄李奈の愛らしさは十二分に引き出されているが、表情が一種類しかない。 それは無理をして作った表情が無いからでもあるのだけれど、作られたキャラクターに縛られ、消費されていく明るくない未来を暗示しているようにも思えた。
パンドラの匣の底に残された希望のような川栄李奈の笑顔が微かな救いにはなっている。

兒玉遥
6ページ9カット、撮影は桑島智輝。
色調からMARCOの撮影によるものかと思いきや桑島智輝。 何でも撮れてしまう事に改めて感心。 引きで撮った構図の厳しさは矢張り桑島智輝。
真ん中に立つこと、グループを背負うことを強いられる痛々しさが先に立っていたのが、全体的に大人びることで緩和されている。
前髪の分け目を少し横にずらすだけで、顔の印象は大きく変わる。 勿論、良い方に。

渋谷凪咲
6ページ9カット、撮影は小池伸一郎。
先ず感じたのは、怪我をし難そうな足であること。 AKB48グループは足腰の怪我で棒に振る連中が多すぎる。
表情が単調で、笑顔も未だ硬いのだけれど、カメラをきちんと見据えられているのは良い。

大和田南那
5ページ8カット、撮影は門嶋淳矢。
未だ撮られ慣れていない初々しさと、悲惨になり過ぎないぎこちなさが程よいバランス。
1ページ目と5ページ目。 小細工せずにカメラと向き合えているのは良い。

足立梨花
可憐と妖艶の狭間にあって、その両方を見せようとする試み。
体形の上でのチャームポイントは抑えつつ、「抑える」程度で済ませておく程の良さ。
役者仕事が増した所為か、表情にも奥行きと幅が出てきた。

斉藤優里
6ページ10カット、撮影は唐木貴央。
光の良く回るスタジオと公園の二本立て。
表情の諧調の乏しさはカラーコンタクトの所為であろうか、アップになると死んだ魚の目の如く。
UTBが手がける乃木坂46のグラビアは、練り上げられた質の高いものが続いてきたが、今回は残念な出来。
ただこれは、斉藤優里の無自覚に依るところ大。

中山莉子、小林歌穂、星名美怜(私立恵比寿中学)
6ページ12カット、撮影は桑島智輝。
撮られ慣れていない連中を束にして、ワイワイやらせて硬さを取った12カット。
小林歌穂が笑いすぎて破綻しかけているが、顔見世グラビアとしてはまあまあ良く出来ている。 

荻野可鈴
5ページ7カット、撮影は栗山秀作。
水着でもセーラー服でも表情に曇りやブレが無い強さ。
カメラともカメラマンとも臆することなく向き合えており、カメラマンもよくそれに応えている。
昭和の日本家屋、アパートの一室のような所で撮っても、適度な湿り気は感じさせつつ、じめじめさせないのが栗山秀作。

石田佳蓮
4ページ6カット、撮影は井ノ元浩二。
可も無く不可も無く、特筆すべき所も無く殊更貶す所も無い、それなりに良く撮れたグラビア。

若田部遥・指原莉乃
6ページ8カット、例によって指原莉乃とのページのみ見開き。 撮影は藤本和典。
どうしても父親の顔が先に浮かんでしまうところに持ってきて野球場でユニフォームを着せたりするものだから、何とも言えない出来。
これは藤本和典の仕事に係る部分ではなく、見る側の先入観の問題。
父の顔がチラつかないカットは可愛らしく撮れていると思う。

小桃音まい
2ページ2カット、撮影は桑島智輝。
漸くメジャーデビューと相成った小桃音まい、クシャっと笑った顔も良いのだけれど、今回は澄まし顔で2カット。

松浦雅
4ページ6カット、撮影は長野博文。
いつもの長野味。 動かしたほうが表情が生きてくる。

佐々木莉佳子
5ページ8カット、撮影は熊谷貫。
物怖じしない小学生とゴリゴリ迫るカメラマンが対峙した8カット。 熊谷貫を前に一歩も引かず、動物すら手懐けてしまう佐々木莉佳子の胆力。 後生畏るべし。

田名部奈菜美、羽賀朱音、船木結(ハロプロ研修生)
6ページ8カット、撮影は大江麻貴。
国策ポスターのようなインチキ臭い構図多めながら、撮られ慣れていないモデルをあやして表情は上手く引き出している。

中島早貴
6ページ8カット、撮影は小池伸一郎。
ハロプロ写真集のテンプレート通りの詰まらない作りながら、随所に小池伸一郎らしい背景の縦横線を生かした構図が生きているし、過剰に表情を作らない中島早貴の潔さが美しくもあり、出来としては悪くない。

Juice=Juice
この期に及んで白ホリの顔見世グラビア。
佐藤裕之の上手さが全く生かされておらず、論ずる価値も無い。
これは事務所がオタンコナスである典型例。


「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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