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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


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酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2014-12-09 野暮な企画の野暮役場 [長年日記]

_ 落語立川流真打トライアル(第3回)(26.12.3 日暮里サニーホール)

「紙入れ」 談奈
「尻餅」 錦魚
「淀五郎」 志らら
<中入り>
「ろうそく」「奴さん」 らく朝
「鼠穴」 らく里

例によって開演後入場。 六時まで働いて六時半に日暮里なんざ辿り着けよう筈もなく。
前のほうに年寄りが多く、後ろのほうに勤め人然とした風体の客が多いことが客層と開場時間の関係を示している。
入場枠は増やしたようだが、噺家の人生を左右しかねないイベントの割に箱が小さ過ぎる。

「紙入れ」は旦那が帰って来る前くらいから。 一席終わるまでとりあへず立ち見。 このあたりの機微も判らない人が増えた。
次が始まる前に空席に潜り込み、ふと目を上げると談大さんのお客さんだった人。

「紙入れ」は詰めの甘さとフラの境目くらいのいつもの感じ。 妙な入れ事もなく、まずまずの出来。

年の瀬の話しをマクラに振って、どちらかなぁ・・・と思ったら「尻餅」。
こう言う毒にも薬にもならない、へらへら笑っているうちに終わって何も残らない噺が私は好きだ。 馬鹿馬鹿しく賑やかに。

師匠から指定された根多を掛けなければならないのは苦しいところだが、今月は柄に無い噺を演っている感はありつつも、理不尽に翻弄される淀五郎の軽さが、志ららさんらしく描き出されていた。
一と太刀怨むのではなく、滅多刺しにしようとする淀五郎。 斬ると刺すの間に横たわるもの。 五万三千石になりきれないちぐはぐさが、意図したかどうかは判らないが表れていた。

中入りのロビーの空気は矢張り重い。 客が客として楽しめていない。

「ろうそく」は「死神」の筋を借りて「疝気の虫」のサゲをつけたような大腸癌予防の健康落語。 亡くなった柳昇師の「課長の犬」のような置き換え系の新作で、口調は古今亭。 噺も口調も掴み込みで志らく一門っぽさは欠片も無い。
笑いの量はあり、若し今もBコースがあったら文句無く真打だと思う。
一席終えて踊り。 陽気に演るのは良いが、一々「奴さんだよぉ」だの「姉さんだよぉ」ってのが如何にも野暮。 割り切った野暮ではあるが、私が見たいものとは対極にある代物。
客の方も野暮については相身互い、手拍子が裏んなったり表んなったり忙しい。

マクラを振らずに「鼠穴」。 ざわついた空気が締まる。 前回の「六尺棒」はトントーンと進んでサゲまで駆け抜けたが、入り組んだ噺だけにそうも行かず、イップスが出るところもあったがリズムにズレが出る程度に抑え込んでいた。
客の携帯が鳴り出したりもしたが、不測の事態をサラリ切り抜けてなんとかするのが真打。
色々あったが悪くない出来だったと思う。

持っていたチケットは三回目までなので、ここで私の併走もお仕舞い。
気にはなるので見には行ったが、楽しい会ではなかった。 つくづく、野暮な企画だと思う。
会場の大きさであったり、開場・開演時間であったり、開票の方法であったり、企画として煮詰めきれていない部分が有り過ぎる。
その野暮を嬉々としてやってしまうところに談志不在による師匠連と談志役場のおやかり具合が見え隠れ。


「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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