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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2014-12-21 Showroom Dummies [長年日記]

_ UTB 2014 6月号

乃木坂46(生駒、生田、松村、若月、秋元)
表紙と巻頭グラビア14ページ17カット、見開き2か所。 撮影は佐藤裕之。

集合とインタビューで見開き。 水着にさせない乃木坂らしく、なるべく薄着にしたカットと、服を着せたカットで一人2ページ2カット。

薄着にしたカットは、薄着にしたことで或る程度完結してしまっており、服を着たカットの方が曲が有って面白い。

右手にはレオニー・スヴァンの「Three Bags Full」を、左手には鼈甲縁の眼鏡を持ち、ツルの先を顎に当てて何やら思案顔の生駒。
ワンピースの第一ボタンだけ外しているのも良いし、眼鏡を掛けずに手に持たせ、敢えて古典的なポーズを取らせているのも良い。

松村のすっとぼけたような柔らかい表情も良い。
こんな暢気な笑顔ももう見られないかも知れない訳で、中高年向け下衆ジャーナリズムにアイドルが消費される事が是認される世の中に対する憤怒が湧き上がる。

庭先で椅子に腰掛けてアフタヌーン・ティーと洒落込む生田。
絶妙な光がうっすらとスカートを透かす。

ヘアメイクをガーリィに、衣装をボーイッシュにした若月も良いが、秋元だけは撮りあぐね撮られあぐねた感じで割を食っている。


眉を出るか出ないかくらいに前髪を整え、表情に幅を出したヘアメイクも良い。

藪下柊
6ページ10カット、撮影は桑島智輝。
撮られるのは上手く、ソツが無い。 然し乍ら「撮られたい」表情しかしないのと、諧調に乏しく引き出しが少ないのとで退屈な写真。
小さく纏まるには早すぎる。

古畑奈和
7ページ9カット、撮影は佐藤裕之。
カメラの前に素で立てるのが先ず良い。
表情にも諧調があり、仕草に味があり、組んだ腕、絡めた指に意味を持たせられる。
先輩と組でした仕事で学んだことを、一人の仕事でもきっちり生かしている。
佐藤裕之の外光の入る屋内での構図の切り方、光の組み立て方は矢張り上手い。

朝長美桜
6ページ9カット、撮影はTakeo Dec.
一種類しかない笑顔を、撮る角度で切り分けて6ページもたせるTakeo Dec.の力技。

山本舞香
5ページ7カット、撮影は熊谷貫。
モデルとして撮られ慣れているからか、寄って撮られてもたじろがない。
熊谷貫もいつものゴリゴリした寄り方ではなく、にじり寄るように撮っている。
焦点の置きどころも深度も的確。 2ページ目4ページ目の寄ったカットが秀逸。

吉本美憂
5ページ9カット、撮影はサトウノブタカ。
インタビューでも何かしらのストーリーを組んで撮られていると語っているが、何かしらの役になっている自分ならざる誰かになっていないとカメラの前に立てない役者属性の面倒臭さが写真にも出ている。
ソツは無いが面白みも無い。

今野鮎莉
5ページ7カット、撮影は熊谷貫だが、可もなく不可もないルーティンワーク。

おのののか
6ページ9カット、撮影は小池伸一郎。
小池伸一郎の写真を見る度に、背景の構造物の描き出す線を探してしまうのだけれど、今回はワイヤー入りの窓ガラスの描き出す縦の線をアクセントに使っており、それが面白い効果を出していた。
背景と被写体の間にある、うっすらとした何か。

谷真理佳×指原莉乃
例の連載企画6ページ7カット、撮影は桑島智輝。
インタビュー部分では全く説明が無いが、谷をお嬢様に仕立てて6カット。
借りてきた黒猫の不敵な面魂も含め、道具立てが面白い。

上野優華
5ページ9カット、撮影はサトウノブタカ。
屋外でセーラー服、屋内で部屋着。
どことなくヤングジャンプの巻頭グラビアを思い起こさせる健全な9カット。

植村あかり
5ページ5カット、撮影は山中優子。
全体としてピントが甘い。 甘いと言うか、意図したところに来ていない隔靴掻痒感。
2ページ目など面白い写真もあるのだけれど、拙さが先に目に付いてしまう。
植村あかりの撮られ方が上手くなっているのが確認できたのが救い。

ハロプロ研修生(牧野、小川、佐々木、田辺、浜浦)
7ページ8カット、撮影は佐藤裕之。
3ページ目の個別カットを除く全てのカットが冗長。
クラフトワークのジャケット写真のような並び写真。 Showroom Dummies

工藤遥
6ページ8カット、撮影は本田龍介。
漆喰で塗り固めたような、肌の過剰な加工がいただけない。
2ページ目などは良いのだけれど、出来不出来の差が激しい。
まぁ、ハロープロジェクトは事務所の過干渉が常にあるので、この仕事だけでカメラマンの力量は判らないが、塗り絵レタッチ芸であることは判った。
背景や周囲に物が無い時の構図の切り方は良いのだけれど、配置と整理が出来ないのはいただけない。

鈴木愛理
6ページ7カット、見開き1か所。 撮影は西田幸樹。
シンガポールでの撮影ながら、光を上手く回したり殺したりして、南国感は出しつつ過度に眩しげな凶相にはならないように撮っている。
見開きのカットが良い。 凄艶。

_ UTB 2014 8月号

川口春奈
表紙と巻頭グラビア10ページ9カット、見開き1か所。 撮影は桑島智輝。

スタジオ撮影分が出色。 久々に閉鎖空間での桑島智輝の腕の冴えを堪能。
川口春奈は映える角度が非常に広いのだけれど、あまり撮られる事の無い角度から攻めていて、その視点の見つけ方にも驚かされる。
しかし川口春奈、どこから撮っても隙が無い。

木﨑ゆりあ
7ページ8カット、撮影は山口勝己。
ライティングで白木﨑と黒木﨑を撮り分ける万国白黒ショー。 白く飛ばした方は山口勝己らしくあるが、浅黒く撮った方が木﨑ゆりあの本来に近いように思う。
どちらも精緻に組み立てて撮ったブツ撮りで、生き物としての息遣いは感じられないが、造形美については粗を隠して実に上手く切り取っている。

白間美瑠
7ページ12カット、撮影は西條彰仁。
表情は一本調子だが、映える角度が広いので切り取り方の工夫で7ページ持たせている。
西條彰仁の撮り方としてパターン化された枠内での仕事である詰まらなさは有るし、光を些か強く当てすぎた撮り方は好みでは無いが、陰翳で身体の線を描き出す技術には唸らされる。

向井地美音
6ページ11カット、撮影は長野博文。
当たり前と言えば当たり前なのだけれど、水着のカットになると表情が強張る。
服を着たカットでも表情は些か単調なのであるが、6ページ目などはカメラと素で向き合えており、被写体としての可能性は見て取れる。

村山彩希
5ページ10カット、撮影は佐藤裕之。
こちらも水着になると固まる。 水着で写真に撮られると言うのは一種異様な状態なので、そうならない方がおかしくはあり、村山を責めるのは当たらない。
パーカー一枚でも羽織れば和らぐのも微笑ましく、水着以外のカットに関しては上手く撮られている。
映える角度を探るのに手間取った形跡はあるが、現状での最適解には近いのではなかろうか。

星野みなみ
6ページ8カット、撮影は長野博文。
若干眩しがりの気があり前半はあまり良い出来ではないが、最後のページのヴァイオリンを構えたカットが実に良い。 これで帳尻が合った。

X21(籠谷、末永、長尾)
オスカーらしい詰まらないグラビア。 ワニブックスなのに近代映画社テイストな旧態依然とした6ページ9カット、撮影は佐藤裕之。
事務所としてはこの程度の顔見世グラビアでも良いのであろうか。 とりあへず佐藤裕之に撮らせる意味は無い。
まぁ、声のかかった仕事を先方の指定する仕様に合わせて納品するのも仕事のうちではある。

廣田あいか
6ページ8カット、撮影は佐藤裕之。
ドクター・イエローのプラレール、世田谷線の上町踏切など、業の深い鉄道好きである廣田の趣味嗜好に合わせた道具立てとロケーション。
雨天とあっていつも以上に柔らかく廻る光を使って、浮世離れした非現実的な佇まいを上手く切り取っている。

譜久村聖
6ページ8カット、撮影は西條彰仁。
表情は例によって単調。 切り取り方の工夫で何とかしている。
写真としての出来は悪くないのだけれど、西條彰仁のルーティンワークと言うか何と言うか。 産業グラビア。

矢吹奈子・田中美久
6ページ14カット、撮影は國方大。
仲良く遊ばせてカメラに対する意識を薄くしてから撮る羽仁進的手法で撮影した3ページ目が良い。
全体を通してほぼニコパチなのだけれど、子供らしい可愛らしさを撮るにはこれで良い。

吉川友
写真集からの5ページ7カット、撮影は西條彰仁。
太く写らないように技巧が凝らされているが、それが些か鼻につく。
そこはまぁ事務所の意向であると思われるので、カメラマンが下手な訳ではない。

ハロプロ研修生(段原、大浦、新沼)
5ページ7カット、撮影は長野博文。
事務所指定の枠の中で、如何に写真にするかという不毛な作業の中でも最善は尽くされており、何とか見られる出来。
下らない縛りの中で打率五割は褒められて良い。

真野恵里菜・矢島舞美
7ページ8カット、撮影は山中優子。
この二人を組ませると、通常は出来の良いグラビアになるのだけれど、山中優子の撮り方が拙く、真野恵里菜が割を食った格好。
借金のカタに撮らされたビニール本のような生々しさはあるが、そんなものは犬も食わない。

剛力彩芽
写真集からの6ページ8カット、撮影は橋本雅司。
どこにでも押し込んで来る事務所の売り方で悪評を聞く事も多いが、撮られ方の上手さと、されるがままのようでいて「らしさ」は出して来るところに "それでも売れる理由" が見えて来る。
何故か奇数ページが良い。

_ UTB+ 2014 7月増刊

宮本佳林
写真集の other cut で11ページ12カット、見開き1か所。 撮影は西田幸樹。
ハロープロジェクトの写真集と言う事で期待はしていなかったのだけれど、そこは西田幸樹。
日中の屋外でも写真にしてきており、最終ページでは雨に恵まれてすらいる。
笑顔、真顔、ビックリ顔の三種類しかない表情も、目を閉じさせたり切り取る角度を工夫したりで変化をつけている。
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岡田奈々
7ページ12カット、撮影は佐藤裕之。
インタビューでは「撮影に慣れてきていろんな表情が出せた」と語っているが、例によって画一的且つ頑な表情。 自画自賛の閾値が低過ぎる。
水着で表情が硬いのは割り引くにしても、服を着たカットですら表情に諧調が乏しく、仕草やポーズも含めて全てが硬い。
佐藤裕之が造形美を切り取ることで成り立った7ページであり、モデルとしての仕事は其処に居た事くらい。

半年後の1月号で一と皮剥けた姿は見られる訳で、この仕事も肥やしにはなったのだと思う。

森川葵
銚子近郊での撮影。 キャベツや電車などを絡めて6ページ7カット。
長野博文が夕景を撮るのも珍しいが、「らしい絵」になっている。

須田亜香里
6ページ10カット、撮影はサトウノブタカ。
須田の「ホスピタリティ」を静止画に切り取った10カット。
1ページ目のとろけるような笑顔が良い。

入山杏奈
6ページ11カット、撮影は門嶋淳矢。
どう撮っても絵になってしまう入山の「綺麗の中に潜む可愛らしさ」を炙りだすうな11カット。
感情に揺らぎが出ると、可愛らしさが滲み出てくる。

佐々木優佳里
6ページ10カット、撮影は山口勝己。
山口勝己が生きた人間を活き活きと撮ると言う椿事。
粗を隠して美点を引き出すポージングの妙はそのままに、モデルが生き物として写っているのが画期的。
5ページ目の躍動感のあるカットも実に良い。

松岡菜摘
6ページ9カット、撮影は國方大。
被写体の松岡もそうだが、撮る側の國方大も一と皮剥けた感じ。
動かして撮ったカットでは若干はみ出してしまっているのもあるが、全体を通して厳密な構図。
脚の長さを生かして撮ると言うのは意外に難しいもので、4ページ目左上などは上手く撮れている。

和田まあや
6ページ7カット、見開き1か所。 撮影は桑島智輝。
大き目のYシャツ一枚、大き目のTシャツ一枚の屋内撮影分を中心に構成。 最後に白いワンピースの屋外を一枚。
ぽってりした唇の色気を見せる事に特化し、口の開き方・唇の引き結び方に変化をつけて撮影。 芸が細かい。

高月彩良
6ページ9カット、撮影はMARCO。
寄っても引いても写真になっている。
色に関しては煩さも感じるが、それは私の好みの問題であり、良く撮れてはいると思う。

大友花恋
5ページ5カット、撮影は樽木優美子。
嫌いな種類の写真なのであるが、その「嫌い」を取り払って見ると、大道具も衣装も凝った作りになっていて、良く撮れている。

中西智代梨×指原莉乃
例の企画、6ページ5カット、見開き1か所。 撮影はHIROKAZU。
この企画での指原は引き立て役に回っているが、今回は中西の惜別企画としての意味合いもある為か更に引いてしまっていることで逆に目を惹くという良く判らないことになっている。

ハロプロ研修生(浜浦、岸本、和田)
6ページ8カット、撮影は西條彰仁。
ダンスレッスン風景的に2ページ、制服で3ページ。
浜浦が本尊、岸本と和田は脇侍の扱い。 並べてみれば格としては確かにそうなのだけれど、あからさますぎて興が乗らない。
散りかけの桜を背景に三人で歩いてくるカットは良い。

石田亜祐美
6ページ9カット、撮影は樂満直城。
良くも悪くも(主に「悪くも」)ハロプロ写真集。
とりあへず「夏だ、海だ、水着だ」的な安直さ、思考停止した官僚機構の病巣が見えるところにあるのに誰も手を付けない奇怪さ。
眩しそうでないカットが全くないと言う地獄。

真野恵里菜
7ページ9カット、撮影は西田幸樹。
真野恵里菜は例外的に写真の仕事でハズレを引くことが少ない。 今回も良い出来。
演じる仕事の比重が増えて、役による髪形・髪色の変化はあるのだけれど、それを生かして衣装やメイクが考えられているので、変化の振れ幅が大きい割にイメージとしてのブレが少ない。
真野恵里菜は常に真野恵里菜でありつつ、実年齢に合わせて大人にもなって行っている


「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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