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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


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ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2015-05-03 隔靴掻痒感 [長年日記]

_ 「トマ・ピケティ『21世紀の資本』と日本」(4月3日@荻窪ベルベットサン)

例によって定時で逃げ出して荻窪へ。 
休業中の豊栄真紀(PIP: Platonics Idol Platform)がゲストと言う事で足を運んでみた。

東欧圏を中心にどうかしているカメラを主に扱っていたプリズムがあった頃は誇張ではなく週の半分は来ていた(残りの半分は中野)荻窪だが、閉店以来とんとご無沙汰。
会場となるベルベットサンは、線路沿いの道を東へ向かい、青梅街道と合流したあたりにある。
西郊ロッヂングの近くと書くと、分かる人には分かるかもしれない。

田中秀臣の客とPIPの客で7:3くらい。イベントの性格と豊栄の客筋からか「ピンチケ感溢れるピンチケ」は皆無。

先ずパワーポイントを使いつつ、田中秀臣が「21世紀の資本」の概要をさらりと。
時折ゲストに話は振るが、基本的に田中のひとり語り。
学問的なことを捻らずに語る部分は面白いのだけれけど、脱線して始まる自分語りは些か冗長。 まぁ、主催イベントなので仕方がない。

田中秀臣は呼び屋としては有能だけれど、些か子供じみたところはあり、自分と関係ないところで話が膨らみ始めると水を差し、想定外の質問をされると態度に出る。

後半は配られたレジュメ(※こちら参照のこと)に基づき、稲葉振一郎によるより詳細な解説。
私は経済学を敬しして遠ざけると言うか、忌避して生きてきたので、稲葉の解説がすべて理解できたかと言うと、そうでもないのだけれど、興味を惹く文言が鏤められていたので、飽きずに最後まで聞くことが出来た。

ピケティが提示したものは事実を踏まえたごくざっくりした現状分析であり、「ではどうするか」についての具体的な言及は無いのだけれど、「所得と資産の両面で格差は増大し続ける」と言う仮説は概ね合っているように私には思われる。
厳密に突き詰めようとすると、真実と言うものはスルリと逃げてしまうので、囲い込んだくらいで丁度良い。

この「所得と資産両面での格差の解消」は、豊栄の所属するPIPでも課題となっている部分でもある。
成島柳北先生言うところの「貌と芸」。 両方に秀でたもの、次いで貌の整ったものの順で需要が発生し、場数を踏めば磨かれて行く。 それにつれ売れる売れないの格差は大きくなる。
人気があって機会がより多く与えられると、更に客が付く。
機会が少ないと客が付かない。
機会も結果も不平等なのだけれど、その現実は現実として受け入れた上でどうするか考えなければならない。
仕方の無い事ではありつつ、当事者としては感情面で収まらない部分も出るだろうし、雇主(厳密には違うが)の濱野に対する不満が溜まっている事が相次いで離脱者が出ている原因のひとつではないかと思われる。
勿論濱野が何もしていないとは思わないが、現代思想系の人の悪癖で学者方言みたいなのを当たり前のように織り混ぜて語るし、如何せん話が難しすぎる。

それをメンバーにも分かる言葉に置き換えて説明し直せるのが豊栄だと思うのだけれど、暫くは不在が続く。

豊栄は、たまに話を振られて二た言三言返すくらいで、ほぼお飾り程度の扱い。
「21世紀の資本」についての説明だけで時間切れと言う感じではあったのだけれど、物腰は柔らかい乍ら口を開くと舌鋒鋭く田中もピケティも袈裟懸け。 ばっさり斬っても呼吸するように伝わりにくい嫌味を言う小林秀雄的な悪意は無い。
冷酷と怜利は似て異なるのだけれど、理性的な物言いを心掛けた結果、意図しない形で冷たさを感じさせてしまう。 それを自覚しているからこそ、特に求められない限りは柔らかい物言いを心掛けているように感じられた。

もう少し対論に時間を割ける題材の時に呼んでいただければ、豊栄の「にっこり笑って人を斬る」部分が生きると思う。

終演後に会場でチェキ会。
ご母堂の前で行われると言うおそろしい特典会。

選抜衣装は澤村のところに行ったのだと思われ、PIPポロシャツを着用。
休業するとそれまで放っていた光が消えてしまう人もいるが、豊栄はその限りではなく、PIPの豊栄としてそこに座ってた。
静かに復帰を待ちたい。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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