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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2015-06-07 後悔先に立たず [長年日記]

_ 写真展『浜崎あゆみThe Show Must Go On/photographer 舞山秀一・松田忠雄』

代官山駅近くにあるシアターサイバードで開かれている写真展を見てきた。
開催最終日で日曜と言う事もあってか、無茶な混み様。
列の最後尾を探して建物の裏へ廻り並ぶこと三十分余、漸く入場。

入口で木戸銭を払う。 この土日に代々木で行われるコンサートの半券を提示すれば500円、一般入場は700円。 冷やかしで来られると収拾のつかなくなる規模なので、妥当な線の値付けだと思うし、払った代価以上の質の写真でもあった。

あまり広くは無い会場ながら展示には工夫が凝らされており、最低限の間隔は空けられているので写真を見る際には一枚に没入出来る。 照明が一寸煩いが、これはまぁ仕方がない。

リハーサル風景だったり、楽屋だったり、コンサート本番であったり、状況ごとカメラマンごとに小部屋に分けられており、特に順路が設けられていないので、行きつ戻りつ何度も見直す。
三十分程であろうか、人混みに気分が悪くなるまでじっくりと。

舞山秀一と松田忠雄とでは時間と空間を写真に封じ込めるやり方に違いがあり、光を切り取るような舞山に対して、闇もあわせて掬い取るような松田。
一瞬を捉える舞山と、その前後も含めてふわりと掴む松田の対比の妙。

コンサートそのものの写真も勿論良かったのだけれど、楽屋であったりリハーサルであったり、観客の視線を意識していない写真に唸らされた。
舞山の撮った、楽屋での衣装合わせなのか光の中に浮かび上がるような姿を捉えたもの。
松田の撮った、暗がりの中で舞い踊る様や、照明の落ちたステージで談笑する姿。

落ち着いてじっくり見たかったが、行った時間帯が悪かった。
後悔先に立たず。

_ グラビア批評再開

「ぼちぼち書いて下さい」との伝書鳩が来たので、少しずつ書いてみようと思います。

_ 週刊ヤングジャンプ 2015 01号

筧美和子
8ページ13カット、撮影は阿部ちづる。
表紙が一番扇情的であると言う良くあるパターンだが、扇情的ではないカットの方が良く撮れている。
被写体の表情の諧調に乏しいのを切り取る角度を変えて何とかしようとしつつ、どうにもなっていないもどかしさ。

滝口ひかり
巻末グラビア5ページ14カット、撮影は古谷完。
被写体に罪は無いが衣装や道具立て以外工夫が見られず、表情が単調。 AF任せで撮っているのでピントの置き所を考えておらず、深度のバランスも悪い。
どうにもならない写真を数打ちで並べて成り立たせた5ページ。

_ 週刊ヤングジャンプ 2015 02号

本田翼
7ページ22カット、撮影は阿部ちづる。
時間はあまり掛けられないが予算はある感じのスタジオ撮影。 カメラと正対しない、視野の端にカメラを入れたようなカットが良い。
綺麗に見える角度が左右方向に広い顔立ちを生かしたやり方。

内田真礼
巻末グラビア8ページ9カット、撮影は中山雅文。
中山雅文にしては湿度低目の取り方、しっとりしているがじめじめはしていない。
2ページ目などは悪くない。

_ 週刊ヤングジャンプ 2015 03号

バイトAKB
6ページ33カット、一人当たり1/6ページで1カットずつ。撮影は桑島智輝と門嶋淳矢。 贅沢な流れ作業、どう分担したのかはよく判らない。
流れ作業で撮って箸にも棒にも掛からないカットが無いと言うのは褒めて良いと思う。

小瀬田麻由
巻中グラビア4ページ8カット、撮影はTakeo Dec.。
笑顔を作っておかないと間が持たせられない隔意を感じる。
写真そのものは可もなく不可もなく。

飯豊まりえ
巻末グラビア5ページ17カット、撮影は大江麻貴。
脚の長さをそれとなく且つ綺麗に見せる事にはとりあへず成功している。 これがなかなかに難しい。
モデルの意識が着ているものを見せる方に傾きがちなところを、寄ったり引いたりしてどうにかしようとしている。

_ 週刊ヤングジャンプ 2015 04・05合併号

篠田麻里子
表紙、巻頭、巻中、巻末のぶち抜きで篠田麻里子、撮影はTakeo Dec. オマケカレンダーまで付く大盤振る舞い。
屋内と屋外で撮り方を変えており、撮影手法のお手本としては面白いが、篠田は例によって商売用の自分しかカメラの前には出さないので、そう言った点での面白味は無い。

_ 週刊ヤングジャンプ 2015 06・07合併号

大島優子
7ページ14カット、撮影はTakeo Dec.。
瘧が落ちたと言うか、役者の貌をした大島。 役柄ではない自分でカメラの前に立ち、多少サービスはしつつ遣り過ぎず、素でカメラの前に立てている。
4~5ページ目が良い。

乃木坂46(西野・深川・若月・桜井)
巻末7ページ12カット、撮影はTakeo Dec.
集合で2ページ2カット、コラージュ的に1ページ、あとはそれぞれ1ページ1カット。
顔見世グラビアの定石。 良く出来ている。

_ 週刊ヤングジャンプ 2015 8号

私立恵比寿中学
8ページ15カット、撮影は桑島智輝。
ももいろクローバーにしてもこの私立恵比寿中学にしても、スターダスト所属のアイドルは事務所の縛りと言うか介入と言うか、そうしたものが色濃く感じられるグラビアが多く、凝った割に詰まらないものが多い。
写真の仕事では、新津保健秀のモデルを個人でしていた早見あかり以外「これ」と言う物が無い。
そんな中でも今回のグラビアは悪くない出来。 制約が多く自由度の低い仕事での桑島智輝の強さ。
4ページから7ページ迄の二人組にして撮った4カットには唸らされる。

高嶋菜七・櫻井紗季(TPD)
巻末5ページ10カット、撮影は関純一。
作り込んだ割にライティングが雑だったりしつつも、顔見世グラビアとしては及第点。
1ページ目は脚の長いのを見せようとしたのだと思うが、あおり過ぎていてあざとさが鼻に付く。 

_ 週刊ヤングジャンプ 2015 09号

武田紗季・石田佳蓮・沢井里奈
撮影は桑島智輝。
短時間で何とかした感じの錬金術的8ページ。

馬場ふみか
巻末5ページ10カット、撮影は中山雅文。
バストアップとウエストアップ多めで、小さく使われているもの以外全身の入ったカットが無い。
粗があったとしても、何とかならなかったものか。
表情は概ね良い。  

_ 週刊ヤングジャンプ 2015 10号

最上もが
7ページ25カット、見開き1か所。 撮影は桑島智輝。
カラーコンタクトで全編死んだ魚の目。
ブツ撮りとしては良い出来だが、それ以上でもそれ以下でもない。
モデルの頑なさが出てしまうと、カメラマンに出来る事は限られてしまう。
不幸な出会い。

藤澤季美歌
5ページ11カット、撮影は細居幸次郎。
日が傾いてから撮ったと思われる後半が良い。
屋外でもこうした光線状態なら上手い。  



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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