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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2016-05-22 報われない営為 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2016 25号

馬場ふみか
巻頭8ページ16カット、見開き1か所。 撮影は佐藤裕之。
肉感で攻める衣装だが、布面積を少なくすることで面を見せるものと、布面積を多くすることで線を見せるものと、二通り使っており、相互作用で悶々とするような仕組み。
馬場ふみかの表情は諧調に乏しいのだけれど、上手い事引き出して切り取っている。
6ページ目に息を呑む。

早乙女ゆう
巻中3ページ10カット、撮影は細居幸次郎。
3ページに無理算段して押し込んだので些か窮屈ではあるが、写真の選択は悪くない。
2ページ目下段、窓から差し込む光で身体の線を描き出したカットが良い。

桜井日奈子
巻末5ページ11カット、撮影は細居幸次郎。
表情に薄っぺらな作為が有ると言うか、素でカメラの前に立てていない。
何とかしようとしている細居幸次郎の報われない営為を眺める5ページ。

_ 生駒里奈ファースト写真集「君の足跡」

高校生と思しき少女の四季を記録したような体裁になっている。
セーラー服、ブレザー、夏服冬服、体操着に水着。 部屋着、普段着からよそ行き迄。 ガーリィなものからボーイッシュなものまで各種取り揃えてお届け。

撮影は青山裕企なのであるが、全てのカットに生駒里奈の意思が反映されており、青山の写真にありがちな下司張った覗き見趣味みたいなもの控えめ。
偶にある「下司な魂胆」の透けて見えるカットも、生駒里奈のお目こぼしがあって存在している。 すべてはお釈迦さまの掌の上の出来事。
下心のある下僕としての青山裕企は、存外有能なのかもしれない。

(こちらも良く出来ていた)生田絵梨花の写真集で唯一の蛇足は水着の部分であったが、生駒里奈は蛇足である部分を敢えて作ることで必然に転換すると言う魔法を使った。
体育館の倉庫で夏服を脱ぎながら下に来ていたスクール水着になっていくのだけれど、体育館と廊下で全てが完結してしまう。
水泳帽を被ったり、髪を濡らしたりしたカットはあるが、暗喩としてしかプールは出て来ない。
水着になるシーンではなく、水着になってみせるシーン。 恩賜の水着。

これで殊更作ったような表情で溢れていると醒めてしまうのだけれど、カメラと向き合った上で必ず虚構ではないが必ず現実でもない表情を見せており、醒めるどころか引き込まれてしまう。
生駒里奈の意思が詰まり過ぎた息苦しさは有るものの、それは生駒里奈が逼ってくる息苦しさでもあり、ページを繰るひとときは、重くはあるが甘美なものとなった。

_ カヤメンタリー4 [少女密着型]

錦織智による、私家版写真集。 流通はしていないがこちらで購える。
(写真も何点か見られるので、一読をお勧めする。)

生駒里奈の写真集は商業ベースに乗ったものであり、被写体の側に主導権があったのに対し、こちらは私家版であり、撮影者が主導権を握っていると言うか、カメラの前で被写体が生き生きと振る舞えるようにしつつ、絵を作る意思は撮影者の側にある。
対照的だが、実に良く出来ている。

頒布価格は4千5百円なのだけれど、平綴じで紙質も印刷も良く、 規模の経済性から考えると殆ど利益は出ていないと思われるし、物の対価として適切。 寧ろ安い。

カヤメンタリー4と題されている通り、同じ被写体を撮り続けた連作の4冊目。
他のカメラマンには撮らせていないようで且つモデルを生業にもしていないようなので名前は出て来ないが、被写体としての魅力はある。

撮られることを赦している被写体の信頼を勝ち得つつ、少し裏切る。
表紙で使われているスカートが風に煽られるカットも、斜め下から撮りつつも信頼を損なうような下卑た写真にはなっておらず、しかし煽られたスカートから覘く膝上数十センチの白さが網膜に焼き付くような鮮烈さはある。

タイミングを逃さない下準備を周到にしつつ、それがあからさまに出ない巧さ。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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