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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2016-08-16 文字通り「たっぷり」な会 [長年日記]

_ 神田愛山・宝井琴調 夏の会(28.8.10)

仕事を片付けて神保町へ。 19:00の開演にはなんとか間に合った。
前座で神田こなぎさんが入っていたが、楽屋仕事のみで前講は無し。
(まぁ文字通り「たっぷり」な会なので。)

「隅田川乗っ切り」琴調
「忠治の娘」愛山
<中入り>
「若山牧水酒の歌」愛山
「五貫裁き」琴調

「若山牧水酒の歌」は、牧水が酒で身を持ち崩していく過程を酒について詠んだ歌を通して追って行く。 このあたりの実体験に基づく考察は愛山先生ならでは。
言葉でむ心地よく酔える、岩波の牧水歌集を読み返したくなる一席。

「隅田川乗っ切り」は大久保彦左衛門が狂言回しの武芸もの。
寛永三馬術に絡めた訳知り向けのクスグリが愉しい。

武芸もの、侠客もの、新作、取り交ぜてたっぷり。
心地よい言葉が耳に流れ込むに任せるひととき。


2016-08-15 真打としての格 [長年日記]

_ 第1回 立川志ら玉の会

昨秋の真打昇進から間が開いたが、両国亭での独演会が再開。

「真田小僧」立川笑坊
「試し酒」立川志ら玉
「目黒のさんま」快楽亭ブラ坊
<中入り>
「鏡ヶ池操松影」立川志ら玉

開口一番は談笑門下の三番目(今のところ)の弟子の笑坊さん。 だいぶこなれては来ている。

ゲストは紆余曲折ありつつも二つ目昇進を果たしたブラック門下のブラ坊さん。
季節には一寸早いが、二つ目昇進の際の課題となっていた「目黒のさんま」。
志ら玉師と続けて聴くと癖のない口調がどことなく似ていて、快楽亭の血筋のようなものを感じた。

志ら玉師は根多おろし二席。「試し酒」と「鏡ヶ池操松影」(※所謂「江島屋騒動」)から古着の買い付けに鎌ヶ谷へ向かった江島屋の番頭金兵衛が吹雪の夜に怪しげな老婆に巡り会うくだり。 残暑厳しい折、怪談で涼を採る趣向。
江島屋は圓朝作の怪談なのだけれど、クライマックスに多少あるくらいで陰惨な場面は少なく、怖さより気味の悪さがじわじわと沁み出すような噺。
(この噺については、正岡容の「我が圓朝研究 -「怪談牡丹燈籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について-」に詳しい。)

演目の選択も「らしく」在り、立場が人を作るとはよく言われるが、真打としての格を感じる納得の二席。

_ 朝練講談会 第191回

久しぶりの朝練講談会。 うっかり寝坊をしたがなんとか開場直前に到着。

「鹿島アントラーズ誕生」神田真紅
知っている話なのだけれど、焦らされるとやきもきもし、「川淵テメェ!!」となったり「川淵、いいぞ!!」となったり。
言い淀んだり詰まったりするところもあったが、マクラから本編への入り方や話の構成は巧いので、さほど気にならずに聴けた。

「四谷怪談 恨みの南瓜」神田春陽
入れ替わりで客電が落とされて演目が怪談であることを察する。
何を演るかによっては逃げっちまおうとも考えていたが、語りはじめで大丈夫な奴だと分かったのでそのまま聴く。
春陽先生は怖がらせるところは怖がらせるが適度に空気を入れてくれるので、陰惨なのがダメな私のような者でも安心して聴ける。
下手打つと話がぐっちゃぐちゃになってしまうような乱暴な混ぜっ返し方をしても、なんだかんだで本筋に戻って来られるのが凄い。


2016-08-12 瑕疵は紙一重 [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2016 36号

根本凪
巻頭6ページ9カット、うち1カットは所属グループであるところの虹のコンキスタドール全員での集合。 撮影は細居幸次郎。
グループアイドルの代表による投票企画で目出度く一位となった根本凪が巻頭グラビアを得た訳であるが、そう言うややこしい手順を踏まずとも巻頭でグラビアをやれるだけの素材ではある。
水着は三角ビキニと肩紐無しのバンドゥビキニを併用、肩紐の日焼け跡がどうにも煽情的なのではあるが、敢えてそこに視線を誘導して見せることで、ポーズや構図は当たり障りないものにしている。
捻ったり隠したり切ったり、粗になりそうなところも上手く誤魔化して美点のみを引き出しており、表情も単調と言えば単調だが、カメラとの向き合い方は素直で、妙にひね媚びた笑顔を作ったりしないのは良い。 特に4ページ目の横顔などは味わい深い。
水着仕事の取っ掛かりとしては良い巡り合わせ。 肉感的な部分を無暗に強調する媒体でなくて良かった。

横井ほなみ
投票企画で3位の横井ほなみ(FES☆TIVE) が巻中3ページ6カット、撮影は細居幸次郎。
表情もポーズも硬いのだけれど、そこが初々しくはある。
細居幸次郎をして撮りあぐねた感はあるが、悪い出来ではない。

荒川優那
巻末4ページ5カット、撮影は細居幸次郎。
少々味付けが濃いような気がしないでも無いが、グラビア3本撮り分けとなると開けにくい引き出しも開けねばならないのであろう。
目が死んでいるのは撮影者ではなく被写体の責任。 その辺りを判り難くするためのソフトフォーカスなのかもしれない。 撮られる側の気構え次第ではもう少し良くなったと思われるが、そこはそれ、致し方ない。

_ 週刊ヤングジャンプ2016 37・38合併号

武田玲奈
巻頭7ページ、広告3ページ、巻末6ページ、ずらりと武田玲奈。
Leslie Kee 3ページ3カット。
MARCO 2ページ1カット(見開き)
Takeo Dec. 2ページ2カット+広告2か所。
笠井爾示 3ページ3カット。
ホンマタカシ 3ページ2カット、うち見開き1か所。
5人のカメラマンを向こうに回して堂々と撮られているのは流石。
青年マンガ誌でここまで思い切った企画が出来るのも、それだけのモデルだと言うことなのであろう。
拍子や広告の担当がTakeo Dec.と言うのが象徴的で、想定読者層に対して訴求力のある写真を撮れているからこその人選。
プレゼントページの写真までTakeo Dec.と言うのも贅沢な話ではある。
好みの写真ではないが、企画としては面白い。

全国美少女 mini Book
フリーペーパー「美少女図鑑」の協力を得て、北から南から選りすぐった原石を紹介する体のオマケ冊子。
撮影は細居幸次郎と北条俊正。 どちらが誰を撮ったのかまでは明記されていないが、加藤真美と山田愛奈は細居の撮影であろうと思われる。
仕方のない事ではあるのだけれど、昆虫採集的に手あたり次第撮った写真が多く、統一感が無いのが疵。


2016-08-09 睡魔との長く辛い戦い [長年日記]

_ 『SUNDAY GIRLS Vol.3』(第2部)

第1部と第2部で入れ替えは無しだが、終演後に一旦椅子を片付けてゆるゆると第1部の物販。
終電で帰る人々を見送り、ゆったり目に椅子が並べ直され、日付けが変わった頃合いから第2部スタート。


辻林美穂
i-podに用意し来たオケと重ねたりしつつピアノ弾き語り。
オケのデータが1曲分クラッシュしていたとかで、予定にない曲を2曲ほど。
辻林美穂1
明けて月曜はアルバイトだそうで、「なんとかなるでしょう」と笑っていた。
辻林美穂2
辻林美穂3
そんな感じの肩の凝らない歌唱とピアノ。 次は眠くない時間に聴きたい。


澤部渡 (スカート)
紙の束を携えて登場。 京阪の各駅停車の上半分みたいな色のリッケンバッカーをアンプに繋いで弾き語り。
澤部渡1
紙の束は歌詞を印刷したもので、次の曲をやる前にバサバサと探す。
澤部渡2
何を歌っても(弾いても)澤部渡の歌になっており、無造作に弾いているように見えるギターだが、時折とんでもない技巧を挟み込んでありえない音を出すので、心地よさに眠気を催してもその度に「なんだコリャ!?」と目が覚める。 心臓によろしくない。


プラスチック米
木造アパートの自室でラップの練習をしていたら通報されて国家権力が来たとかで、その模様を録音したものを流したり、それをサンプリングした曲を演ったり。
プラスチック米1
静かな狂気。 攻撃的で無いのが良い。
関美彦のピアノ伴奏でプラスチック米が一曲歌った後、「僕も歌って良いですか?」と関。 そのままピアノを弾きつつ「HAWAI」。
関美彦1 プラスチック米2
何故か正座して謹聴するプラスチック米。
最初から最後までどうかしていた。 面白い。


浦郷えりか
ラケットを持ち、テニスルックで登場。
浦郷えりか1
テニスに因んだ曲の後に無用の長物と化したラケットは、その辺に立て掛けられ、いつしか忘れられ、ふとした拍子に蹴り飛ばされたりしていたが、この「なんだかよくわからない感じ」が通奏低音としてあって、上手くは無いが下手ではない歌、能弁では無いが訥弁でもなく、さして面白くも無いがつまらなくは無いとりとめのない話をニコニコと続ける様を眺めているうちに持ち時間が終わって去って行った。
浦郷えりか2
これはこれで有りだと、私は思う。 寝物語に聞く「おむすびころりん」のような時間。


柴田聡子
眠さが極まった頃に始まり、心地よい歌声とギターの音色に、遂に眠気が限界を超える。
柴田聡子1
しかし澤部渡の時と同じく時折耳の奥に響くギターの音と、脳みそに引っ掛かる独特な言葉遣いが現実に引き戻し寝たり起きたり。
柴田聡子2
混乱しているうちに終演。

いつの間にか総武線緩行線にも始発が走る時間となっており、表に出ると既に空は白んでいた。
熱帯夜の明けた朝の、冷めきらぬ都市の火照りと湿り気を感じつつ帰宅。
長丁場で眠くはあったが、楽しい時間を過ごせたのは間違いのない事実。
次回は眠くない時間帯にお願いしたい。


2016-08-08 なんとも不可思議 [長年日記]

_ 『SUNDAY GIRLS Vol.3』(第1部)

神保町試聴室で開催される不可思議なライブへ。

前回お誘いいただいた Vol.2 が楽しかったので、予約フォームが出来たところで予約。
予約してからタイムテーブルを確認したら二部制になっていて、二部の開始は日付が変わってから。 終演は月曜の朝、始発が走る頃。 完全にどうかしている。
仕事はまぁ、何とかなるだろう。(※何とかした。)

日曜の夕方の水道橋駅界隈にはタバコの煙に悩まされずに時間を潰せるところが無く、少々早かったが会場へ。 蚊の餌になりながら開場待ち。
中ではリハーサル。 K&Mミュージックの面々と中村綾が「あぁ、あなたが」的な感じで挨拶をするさまが微笑ましい。

15分遅れて開場。 席を確保して一と息ついている裡に開演。


越智灯子
「SUNDAY GIRLSの妖精」から「SUNDAY GIRLSの座敷童」に肩書が変わっていた。
越智灯子1
長崎発のアイドルであるところのMilkShake(ミルクセーキ)の東京遠征の手伝いで準備が出来なかったとのことで、松任谷由実の初期楽曲から。
越智灯子2
ピアノ伴奏はMilkShakeの楽曲提供者でもある唐川真。
唐川真1

時間が盛大に余っていることからミルクセーキの話にもなり、唐川真の来歴と楽曲を提供することになったいきさつなどが語られる流れ。

そうした側面から語られることは多くなく、送り手の側にもそこを売りにはしていないので仕方がないと言えば仕方がないのだけれど、ミルクセーキの売りに成り得る部分として「唐川真の手掛ける楽曲の良さ」は確実にあり、もう少し押し出しても良い。


中村綾
以前在籍していたグループがファンの総称などを作って客席が息苦しくなり、足が遠のいているうちに色々あってグループそのものが無くなってしまい、仕切り直してソロで活動を始めて一年になるとのこと。
中村綾1
Chelipにしても鈴木花純(ex.テレジア)にしても中村綾にしても、世渡りが上手くないことから回り道を強いられたりもしているが、難局に当たって互いに助け合い、倦まず僻まず歩を進めることで客の信頼を勝ち得ているように思う。
客筋は良い。
中村綾2

普段はアイドルが複数出演するライブへの出演が多く、今回のように座って聴く形式のものに出る機会は少ない。 いつも演っている曲の他にバラード調の曲も用意したとの事で、レゲエ風のアレンジになっているバラードを挟んだ構成。
中村綾3
このバラード調の曲のオケと普段演っている曲のオケの造りに乖離が有り過ぎて、一寸勿体なかった。
バラード調の曲のオケはシンプルで歌声が聞き取りやすいのだけれど、普段の曲のオケはコーラスが厚く重ねられており、大音量で浴びせるには良いが歌声を聞き取りにくく、静かな環境で聞かせるには不向き。
出演するライブの環境に合わせてオケを準備できれば良いのだけれど、そうも行かないのであろう。


ユメトコスメ
女性ボーカルとピアノ、サポートでヴァイオリンが入るスリーピース。
ユミ(ユメトコスメ)
心が浮き立つようなピアノ伴奏、脇を支えるヴァイオリン、落ち着いた歌声。
長谷泰宏(ユメトコスメ)
ヴァイオリンの人
耳にして「そうそう、丁度こう言うのが聴きたかった。」と腑に落ちる音楽。
ヴァイオリンのピチカート奏法が至近距離で見られた(聴けた)のも嬉しかった。


K&Mミュージック(小林清美、飛弾せりな、森田さき)
それぞれ浴衣で登場。 先ず森田さきがギター弾き語りで一曲。 今後K&Mミュージックの所属になるとのこと。
森田さき
「何か面白い事が出来たら良いな、と思っています。」と小林清美。
この人の思い付く「何か面白い事」は常人の想像を超えるようなものなので期待したい。
飛弾せりなは持ち歌の「カード戦士飛弾せりな」を。
飛弾せりな
この曲も割とどうかしているのだけれど、楽曲としてはちゃんとしている。
小林清美は目を見開くと岡本太郎のようになることが有るのだけれど、その辺りもあの「謎のひらめき」に繋がっているのかもしれない。
小林清美1
小林清美2


姫乃たま
初見がPIP: Platonics Idol Platformのイベントのゲストでの「濱野智史が連れて来た『地下アイドル』に詳しい人」としてであり、知識の蓄積を自らの周囲に起こることに頼る探求心の無い人と言う印象を持ったのだけれど、実際にライブを見ると、見世物としてちゃんとしている。
姫乃たま1
まぁ「『地下アイドル』と言う言葉の成り立ち」を知らなくても、そもそも資料が皆無なので仕方がないと言えば仕方がないのであるが。
姫乃たま2
ライブの進行にもじわじわと客を巻き込む大道芸的なしたたかさがあり、巻き込まれさえしなければ、見ている分には楽しい。 姫乃たま3



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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