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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
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酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2016-09-15 Loreley [長年日記]

_ 週刊ヤングジャンプ 2016 42号

金子理江
巻頭7ページ10カット、撮影は桑島智輝。
海辺の町で撮った水着多めのグラビアなのだけれど、夜の浜辺、林の中、木陰etc...、夏らしさは感じさせつつも光が強く当たり過ぎない状況下で撮っているので、1ページ目のような光溢れる海に立ち眩し気にこちらを見つめるカット以外は表情が生きている。
眩しさに必然性があれば、強い光の下でも写真にはなる。

髪の傷みが激しく、安手の鬘のような質感。
仕事で染めなければならない事情があったのであれば仕方がないが、趣味嗜好で色を入れたり抜いたりしてこうなってしまったのであれば、自分の仕事に対する思慮が浅すぎる。
やるなら破綻しないように金と手間は掛けるべき。

髪はあしらい方で上手く誤魔化せているところもあり、破綻しているところもあるが、肩甲骨の下あたりまで伸ばした髪を出来るだけ写り込ませずに撮って絵を作る桑島智輝の仕事には唸らされる。

水着は大き過ぎたり小さ過ぎたり、意図してサイズの合っていないものを着せているが、見せ方が下衆でいただけない。
サイズの合わないものを敢えて着せる事によって身体の線を描き出そうとしているのかもしれないが、成功していない。

眩しげであることに意味を持たせた1ページ目と、髪が傷んでいない生え際の部分でうねりを出して視線を誘導する6ページ目が上手い。
モデルは撮られるがままで仕事をしていないし、衣装も首をかしげざるを得ないが、桑島智輝の腕で持たせている。

毀誉褒貶相半ばする金子理江であるが、人の心に波風を立てる何かは持っていると思う。
それがプラスに働くと、この撮影のように裏方に盛り立てて貰えることもあるが、マイナスに働くと「盛り立てて貰えている事」自体が不快に思われてしまう。

私は何というか、気味が悪い。 関わると不幸になりそうな、躓きの石。 Loreley 的な何か。
人の心に波風を立てる何かは幻想に過ぎず、中は空洞なのではないか。

堀みづき
巻中4ページ8カット、撮影はTakeo Dec.
表情は悪くないが、こちらも髪の傷みが激しい。
プールで撮るのにかこつけて髪を濡らして撮ったのは良い。
作為は有るが笑顔になると表情の諧調は豊富で、そこに特化した写真の選択と割り付け。 力技ではあるが見られる物にはなっている。

加藤里保菜
巻末5ページ6カット、撮影は西村康。
眼鏡がトレードマークになっている訳であるが、眼鏡と言うものは実に厄介で、正面から撮らないと目に掛かってしまう事がまま有り、目に掛からないようにすると位置が不自然になってしまう。
レンズが入っていれば透過した光は影響を受けてしまうし、表面の反射も邪魔になる。

そんな訳で顔を撮る事の出来る角度が限られてしまう為、些か冗長。
ポーズも表情も、湿板時代のそれのような固まった写真。
退屈な5ページだが、カメラマンが何とかしようとしている形跡はある。
モデルが頑なだと写真にはなりにくい。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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