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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2000-03-04

_ 土曜・日曜と

連休になったので遠出をしようと思っていたのだけれど金も無いので止めにした。

夕方迄家でぐだぐだしていたのだけれど、神田に本を買いに行く事にした。

三省堂にて

「ドグラ・マグラ」夢野久作、現代教養文庫

「日本共産党の研究(1)(2)(3)」立花隆、講談社文庫

「陰陽師」岡野令子・夢枕獏、白泉社

を購入。 そのあと新宿に移動してヨドバシでフィルムを購入。

_ 岐阜屋に

寄って肉野菜炒め、餃子、煮込み、ピータン、ビール2本、で、二千四百余円。 端数は忘れた。


2001-03-04

_ なんだか

眠れずに寝たり起きたりしているうちに、気がつくと11:00をまわっいてた。

急いで着替えて九段へ。 今月も例の撮影会。 今回は雨のため、北の丸公園ではなく曙橋のスタジオへ。 4階までカメラバッグを抱えて螺旋階段をひたすら昇る。

流石に計算してライトを当ててあるので露出は楽で、ASA400で1/125s、f4くらい。 ピントのみに集中できるのでかなり楽だけど、背景が只々白いだけで、小物もないので非常に短調。

_ 今回の機材は

フジカST605
テッサー(オプトン)50mm/f2.8
EBCフジノン55mm/f1.8
ペトリ55mm/f1.8
ジュピター9 85mm/f2

プラクチナIIa
フレクトゴン25mm/f4

ローライコードIa トリオター75m/f3.8

ライカD-III
ズマール50mm/f2

フィルムはリアラ100、イルフォードHP5、アグファAPX400

 広角目なレンズのついたローライがやはり撮りやすい、35mm用にも一本くらい広角を持ってくれば良かった。

_ 終了後

外に出たら晴れていたので歩いて四ツ谷へ。 我楽多屋でスタデラの白玉を購入。荻窪に移動して広東風で晩飯を食って帰宅。


2002-03-04 静かな一日

_ 見えないラジオ

げきしぶさんの「やぶへび」によると(←ねじれ現象<笑>)
ラジオに出るらしい、しかし収録場所は殺伐としていてしかも死人が出るなんて話も!!ワクワク!!(笑)
スタジオの窓の位置が高く、外からは見えにくいそうです。 しかし、我が党(苦笑)の戸越銀座の時のレポを見たら最前の2列は小さいお友達に開放、その後ろ にビールケースが並びピッカケの大きなお友達がという記述を発見。 その手があるじゃありませんか!! そうだそうだ!! ひまな人の車にしこたまビールケース積み込んでって現場に足場を組んで奴等を見下ろしてやれ!!(笑)


<ひまな人の車イメージ画像>

_ 土曜の夜は

セクハララジオを視聴した後、何時の間にか寝てしまい気が付くと5時。 また眠って目が醒めると午后2時前。
先週無茶をした反動で、たまの休日は「ねて曜日」と化してしまい、当然ながらアイドル屋活動は無し。
野暮用で阿佐ヶ谷へ行き、某契約を済ませてから名曲喫茶ヴィオロンへ。 ストラビンスキーの「火の鳥」が掛かっていた。 ストラビンスキーは「春の祭典」だけ聴いて毛嫌いしていたんだけど、「火の鳥」はなかなか良かった。
予想通りヴィオロンでとぐろを巻いていた友人と暫し筆談。 カザルスの小品集のCDを貰った。 1925-1928録音のモノラル。
となりのタイ料理屋で晩餐。 静かな一日。

_ 驚いた話

知り合いが強く推奨していた柴田淳という歌手に附いて検索してみたらオフィシャルサイトが見つかった。

ミュージシャンのオフィシャルサイトという事で、曲も聴けるしビデオクリップも見られるんですが、どちらも2曲分丸々視聴出来るのには驚きました。

最近はオフィシャルサイトと言っても、掲示板しか動いていないような所(苦笑)にしか行っていなかったので、あまりにちゃんとした作りにかなり驚きました。

ちゃんとしてないと言へば、バカ椎名が道楽で作っているとしか思えないこんなのもあります。

造りが凝り過ぎていてもう何だか判らない(苦笑)

銀杏やきのこばかり食ってないでそろそろ働け!!<椎名

_ 投票

こりん星から来た わんこ☆そば閣下 が「オレたちやってま〜す&mina*ダブルネームオーディション」における森谷佑子さんへの投票を呼びかけています。
応援の賜物か、順調に得票を重ねて4位まで上がってきました。
で、私からの御願いなんですが、こちらの澁谷さまにも皆様のお力添えをm(__)m
一時は100票くらいまで縮まった得票差がいつの間にやら広がってしまいました。
オフィスチェリーの客による我々への攻撃なのではないかと私は睨んでいるのですが・・・。

_ 驚いた事 その2

F?1オーストラリアGPでミナルディのウェーバーが5位入賞。 ここ数年全然見てなかったんですがチャンネルころころ変えながら見ていたら5位なんか走ってやがるので久しぶりに見入ってしまいました。

今宮さんによるとミナルディの前回の入賞は1993のヨーロッパGPとのこと。

いやぁー、好きだったんですよミナルディとかオゼッラとかコローニとか、碌に完走できないけどエンジンの音だけは良くて活きのいいイタリア人ドライバー(A・ナニーニとか)が乗ってる貧乏チームが(笑)。 トヨタみたいな金満チームに負けずにこの調子でがんばっていただきたい物です。

ちなみに私のテレビ初観戦はスタート直後に多重クラッシュでロニー・ペテルソン(ロータス)が死んだ1978のイタリアグランプリ。 あの頃のモンツァは3列グリッドでスタート直後に細くなるというイタリア人らしい滅茶苦茶なコースでした(苦笑)。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

# げきしぶ [懺悔の意味もこめて投票しておきました>BG4]

# ひろてぃー [ひまなのか…]


2008-03-04 See B-3rd and then die.

_ 「パジャマドライブ」公演礼賛

チームAの1stに有った「一曲目からのわくわく感」と、チームKの2nd、3rdに有った「あてがきの妙」etc...
メールが当たらないと中で観られないのだけれど、当たらなくてもとりあへずカフェの片隅に行って、音だけでも聴いてから死んだ方が良い。

正直なところ「そろそろ足の洗い時かな・・・」なんて思っていたりもしたのだけれど、こうなるとそれは無理だ。

_ ユニット曲雑感

頭から尻尾まであんこたっぷりで美味しくいただけるが、真ん中のユニットコーナーが特に美味しい。
一日の日記に書けなかった分を補足。
曲名は「仮」ですので、あしからず。

_ 「天使のしっぽ」

野口、◎多田、仲谷
太田貴子の「パジャマのままで」とか、松田聖子の「制服」を連想させる、キーボードのトレモロで始まるイントロで既に無条件降伏。 ポツダム宣言でも何でも、謹んで受諾する。
三人とも上手くはないのだけれど、多田の可愛らしく、あどけない声。 中谷と野口の不器用で拙いが、ひたむきで丁寧な歌唱。

加之 敵ハ新ニ凶悪ナ迄ニ可憐ナル衣装ヲ使用シテ 惨害ノ及フ所 眞ニ測ルヘカラサルニ至ル

動くと揺れる尻尾に、多くの客が悶死。

_ 「パジャマドライブ」

平嶋、◎渡辺、仲川
パジャマの上にコートを羽織ったような衣装で、タイトル通りパジャマのままでドライブに連れ出される歌なのだけれど、パジャマから先への展開を仄めかす歌詞は無く、軽いドキドキで済んでいる。
渡辺のいたいけな上にもいたいけな歌唱、平嶋の臆面も無い歌唱、おっかなびっくり歌う仲川。
渡辺 → カオリちゃん
平嶋 → 花沢さん
仲川 → カツオ

_ 「純情主義」

井上、◎片山、松岡
勝手に「ねぎま隊」と呼んでいる。 「井上、片山、松岡」と並ぶと「肉、葱、肉」
ボーカルにエフェクトを掛けた「Perfume みたいなの」を発注したら「Aira Mitsuki みたいな曲を歌う麻生真美子&キャプテンみたいなの」が出来てしまい、自棄糞で賑やかしに研究生を6人ブチ込んだような感じ。
比較的低くて張りのある、チェロの音色のような片山の声にピタリ合っていて、適度なビブラートも耳に心地よい。

_ 「でもでもの涙」

柏木(ピンク)、佐伯(白)。 紅白でおめでたい。
「意外と可愛い声」の佐伯と、「意外と可愛くない声」の柏木。
メタルパーカッションが良い薬味になっている。
歌詞に紫陽花が出てくるので、少なくとも梅雨時迄はひっぱるのだろうと思うが、このセットリストなら一年でも通える。

_ 「鏡の中のジャンヌ・ダルク」

◎菊地、米沢、田名部、浦野、早乙女
熱い上にも熱い、疾走感のある産業ロック。
動きが大きく、切れのある連中を集めてあるので、人数以上の迫力。 浦野の大仰な芝居掛かった動きも楽しい。
歌詞に「少女達よ、誰もがジャンヌ・ダルクに成れるんだ。」とあるが、ジャンヌ・ダルクになれるかどうかは別として、既にシャルロット・コルデーくらいの剣呑さはある。 こんなのになら刺されても良い。


2012-03-04 三段梯子

_ 東京女子流スペシャルライブ in アリオ亀有

金町から常磐線を逆に乗ってしまったり、亀有駅から北へ向かってしまったり、うろ覚えからくる紆余曲折でぎりぎりに到着。
アリオ亀有のステージは、この手のショッピングモールにしては珍しく屋外で且つ敷地の外れにあり、二階三階から見る場所も無いので舞台正面にのみ黒山の人だかり。
柱やスピーカーで死角のある上手と下手の前のほうは敬遠されたらしく人垣も薄め。 見える角度と距離を天秤に掛けて距離を取ってみた。
死角はあるものの全く見えない訳ではなく、スタッフの動きが見える位置だったので私には楽しめる場所だった。

設営に時間が掛かったのか 11:50 頃からリハーサル。
音出しで二曲。 ステージの広さや床のすべり具合、立ち位置とフォーメーションのチェック、マイク音量とモニタスピーカーの返り具合などを短時間でみっちりと。
訳知りの客が多い所為かリハーサルの邪魔になるような茶々を入れる輩も、近隣高校の野球部と思われる莫迦が数人居たくらいで平和裏に。

ライブは4分押してスタート。 小西パートを4人で分けて受け持つ為、一寸苦しげなところもあったが、極端に音を外したりすることもなく、なんとか繋いでいた。
この日のライブで唯一欠落を感じさせたのがそのあたり。 振り付けやフォーメーションに関しては知らなければ気付かないくらいに埋めていたし、フリの客の足を止めるだけの凄みは出せていたと思う。
目当てで来たとは思えない買い物客も足を止めて最後まで観ていっていた。

目当てで来ていた訳知りの客も小西彩乃の欠落は感じていたと思うが、それは物足りなさではなく、ここに小西彩乃が入ったらどれだけのものが観られるかと言う期待だったのでは無かろうか。

これまで私が観る位置からは死角に入ったりよそ見していたりできちんと見たことの無かった庄司芽生を中心に観覧。
とんでもなく難易度の高そうな動きでも軽やかにこなして涼しい顔。 髪の毛の一本から自在に操るような、身体神経の隅々迄神経の行き届いた優美な挙措を堪能。

_ ぱすぽ☆ニューシングル『君は僕を好きになる』miniLIVE(たまプラーザテラス フェスティバルコート)

14:00頃に到着すると、写メ会→握手会の最中。 ひな祭りとあってか、着物っぽいと色違いパニエ。 昔のももクロのような衣装。
握手会が長引いた所為か、二部はぱすぽ☆候補生のお披露目から。 前回見た時は病欠だった西園寺も揃って八人。
歌なしで二曲踊ってみせる趣向。 西園寺は何と言うか「雅やかな動き」で異彩を放っていた。
亡友が巫山戯てやっていた八卦掌の動きの真似(特徴は捉えているが悪意に満ちていてたいへん失礼)を思い出した。

前座が温めたところで真打登場。 二曲演って自己紹介とひな祭りにちなんだ茶番、四曲続けて演って一と休み、さらに次のシングルの曲を歌って〆。

茶番の内容は いわむらのブログ を参照のこと。 ぱすぽ☆ならではのタチの悪い冗談。 ろくでもないが面白くはあった。

ジョリーロジャー時代の曲とユニバーサル移籍以降の曲では客の盛り上がりに差がある。 これはまだ耳が慣れていないからなのではないかと考えていたのだけれど、最近の曲は妙に小難しくなってしまったからであるように思えてきた。
初期の曲のバカロック的でヤケクソな疾走感が無い。
これもメジャーレーベルではありつつもユニバーサル移籍の負の部分。

もう一つの負の部分はレーベルの顔となっている人物があまりに慇懃無礼であること。
仏頂面してボア付きの黒のダウンジャケットのポッケに手を突っ込んだままふんぞり返って喋ったのでは、定型文の注意事項をそのまま読んだのすら居丈高で尊大に見える。
同じ内容の注意事項を他のスタッフが読んだ時は、穏当な告知に見えるんだから面白い。
立ってるだけで不快と言うのも稀有な人材ではある。

_ トッピングガールズ 2.0 7day's ライブ

女子流とぱすぽ☆を一緒に見に行った知己に連れられてマルイシティ渋谷1階店頭プラザ入口前広場特設ステージへ。
空いた時間にしけ込んだ高級イタリア料理店で安酒を聞こし召しすぎていたので、立ち見スペース後方から大人しく観覧。

アリス十番
映画「13日の金曜日」に因んでアイスホッケーのマスク的なものをつけておどろおどろしく登場。 どこかで見たような・・・と思ったら、月蝕踊りだった。
曲もやっていることも面白いが、一つだけ物足りない点がある。 それは客が突き上げる拳がグーのままであること。 中指を上につき立てたり、親指を下につき立てたり、普通は条件反射で出てしまうものなのだけれど、そのあたり客が銀流し。
AKB48やハロプロの猿真似みたいなのも多い昨今、アンチテーゼの極北としての面白さはある。

トッピングガールズ 2.0
事務所の新人をマネージャーが手荒に紹介するコーナーを挟んでトッピングガールズ 2.0


この事務所の束モノはメンバーが複雑に重複しており、数学の「集合」の概念を脳味噌の奥のほうから引っ張り出して考えないと把握できない。
この歳になって「必要条件」「十分条件」「必要十分条件」で頭の中を円で囲う羽目になるとは思わなかった。 現役の学生・生徒諸君、数学の勉強をしておかないとアイドルの現場に出て困ることもあるのだ。

閑話休題、トッピングガールズ 2.0。 振り付けをAKB48と同じ人がやっているようだが、それより何より衣装が茅野しのぶ的。
成り立ち故に「つけ麺」の曲しかなくて些か食傷。 しかし曲そのものは耳に残る面白いものであった。

_ 更新情報

コラム置き場に戯れ文

AKB48・SKE48を競走馬に喩えると

をアップロード。

_ アイドルフェス in BOATRACE TAMAGAWA vol.3

今回の出演は YGA、風男塾、バニラビーンズ。 先月よりはマシだが、矢張り寒い。
今回はG1戦とあって、競艇を楽しみに来た客が多かった。

YGA
期待していなかったが思いの外良かった。
曲調も振り付けも無駄に露出面積の多すぎる衣装も好みではないし、何でも MIX 打っときゃ良いと思ってるような低能な客にも辟易したが、鉄火場の客も含めたその場に居る全てに見てもらおう・楽しんでもらおうとするグループの統一した意思のようなものが基調低音としてあって、それが押し付けがましくなく響いていた。
メンバーの意識が既存の客を囲い込む方向ではなく、外に向いている。

風男塾
YGA と対照的に意識に向き方が内外バラバラだったのが目に付いた。
そんな中、喜屋武ちあきが中の人をやっている人は動きに切れがあり、表情も生き生きしていて、会場の隅々迄意識と目線を配っていた。

バニラビーンズ
「トキノカケラ」私服にユニクロダウンを羽織っての二回廻し。
一回目はスタンドマイクで「ニコラ」→「Baby Portable Rock」、二回目は手持ちマイクで「サカサカサーカス」→「イェス?ノゥ?」→「東京は夜の七時」

舞台が高いのだけれど、表彰式用なのか中央は更に一段高い。 そこを使うので後方からでも足元まで見えるのだけれど、折角なので早めに陣取りをして近くから観覧。
前回はべら棒に寒かったので表情も固まりがちだったが、今回は寒いながらも三月なりの気温だったのでにこやかに。
今日は外ハネの人の表情が特に良かった。 雛鍔的と言うかあんみつ姫的と言うか、育ちのよさとおおらかさが厭味なく出ている。

こうして見ると、タワーレコードが提示するアイドルのかたちが見えてきたように思う。
見るにも聞くにも気負いや頑張りを必要としない、手の届く(手活けの花にするしないではなく)、特別ではないが飛び切りの幸せがそこにはある。
オケひとつ取ってもインスツルメンタルの曲として聴くに堪える出来。
掛けて貰える予算は限られていても、知恵と工夫と手間はぎっしり詰まっている。
金を掛けて貰えるアイドルはそれなりに居るが、知恵と工夫と手間を掛けて貰えるアイドルは少ない。

レンタル移籍以来のバニラビーンズ。 曲折あったが、最初期に感じたワクワクが戻って来ており、見る度に楽しく、幸せな気分で帰途につける。
今日も多幸感に包まれて帰宅。

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2015-03-04 野暮な残業で遅参する野暮な会

_ 落語立川流真打トライアル(第5回)(日暮里サニーホール)

「長屋の花見」錦魚
「スリーピー・スリーピー」らく朝
「蛙茶番」らく里
<中入り>
「桑名船」志らら
「ねずみ」談奈

中途半端に残業となり、ついに一人目を丸々見逃す。
(「長屋の花見」錦魚、友人に聞くとなかなかの出来だった由)

「スリーピー・スリーピー」
睡眠時無呼吸症候群の健康落語、強い眠気により突然眠ってしまう症状の怖さを黒い笑いに転化。 掴み込みでは無い新作は初めて観た。
夢落ちなのだけれど物語が入れ子構造になっており、バッドエンドになりそうなところを回避して救いのある話に。
これまでに演った新作に較べて登場人物も整理されており、主人公の奥方の戯画化された姿が笑いを誘う。 
主題となる病気の特徴と対策を織り込みつつ、教訓臭くなりすぎないのも良い。
これまではどうも噺の肝になる部分をおざなりにしているようなところがあったのだけれど、今回の健康落語については噺の肝を病気の特徴的な症状と「どうすれば良くなるのか」に置かれており、登場人物が整理されていたこともあって敢えて腐すようなところもなく素直に聞けた。 
登場人物の言動がベッタベタにべたなのは好みではないが、主たる客層と噺としての狙いを考えるとこれで良いのだろう。 これまで見た中では一番。

「蛙茶番」
仕込みのところでイップスが出てしまったが、それ以外は大過なく。
端折ってしまう事の多い「天竺徳兵衛」のセリフや太鼓の入る部分までみっちりと。
分かる人の演る芝居の噺は、付け焼刃で無い分やはり見応え聴き応えがある。
何度も書いているようにトライアル言うのは気ぶっせいでどうにも遣り切れないのだけれど、負荷が掛かったことによってこうしてぐっと伸びる事もあり、悩ましい。

「桑名船」
「鮫講釈」を談志家元に倣って「桑名船」として。
先月「鮫講釈」が出てしまったのだけれど、師匠志らくからの指定の根多なので変えるに変えられず趣向を凝らしてみたとのこと。
これまでは縛りが強過ぎてどうも硬くなってしまいがちだったが、裏話なども交えて笑いに繋げて行く本来の「志らら落語」がようやく見られた。
講釈を談志百席に置き換えた趣向はさして面白いとも思わなかったし、立て板に水とはいかぬ言い立ても辛かったが、言い澱んだり詰まったりするのを自虐的に根多にするのは良かったし、話の途中で登場人物に踊らせるのもなかなかの趣向。
出来としては良くなかったが、遣り切ったことで悪くない後味。

「ねずみ」
最低限のマクラですっと噺に入る。 この辺りも板に付いてきた。
客と四つに組んでじわじわ寄ってくるような噺の運び。 笑いの量としては多くないが聴き応えはあり、なかなかの出来。
真打ちが掛かっているだけに大根多を選ばざるを得ないのだと思うが、私はこの人の毒にも薬にもならない軽い噺が聴きたい。

開票結果は一位 談奈、二位 志らら。
票は伸びなかったが「蛙茶番」が実に良かった。


「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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