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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


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二面楚歌 断章
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酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2015-03-04 野暮な残業で遅参する野暮な会 [長年日記]

_ 落語立川流真打トライアル(第5回)(日暮里サニーホール)

「長屋の花見」錦魚
「スリーピー・スリーピー」らく朝
「蛙茶番」らく里
<中入り>
「桑名船」志らら
「ねずみ」談奈

中途半端に残業となり、ついに一人目を丸々見逃す。
(「長屋の花見」錦魚、友人に聞くとなかなかの出来だった由)

「スリーピー・スリーピー」
睡眠時無呼吸症候群の健康落語、強い眠気により突然眠ってしまう症状の怖さを黒い笑いに転化。 掴み込みでは無い新作は初めて観た。
夢落ちなのだけれど物語が入れ子構造になっており、バッドエンドになりそうなところを回避して救いのある話に。
これまでに演った新作に較べて登場人物も整理されており、主人公の奥方の戯画化された姿が笑いを誘う。 
主題となる病気の特徴と対策を織り込みつつ、教訓臭くなりすぎないのも良い。
これまではどうも噺の肝になる部分をおざなりにしているようなところがあったのだけれど、今回の健康落語については噺の肝を病気の特徴的な症状と「どうすれば良くなるのか」に置かれており、登場人物が整理されていたこともあって敢えて腐すようなところもなく素直に聞けた。 
登場人物の言動がベッタベタにべたなのは好みではないが、主たる客層と噺としての狙いを考えるとこれで良いのだろう。 これまで見た中では一番。

「蛙茶番」
仕込みのところでイップスが出てしまったが、それ以外は大過なく。
端折ってしまう事の多い「天竺徳兵衛」のセリフや太鼓の入る部分までみっちりと。
分かる人の演る芝居の噺は、付け焼刃で無い分やはり見応え聴き応えがある。
何度も書いているようにトライアル言うのは気ぶっせいでどうにも遣り切れないのだけれど、負荷が掛かったことによってこうしてぐっと伸びる事もあり、悩ましい。

「桑名船」
「鮫講釈」を談志家元に倣って「桑名船」として。
先月「鮫講釈」が出てしまったのだけれど、師匠志らくからの指定の根多なので変えるに変えられず趣向を凝らしてみたとのこと。
これまでは縛りが強過ぎてどうも硬くなってしまいがちだったが、裏話なども交えて笑いに繋げて行く本来の「志らら落語」がようやく見られた。
講釈を談志百席に置き換えた趣向はさして面白いとも思わなかったし、立て板に水とはいかぬ言い立ても辛かったが、言い澱んだり詰まったりするのを自虐的に根多にするのは良かったし、話の途中で登場人物に踊らせるのもなかなかの趣向。
出来としては良くなかったが、遣り切ったことで悪くない後味。

「ねずみ」
最低限のマクラですっと噺に入る。 この辺りも板に付いてきた。
客と四つに組んでじわじわ寄ってくるような噺の運び。 笑いの量としては多くないが聴き応えはあり、なかなかの出来。
真打ちが掛かっているだけに大根多を選ばざるを得ないのだと思うが、私はこの人の毒にも薬にもならない軽い噺が聴きたい。

開票結果は一位 談奈、二位 志らら。
票は伸びなかったが「蛙茶番」が実に良かった。


「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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