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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


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酒田へ行きたい
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投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2014-12-01 築地川から十間川へ [長年日記]

_ PIP定期公演第2章 #01(11/30)

副題として「新たな定期公演の地は押上WALLOP放送局!PIPが日曜の押上を最高に沸かせます!」

築地川のほとりにあった会議室から、十間川のほとりにあるスタジオへ。 楽園を追われたPIPが辿り着いたのは押上WALLOP放送局であった。
入場無料だが事前予約をとるシステムは継続。 100人分の枠はその晩のうちに埋まった。

開演前に司会を務めるカオポイント石橋哲也が話した所によると、PIPリーダーの石川が石橋のイベントのスタッフをしていた縁があり、WALLOPの番組への出演の話を振ったり、次の会場を探している濱野とWALLOPの橋渡しをしたとの事。

スカイツリーが出来て多少開けたとは言え、郊外の私鉄駅近くの住宅地。 100人からの人間が並べる場所が有る訳も無く、試行錯誤しながらビル内に並ばせていた。
何処にどれくらいの人数が並べるのかは見ていたようなので、次回以降の改善に期待したい。
公開収録に使っている三階のスタジオが会場となっており、椅子をあるだけ並べて60席程度確保し、あとは立ち見。
若い番号でも予約するだけして来なかった向きも多く、予約無しの客が来ていたにしてもどれくらい埋まったのかは分からないが、何度も来ているスタジオがこんなに埋まったのは初めて見た。

配信用のトーク番組は1時間とられており、前半30分は夜の番組に出ていない(出られない)年少組メンバーと勤め人の栗城が登場。 面識の殆ど無い石橋哲也との摺りあわせ。
小室、橋田、福田の三人を前列に並べて、司会が突っ込み易い位置に小室を置いたのは上手かった。 一寸刺激を与えると自然に化学反応が起きて、笑いが起こる。
御坂は例によって口を開くと予想外のことを口走って全てを持って行く引きの強さ。

後半30分は中央に司会用のテーブルを置き、下手に年長組(と北川)上手に年少組(と栗城)
議長が公平なようでいて与党(年少組)寄り、野党が不満をぶつけるイギリス下院方式で進行。 風邪で羽月が、仕事の都合で山下がお休み。
振る舞いとして至らないところはありつつ、年長組は役割を理解はしており、石橋の上げたり下げたりが上手いこともあって楽しく過ごせた。
石橋は工藤から澤村に「乗り換えた」体で、澤村を持ち上げたり工藤を落としたりするのだけれど、「体で」やっているのが言外に伝わるので不快ではなく、工藤も灰被り的な役回りを進んで引き受けていた。
企画意図を汲むという点では、北川の嗅覚の鋭さ、大内順子のような柔らかくありつつ芯のある語り口で引き込む小林が出色。

石橋はメンバーの人となりの把握には努め、それを生かしつつ狎れたところは無く、楽屋落ちにもならないよう進行。
CM中に番組スタッフへの指示を出したり、番組としての緊張感を保つ工夫もしているので、手綱の締め方緩め方が絶妙。 年少組のじゃれ合いも度が過ぎぬ所で止まる。
濱野が仕切るとどうしても角の立つ物言いになってしまったり、説明不足で楽屋落ちになってしまうところはあるので、この縁は大事にした方が良いと思う。

オリジナル曲なら配信枠でも出来るらしく、最後に「選ばれたから」で〆。
羽月パートには北川。 八面六臂。

ライブはゲストの meltia から。
funny から pretty そして beautiful や lovely まで、アタナシウス派からカタリ派まで各種取り揃えてお届け。
ジェネリック岡田奈々と言った趣の水木なでしこと、整っていつつ押し出しも強い梨園系の顔立ちの白雪めろが目を惹く。
歌割りと振り付けがしっかり練られており、カバー曲も自家薬籠中のものとなっている。
来月から定期公演を行うとの事。

出囃子に乗ってPIP、「僕を信じて」→「選ばれたから」。 お休みの羽月パートは澤村と北川。
フォーメーションが複雑で且つ振りも激しいのでマイクを持つ手がお留守になるメンバーも多い中、柚木と福田のマイクだけは口と正対し続ける。 柚木は考えてやっているのだと思うが、福田は恐らくそうしようとは思っていないけれど、出来ている。 直覚力の鋭さ。

ほんの数十センチなのだけれど、その高さがあることで舞台は舞台としての説得力を持つ。
会議室から出たことで、PIPは舞台を得た。

ハロー・プロジェクトへの耽溺で知られる工藤千里は時節柄と言う事もあり、道重さゆみの「シャバダバ ドゥ~」をカバー。
思い入れのある楽曲とあって硬さは見られたしトチリもあったのだけれど、そこで絶望を顕わにしなくなったのは良い。
採寸して作った筈の衣装が早くも危うくなり掛けていたが、「天高く」的な季節感を伴うそれではなく、年相応の成長と言う感じ。 悪い方向に向いたものではないように思う。

森崎恵プロデュースで一曲。 森崎、澤村、北川、高城、瑞野でドロシーリトルハッピーの「ASIAN STONE」。
森崎の説明は例によって情念過多で「雄弁は銀」。 要は日の当たりにくいメンバーに光を当て、またこれまでとは違う角度から光を当てることで異なる輝きを見たい・・・と意図であったようだ。
濱野智史の楽曲知識はAKB48グループに偏り過ぎているので、幅広く見て聴いている森崎の知識と情報がこうして生きるのは良いことだと思う。
ドロシーリトルハッピーはダンススクールから生まれたグループなので、どの曲を演るにしてもハードルが高いが、とりあへず人前に出せるレベルにはなっていた。

「てもでもの涙」(柚木・橋田)
「ウィンブルドンへ連れて行って」(福田・空井・小林)
三振覚悟でフルスイングする空井のヤケクソ感が楽しい。
革新政党の婦人議員のような無駄に方に力の入った Bluestocking な感じが歌にも出る。 押上のゲバルト・ローザ。

「きっとぐっとサマーデイズ」(選抜組)
三曲目のオリジナルは冬なのに夏の曲。 羽月パートには瑞野。
手っ取り早く盛り上がれる曲はあっても良い。

公演本編はAKB48の「ありがとう」でしみじみして終える予定だったようだが、間奏でメンバーの名を読み上げる所で森崎が飛ばされる意図しない茶番が発生。 不平不満を言う役回りが自然に廻ってくる森崎。 ここで上手く受身が取れると仕事の幅も拡がる。

アンコールで「きっとぐっとサマーデイズ」を披露し直したところで、濱野から「ここで御坂からお知らせがあります。」
血の巡りの悪い客が「辞めないで」と混ぜっ返そうとするも、御坂の口からでたお知らせなるものはそのものズバリの「辞める話」。 実に間が悪い。
年内一杯でPIPは辞めるが、「公の人になる」と言う目標は変わらず、別の道を捜すとのこと。 
しんみりする間もなく、物販へ移行。

押上に移っての変化は、音響の質の低下。 濱野はへらへら踊りながらミキサー卓で遊んでいるように見えて、実に細かく音量調整をしており、喋る時と歌う時で音量を変えるのは勿論、マイクの持ち手や曲の質によっても変化を付けていた。
ライブハウスではなく、あくまでも放送用のスタジオなので多くを望みすぎるのも酷ではあるが、オケとマイクのバランスがオケ寄りで有りすぎたり、ハウリングを恐れるあまりマイクの音量を絞りすぎていたり、一寸いただけない仕事であった。

終演後に知己とも話したのだけれど、濱野智史は送り手としては非常に良くやっていて、何か問題があっても必ず対策は講じてくる。
客の側としても、クレームではなく、改善提案的なやり方で行きたい。


2014-12-08 デコ隠し [長年日記]

_ tokyo torico(12/2 押上ワロップ放送局3階スタジオ)

第4週から第1週にお引越し、出番も早まって中学生メンバーも出られるようになった。

司会のカオポイント石橋哲也は今日も割と無理のあるデコ隠し。 それはそれとして司会の腕は良い。 ネタを作る(仕込む)力と、その場での応用力の両方がある。

今回は客から投稿を募り、メンバーに状況に合わせた告白をさせる企画。
驚いたのは、その場で台本片手に演るのではなく、メンバーが科白を入れてきていた事。
このあたりも濱野の評価できる所の一つであり、ネット配信のみとは言え一回々々の仕事から何かを掴ませようとしている。 PIPの美点は考えられていて且つ考えさせている所だと思う。
私は集合知というものをあまり信じていないのだけれど、濱野や裏方が考え、メンバーが考え、客が考えた事が番組として形になっている。

緊張しすぎたのか科白が飛んでしまった小室が泣き出してしまう一幕もありつつ、そう言うことも織り込み済みの進行で恙無く。
番組の最後に「僕を信じて」を出演メンバーで披露。 牛島だけ余ってしまい、袖で見守る形になってしまったが、口ずさみながら手だけで軽く踊るさまが切なかった。
牛島にしても森崎にしても、プロデュース志望の連中が目立たない所で濱野を補完する仕事をし始めており、グループとしての面白みは増してきた。

物販は狭い部屋を共有しつつ行うので制約が多く、改善はされつつあるが回転効率が悪い。 試行錯誤している形跡は見られるので、暫く静観しようと思う。

PIPもロハとは言え公演に一束からの客を集められた訳で、この日の集客も群を抜いていた。
並行物販の弊害と言うか宿命と言うか、オープニングのときにあれだけ居た客が自分たちの出演時間になると根こそぎ居ないと言うのは妬み・やっかみの種になる。 PIPの物販待ちの列にビラを配りに行かされた別のグループのメンバーも辛そうだった。
芸事と言うものは常に理不尽の中に在り、それとどう折り合いを付けて行くのか、もしくは強行突破するのか、跨いで通るのか、濱野の手腕が問われようとしている。


2014-12-09 野暮な企画の野暮役場 [長年日記]

_ 落語立川流真打トライアル(第3回)(26.12.3 日暮里サニーホール)

「紙入れ」 談奈
「尻餅」 錦魚
「淀五郎」 志らら
<中入り>
「ろうそく」「奴さん」 らく朝
「鼠穴」 らく里

例によって開演後入場。 六時まで働いて六時半に日暮里なんざ辿り着けよう筈もなく。
前のほうに年寄りが多く、後ろのほうに勤め人然とした風体の客が多いことが客層と開場時間の関係を示している。
入場枠は増やしたようだが、噺家の人生を左右しかねないイベントの割に箱が小さ過ぎる。

「紙入れ」は旦那が帰って来る前くらいから。 一席終わるまでとりあへず立ち見。 このあたりの機微も判らない人が増えた。
次が始まる前に空席に潜り込み、ふと目を上げると談大さんのお客さんだった人。

「紙入れ」は詰めの甘さとフラの境目くらいのいつもの感じ。 妙な入れ事もなく、まずまずの出来。

年の瀬の話しをマクラに振って、どちらかなぁ・・・と思ったら「尻餅」。
こう言う毒にも薬にもならない、へらへら笑っているうちに終わって何も残らない噺が私は好きだ。 馬鹿馬鹿しく賑やかに。

師匠から指定された根多を掛けなければならないのは苦しいところだが、今月は柄に無い噺を演っている感はありつつも、理不尽に翻弄される淀五郎の軽さが、志ららさんらしく描き出されていた。
一と太刀怨むのではなく、滅多刺しにしようとする淀五郎。 斬ると刺すの間に横たわるもの。 五万三千石になりきれないちぐはぐさが、意図したかどうかは判らないが表れていた。

中入りのロビーの空気は矢張り重い。 客が客として楽しめていない。

「ろうそく」は「死神」の筋を借りて「疝気の虫」のサゲをつけたような大腸癌予防の健康落語。 亡くなった柳昇師の「課長の犬」のような置き換え系の新作で、口調は古今亭。 噺も口調も掴み込みで志らく一門っぽさは欠片も無い。
笑いの量はあり、若し今もBコースがあったら文句無く真打だと思う。
一席終えて踊り。 陽気に演るのは良いが、一々「奴さんだよぉ」だの「姉さんだよぉ」ってのが如何にも野暮。 割り切った野暮ではあるが、私が見たいものとは対極にある代物。
客の方も野暮については相身互い、手拍子が裏んなったり表んなったり忙しい。

マクラを振らずに「鼠穴」。 ざわついた空気が締まる。 前回の「六尺棒」はトントーンと進んでサゲまで駆け抜けたが、入り組んだ噺だけにそうも行かず、イップスが出るところもあったがリズムにズレが出る程度に抑え込んでいた。
客の携帯が鳴り出したりもしたが、不測の事態をサラリ切り抜けてなんとかするのが真打。
色々あったが悪くない出来だったと思う。

持っていたチケットは三回目までなので、ここで私の併走もお仕舞い。
気にはなるので見には行ったが、楽しい会ではなかった。 つくづく、野暮な企画だと思う。
会場の大きさであったり、開場・開演時間であったり、開票の方法であったり、企画として煮詰めきれていない部分が有り過ぎる。
その野暮を嬉々としてやってしまうところに談志不在による師匠連と談志役場のおやかり具合が見え隠れ。

2014-12-14 おまけ公演 [長年日記]

_ PIPが送る90分完全無料単独ライブイベント!!@WALLOP放送局(押上)

「月に一度か二度」と濱野は語っていたが、早くも二度目のライブ。
どういう事なのかと思ったら別枠らしい。
ライブの案内によると
先日11/30より、押上WALLOP放送局を舞台に新たな月1定期公演を始動したPIP。
定期公演ではWALLOP放送局でのバラエティ番組「PIPEACE」の公開収録を兼ねていますが、今回12/14(日)は、約90分のPIP単独ライブのみのイベントを開催いたします。(ライブイベント後、3Fスタジオにて物販交流会も行います。2ショットチェキ会・サイン付き)

「入場無料(ドリンク代なし)」となりますので、ぜひお気軽にPIPライブまで足をお運びください!

とのこと。
同じ箱でやるライブは回数が多い方が良い。

文字通りの師走で濱野も忙しいらしく、告知が遅くなったり入場予約が前日にずれ込んだりしたが、バタバタはしつつも回している。
今回は濱野(舞)、山下、栗城、石川の欠席が事前に告知されており、牛島も体調不良でお休み。 選抜に空きが出来ると見どころも増える。

定期公演の初回は一束からの集客があったが、冷やかしも多かったと見えて裏が返らず六割からの入り。
一定のスペースにどこまで客を並ばせられるか測ってあるようで、スタッフの連携もよく、客入れは前回よりスムーズに行われてほぼタイムテーブル通りに入場・開演。 この辺りは実にしっかりしている。
ウェストミンスター寺院の鐘が響き、澤村の影アナで注意事項。 「盛り上がってますか?」との問い掛けが解らない。 まだ何も始まってはいない。

ほどなくして開演。 全体曲を4曲。
小林は低めの二つ結び。 自動空戦フラップ。 小林はハウリングの兆しを耳で感じ取るとさりげなくマイクを逃がしていた。 細かく良い仕事。
羽月は前髪を自棄糞に固めた妙な髪形。 些かケープを掛け過ぎなのではないかと思う。 他にもこの「羽月式ヘアメイク術」を駆使しているメンバーが散見されたが、固めて誤魔化すのは髪にあまりよろしくない。
今回はダミーマイクをほぼ人数分使用。 ハウリングを起こしやすい環境であり、ミキサーには厳しいが、ダミーでも「マイクらしきもの」はやはり持っていた方が見栄えが良い。 全員生きたマイクを使えるのが理想ではあるが、設備と運用に金が掛かりすぎる。

4曲終わって自己紹介。 前列が捌けたあと、裏に持って行ったマイクを切らなかったのでガヤを拾ってしまっていた。 このあたりも音響担当者がライブ慣れしていないところの弊害が出てしまっている。

中盤はユニットコーナー。

向日葵 (永瀬、空井、柚木、森崎)
牛島パートに柚木。 ここに入ると役者が違って鎧袖一触の感。
柚木は膝と足首が柔らかく、爪先重心。 これ見よがしにならぬ控えめな巧さ。

ハート型ウイルス (小林、御坂、豊栄)
豊栄は珍しくデコ出しの髪形。 才槌頭の中に灰色の脳細胞。
御坂はトチっても顔に出ないのが良い。 こで絶望的な表情をされると見ている側も辛い。

てもでもの涙 (北川、柚木)
北川は動きと表情に情緒が出てきたし、マイクの扱いも適切になりつつある。

てもでもの涙 (羽月、橋田)
引き続き「てもでも」。 橋田は憶えなければならないことが多すぎるのか、出来としては良くないが、懊悩を滲ませつつ前を向く姿は美しかった。

高嶺の林檎 (瑞野、澤村)
受験も首尾良く終わり、晴れやかな澤村。
瑞野はスピーカーに対するマイクの逃がし方、止め撥ねなど、仕事が細かい。

天使のしっぽ (福田、小室、橋田)
夢見る15歳 (福田、工藤、小室、橋田)
ウィンブルドンへ連れて行って (福田、柚木、橋田)
この3曲は入り捌け、メンバーの入れ替わりも含めて上手く繋いであった。
本日八面六臂の橋田。 慣れた曲では明るい表情。 福田はそう言った「空気・雰囲気」を直覚的に捉えて表情が変わる。
小室は身体で憶えて考えなくても踊れるようになりつつあり、表情も動きのキレも良くなっている。
工藤は世界中の苦悩を一人で背負ったように陰々滅々としていた最初期から較べると実に良くなった。 表情も動きも軽く明るく、最早「呉下の阿蒙」ではない。 次回も括目して見たい。
動きの自由度の高いユニット曲になると水を得た魚の柚木。 広いところで見たい。 舞台が大きければ大きいだけ映える。

僕を信じて
選ばれたから
きっとぐっとサマーデイズ
タンポポの決心

終盤は選抜組によるオリジナル曲からタンポポの決心で〆。
石川と濱野の穴は瑞野・永瀬と北川が埋めていた。 瑞野・永瀬は守備固め要員としては十分及第点。 華こそ無いが破綻しない。
後列の北川、客とケチャの応酬。 北川は客との馴れ合いの匙加減が上手い。

僕を信じて
きっとぐっとサマーデイズ

熱いのと演目の密度が濃いのとで、長めにインターバルをとってアンコール2曲。
モニタースピーカーが無いので、客が盛り上がると音が取れなくなることがある。 音響面ではこの辺りが課題。
客を煽るのは良いが、演者がMIXというのは如何なものか。 MIXなんざ舞台の上で起こっている事とは関係の無い、客の謂わば自慰のようなものであり、演者が手を貸すは本末転倒であり、自己否定でもある。

最後の最後、暑さもあって全員ヘロヘロになっているところで、後ろの方で見ていたカオポイント石橋哲也が二列目端の空席にするっと滑り込む。
これで空気が入って笑顔が戻り、終演。 曲が終わるや立ち見の中に戻る石橋、良い形の援護射撃であった。

音響はライブ前提で作られていない収録用のスタジオとしては限界に近いところまでやっているように感じられるが、オケとマイクのバランスは相変わらず悪い。 それでもハウリング対応も含めて前回よりは格段に良くなっていた。

客が増えたり減ったりするのは精神衛生上良いとは言えないが、出来が良くても悪くても常に大入りと言う状況から較べると、どうやって客を増やすか考える事が出来るだけでも、後の人生にはプラスに働くのではないかと思う。

スタッフが客を信用していられる状態は辛うじて続いているが、二人分の椅子の真ん中にシレッと座って場所取りをしたり、後ろで騒ぎたくなって放棄したり、椅子の上に立ち上がったり、荒れる芽は育ちつつある。
愛国無罪系の馬鹿とどう折り合いをつけるのか、数が増えないうちに対処法を考えるべきであろう。

濱野智史は中間子説的に客の行動を観察し、心理を洞察するけれど、打つ対策としては性善説に振れて客の理性に寄り掛かるものになってしまっている。
ここに私は危うさを感じる。

それでもまだまだ平和ではあり、見ていて楽しいのも間違いない。

2014-12-21 Showroom Dummies [長年日記]

_ UTB 2014 6月号

乃木坂46(生駒、生田、松村、若月、秋元)
表紙と巻頭グラビア14ページ17カット、見開き2か所。 撮影は佐藤裕之。

集合とインタビューで見開き。 水着にさせない乃木坂らしく、なるべく薄着にしたカットと、服を着せたカットで一人2ページ2カット。

薄着にしたカットは、薄着にしたことで或る程度完結してしまっており、服を着たカットの方が曲が有って面白い。

右手にはレオニー・スヴァンの「Three Bags Full」を、左手には鼈甲縁の眼鏡を持ち、ツルの先を顎に当てて何やら思案顔の生駒。
ワンピースの第一ボタンだけ外しているのも良いし、眼鏡を掛けずに手に持たせ、敢えて古典的なポーズを取らせているのも良い。

松村のすっとぼけたような柔らかい表情も良い。
こんな暢気な笑顔ももう見られないかも知れない訳で、中高年向け下衆ジャーナリズムにアイドルが消費される事が是認される世の中に対する憤怒が湧き上がる。

庭先で椅子に腰掛けてアフタヌーン・ティーと洒落込む生田。
絶妙な光がうっすらとスカートを透かす。

ヘアメイクをガーリィに、衣装をボーイッシュにした若月も良いが、秋元だけは撮りあぐね撮られあぐねた感じで割を食っている。


眉を出るか出ないかくらいに前髪を整え、表情に幅を出したヘアメイクも良い。

藪下柊
6ページ10カット、撮影は桑島智輝。
撮られるのは上手く、ソツが無い。 然し乍ら「撮られたい」表情しかしないのと、諧調に乏しく引き出しが少ないのとで退屈な写真。
小さく纏まるには早すぎる。

古畑奈和
7ページ9カット、撮影は佐藤裕之。
カメラの前に素で立てるのが先ず良い。
表情にも諧調があり、仕草に味があり、組んだ腕、絡めた指に意味を持たせられる。
先輩と組でした仕事で学んだことを、一人の仕事でもきっちり生かしている。
佐藤裕之の外光の入る屋内での構図の切り方、光の組み立て方は矢張り上手い。

朝長美桜
6ページ9カット、撮影はTakeo Dec.
一種類しかない笑顔を、撮る角度で切り分けて6ページもたせるTakeo Dec.の力技。

山本舞香
5ページ7カット、撮影は熊谷貫。
モデルとして撮られ慣れているからか、寄って撮られてもたじろがない。
熊谷貫もいつものゴリゴリした寄り方ではなく、にじり寄るように撮っている。
焦点の置きどころも深度も的確。 2ページ目4ページ目の寄ったカットが秀逸。

吉本美憂
5ページ9カット、撮影はサトウノブタカ。
インタビューでも何かしらのストーリーを組んで撮られていると語っているが、何かしらの役になっている自分ならざる誰かになっていないとカメラの前に立てない役者属性の面倒臭さが写真にも出ている。
ソツは無いが面白みも無い。

今野鮎莉
5ページ7カット、撮影は熊谷貫だが、可もなく不可もないルーティンワーク。

おのののか
6ページ9カット、撮影は小池伸一郎。
小池伸一郎の写真を見る度に、背景の構造物の描き出す線を探してしまうのだけれど、今回はワイヤー入りの窓ガラスの描き出す縦の線をアクセントに使っており、それが面白い効果を出していた。
背景と被写体の間にある、うっすらとした何か。

谷真理佳×指原莉乃
例の連載企画6ページ7カット、撮影は桑島智輝。
インタビュー部分では全く説明が無いが、谷をお嬢様に仕立てて6カット。
借りてきた黒猫の不敵な面魂も含め、道具立てが面白い。

上野優華
5ページ9カット、撮影はサトウノブタカ。
屋外でセーラー服、屋内で部屋着。
どことなくヤングジャンプの巻頭グラビアを思い起こさせる健全な9カット。

植村あかり
5ページ5カット、撮影は山中優子。
全体としてピントが甘い。 甘いと言うか、意図したところに来ていない隔靴掻痒感。
2ページ目など面白い写真もあるのだけれど、拙さが先に目に付いてしまう。
植村あかりの撮られ方が上手くなっているのが確認できたのが救い。

ハロプロ研修生(牧野、小川、佐々木、田辺、浜浦)
7ページ8カット、撮影は佐藤裕之。
3ページ目の個別カットを除く全てのカットが冗長。
クラフトワークのジャケット写真のような並び写真。 Showroom Dummies

工藤遥
6ページ8カット、撮影は本田龍介。
漆喰で塗り固めたような、肌の過剰な加工がいただけない。
2ページ目などは良いのだけれど、出来不出来の差が激しい。
まぁ、ハロープロジェクトは事務所の過干渉が常にあるので、この仕事だけでカメラマンの力量は判らないが、塗り絵レタッチ芸であることは判った。
背景や周囲に物が無い時の構図の切り方は良いのだけれど、配置と整理が出来ないのはいただけない。

鈴木愛理
6ページ7カット、見開き1か所。 撮影は西田幸樹。
シンガポールでの撮影ながら、光を上手く回したり殺したりして、南国感は出しつつ過度に眩しげな凶相にはならないように撮っている。
見開きのカットが良い。 凄艶。

_ UTB 2014 8月号

川口春奈
表紙と巻頭グラビア10ページ9カット、見開き1か所。 撮影は桑島智輝。

スタジオ撮影分が出色。 久々に閉鎖空間での桑島智輝の腕の冴えを堪能。
川口春奈は映える角度が非常に広いのだけれど、あまり撮られる事の無い角度から攻めていて、その視点の見つけ方にも驚かされる。
しかし川口春奈、どこから撮っても隙が無い。

木﨑ゆりあ
7ページ8カット、撮影は山口勝己。
ライティングで白木﨑と黒木﨑を撮り分ける万国白黒ショー。 白く飛ばした方は山口勝己らしくあるが、浅黒く撮った方が木﨑ゆりあの本来に近いように思う。
どちらも精緻に組み立てて撮ったブツ撮りで、生き物としての息遣いは感じられないが、造形美については粗を隠して実に上手く切り取っている。

白間美瑠
7ページ12カット、撮影は西條彰仁。
表情は一本調子だが、映える角度が広いので切り取り方の工夫で7ページ持たせている。
西條彰仁の撮り方としてパターン化された枠内での仕事である詰まらなさは有るし、光を些か強く当てすぎた撮り方は好みでは無いが、陰翳で身体の線を描き出す技術には唸らされる。

向井地美音
6ページ11カット、撮影は長野博文。
当たり前と言えば当たり前なのだけれど、水着のカットになると表情が強張る。
服を着たカットでも表情は些か単調なのであるが、6ページ目などはカメラと素で向き合えており、被写体としての可能性は見て取れる。

村山彩希
5ページ10カット、撮影は佐藤裕之。
こちらも水着になると固まる。 水着で写真に撮られると言うのは一種異様な状態なので、そうならない方がおかしくはあり、村山を責めるのは当たらない。
パーカー一枚でも羽織れば和らぐのも微笑ましく、水着以外のカットに関しては上手く撮られている。
映える角度を探るのに手間取った形跡はあるが、現状での最適解には近いのではなかろうか。

星野みなみ
6ページ8カット、撮影は長野博文。
若干眩しがりの気があり前半はあまり良い出来ではないが、最後のページのヴァイオリンを構えたカットが実に良い。 これで帳尻が合った。

X21(籠谷、末永、長尾)
オスカーらしい詰まらないグラビア。 ワニブックスなのに近代映画社テイストな旧態依然とした6ページ9カット、撮影は佐藤裕之。
事務所としてはこの程度の顔見世グラビアでも良いのであろうか。 とりあへず佐藤裕之に撮らせる意味は無い。
まぁ、声のかかった仕事を先方の指定する仕様に合わせて納品するのも仕事のうちではある。

廣田あいか
6ページ8カット、撮影は佐藤裕之。
ドクター・イエローのプラレール、世田谷線の上町踏切など、業の深い鉄道好きである廣田の趣味嗜好に合わせた道具立てとロケーション。
雨天とあっていつも以上に柔らかく廻る光を使って、浮世離れした非現実的な佇まいを上手く切り取っている。

譜久村聖
6ページ8カット、撮影は西條彰仁。
表情は例によって単調。 切り取り方の工夫で何とかしている。
写真としての出来は悪くないのだけれど、西條彰仁のルーティンワークと言うか何と言うか。 産業グラビア。

矢吹奈子・田中美久
6ページ14カット、撮影は國方大。
仲良く遊ばせてカメラに対する意識を薄くしてから撮る羽仁進的手法で撮影した3ページ目が良い。
全体を通してほぼニコパチなのだけれど、子供らしい可愛らしさを撮るにはこれで良い。

吉川友
写真集からの5ページ7カット、撮影は西條彰仁。
太く写らないように技巧が凝らされているが、それが些か鼻につく。
そこはまぁ事務所の意向であると思われるので、カメラマンが下手な訳ではない。

ハロプロ研修生(段原、大浦、新沼)
5ページ7カット、撮影は長野博文。
事務所指定の枠の中で、如何に写真にするかという不毛な作業の中でも最善は尽くされており、何とか見られる出来。
下らない縛りの中で打率五割は褒められて良い。

真野恵里菜・矢島舞美
7ページ8カット、撮影は山中優子。
この二人を組ませると、通常は出来の良いグラビアになるのだけれど、山中優子の撮り方が拙く、真野恵里菜が割を食った格好。
借金のカタに撮らされたビニール本のような生々しさはあるが、そんなものは犬も食わない。

剛力彩芽
写真集からの6ページ8カット、撮影は橋本雅司。
どこにでも押し込んで来る事務所の売り方で悪評を聞く事も多いが、撮られ方の上手さと、されるがままのようでいて「らしさ」は出して来るところに "それでも売れる理由" が見えて来る。
何故か奇数ページが良い。

_ UTB+ 2014 7月増刊

宮本佳林
写真集の other cut で11ページ12カット、見開き1か所。 撮影は西田幸樹。
ハロープロジェクトの写真集と言う事で期待はしていなかったのだけれど、そこは西田幸樹。
日中の屋外でも写真にしてきており、最終ページでは雨に恵まれてすらいる。
笑顔、真顔、ビックリ顔の三種類しかない表情も、目を閉じさせたり切り取る角度を工夫したりで変化をつけている。
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岡田奈々
7ページ12カット、撮影は佐藤裕之。
インタビューでは「撮影に慣れてきていろんな表情が出せた」と語っているが、例によって画一的且つ頑な表情。 自画自賛の閾値が低過ぎる。
水着で表情が硬いのは割り引くにしても、服を着たカットですら表情に諧調が乏しく、仕草やポーズも含めて全てが硬い。
佐藤裕之が造形美を切り取ることで成り立った7ページであり、モデルとしての仕事は其処に居た事くらい。

半年後の1月号で一と皮剥けた姿は見られる訳で、この仕事も肥やしにはなったのだと思う。

森川葵
銚子近郊での撮影。 キャベツや電車などを絡めて6ページ7カット。
長野博文が夕景を撮るのも珍しいが、「らしい絵」になっている。

須田亜香里
6ページ10カット、撮影はサトウノブタカ。
須田の「ホスピタリティ」を静止画に切り取った10カット。
1ページ目のとろけるような笑顔が良い。

入山杏奈
6ページ11カット、撮影は門嶋淳矢。
どう撮っても絵になってしまう入山の「綺麗の中に潜む可愛らしさ」を炙りだすうな11カット。
感情に揺らぎが出ると、可愛らしさが滲み出てくる。

佐々木優佳里
6ページ10カット、撮影は山口勝己。
山口勝己が生きた人間を活き活きと撮ると言う椿事。
粗を隠して美点を引き出すポージングの妙はそのままに、モデルが生き物として写っているのが画期的。
5ページ目の躍動感のあるカットも実に良い。

松岡菜摘
6ページ9カット、撮影は國方大。
被写体の松岡もそうだが、撮る側の國方大も一と皮剥けた感じ。
動かして撮ったカットでは若干はみ出してしまっているのもあるが、全体を通して厳密な構図。
脚の長さを生かして撮ると言うのは意外に難しいもので、4ページ目左上などは上手く撮れている。

和田まあや
6ページ7カット、見開き1か所。 撮影は桑島智輝。
大き目のYシャツ一枚、大き目のTシャツ一枚の屋内撮影分を中心に構成。 最後に白いワンピースの屋外を一枚。
ぽってりした唇の色気を見せる事に特化し、口の開き方・唇の引き結び方に変化をつけて撮影。 芸が細かい。

高月彩良
6ページ9カット、撮影はMARCO。
寄っても引いても写真になっている。
色に関しては煩さも感じるが、それは私の好みの問題であり、良く撮れてはいると思う。

大友花恋
5ページ5カット、撮影は樽木優美子。
嫌いな種類の写真なのであるが、その「嫌い」を取り払って見ると、大道具も衣装も凝った作りになっていて、良く撮れている。

中西智代梨×指原莉乃
例の企画、6ページ5カット、見開き1か所。 撮影はHIROKAZU。
この企画での指原は引き立て役に回っているが、今回は中西の惜別企画としての意味合いもある為か更に引いてしまっていることで逆に目を惹くという良く判らないことになっている。

ハロプロ研修生(浜浦、岸本、和田)
6ページ8カット、撮影は西條彰仁。
ダンスレッスン風景的に2ページ、制服で3ページ。
浜浦が本尊、岸本と和田は脇侍の扱い。 並べてみれば格としては確かにそうなのだけれど、あからさますぎて興が乗らない。
散りかけの桜を背景に三人で歩いてくるカットは良い。

石田亜祐美
6ページ9カット、撮影は樂満直城。
良くも悪くも(主に「悪くも」)ハロプロ写真集。
とりあへず「夏だ、海だ、水着だ」的な安直さ、思考停止した官僚機構の病巣が見えるところにあるのに誰も手を付けない奇怪さ。
眩しそうでないカットが全くないと言う地獄。

真野恵里菜
7ページ9カット、撮影は西田幸樹。
真野恵里菜は例外的に写真の仕事でハズレを引くことが少ない。 今回も良い出来。
演じる仕事の比重が増えて、役による髪形・髪色の変化はあるのだけれど、それを生かして衣装やメイクが考えられているので、変化の振れ幅が大きい割にイメージとしてのブレが少ない。
真野恵里菜は常に真野恵里菜でありつつ、実年齢に合わせて大人にもなって行っている

2014-12-29 年寄歓喜の4つ打ちハウス [長年日記]

_ tokyo torico(2014.12.23)

途中入場でアイドル諜報機関LEVEL7の半ばから。 星野瑞映のいるchoice?を久しぶりに見た。

PIPは風邪っぴきが多く、何人か休演。 小室の前髪が額にペタリと張り付いてカールしており、漫画トリオ時代の横山ノックに酷似。 パンパカ感。

今回はPIPに因んだ題での大喜利企画。 「わかんなーい」「できなーい」的なダレはなく、考え・喰らい付いていくのは良いし、考えたことをやり切る姿勢も良い。
フリップに書く為のマジックの蓋が固く「あけれなーい」と羽月。 こともなげに開ける牛島。
小林は細かくお洒落で、わかりにくくチョーカー着用。 山の手より西東京寄りの洒落乙感。

最後に一曲「僕を信じて」。
中学生は出られない時間(出演時間はぎりぎりだが、そのあとの物販がネック)なので、センターの橋田ポジションに福田。 出来としては良くなかったが、やり切っていたのは矢張り良い。 PIPに於いて濱野智史が徹底させている仕事に対する規範意識は、この先どんな仕事に就いても生きて来ると思う。

歌い終えて唇を噛み、表情が翳る福田。 それを引き摺らないのも美点だと思う。

休演・代演で心太式に選抜曲に出る牛島。 物に動じないようでいて、しくじると顔に出るのが面白い。

_ spring closet 春色クリスマス'14(ワンフォー)(2014.12.25)

仕事帰りに受験生アイドル「スタディスターズプロジェクト」のクリスマスイベントへ。 スタディスターズプロジェクトについては、、こちら参照のこと。
内容は

・金澤希美の誕生日祝い
・各メンバーの学習記録tweetに関する検証
・各メンバーの学力、アイドル力分析。期末テストの結果。

11/10~12/21まで、メンバーのツイートは勉強に関することのみに決められており、そのルールに基づいてどんなツイートをどれくらいしたかを検証。
親に携帯を取り上げられてツイートそのものが出来なかったり、私的なことをツイートしたりした件について追及する主催のコムラ氏。 それにメンバーが反論したり、言い訳にならない言い訳をしたり、逆ねじを食らわせたり。 新卒の担任が女学生に翻弄されるさまを見るのは、親戚の授業参観に行ったようで微笑ましく。

2時間のイベントではあったが、メンバーは口々に「短かった気がする」
そこでハタと思い当たるコムラ氏。 普段の自習イベントは朝から夕方までの半日工程なので、2時間と言えば普通のアイドルの現場なら長丁場なのだけれど、相対的に短く感じてしまうと言う事らしい。

イベントはライブを交えつつ、受験生アイドルらしく志望校や将来の夢についての話など。
高校三年の頃には夢らしい夢も持たなくなってしまっていた自らを省みてどんよりしつつ、具体性があったりなかったりする夢らしい夢の話を聞く。

リーダーの工藤だった杉崎が辞めてしまったので、白井がリーダー四宮が副リーダーに就任。 引っ張るより支えられるリーダーとのこと。

ライブでやる曲は主催者の趣味で二期 Tomato n'Pine なので、客は完全に鑑賞モード。 静かに聞いて歌い終えたら拍手する発表会形式。
客はおとなしい受験生と大人なので、実に牧歌的。 絵に描いたような平和。
割と居心地の良い現場でも、一度や二度は不快な瞬間は訪れるものなのだけれど、スタディスターズプロジェクトには例外的にそれが無い。

湧き立つような興奮を伴う楽しさではなく、穏やかで心地よい空間と時間。 精神の半身浴。

_ PIP定期公演第2章 #02: 12月生メンバー(空井・豊栄・森崎・北川)合同生誕&御坂ゆき乃卒業公演!(2014.12.28)

インフルエンザなどで小室、羽月、高城、栗城が休演。 PIP京都から3人来演。 そして珍しく山下。
体調不良休演率の高さには、濱野も苦慮しているようだ。 無理をさせるのではなく、風邪予防について考える濱野。

前半はバラエティー番組としてネット配信を一時間。 司会はカオポイントの石橋哲也。
「紅白対抗胸キュン合戦」と題して、客から投稿された告白シュチュエーションをチーム対抗で。
メンバーの人となりを踏まえた投稿は総じて質が高く。 メンバーのやり切る姿勢も相まって楽しめた。

後半は辞める御坂に絡めた客の持ち込み企画。 これが酷かった。
持ち込み企画でも公私の別は付けるべきであり、板に上がったら「仕事」をしなければならないのだけれど、それが出来ていない。 石橋や濱野の司会者としての振る舞いを見ていれば当然分かる筈の基本的なモラルが欠如しており、メンバーを苗字ではなくニックネームで呼んだり、無駄に早口であったり、正面が切れなかったり、時間配分を考えられなかったり。
まだ青い 素人浄瑠璃 玄人がって 赤い顔して 黄な声を出す
蜀山人が五色で詠んだ狂歌があるが、まさにそれ。 玄人気取りで素人以下だからタチが悪い。
出来なければやるべきではないし、やるのであれば出来なければならない。 少なくとも出来るように努力はすべき。 それが欠片も見られない業界人ごっこみたいなのは真平御免蒙る。
グッダグダになりかけつつ、要所要所でカオポイント石橋が助け舟をだして何とか纏めてから後半のライブパートへ。

羽月と小室の休演で空いた選抜の穴には澤村と永瀬と御坂。
華はないがそつなくさまざまなパートをこなす永瀬、兎に角試合を壊さない。 アイドル界の中井康之。

工藤と柚木が並ぶと、その振付の解釈と咀嚼の違いが際立って面白い。 主張する工藤と解釈させる柚木。

配信専門とはいえ放送局なので、ライブの音響に関しては畑違いで拙く、曲出しのタイミングが悪かったりマイク音量のバランスが悪かったり。 ワイヤレスマイクの電池が切れているというのはそもそも論外なのであるがそれはさておき、ハウリングが激しく、兆しの音がしても反応できずに収束が遅れるのはいただけない。 いっそ濱野がやるべき。

歌って踊るさなかに、時折沈思内省する豊栄。 魔法が解けて(解いてしまって)可愛くない顔になってしまうところが愛らしい。
振り付けに情緒が出てきた北川。 それは良いのだけれど、客席を大掴みで見られなくなってしまっていて、自分の客だけに濃厚なサービス。 これはよろしくない。

12月の生誕コーナーは人数が多いので4人で2曲。 クリスマスっぽい赤と白の衣装。
空井のおどろおどろしい歌唱と暗黒舞踏風味のダンスが楽しい。 飛び跳ねると丸見えになるズロースがエモーショナル。

新曲の「誘惑のハートビート」は年寄歓喜の4つ打ちハウス。 隣で見ていた友人曰く「BPM:125、ようやくクラブで掛けられる曲が来た。」 音源化が待たれる。

「捌けるのは上手からって言ったよねぇ。 ・・・まぁ良いんだけど。」と濱野。
濱野が「・・・まぁ良いんだけど。」で〆た際の前置き部分はたいてい「・・・まぁ良いんだけど。」と言いつつ「まぁ良くない」ことなので、メンバーも客も注意されたい。
「在宅は死ね」の件でもそうだが、濱野の言動の厄介なのは言葉通りの意味ではないところであり、それが脊髄反射馬鹿にも扇情的なもの言いを嫌う理知的な向きにも伝わりづらい原因になっている。

PIP京都の三人。 手元のメモには「古代ケルト」「マリファナ感の無い益戸育江」「黒姫山」「妙に艶っぽい人」「小金治」などの文字列。

本日をもって御坂が辞め、豊栄が暫し休演。 いろいろありつつPIPの2014年が終わった。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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