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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


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酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2014-12-01 築地川から十間川へ [長年日記]

_ PIP定期公演第2章 #01(11/30)

副題として「新たな定期公演の地は押上WALLOP放送局!PIPが日曜の押上を最高に沸かせます!」

築地川のほとりにあった会議室から、十間川のほとりにあるスタジオへ。 楽園を追われたPIPが辿り着いたのは押上WALLOP放送局であった。
入場無料だが事前予約をとるシステムは継続。 100人分の枠はその晩のうちに埋まった。

開演前に司会を務めるカオポイント石橋哲也が話した所によると、PIPリーダーの石川が石橋のイベントのスタッフをしていた縁があり、WALLOPの番組への出演の話を振ったり、次の会場を探している濱野とWALLOPの橋渡しをしたとの事。

スカイツリーが出来て多少開けたとは言え、郊外の私鉄駅近くの住宅地。 100人からの人間が並べる場所が有る訳も無く、試行錯誤しながらビル内に並ばせていた。
何処にどれくらいの人数が並べるのかは見ていたようなので、次回以降の改善に期待したい。
公開収録に使っている三階のスタジオが会場となっており、椅子をあるだけ並べて60席程度確保し、あとは立ち見。
若い番号でも予約するだけして来なかった向きも多く、予約無しの客が来ていたにしてもどれくらい埋まったのかは分からないが、何度も来ているスタジオがこんなに埋まったのは初めて見た。

配信用のトーク番組は1時間とられており、前半30分は夜の番組に出ていない(出られない)年少組メンバーと勤め人の栗城が登場。 面識の殆ど無い石橋哲也との摺りあわせ。
小室、橋田、福田の三人を前列に並べて、司会が突っ込み易い位置に小室を置いたのは上手かった。 一寸刺激を与えると自然に化学反応が起きて、笑いが起こる。
御坂は例によって口を開くと予想外のことを口走って全てを持って行く引きの強さ。

後半30分は中央に司会用のテーブルを置き、下手に年長組(と北川)上手に年少組(と栗城)
議長が公平なようでいて与党(年少組)寄り、野党が不満をぶつけるイギリス下院方式で進行。 風邪で羽月が、仕事の都合で山下がお休み。
振る舞いとして至らないところはありつつ、年長組は役割を理解はしており、石橋の上げたり下げたりが上手いこともあって楽しく過ごせた。
石橋は工藤から澤村に「乗り換えた」体で、澤村を持ち上げたり工藤を落としたりするのだけれど、「体で」やっているのが言外に伝わるので不快ではなく、工藤も灰被り的な役回りを進んで引き受けていた。
企画意図を汲むという点では、北川の嗅覚の鋭さ、大内順子のような柔らかくありつつ芯のある語り口で引き込む小林が出色。

石橋はメンバーの人となりの把握には努め、それを生かしつつ狎れたところは無く、楽屋落ちにもならないよう進行。
CM中に番組スタッフへの指示を出したり、番組としての緊張感を保つ工夫もしているので、手綱の締め方緩め方が絶妙。 年少組のじゃれ合いも度が過ぎぬ所で止まる。
濱野が仕切るとどうしても角の立つ物言いになってしまったり、説明不足で楽屋落ちになってしまうところはあるので、この縁は大事にした方が良いと思う。

オリジナル曲なら配信枠でも出来るらしく、最後に「選ばれたから」で〆。
羽月パートには北川。 八面六臂。

ライブはゲストの meltia から。
funny から pretty そして beautiful や lovely まで、アタナシウス派からカタリ派まで各種取り揃えてお届け。
ジェネリック岡田奈々と言った趣の水木なでしこと、整っていつつ押し出しも強い梨園系の顔立ちの白雪めろが目を惹く。
歌割りと振り付けがしっかり練られており、カバー曲も自家薬籠中のものとなっている。
来月から定期公演を行うとの事。

出囃子に乗ってPIP、「僕を信じて」→「選ばれたから」。 お休みの羽月パートは澤村と北川。
フォーメーションが複雑で且つ振りも激しいのでマイクを持つ手がお留守になるメンバーも多い中、柚木と福田のマイクだけは口と正対し続ける。 柚木は考えてやっているのだと思うが、福田は恐らくそうしようとは思っていないけれど、出来ている。 直覚力の鋭さ。

ほんの数十センチなのだけれど、その高さがあることで舞台は舞台としての説得力を持つ。
会議室から出たことで、PIPは舞台を得た。

ハロー・プロジェクトへの耽溺で知られる工藤千里は時節柄と言う事もあり、道重さゆみの「シャバダバ ドゥ~」をカバー。
思い入れのある楽曲とあって硬さは見られたしトチリもあったのだけれど、そこで絶望を顕わにしなくなったのは良い。
採寸して作った筈の衣装が早くも危うくなり掛けていたが、「天高く」的な季節感を伴うそれではなく、年相応の成長と言う感じ。 悪い方向に向いたものではないように思う。

森崎恵プロデュースで一曲。 森崎、澤村、北川、高城、瑞野でドロシーリトルハッピーの「ASIAN STONE」。
森崎の説明は例によって情念過多で「雄弁は銀」。 要は日の当たりにくいメンバーに光を当て、またこれまでとは違う角度から光を当てることで異なる輝きを見たい・・・と意図であったようだ。
濱野智史の楽曲知識はAKB48グループに偏り過ぎているので、幅広く見て聴いている森崎の知識と情報がこうして生きるのは良いことだと思う。
ドロシーリトルハッピーはダンススクールから生まれたグループなので、どの曲を演るにしてもハードルが高いが、とりあへず人前に出せるレベルにはなっていた。

「てもでもの涙」(柚木・橋田)
「ウィンブルドンへ連れて行って」(福田・空井・小林)
三振覚悟でフルスイングする空井のヤケクソ感が楽しい。
革新政党の婦人議員のような無駄に方に力の入った Bluestocking な感じが歌にも出る。 押上のゲバルト・ローザ。

「きっとぐっとサマーデイズ」(選抜組)
三曲目のオリジナルは冬なのに夏の曲。 羽月パートには瑞野。
手っ取り早く盛り上がれる曲はあっても良い。

公演本編はAKB48の「ありがとう」でしみじみして終える予定だったようだが、間奏でメンバーの名を読み上げる所で森崎が飛ばされる意図しない茶番が発生。 不平不満を言う役回りが自然に廻ってくる森崎。 ここで上手く受身が取れると仕事の幅も拡がる。

アンコールで「きっとぐっとサマーデイズ」を披露し直したところで、濱野から「ここで御坂からお知らせがあります。」
血の巡りの悪い客が「辞めないで」と混ぜっ返そうとするも、御坂の口からでたお知らせなるものはそのものズバリの「辞める話」。 実に間が悪い。
年内一杯でPIPは辞めるが、「公の人になる」と言う目標は変わらず、別の道を捜すとのこと。 
しんみりする間もなく、物販へ移行。

押上に移っての変化は、音響の質の低下。 濱野はへらへら踊りながらミキサー卓で遊んでいるように見えて、実に細かく音量調整をしており、喋る時と歌う時で音量を変えるのは勿論、マイクの持ち手や曲の質によっても変化を付けていた。
ライブハウスではなく、あくまでも放送用のスタジオなので多くを望みすぎるのも酷ではあるが、オケとマイクのバランスがオケ寄りで有りすぎたり、ハウリングを恐れるあまりマイクの音量を絞りすぎていたり、一寸いただけない仕事であった。

終演後に知己とも話したのだけれど、濱野智史は送り手としては非常に良くやっていて、何か問題があっても必ず対策は講じてくる。
客の側としても、クレームではなく、改善提案的なやり方で行きたい。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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