今年一年の吉凶を占うべく、ヲタ活始めにアーバンドック ららぽーと豊洲へ出かけてみた。
松の内とあって他の現場が少ない所為か、アルパム販促イベントで物販の閾値が高い割に結構な集客。
多少風があるが、日が射している時間帯だったので然程寒くは無い。
客席の割りは例によって雑で、ステージ前の芝生と後方の階段席が有料観覧エリアだったようだが特に規制線もなく、ざっくりとした入れ込み。 いつもの客から収奪するだけのブロック経済では行き詰まるのは目に見えているのに、ステージ周りに告知ポスターは無く、館内放送も流れず、チラシを配るのもいつもの客にだけ。 客の分母を大きくしようとする工夫が送り手の側に全くと言って良いほど見られない。
その場でCDを買ってもらえなくとも、名前だけでも覚えてもらえれば何時か目に耳にした情報と「あの時見たアレ」が結ばれることは有り、それが大衆の認知に繋がるのである。
14:50過ぎから軽くリハーサル。 紺のワンピースはアジアンストーンの衣装と似ているが、襟の形や裾の長さと形状、ボックスプリーツの数と長さ等が異なる。 スカートの翻り方の美しさから見て改良版なのではないかと思われる。
ステージ裏での防寒対策の為か、揃いの紺のコートを着ていた。 あまり暖かくはなさそうだったが、見た目は美しく、このあたりのセンスは良い。
白戸は二つ縛り、秋元はポニーテール、高橋と富永は編み込みストレートで、早坂は素のストレート。 一曲軽く浚ってリハーサルは終了、一旦引っ込んでから五分ほどの遅れでミニライブスタート。
商業施設の真ん中に在り、且つ海沿いの埋立地で地盤があまりよろしくない為、派手なダンスやジャンプは禁止。 何処にでも湧いて出る「高まっちゃったんだから仕方ない」系の愛国無罪バカが跳んだり撥ねたりしていたが、概ね平和裏に。
こうした会場の制約もあってか、「聴かせる曲」を中心に構成。 そう言う曲では振り付けも抑制されたものになるのだけれど、そこに感情を乗せてくる早坂の情念の篭った動きが美しかった。
早坂香美は盛り込む芸としてのダンスに見せ場を作ろうとする傾向があるように思うが、こうした刈り込んだ芸としてのダンスにこそ、そのセンスと技倆がより色濃く出てくるように思う。
もう一つの発見は、白戸佳奈のスカートの裾の翻し方が上手い事。
プリーツは一箇所だが布地はたっぷりしていて、旋回舞踏の衣装のように、回転すると遠心力で綺麗に広がるのだけれど、投網を打つが如く慣性質量を上手く使って拡げたり窄めたり。
振り付けの動きの中に巧みに織り込んだスウィング・バイでスカートをコントロール。 判り辛い部分に於ける工夫の積み重ねが見て取れる。
曲ごとにオケの音量やミックスがまちまちだったり、ワイヤレスマイクの電池残量をチェックしていなかったり、裏方仕事のポカが演者の足を引っ張るようなところはあったが、そこでのメンバーの対応が素晴らしかった。
白戸佳奈のマイクがソロパートで死ぬという惨事があったのだけれど、曲中にスイッチを確認。 曲間にスイッチを入り切りし、ちょっと叩くような仕草をしてスタッフにマイクが死んでいることをさり気なくアピール。 替えのマイクを持ったスタッフが袖に来ると、さっと捌けて交換。 次の曲までには間に合わせていたが、ソロパートでちゃんと声を拾っていることを感じたときに綻んだ表情が可愛らしかった。
7曲演ってお仕舞いかと思いきや、アンコールでもう一度「恋は走り出した」の大盤振る舞い。
揃うべきところはきちんと揃えつつ、五人が五人その人ならではの解釈を加味して踊っている。
良いものを見ることが出来て、私にとっても幸先の良い年の初めとなった。
コラム置き場に
2014 アイドル俺アワード(戦犯大賞・運営部門)
をアップロード。
量的な基準で質を判定するイベントに価値を見いだす神経が、私には分からない。
毎週買っては居たが積ん読になっていたものから選り抜きで消化。 貶すしかないようなものは割愛。
東京タワー開業50周年の年にイメージガールを勤めた折井あゆみが久しぶりの Night View DJ 。
折井の担当した年は、金曜になるとほぼ雨。 雨どころか台風とか吹雪とか、ありとあらゆる荒天に見舞われ、おかげで私も職場に置き傘、鞄に折り畳み傘を忍ばせる習慣が。
そんな訳で「雨女」と揶揄されることも多かったのだけれど、「雨女」では語感が悪い。 そこで考えた客が言い換えて曰く「低気圧ガール」。
「雨女」よりは幾分マシにはなったと感じたのか、折井も折に触れて使っていた。
折井が担当とあって、天気予報で『晴れ』と出ても信用できず、とりあへず雨具は鞄の底に入れて東京タワーへ。
始まる前はスタッフに「緊張するー」などと零していたが、始まってしまえば折井のペースで進み、あの頃より寧ろ上手いくらい。
芝居で鍛えられた滑舌と発声、当意即妙の掛け合いと切り返し、話を膨らませる引き出しの多さ。 DJミズノ氏の選曲に絡めて、その曲が収録されているアルバムの素晴らしさにまで言及しつつ、程の良いところで次に行く潔さ。
演技の仕事をこなしつつ、こなすために積まれた水面下での努力、これが喋る仕事にも生きているように感じられた。
リクエスト以外の部分の選曲はDJミズノ氏によるものなのだけれど、これがまた良い。
お客さんからのリクエストは矢張りベタなものが多いのだけれど、ミズノ氏の選曲は古今の洋楽を中心にした洒落乙なもの。
リクエストで掛かった「勝手にシンドバッド」の曲出しを折井の喋り終わりにきっちり合わせてくるなど、腕も良い。
折井がふと漏らした「天気も良いし」に訳知りの客から笑いが漏れる。
客からのリクエストでも、折井と天候に絡めたものが二通、掛かる曲も「高気圧ガール」であったり「晴れたらいいね」であったり。
カフェ ラ・トゥールに一品頼むコーナーでは、ホットミルクを注文。 その時飲みたい(食べたい)ものではなく、飲んでも喋るのに差し支えないものを頼むのが、相変わらず折井らしくあった。 「ボクも何か頼もうかな」と茶目っ気を出すミズノ氏に目を丸くして驚く折井。
折井の自己紹介は、今やっている仕事を中心に。
今年は出演した映画が3本公開になるそうで、その辺りの話や、出演する舞台についてなど。 昔の話は、その舞台で共演するAKB48の田名部未来に絡めて「私も在籍していたんですけどね」くらいの感じでさらりと触れていた。
「元AKB48」で売っていないから、そう言うところに食いつくようなのはおらず、昔なじみの訳知り中心の多くは無い集客ではあったのだけれど、AKB48が接客業に舵を切る前からの客なので妙にガツガツすることもない。
固有名詞の「件の馬鹿」の一人相撲の狂騒を除けばこれと言った不愉快事も無く、万事和やかに進行。
AKB48在籍時は文字通りの「細腕繁盛記」であったし、気を使ったり自らの感情を押し殺したりすることも多い折井の笑顔が多く見られたのは嬉しかった。
少々時間は掛かったけれども、宇佐美友紀にしても、星野みちるにしてもそうだが、なりたい自分に近づけているのはAKB48が売れる前に抜けたこの世代なのではないか、そんなことを考えた。
寒風吹きすさぶ東武百貨店池袋店8F屋上「スカイデッキ広場」にて、北九州発のアイドルグループ GALETTe の2ndシングル販促イベントを観覧。
近隣のサンシャインシティ噴水広場や新星堂アルパ店でのイベントから廻して来る客も多かったと見えて、予想以上の集客。 メンバーも驚いていた。
リハーサルをしていなかったと言う事で、開演直前に一曲流しつつ一確認と音響のチェックなど。 なにしろ設備がセコなので、音響担当者もマイクのレベル調整に四苦八苦。 頑張ってはいたが、如何せんスピーカーが悪過ぎた。 終盤になると音が篭ってモワモワと。 ラーメン屋台で聴くAMラジオの如くにくぐもる。
本番は10分遅れでスタート。
特にセンターを固定せず、5人でフォーメーションを切り替えつつ、目まぐるしく激しく歌い踊る。 振り付けを構成する動きには序破急の「急」の部分が多く、中村屋の連獅子を思わせる、髪を振り乱す振りが美しい。
個人差はあるが、目の前の優先エリアだけでなく、とおりすがりの客を含めて会場全体を大掴みに見ているところにも好感が持てた。
歌はほぼ生歌。 上手くはないが下手すぎず、生ならではの良さはある。
自己紹介や最近の個人活動の話の中で「HKT48」と言う単語が出るや否や、曰く因縁の有りすぎる古森結衣が「ンだと?今なんツッタ?コラ!!」くらいの勢いで噛み付くのが楽しい。
話の中で頻繁に出てくる「テッペン取る」に象徴されるギラギラ感。
小倉生まれで 玄海育ち、口も荒いが 気も荒い。
度胸千両で生きるアイドル GALETTe 。
面白いものを見た。
なんとか今月中に今年に入りたい。