この号から微妙にレイアウト変更。 カメラマンのクレジットが日本語表記になり、フォントも大きくなった。
これまでは写真を見て「おっ!」と思っても横文字表記では検索してもカメラマンについての情報に辿り付けないことがまま有り(すぐに出てくるのは Takeo Dec.くらい)、一時期のとんがった雑誌作りだった頃は実に困った。
メイクやスタイリストに関してはこれまで通り横文字表記なので、バランスは悪く多少品下がった印象はあるものの、便利にはなっている。
ここのところ毎号のように載っていた長野博文の写真が無い。 食傷気味ではあったが、無ければ無いで寂しい。
AKB48(前田敦子、松井珠里奈、渡辺麻友、板野友美、小嶋陽菜)
表紙+巻頭グラビア。 見開きで集合、それぞれで1ページずつ、最後に集合で1ページの8ページ7カット。 撮影は細居幸次郎
集合での板野の撮られ方が上手い。 特に表紙の写真が良い。
天地開闢以来、どちらかと言わなくても嫌いだったのだけれど、最近目にする映像における板野友美は動画静止画問わず質の高い仕事をしている。
前田敦子は定石通りの撮り方(髪の分け目の方向から)で、面白みには欠けるが表情の変化は楽しめる。
渡辺麻友は珍しくカットごとの表情に差異があり、生き物である事が確認できた。
小嶋陽菜は例によってカットごとの出来不出来が激しく、気の抜けた表情もあるが、決めるべきところは決めている。 唇の青海苔黒子が消えていることから見てルージュは厚塗り。
松井珠里奈は表情の大人っぽさと、撮られ慣れていないポーズの隙の齟齬が面白い。
カメラの位置が低い時の顔の向きが少々拙いのだけれど、この人は造作が整いすぎているので、多少の隙は有った方が親しみは持てる。
板野友美は集合で撮った写真の立ち方、身体の捻り方、表情の作り方、全てにおいて一頭地を抜く仕事振り。
他の四人がカメラの方向を向いているのに対して、板野はレンズの向こう側を見ており、下から見上げるように撮られてもうまく顎を引いて隙の無いポージング。
それでいて構えたところは無く、どんな写真でも正体を現さない大島優子とは対象的。
「お耳がピョンピョン」などと無邪気に言っていた頃の可憐さは無いが、歳相応の可愛らしさは出せている。
インタビュー部分も訳知りが書いているので頓珍漢な質問は無く、メンバーも余計な説明をしなくて良い分突っ込んだ話をしている。 板野の演技についての話が興味深い。
桜庭ななみ
桑島智輝の撮影で6ページ12カット。
屋外で夕方から夜に掛けて撮られたものらしく、刻々と明るさと色温度が変化する中で色味にバラつきが出てしまっているが、日が暮れてからと駅のコンコースで撮った人工光源下での写真はピタリと決まっている。
ライトアップされた街の燈りで撮った最後の2ページが、桜庭ななみの柔らかい表情もあいまって味わい深い。
足立梨花
熊谷貫の撮影で6ページ7カット。
屋外で撮った爽やかな色調の前半と、屋内で撮った生々しい色調の後半で構成。
前半は良いのだけれど、後半は少々生々しさ過多。 よくよく見ると、メイクをしていない部分の肌や布地の質感は綺麗に出ている。 どうやら茶色い床や壁に反射した光とファンデーションが喧嘩をしてしまっているようだ。
そのあたりをさっ引いて見ると、良い写真。
柏木由紀・高城亜樹
門嶋淳矢の撮影で、7ページ7カット。
柏木は下瞼が上がった、眩しいのを我慢して目を開いた表情。 それでも不細工にはならないのは流石。
高城は同じ条件でも自然に目を開いている。 撮られ慣れていない所為か、顔の向きはまちまちなのだけれど、そこが面白い。
正面を切るより多少傾いだ方が印象は良いし、右手前になっても左手前になっても破綻はしないので、上手く使い分けると表情に幅が出ると思う。
隙の無い柏木と隙だらけの高城。
ベッキー・クルーエル
桑嶋智輝の撮影。 スタジオでの撮影なので安定した出来。 こう言う箱庭写真はやはり巧い。
造作は整っているが基本的に素人なので、作った表情は単調だが、動かして撮る事によって切り取る角度を変えており、それを上手く散りばめることで見られるものにしている。
藤原令子
デビューを控えたまだ何者でもない少女の「今」を捉えた、4ページ6カットの抜擢グラビア。 先入観無く見られて新鮮。
2ページ目は肖像写真の王道。 唇の縦の線にピントが合っており、光量も深度も頃合。 「写真って良いなぁ・・・」と思える佳品。
こう言う着衣グラビアは若者受けしないと思うが、今後も載せていただきたい。
鈴木愛理、菅谷梨沙子、矢島舞美、嗣永桃子、真野恵里菜
「スクール・デイズ」と題して、ハロープロジェクトから今年卒業と言う節目の年を迎える五人で卒業アルバム的なグラビア。
前半のスタジオ撮影部分は根本好伸、後半のロケ部分は佐藤浩之。
スタジオ撮影は記念撮影的な紋切り型写真で面白みは薄いが、後半は五人五様、上手く撮ってもらえている。
前号に載った写真集からのカットが酷かった菅谷梨沙子もそれなりに。
それにしても嗣永桃子は実体以上の何かが写りこんでおり、何だか良く判らない可愛らしさ。
中盤のモノクロ読み物ページは後回しにして後半グラビアへ。
後半カラーページは封入トレカとプレゼントチェキの一覧から。
封入トレカのハロプロ五人組は卒業アルバムの個人写真然としたものなのだけれど、こうした規定演技になると嗣永桃子の強さが際立つ。
私の買ったものにはCセットが入っていたが、小嶋陽菜が久々に当たり写真。
プレゼントチェキでも嗣永桃子は人智を超えた写真映りの良さ。 神掛かっている。
プレゼントチェキでは、AKB9期研究生の営業巧者ぶりが目立つ。 目立つというか、鼻に付く。
対象的なのはSKE48の桑原みずきで、こちらは書きこむ面積と文字量は多いものの、内容は真っ向勝負で清々しい。
北乃きいはサインを入れただけの淡白な物。 大物感が漂う。
北原里英
全て大きめの写真で構成した5ページ5カット。
風に躍る髪が夕陽に映えて美しい1ページ目から、水着も有る3カットを経て、〆は夕映えのハレーションも美しい屋外での写真。
ぽってりした魅惑の唇も艶めかしい。
一瞬が一瞬ではない、無限の時間が詰まったような1カット目が秀逸。 このグラビアに通底するのはこの「無限の時間」。 自己過少評価の人 北原里英 の心境の変化が窺えるインタビュー部分も興味深い。
表情からポーズまでガチガチだったこの雑誌での初グラビアから考えると長足の進歩だが、もっと凄い表情は出せるように思う。 まぁ、水着で自然な表情ってのも却って不自然ではあるのだけれど。
AKB48(竹内美宥、石黒貴己、島田晴香、島崎遥香)
AKB48 9期研究生から四人で3ページ5カットの顔見世グラビア。 1ページに二人ずつ、集合でさらに1ページ。
プレゼントチェキでの営業熱心なところを見てからなので、単品で見ればどうと言うことも無い写真でも、何故か鼻に付く。
媚以外に売るものが無いのも判らないではないが、それだけではこの先食って行けない訳で、AKB48になることが自己目的化してしまっている危うさを改めて感じた。 研究生セレクションの後、この中の何人が残れるだろう。
研究生のまま辞めて、表立った活動が出来ているのが鈴木菜絵とだけであると言う現実。
手馴れた感じの表情が並ぶ中、ぎこちない笑顔の島田が一服の清涼剤。
島崎は抜擢もむべなる哉、ただ突っ立っているだけでも目を惹く。
SKE48(松井玲奈、桑原みずき、高柳明音、平松可奈子)
SKE48のチームSとチームKIIから、今春高校を卒業する面子を集めて5ページ5カット。
撮影は週刊プレイボーイでよくAKB48を撮っている飯塚昌太。
プレイボーイで目にする写真が詰まらないのは編集者のディレクションが悪い所為ではないかと考えていたのだけれど、この人のレタッチの癖に起因する部分もあるようだ。 押絵のような奥行きの無さ。
床の白とバックのグレーで極端に輪郭の出方が違う。 弄り過ぎて濁った色合いもいただけない。
ただ、松井玲奈の表情に関しては実に上手く捉えられていて、本人の自画撮り以外では初めてその素材の良さが引き出された写真を見た。
森田美位子
藤本和典で2ページ。
ナベプロ主催オーディションのグランプリということで、押し込んだのかな・・・とも思ったが、流石に素材は良い。
写真の方はと言えば、初々しいの表情と、何と言うか涙ぐましいまでの自己補整を心掛けたポージングが微笑ましく、良い味。
インタビュー部分がどうかしていて面白い。 このキャラクターは掘り下げると無限の鉱脈が出て来そう。
87年2月生まれと言う事で、さほど若くは無いのだけれど、童顔なのと前述の通り初々しいのとで、実年齢より若く見える。
松田芙由香
Talented Beauty と題して、さまざまなジャンルからキラりと光る才能をお届けするらしい新連載の一回目。ミュージカル「アニー」にダフィー役で出演すると言う松田芙由香を寺坂Johny! の撮影で2ページ。
94年生まれなのに、アニーの子供キャストの中では最年長とのこと。 いい笑顔。
団地少女 Vol.11
アライテツヤの連載グラビアも11回目。 今回は「初めてメイクをしてもらった」と語る11歳、葵わかな。
少女と言うより幼女と言う感じでは有るがそれはさておき、この連載には珍しく動きの有る写真もありつつ、斜めに入り組んだ線を上手く使った2ページ。
判りやすい中に判りにくさが同居した2カット。 眼福。
川口春奈
藤本和典の撮影。 ストロボを上手く使った4ページ7カット。
シャッターを開けたままライトを使って光跡を描かせてから、ストロボをドカンと一発炊いてモデルを写しこんでみたり、寄れるだけ寄ってリングストロボを当ててみたり、手の込んだ写真。
技巧だけが先走っておらず、川口春奈も楽しそうなので上手くまとまっている。
北乃きい
桑島智輝の撮影。CDデビューにあたってのグラビアとあって、それらしく音楽スタジオで楽器やアンプを使った4ページ4カット。
桑島智輝は人工光源の下でその場に有るものを組み合わせて撮らせた写真に妙味がある。
照明を抑えたスタジオの中でギターやアンプを道具立てにすることで、役者属性のモデルに上手くスイッチを入れている。
スマイレージ
細居幸次郎の撮影で4ページ4カット。
全員が黒髪ストレートのロングヘアで、素人には見分けが付きにくいが、四人が四人とも平均以上の造作で且つその傾向がそれぞれに違うので、よくよく見れば見分けは付く。
現場派のAKB48客が流れたのがももいろクローバーだとすると、書斎派のAKB48客が入れ込んでいる(少なくとも私の周囲では)のがスマイレージ。
私の琴線には触れないが、身の回りの隠居連中が軒並み転ぶのは頷ける9人四様の可愛らしさ。
矢島舞美写真館 vol.6
隔月刊誌の6回目。 休載した号もあるので、季節は一回り以上。
根本好伸の撮影で8ページ10カット。 見開き1箇所。
曇天と言えど、雪原ともなると眩しげな表情にもなったりしているが、衣装からメイクからきっちり練られているので、写真としては見応えのあるものに仕上がっている。
特に2カット目3カット目が味わい深い。
矢島舞美は目線を外して意識のみをカメラに向けた写真が良い。
前半グラビアで顕著だったような、化学調味料を利かせ過ぎて平板になってしまうハロプロの手法が嫌いなのだけれど、矢島舞美のこの連載企画には、毎度唸らされる。
巻頭グラビアの戸田恵梨香が良い。 丸谷嘉長にしては生々しさ薄めなのだけれど、隙が無い。
モノクロの写真は色を抜いた擬似白黒写真なのだけれど、この手のものにしては良い色合い。
珍しく文字が邪魔にならない構成になっている。
板野友美&河西智美
仮面ライダーWに女子高生情報屋クイーン&エリザベス役で出演中の板野と河西の水着もあるグラビア。 8ページ12カット。 撮影は Takeo DEC. 。
最近の例に違わず板野が質の高い仕事ぶり。 白い薄物を羽織った序盤は物憂げに、中盤から後半の水着になると笑顔が増えて行く構成。
中盤からの小道具付き水着は定番化し過ぎている感はあるが、それ以外の衣装は似通っていつつそれぞれに合わせて微妙に異なっており、流石の出来。
写真も衣装もロケーションも良く、これでキャプションさえ邪魔にならなければ申し分無いのだけれど、言わずもがなの文字列と下卑た文体のインタビューで画竜点睛を欠く惜しいグラビア。
板野はカット毎に異なった表情。 口の開き方が変ると八重歯の見え方が変り、顔や身体のカメラとの向き合い方でも変化をつけているので、表現の幅が広い。
河西は表情の種類では板野と大差ないし、見せ方も下手ではないのだけれど、表情以外の部分で板野より切れるカードが少なく、その分単調な印象。
写真はカメラが切り取るものなのだけれど、カメラの向こう側にカメラマンの意識が有り、その意識が捉えた光景がフィルムの上に表現されて写真となる。
板野は理屈ではなく、経験(もしくは勘)によってそれを知っている。 だから何処を見ているのか判らない写真は少なく、何処を向いているのか判りにくい写真も、意識の向かう方向は推し量れる。
板野を此処まで褒めるのは癪なのだけれど、生憎貶すところが無い。
高城亜樹
長野博文の撮影で5ページ9カット。 長野らしい淡い色調のグラビア。
高城が頭で考えてとったポーズと表情は詰まらないが、泳がせて撮ったと思われるカットは生き生きとしていて表情の種類も多い。
頭の上にティッシュペーパーの箱を乗せたカットが良い。 バランスを取ることに意識を持っていかれたシングルタスクな高城が、写真を撮られていることも忘れたように悪戯っぽい表情。
撮り方としては動物写真に近いが、高城亜樹の生態を考えると納得。
渡り廊下走り隊
教室っぽいセットで制服風衣装。 新加入の菊地あやかのお披露目グラビア。
例によって今村敏彦の無駄遣いな3ページ。 写真としての面白味は無い。
無邪気に喜ぶ仲川、当たり障り無い多田と渡辺、気を遣う平嶋。
元の鞘と言えば元の鞘だが、覆水を無理繰り盆に返したような新加入でもあり、多少の空々しさはあるが、先ずは菊地あやかの本格復帰を喜びたい。
コラム置き場に
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例によってブレイクヒストリーなる読み物が酷い。
気が向いたらコラムにでも。
巻中グラビアにSKE48からセカンドシングル選抜の連中。
巻末に渡り廊下走り隊。
SKE48
セカンドシングル「青空片想い」の選抜組でのグラビア。
撮影は例によって今村敏彦で、8ページ32カット。
今村らしい写真も見られるが、いかんせんロケーションが悪い。
編集後記でも軽く触れられているが、草原で撮る予定が前日の荒天で雪原に。
そこに水着で放り出された連中は、無理して笑ってはいるものの顔面蒼白。
松井玲奈に到っては半死半生の体。
元気そうなのは夏にしか風邪を引かないであろう矢神久美のみ。
8ページだったらスタジオ撮影分だけでも埋められたと思うし、上がりを見ればそちらの方が遥かに良い訳で、編集者のディレクションミスが足を引っ張っている。
これで屋外撮影分が光や空気感や背景を生かしていれば話は別だが、小間切れのクローズアップが多くて背景もヘッタクレも無い。
それでも上辺だけではない笑顔を絶やさないSKE48の面々の仕事振りは誉めてよいし、楽しく撮影する雰囲気を出せる今村も、その点では流石。
上がりに拘わってカリカリするカメラマンだとこうは行かなかったろうと思う。
屋内撮影分は実に良く撮れてい。 光を柔らかく回しているので、強い光に弱い松井玲奈の表情も生きている。
3ページ目までは見応えのある写真。 それが屋外撮影分を使った見開きの寒々しい写真で台無しに。
小さめの写真を屋内屋外取り混ぜて散りばめたページになると、屋内の良く撮れた写真と屋外の悲惨な状況下での写真の出来の差は歴然。
寒空であろうが雪原であろうが、そこに必然性が欠片でもあれば救いも有るのだけれど、青空の下の草原でやろうとしたそのままを寒空の下の雪原で演繹しようとしただけで、そこには必然性も救いも無い。
この編集者の無為無策がもたらした悲惨な状況下での連中の頑張りが、女子挺身隊的な「悲痛なる感激」を生んでおり、偶然の産物ではあるが見応えのあるグラビアが生まれている。
渡り廊下走り隊
例の写真集からのグラビア。 5ページ8カット。
平嶋のメイクが濃すぎる。 矯め過ぎて持ち味を殺してしまっている。
平嶋はその朴とつとしたところが持ち味なので、塗りたくって派手な顔に仕立てれば映えると言うものでもない。
その持ち味を生かすためには多田や渡辺とは違った方向からやらなければならない筈なのに、同じような扱い。
宿場女郎ではないのだから、派手に塗りたくれば良いと言うものでもない。
Girl next door を地で行く現実感溢れる平嶋の周りに現実感の希薄な他の連中が居る訳で、その中心を魅力的なものに見せないと、他の三人の持つ美点も引き立たない。
220ページからの見開きで、菊地あやかのインタビューとグラビア。
インタビューは、渡り廊下加入にまつわる話、解雇されてから復帰に到るまで、復帰以降以降の研究生としての日々、最後にこの一年半を振り返っての総括の四部構成。1ページと1/4のスペース乍ら、内容は濃い。
先日の他誌での御披露目グラビアに添えられたインタビューでは判らなかった多田と渡辺の反応が記されていて、漸く腑に落ちた。
渡り廊下以外のメンバーの反応であるとか、もっと知りたい部分はあるが、限られたスペースで良くまとめたとは思う。
AKB48とヤングジャンプの関わりは、神保町決戦以降のものであり、他誌に比べて長いとは言えないが、深いところまで掘り下げている。
付き合いの長さに胡座をかいた読むに堪えない記事を目にする事も多い中、貴重な2ページ。
この一年有半を振り返っての総括の中で菊地は、失ったものは確かに大きいし遠回りだったけれど、そこでしか得られないものもあったかも知れないと語っているが、まさしくその通りで、以前とは比べ物にならない強い輝きを放てるようになったと、私は思う。
順風満帆と言っても過言では無かった解雇前と比べると、復帰して以降は「復帰」とは言いつつも扱いは研究生であり、公演に出られても不定期で且つ代役かバックダンサー。 恵まれていたとは言い難い。
しかし劇場公演では勿論、大きな会場でのコンサートでも、後ろで踊っていてる連中の中に頭抜けたのを見つけて顔を確認すると菊地あやかで有ったことは一度ならずあり、何度唸らされたか知れない。
口さがない連中にはこの先も色々と言われ続けるとは思うが、背負った十字架の大きさと重さを自覚している菊地ならやっていけると思う。
良いインタビューだった。
グラビアの方はバストアップの一枚もの。
撮影はいつもの門嶋淳矢でも栗山秀作でもなく、桑島智輝。
柔らかく回した光の中、菊地の憂い顔の美しさを上手く切りとっている。
制服風のいでたち、ブラウスのボタンを二つ目まで外し、横からの風に軽く靡いた髪が頬に掛かり、口の端を少し歪めた、何か言いたげであるような、敢えて黙して語らぬような、様々な感情が入り混じった表情。
撮るも撮ったり撮られるも撮られたり、喜びと悲しみ、恍惚と不安、希望と絶望が一枚に凝縮された一枚。
順風満帆なままであったら、この表情は出せなかったであろうと思う。
菊地あやかは解雇されることで大きなものを失ったが、遠回りをすることでより多くの何かを得て戻って来た。
"J'ai l'extase et j'ai la terreur d'etre choisi." (Paul Verlaine: Sagesse II - IV - VIII)
コラム置き場に
行きの電車の中でも、時間潰しの喫茶店でも、入場待ちの行列でも、未就業年齢と思しき客が殆ど。
年寄りばかりだった頃とはまた違った種類の無作法が多く見られた。
何とか入場して二階席へ。 遠い。
18:07 頃、漸く影アナ。 担当は前田。
「すみやかなご移動を」と読むべきところを「すこやかなご移動を」と読み違えたり、声を裏返らせたり。
横の友人と「らしいねぇ」と苦笑。
18:14 頃、例のオーバーチュアで開演。 明転するとステージに電動バイクが並んでいて、マジすか学園チーム ホルモンの連中が乗り込んで舞台中央へ。
練炭火鉢でホルモンを焼いて食いながらの小芝居でスタート。
この連中を狂言回しにして主要キャストが出てくる構成。 だらだらした小芝居が、大島優子が出て来ただけでドキュメントに変る。
テレビ東京系列の、見られない地域のほうが多い番組を見ていないと何が何やら判らない構成なのは如何なものかとは思うが、地球上何処に居てもネット環境さえしっかりしていれば文明の利器を使って(画質は悪いものの)視聴は出来て筋は追える訳で、県域免許にしがみついた既存の放送システムを足蹴にする秋元一流の悪戯なのかもしれない。
マジすかロックンロール
寸劇で10分から引っ張っての一曲目。
準備期間が短いところへ持ってきて三公演別演出などと言う無茶をやった皺寄せでてんでバラバラな動き。
松井珠理奈が一人きっちり歌って踊っており、周りのあやふやな動きが浮かび上がる。
普段は手を抜くことの無い連中が出来ていないと言う事は、そう言う事なのだろう。
僕の太陽
スカート、ひらり
後ろの方で踊る浦野一美を注視。 この人の歌い踊るAKB48も見納めか。
間繋ぎの喋りを挟んで「マジすか学園」で演じたキャラクターで歌うAKB48楽曲メドレー。
鏡の中のジャンヌ・ダルク
(チーム ホルモン:仁藤萌乃、高城亜樹、指原莉乃、北原里英、小森美果)
ドラマのキャラクターそのままで歌うと指原の眉は /\ こうなる訳だが、曲にあわせると \/ こうなる。
自分の持ち歌だけに(そしてさんざ苦労しただけに)曲を大事にしたようだ。
小森美果の動きが面白い。下手糞でも雑でもなく、丁寧に踊っているのだけれど、動き出しと動き終わりのタイミングが独特。
Confession
(ラッパッパ一年:仲谷明香、田名部生来、米沢瑠美、片山陽加)
これは見物だった。 動けて歌える連中なので、キャラクターがどうでもきちんと客前に出して恥ずかしくないものにしていた。
春が来るまで
(歌舞伎シスターズ:倉持明日香、河西智美)
これも良かった。 基本に忠実な倉持と、応用する河西。
今日も河西は最適解。
指先爪先どころか、髪の毛の先まで神経が通っているかのような河西の繊細な動きに感嘆。
初恋泥棒
(山椒姉妹:奥真奈美、宮崎美穂、多田愛佳)
宮崎が情感の篭った動きをしていて驚く。
体操のような情緒に欠けた動きをする印象のあった奥真奈美も、指先まで使って踊っていたので驚いた。
ハート型ウイルス
(秋元才加、宮澤佐江、渡辺麻友)
秋元才加の可愛らしい動きというのも久し振りに見たが、こういう芸当も出来るのだという事を、運営側にも客にも記憶しておいていただきたい。
ごめんね ジュエル
(峯岸みなみ、松井珠理奈、高橋みなみ、小野恵令奈)
こうして四人並ぶと、小野の立ち位置の地盤沈下が可視的に。
わらわらと出てきたバックダンサーの中に指原。
自分が真ん中に居るときより楽しそうに見えるのが指原らしい。
クラスメイト
(ラッパッパ四天王:柏木由紀、松井玲奈、小嶋陽菜、板野友美)
演出とは言え、酷い。
戸島花のファンとしても知られる松井玲奈。 戸島パートをやらせてもらう代わりに、役柄に合わせてケタケタ笑いながら歌わなければならない。
戸島が一番思い入れがあると語っていた曲をぶち壊す役回りを担わされる悲劇。
てもでもの涙
(大島優子、篠田麻里子)
篠田は以前にもやった事が有る訳だが、それにしても忙しい二人がここまで合わせたのは流石。
禁じられた2人
(前田敦子、なちゅ)
オリジナルを見たことが無い連中が殆どだろうから、客の多くは笑って見ていたが、私にとっては今日一番の不愉快な演目。
誰かが大切にしているものを踏み躙ったりぶち壊したりして喜ぶ秋元康の悪癖を象徴した一曲。
メンバーもスタッフも面と向かって刃向かう事は無いし、客はチョロいし、あしらい易い一丁噛み野郎は向こうから寄って来るし、さぞかしやりやすいであろう。
アッカンベー橋
(渡り廊下走り隊:平嶋夏海、多田愛佳、渡辺麻友、仲川遥香、菊地あやか)
四角いセリの上に渡り廊下走り隊の面々、周りを囲んだ連中が踊って廻る趣向。
病人メイクのまま踊る大島優子を見て、名画「死霊の盆踊り」を思い出した。
此処までが「マジすか学園」からみの演目。
見るべき物も無くは無かったが、ほぼ余興レベル。
これで七千円とは太い。
「青空片想い」
「バンジー宣言」
SKE48から選抜組で二曲。 口直しには十分だが、二曲では物足りない。
松井珠理奈が出来すぎていたり、桑原みずきが突出して激しかったり、けして揃った動きではないが、そこには統一した意思のようなものがあり、バラバラな感じはしない。
夢を死なせるわけにいかない
何でも無くしたそうで、今回のコンサートは髪の毛にラメの入らない小林。
ラメ無しでも凛とした輝きを放ち出していたようで、思ったより簡単に見つけることが出来た。
RUN RUN RUN
ひまわり組も1stは楽しかった。 あまり好きな曲ではなかったが、今聴くと懐かしく楽しい。
孤独なランナー
お仕着せの「お色気」が鼻に付く。
浦野、大堀、小原。 出てくる連中は悪くないのだけれど、楽曲と演出が好きになれない。
個別紹介はなしで、とりあへず二期生なるものの顔見世。
こないだ入ったばかりの手束までが一期の括りになっていたので驚いた。
浦野一美がAKB48最初期の客がメンバーの数より少なかった頃の話をしていたが、客の反応は薄め。 まぁ、信じられないであろう。
こうしてSDNを代表して話している浦野を見て、軸足がこちらへ移っている(移さざるを得ない)のを改めて感じた。
君のことが好きだから
指原がアイドルモードできちんと歌って踊っていた。 器用な奴だ。
ロマンス、イラネ
小林香菜が出ていると、ちゃんと踊れているか粗捜しをしてしまうのだけれど、しっかり歌って踊れていた。
言い訳Maybe
例の茶番の忌まわしき思い出と共にある曲。 金を払って聴きたくはない。
浦野一美と松井珠理奈が並んで踊っていた。
軽やかで丁寧な浦野と、激しいが丁寧な松井珠理奈。 対照的な動きだが、どちらも良い。
RIVER
予め吹き込まれ、宛がわれた掛け声を嬉々として叫ぶ群衆の薄気味悪さ。
踊らされている自覚も無く、疑問も持たず感じない連中が会場に犇いていることを改めて感じた。
会いたかった
会場を見回すと、ファミリー席なのに立ち上がって踊り狂っている客が多い。
係員が注意したり指導したりしている様子も無く、完全に放置。
飲酒は成人であれば法に触れず、酔って騒いで周りに迷惑を掛けさえしなければ誰も困らない。
携帯電話のカメラで写真を撮っても、あれだけの距離が離れていれば碌な写真は撮れないし、それで誰が困るわけでもない。
実際に迷惑を蒙る客が居るよう行為は放置して、飲酒盗撮の密告を奨励して悦に入っているようでは、この先もっと見辛くなるだろう。
閑話休題、舞台の上の話。
客席近くまで来た石田晴香が、その辺りの客を撫で切り皆殺しにていた。
白兵戦に強い。
涙サプライズ!
10年桜
大声ダイヤモンド
私にはどうでも良い曲が続くシングルコレクション。
大声ダイヤモンドあたりでSKE48の連中が前のほうへ。
なんと言うか、一回のステージに賭ける切実さが違う。
桜の栞で本編終了。
アンコール前の暗転。 例によって無駄に凝った映像素材が流されて、第二回AKB48総選挙の告知。
客があっけにとられているうちに明転。
出てきた前田敦子が戸惑いながら「アンコールありがとうございます」と宣っていたが、だれもアンコールなどしていなかった。
アンコールが無かったらそこで公演を打ち切る運営が、アンコールなど起きようも無い演出をし、そのまま公演を続ける矛盾。
「なんだか知らない曲」
ベストアルバムには入るのだそうな。 さてはて。
BINGO!
ひこうき雲
動揺を隠せず、心此処に有らずと言った感じのメンバーも散見される中、表情を少し歪ませながらも何時も通りの峯岸みなみを見付けて少し安心。
高橋みなみが仕切って総括をしている最中に、劇場支配人戸賀崎氏が音も無く登場。
高橋の話を遮ってAKS所属メンバーの移籍を発表。 移籍と聞き、眉を顰めて怪訝な顔をする秋元才加が怖い。
手違いで名前を呼ばれなかったメンバーが泣き崩れるような愁嘆場にはならなかったが、米沢の行く事務所を間違えて発表したり、声が掛かったと言うだけで本人にも知らせておらず正式契約には至っていなかったり、相変わらずの不手際。
総選挙の動揺を引き摺って終わるよりはまだマシではあったが、後味は悪い。
最後にくったぐたのマジすかロックンロールで締まらない終演。
矢神久美がバカ面で楽しそうに歌って踊っているのが救いだった。
名残惜しそうに最後にはけて行ったのは浦野。
AKB48の楽曲を歌うこの人を大きな会場で見るのもこれが最後か。
# mx0w6 [fwowtdxqxp http://002evolves.blogspot.com]
AKB48に於いて徹夜が禁止となったのは何時からだったか思い出せないくらいの常識であると私は認識していたわけだが、すっかり客層が入れ替わってしまった現在においてはそんな常識など吹き飛んでしまったようで、明日の握手会を控えた会場周辺では陸続と徹夜をせんとする莫迦が集結しつづけているらしく、公式ブログに【最後通告】の文字列が躍り、
「AKBの運営としては、徹夜はしないことをお伝えしているので
そこにいらっしゃる方はファンではありません」
と警察に伝えた由。
相変わらず手緩い。 これくらいしないと効き目は無い。
下士官 兵ニ告グ
一、今カラデモ遲クナイカラ原隊ヘ歸レ
二、抵抗スル者ハ全部逆賊デアルカラ射殺スル
三、オ前逹ノ父母兄弟ハ國賊トナルノデ皆泣イテオルゾ
全員ふん捕まえてシベリア送りにでもすればよい。
三月の初旬に戸島のブログがある Yahoo!ファンクラブのトップページにて、スタッフ名義で「『戸島花ファンクラブ』終了のお知らせ」の告知。
同じ事務所になっていた中西の方はそのまま継続らしかったので「さては・・・」と思っていたら、やはり事務所を辞める由。
戸島からの終わります的な告知も理由の説明も無いまま三月も終わろうとしていた今日、漸く事務所を辞める旨ブログにて報告。
さらにはレギュラーでアシスタントを務めていたボビー's スタジアムを卒業した事も報告。
努めて砕けた文章を心がけていたのか、些か絵文字が多かったり行き過ぎた言文一致体が読み下しにくかったりもしたのだけれど、そのあたりもまた戸島らしく、これまでも楽しくは読んできたが、今日読んだ二つの記事は無理の無い戸島の文章で、心に響いた。
この先のことは何も書いていないが、これまでもしぶとく芸能と学業の両立を貫いてきた戸島なので、なんとか落としどころを見つけるだろうと、私は楽観している。
いろいろありましたな、この三月は。
「ハナニアラシノタトヘモアルゾ」
・・・か。
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