えなこ
表紙と巻頭8ページ、13カット、撮影は桑嶋智輝。
見慣れないうちはその作り込みの激しさに違和感も有ったのだけれど、「見せたい自分をとことん作り込んだ上で見せる」と言う点に於いて一貫しているのが清々しく感じられるくらいには慣れた。
連載漫画との、所謂「コラボグラビア」なのであるが、寄り過ぎず離れ過ぎず、作品との適度な距離感を取って登場人物の一人になりつつなりきらない。
撮る人、撮られる人、大道具小道具衣装などを用意する人etc...、一つのチームとして有機的に動いているからこそ出せる一貫性。
8ページ目が秀逸で、撮られる側はどうやったら映えるか考えて立ち、撮る側はどうやったら映えるか考えて構図を切る。
啐啄同時の呼吸。 眼福。
馬嘉伶
巻中4ページ8カット、撮影は佐藤裕之。
苦労が多い割に報いられるところ少ないが、倦まず腐らず健気にやっていて支持する人も多い馬嘉伶。
表情には硬さもあるが、無駄な負荷を掛けずにその柔らかさを引き出そうとしている営為は成功していると言える。
短い紙幅の中で衣装5パターン、髪も下ろしたりアップにしたりフィッシュボーンにしたり、時間と予算の中で出来ることはやっているのが解る。
4ページ目の後ろ姿、水着なのだけれど、サイズがきちんと合っている。
これが出来ていない、ただひん剥いて終わりみたいなのも多いだけに、裏方の仕事師ぶりに唸らされた。
若月祐美
こちらも巻中3ページ10カット。
昨年購った写真集の中でも出色だった「パレット」からのアザーカットなので撮影は桑嶋智輝。
売れた数で一番ではないが、内容に関しては堂々たるもの。
他を下げてこちらを上げるのは若月に対しても失礼だと思うので単純比較はしないが、この写真集で紡がれた物語の濃密さには、何度頁を繰っても心揺さぶられる。
一読をお薦めする。 強く、強く。
安藤咲桜
巻末5ページ12カット、撮影は佐藤佑一。
水着映えはするのでそちらが評価されがちであり、本人もそのあたり複雑な心境をSNSなどで吐露していたこともあったが、自分の中で或る程度折り合いは付けられたらしく、継続して水着主体のグラビア展開はされている。
このグラビアでも添え物のように小さく扱われている制服のカット。
安藤咲桜の本領はこちらだと、私は思う。