職場を早々に退散してサンストリートへ。
六時半前に何とか到着すると既にベンチ席は埋まっており、仕事帰りと思しき背広の人々が二重三重に立ち見で取り巻く。 平日のこの手のイベントとしてはかなりの盛況。
開演前に軽くリハーサル。 曲がなかなか出ないなど、この会場のPAのダメさ加減が出たりしつつも新曲の「ASIAN STONE」のさわりを確認。
アイドル客特有の奇矯な振る舞いは商業スペースと言うことで禁止となっており、手拍子のみでの観覧。
これはこれで良い・・・と言うか、私はこの方が落ち着いて観る(聴ける)ので有り難い。
どこか連れていって
ASIAN STONE
set yourself free
諦めないで
恋をしてるの きっと
白戸は低めに二つ縛り、富永は一つ縛り、あとは皆ストレート。 毛先を透いて軽くした高橋麻里の髪がふわりと躍る様が美しい。
衣装はジャケットでもPVでも使われている濃紺のAラインのワンピース。 横に入ったスリット状の切り込みを白い布で繋いである。
裾は後ろ下がりになっていて、同心円では翻らないのだけれど、ここに工夫があるらしく、緩くターンした止め際に慣性質量でウエストのくびれを美しく描き出す。
激しい曲で縦の動きが入ったりターンが早かったりすると、裾の暴れ方が少々汚くはあるのだけれど、ASIAN STONE には合っている。
口開けに聴かせる曲を持ってくるなど、見せると聴かせるのバランスが考えられていた。
声量や質に合わせて適宜裏打ちのコーラスが入っていて、ソロパートで繋ぐ曲でも極端な凸凹は(少なくとも音源上では)目立たない。
マイク音量とオケの音量のバランスが悪く、各メンバーごとのマイク音量のバランスも取られていなかった為にその凸凹が露わになってしまったのが瑕だが、これはこの会場の慢性的な欠点であるので仕方がない。
ASIAN STONE は、曲名を目にした時には「またアジア戦略か・・・」と思ったが、聴いてみると悪くない。
シンセアレンジが三人Dreamを思い起こさせる如何にもな avex 、懐かしくも味わい深い。
4曲目に入った「あきらめないで」は見せる部分を象徴する曲だと思われる。
私はアイドルに限らず芝居でも演芸でも「盛り込む芸」と言うのがあまり好きではない。 なのでこの曲のような鬼気迫るダンスと言うのも苦手であり、ここを見せ場としゃかりきになられても正直興醒めではあるのだけれど、そうせざるを得ない焦燥と言うもののもあるのだろう。
最後はカップリングの「恋をしてるのきっと」で〆。 こちらも聴かせる佳曲。
閉鎖環境でのライブとなると「見せる」「盛り上がる」に力点が置かれて私が求めるものとは異なってくると思うが、こうした落ち着いて観られる機会には、今後も足を運ぼうと思うし、音源に対価を払おうと思う。
はてなフォトライフと違って部類はしていませんが、一枚の大きさとか見易さはこちらだと思いますので、併せてどうぞ。
http://www.flickr.com/photos/2petri2/
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日本一の商業同人誌 Newtype を手がけるカドカワらしい、TRASH-UP!! インスパイア系商業サブカル誌。 島崎遥香が新津保建秀で巻頭と聞いて買ってみた。
島崎遥香
表紙と巻頭グラビア、24ページ16カット、ブリッジも含めて見開き8カット。 撮影は新津保建秀。
判型は小さく紙の質も良くはないのだけれど、それを見開きの多用と執拗な色校で何とかしている。
握手会対応のそっけなさを何故か売りにされてしまって以降影を潜めていた妖気のようなものが久しぶりに色濃く出たグラビア。
早見あかりにしても橋本愛にしても、これまで新津保建秀が撮ってきたのは「はっきりした自我を持っているモデル」であったように思うが、島崎遥香にはそれが無く、無限の虚無の井戸を覗き込んでしまったかのような怖ろしさと、そうであるが故の美しさ。
鏡花小史の小説世界に描き出される、「草迷宮」や「天守物語」に出てくる人外の存在、「日本橋」や「星女郎」に出てくる人間世界から一歩出てしまったような存在。
そうしたものを想起させる、寒月のような硬質の輝き。
下衆ばった物しか売る術を知らない秋元康には手に余る素材であるが故に安手の包装紙に包まれて十把一絡げに叩き売られる宿命を背負っているようにも思われるが、それが瑕になるような事は無く、AKB48と言う頸木から解き放たれたときにこそ真の輝きを放つのではないかと考えている。
この16カットの為だけにでも千円の代価は払える。
原始、女性は必ずしも太陽ではなかつた。
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渋谷と恵比寿の間の明治通り沿い、どちらの駅から歩いてもほぼ等距離だが、人混みを避けられる分恵比寿からの方が歩きやすいかもしれない。
バス停は都バスの渋谷車庫もしくは東二丁目が最寄になる。
入ってすぐ右側の壁にはインスタックス(所謂「チェキ」)で構成されたインスタレーションを額装したもの、右奥には大キャビネくらいの大きさのプリントを厚手のアクリル板に貼り付けたもの、左と正面の壁に全紙くらいのプリントが11枚、さらに大きなものが2枚。
アパートと思しき室内で撮った物が中心で、ほぼ水着(下着)で一部着衣。
仕事着として割り切れているからか、衣装によっての感情の揺らぎは感じられず、柔らかい表情でカメラと向き合えている。
所謂「グラビアポーズ」ではなく、撮り撮られる中で出来た形になっており、自然ではないが不自然でもない。
大きな写真はプリントも柔らかめで、しっとりした湿度を感じさせるものの、じめじめはしていない匙加減の妙。
薄暗いこともあって絞りは開け気味、深度も浅めなので一寸逃げてしまっているものもあったが、表情を採ってそれを生かしたであろう物以外はかなり厳密。 それでいて凝り固まった感じもしない。
これはモデルの感の良さもあり、撮る側・撮られる側の呼吸が合っているからでもあったと思う。
アクリル板に貼られた小品。 プリントそのものは綺麗なのだけれど、大判のものに比べると明らかに焼きが硬い。
プリントが小さくなると、より硬く見えがちではあり、実際硬く焼けてしまったりもするのだけれど、画竜点睛を欠く感。
今回の写真展は写真集との連動企画ではなく、写真展単体で行われているのだけれど、その分出版には適さない形態でのプリントもあり、その点に於いても面白い。
私のようなルンプロには手の出にくい値付けではあるが、プリントと写真の質から考えると妥当な価格。
写真と言うものは印刷すると情報量がかなり減殺されてしまうので、「プリントで所有する」ことには大きな意味がある。
写真にしても絵にしても、一と目で見渡せる大きさを超えると印象が変わる。 然程多くない出品点数でも物足りなさを感じなかったのは、写真の質もさることながらその辺りも影響していると思われる。
会期中にもう一度見に行きたい。
risa-mono-chrome+ 吉木りさ×松田忠雄
会場:tokyo arts gallery
会期:10月19日(土)- 10月27日(日)
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講談社が主催するアイドルオーディション「ミスiD(アイドル)2014」のお披露目イベントがかなりどうかしていそうだったので足を運んでみた。
昨年の受賞者もかなりパンチが(フックも)利いており、それも影響してか今年は輪を掛けてとんでもないことになっている。
お披露目イベントは会場であるジョイポリスの入場料が木戸銭代わり、受賞メンバーそれぞれの写真セットを買うと、握手会に参加できる仕組み。
のんびり構えていたら「写真売り切れ」の情報が入り始めたので、先に行っていた酔狂仲間に押さえて貰ったりしつつ現場へ。
セミファイナルの51人からファイナリスとが35人選ばれ、その35人が本日の参加者。 グランプリ1名、ミスiD 2014として6人、「明日のアイドルの話をしよう賞」として3人、審査員の個人賞が12人、「ミスiDアマテラス特別賞」が3人。 大阪夏の陣と島原の乱と慶安の変を足して3で割らなかったような、一と癖も二た癖もある一騎当千がズラリ並んだ結果、絞るに絞り込めず、ファイナリストの2/3がなんらかの賞を貰った形。
一人ひとりの受賞コメントに時間を割いた結果タイムテーブルがどんどんずれて行き、そのあたりの仕切りは素人臭くあったが、その「素人臭さ」が面白い人選に繋がってもいる訳であるし、客がおとなしかったと言う事もあるが大きなトラブルは起きなかった。
前年グランプリの玉城ティナと共に(・・・と言うか、実質一人で)司会進行を努めた菊池智美(ポテト少年団)は、アイドルに絡んだ仕事を多くこなしてきており、且つこのオーディションでも審査には携わらないまでも審査の現場には立ち合わせてもらっていたようで、各受賞者の人となりを踏まえた上での進行には好感が持てた。
無限の可能性と無限の不可能性を併せ持つ、グランプリの青波純については改めて別項にて。
青波純の肩にさりげなく手を置く寺島由芙
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