興味はありつつも見る機会がなかったのだけれど、折良く近場で、それも撮れる機会があったので足を運んでみた。
それなりに隙間はありつつも、イベントスペースはほぼ埋まった状態。
PAからライブから特典会まで一人でやるので歌いながらスピーカーの向きを調整し、喋りながらPA卓を弄り、曲出しもする。
弾き語り一曲を含め計五曲、合間にはこれまでのインストアイベントを振り返るフリップ漫談なども織り込んで飽きさせない。
どんなことをやるとフリの客が足を止めるか迄店内の状況を観察しながらライブを演っているのも面白い。
特典会の対象商品は自家製CD-R、五曲入りで1200円。
ケースには入れず、歌詞カード兼ジャケットに挟んでのり付きビニールカバーに封入。
客は中の曲と特典に用がある訳で、ケースを省けば利益率も上がる。
そんなところも含めて面白いインストアイベントであった。
第2週のレギュラーは4枠だったのであるが、前の枠に入っていたカタモミ女子が突然の店舗閉鎖からの解散でいなくなってしまい、前倒しで8時半スタート。 まぁ、PIPも今月限りなのであるが。
自分の贔屓のところだけを見て帰ってしまう客と、番組そのものを楽しんでいる客と二た通りいるのだけれど、グループの色が客にも出る。
プロ意識の低いところの客は、民度も低い。
入り口で貰ったパスを首から提げていればスタジオと物販スペースは行き来自由なので、目当ての枠以外は外に居ても構わないのだけれど、わざわざ収録中のスタジオの中で雑談を始めてみたり。
態々そう言う客を選んでいる。 選んでいると言うか、自らの振る舞いによって呼び込んでいるのだけれど、それが分からない。
PIPの客はマシな部類で、石橋哲也の仕込んだ「舞台の上に立つ人としての矜持」が、この番組を見に来ているPIPの客の民度を一定以上に引き上げていたように思う。
石橋も珍しく投げやりな進行だったのだけれど、折角一年以上掛けて育てたグループが瓦解して無くなってしまう遣り切れなさがあったのかもしれない。
それでもそれなりに楽しく過ごせる。
石橋との遣り取りは回を重ねるごとに面白さを増して行ったのだけれど、それは感じる面白さであり、濱野が介在することで生まれていた「考える・解釈する面白さ」は薄れて行った一年だったように思う。
私には落としどころを見たいと言う欲求もあったので見続ける動機も無くならなかったが、橋田や柚木などの中核メンバーが抜けてしまう事により去って行った客だけでなく、グループとしての質的変化から離れて行った客も居たのではないか。
行けば行ったで楽しいのだけれど、私が好きだった楽しさとは別趣のものに、何時の間にか変わってしまっていた。
月末の定期に永瀬が出られない為に打たれたイレギュラーな公演なのに、なぜか「定期」と銘打たれている。
言葉の厳密さに拘らなくなった事からも、濱野の関与が薄れているのを感じる。
何かあったのか、何もなかったのか。 今回はネット予約無しで当日整列順入場。 告知にも遺漏があったり。
石川は恐らく映画の仕事で、濱野(舞)が体調不良で休演。 休業が長引いたままの豊栄は仕方がないとして、山下が出演しない事への言及は理由も含めて丸で語られず。
屯していれば近所迷惑なのは明白、頃合いを見計らって押上に出たら丁度受け付け開始時間。
ツバナレするかしないか位しか集まっておらずどうなる事かと思ったが、開演するころにはそれなりに。 最終的には30くらいか。
影アナは一と足先に辞める永瀬。
盛り上がってますかと元気良く問い掛けられて一瞬言葉に詰まる客席。 苦笑するほかない。
そもそもこの状況でどう盛り上がれと言うのか。
「いや、盛り上げるのはお前ら演者の仕事であってだな。 まぁどうでもいいんだけど。 どうでもよくはないか、しかし(略)」的な面倒臭いことは濱野智史もさんざっぱら言って来たのではないかと思うのだけれど、この辺りの演者としての意識が変わる事は無かった。
暗転して開演、「僕を信じて」から。
今更何を信じろと言うのか。
人数が少ないので瑞野の歌割も多め。 この歌の上手さも殆ど生かされずに終わる。
どうやったって統制は効く人数なのだけれど、今日も撮影は禁止。
濱野隠棲以降、スタッフの官僚化が進んだ事による居心地の悪さは明らかに増した。
「狼とプライド」
小室と永瀬で。 フィル・スペクターっぽいなぁ等と考えながら眺める。
小室の動きは柔らかく細かくなっている。 良い。
「向日葵」
演る側には思い出も思い入れもあるのだと思うが、些か食傷。
今月も既存曲の順列組み合わせの定期公演。 縮小再生産の悪循環から抜け出せぬまま終わってしまった。
空井の歌が「歌」になってきたのが、この半年での数少ない「良かった」ではあった。
歌えてはいるし揃ってもいるのだけれど、こう言う小さく纏まったものを見たかった訳でもなく。
間繋ぎMC、入場整理番号でチョコレートをプレゼントと言う趣向。
「皆さん、チョコは貰えてますか?」と全方位に喧嘩を売る空井。
「盛り上がってね」と何度も念押しをしていたが、これも本末転倒。
永瀬がお色直しで引っ込んでる間に残りの三人で「PIP Move On!」
「未来へ」
白いワンピースに着替えて出てきた永瀬がソロで一曲。
ソツなく歌えてはいる。
辞めて行く連中に遣り切らせて思いを残さないようにするPIPのやり方は、些か内向きに過ぎるところは有ったが、良かったと私は思う。
ただ初めて行くのが誰かの卒業公演と言うのは気詰まりであり、 毎月のように誰かしら辞めて行く状況で一見さんが足を運びにくくなった事は否めない。
「きっとぐっとサマーデイズ」で〆
アンコールは「選ばれたから」
最初で最後の永瀬ver. コピーアンドペースト感の凄まじい歌詞ではあったが、無いよりは良かった。
永瀬と空井がお披露目で歌った「禁断のカルマ」で終演。
荻窪ベルベットサンで開かれた、田中秀臣の主催イベント。 出演は常見陽平、豊栄真紀(PIP)、山下緑(PIP)、田中秀臣。
お披露目の22人から現在どれだけの人数が残っているかについて田中秀臣が参考資料を出していたのだけれど、CD選抜の6人、休業2人、開店休業1人、派生ユニット2人の計11人が合同会社プラトニクスと契約があり、これが現在のPIPであると規定していた。
これは公式に発表されたものではなく(※公式サイトは重くてどうしようもないのままの状態で放置されており、公式ブログの在籍・卒業の別も或る時期以降放置。)田中秀臣の認識している範囲での話ではあったが、豊栄も山下も帯同していた裏方も否定はしなかったので、概ね合っていたのだと思う。
ちなみにレーベルのサイトはCD選抜の6人しか載っておらず、派生ユニットの2人がキャンペーンに参加しない事には触れられているが、キャンペーン終了後どうなるかについての表記は無い。
兎に角分からない事だらけではあるのだけれど、ともあれ山下と豊栄が在籍していると言う事は確認できた。
豊栄と山下がこの先どんなアイドルになりたいのかについて明言を避けるのではなく、そもそも答えを持っていないと言う事態は、自分の立ち位置を自分で考え、確立することによって生き抜いてきた常見には理解し難く、もどかしくも有ったのではないかと思われる。
それでも最後まで匙を投げずに豊栄と山下の今後の展開について考えてくれたのは見ている側としても有り難かった。
時計が会議室時代の終わりで止まっている豊栄と、空間と時間を超えたところに存在する山下は、一周年公演以降のPIPが置かれた厳しい状況を肌で感じていないと言う事も有ると思うが、販促イベントを打ったら客がツバナレしなかったと言う修羅場を潜って来て、生き残る為に何をしなければならないかを突きつけられてきたCD選抜組との意識に差があるように感じられた。
仄聞はしているであろうそう言った状況に身を置いていない引け目なども有るかもしれないし、さしあたって何をすれば良いのか分からなかったりもしたかもしれないが、ブログやSNSや動画配信など、使えるものは使って何かしら発信するところから始めれば良いと思う。
その為のヒントは山ほど貰った訳であり、そこから自分なりに何が出来るのか考えて出来る事から始めれば良い。
田中秀臣なり常見陽平なりに面白がって貰えていると言うのは、間接的な濱野の置き土産であり、上手く生かして一歩踏み出して頂きたい。
何かしら動きがあれば追記しようと思って寝かせて置いたらブログの更新も殆ど無く、その間にPIP: Platonics Idol Platformに「日本以外全部沈没」的な事が起こって時期を逸してしまった。
そんな訳で今更ながらアップロード。
推敲が雑なのはまぁ、そう言う事です。
私立恵比寿学園中学
巻頭7ページ13カット、巻末5ページ9カット。 撮影は桑島智輝。
何かと縛りの多い事務所のグラビアは連載漫画のアニメ化に合わせたタイアップ。
閉鎖空間にあるものを上手く組み立てており、面白いかどうかはさておき、良く撮れている。
広瀬すず
巻頭6ページ14カット、巻末4ページ8カット。 撮影は細居幸次郎。
巻頭はロケで巻末はスタジオ。
スタジオ撮影分は光を強く当ててソツなく撮っているが、こうなると細居幸次郎である必然性は無い。
しかし乍ら巻頭の6ページは細居幸次郎ならでは。 実に良く撮れている。
撮られ慣れていて、カメラとの(カメラマンとの)向き合い方を知っていて、商売用の自分の切り売りの仕方も知っている。 そんな厄介な生き物を前にして、多少たじろぎつつも切り取るべきは切り取る。
2ページ目などは、判っていても持って行かれる。 眼福。
NMB48(山本彩、渡辺美優紀、須藤凜々花)
6ページ5カット、見開き1か所。 撮影は山口勝己。
素材としては良いが撮られ慣れてはいない須藤凜々花。 撮られ慣れているがスイートスポットが狭く、一寸癖のある渡辺美優紀。 どう撮っても絵になり、破綻はしないが面白味には欠ける山本彩。
三人三様、撮り易いようで撮り難いのを何とかならしてバランスを取り、三人並んでもきちんと絵にして来るところは流石。
人を使ったブツ撮りの上手さ。
石川恋
5ページ7カット、撮影はHIROKAZU。
全カット布面積少なめの水着。 石川恋の身体の線を生かして上手く切り取った5ページ。
煽情的でありつつ、綺麗に纏めてある。
新川優愛
7ページ6カット、見開き1か所。 撮影は桑島智輝。
これまでの撮られる仕事では「ああそうですか」的なつまらなさしか感じなかった新川優愛。
今回もまた、ソツなく、面白味もなく。
着ているものに目が行ってしまうと言う事は、本業たるモデルとしては良い仕事をしていると言う事なのであろう。
しかし今回のの仕事で見せるべくは着ている服ではなく着ている自分なのである。
「人」を見せる撮られ仕事で着ている服を見せられても困る。
生駒里奈
5ページ11カット、撮影はTakeo Dec.
光を強めに当てても柔らかく当てても絵になり、絵にして来る。
裏方も含め、歯車の噛み合った仕事。
palet
7ページ10カット、コラージュ的な見開き1か所。 撮影は外山繁。
投票企画で勝ち残っての巻頭グラビア。 顔見世としては成立しているが、光を強く当てて諸々の不都合を白く飛ばしたようなカットが多く、興醒め。
木﨑ゆりあ
7ページ10カット。 撮影は山口勝己。
表紙の訴求力の無駄な高さに驚くも、撮影者の名前を確認して納得。
ヤングジャンプは表紙だけ煽情的で、中は大人しめな事が多いのだけれど、今号は中身もそれなりに。
寄せたり捻ったり着せたり、見せるところと隠すところを切り取り方とポーズで遣り繰り。 お勉強の方はからきしだが勘は悪くない木﨑なので、ややこしい事になっても表情が死なないのは良い。
岡田奈々
巻末5ページ8カット。 撮影は桑島智輝。
「アイドルたるもの斯く在るべし」的な観念の軛から解き放たれてからの岡田奈々は実に良い。
前髪に未だ頑なさの残滓が感じられるが、それもスパイスの様なものとして笑える位には柔らかい表情をカメラの前に晒せるようになった。
川本紗矢
7ページ11カット。 撮影は小池伸一郎。
直線や曲線の中に被写体を配して絵を作る小池伸一郎らしいグラビア。 首切り・串刺しで不快になりそうなものだが、不思議と気にならない。
川本紗矢の表情は諧調に乏しく、水着になると硬さも見られるのだけれど、これは致し方ない。
人前で水着になるという行為自体が異常なものであり、まぁ仕事の一つではあるので慣れて行かねばならぬ訳ではあるが、肌を多く出す衣装で表情が強張る件について、私は責める気にならない。
閑話休題、川本の話。
硬い部分は硬いのだけれど、笑ったふりをして誤魔化さずにカメラと素で向き合えているのは良い。
伸び代の大きさは感じられる。
結城りおな
6ページ13カット。 撮影は西村康。
かつて細野晋司が担っていた部分のヤングジャンプらしいグラビア。
屋内も屋外も良い構図が切れているし、深度も露出も程が良い。
桑島智輝の弟子筋らしいが、西村康ならではのものと言うのはまだ良く分からない。
求められる質の写真は撮れていると思う。
石川恋
7ページ20カット。 撮影は佐藤裕之。
煽情より抒情に重きを置くヤングジャンプには珍しく、煽情に振っている。
詰め込み過ぎた観のある割り付けはいただけないが、石川恋の売りになる(売りにしようとしている)部分は(多少のあざとさは鼻に付きつつも)見せられていると思う。
柳いろは
5ページ11カット。 撮影はTakeo Dec.
巻末はより煽情的に。
こちらは大き目の写真でじっくり見せる趣向。 編集者の手癖の違いではあると思うが、見せ方としては巻末の方が上手い。