例によって定時で逃げ出して荻窪へ。
休業中の豊栄真紀(PIP: Platonics Idol Platform)がゲストと言う事で足を運んでみた。
東欧圏を中心にどうかしているカメラを主に扱っていたプリズムがあった頃は誇張ではなく週の半分は来ていた(残りの半分は中野)荻窪だが、閉店以来とんとご無沙汰。
会場となるベルベットサンは、線路沿いの道を東へ向かい、青梅街道と合流したあたりにある。
西郊ロッヂングの近くと書くと、分かる人には分かるかもしれない。
田中秀臣の客とPIPの客で7:3くらい。イベントの性格と豊栄の客筋からか「ピンチケ感溢れるピンチケ」は皆無。
先ずパワーポイントを使いつつ、田中秀臣が「21世紀の資本」の概要をさらりと。
時折ゲストに話は振るが、基本的に田中のひとり語り。
学問的なことを捻らずに語る部分は面白いのだけれけど、脱線して始まる自分語りは些か冗長。 まぁ、主催イベントなので仕方がない。
田中秀臣は呼び屋としては有能だけれど、些か子供じみたところはあり、自分と関係ないところで話が膨らみ始めると水を差し、想定外の質問をされると態度に出る。
後半は配られたレジュメ(※こちら参照のこと)に基づき、稲葉振一郎によるより詳細な解説。
私は経済学を敬しして遠ざけると言うか、忌避して生きてきたので、稲葉の解説がすべて理解できたかと言うと、そうでもないのだけれど、興味を惹く文言が鏤められていたので、飽きずに最後まで聞くことが出来た。
ピケティが提示したものは事実を踏まえたごくざっくりした現状分析であり、「ではどうするか」についての具体的な言及は無いのだけれど、「所得と資産の両面で格差は増大し続ける」と言う仮説は概ね合っているように私には思われる。
厳密に突き詰めようとすると、真実と言うものはスルリと逃げてしまうので、囲い込んだくらいで丁度良い。
この「所得と資産両面での格差の解消」は、豊栄の所属するPIPでも課題となっている部分でもある。
成島柳北先生言うところの「貌と芸」。 両方に秀でたもの、次いで貌の整ったものの順で需要が発生し、場数を踏めば磨かれて行く。 それにつれ売れる売れないの格差は大きくなる。
人気があって機会がより多く与えられると、更に客が付く。
機会が少ないと客が付かない。
機会も結果も不平等なのだけれど、その現実は現実として受け入れた上でどうするか考えなければならない。
仕方の無い事ではありつつ、当事者としては感情面で収まらない部分も出るだろうし、雇主(厳密には違うが)の濱野に対する不満が溜まっている事が相次いで離脱者が出ている原因のひとつではないかと思われる。
勿論濱野が何もしていないとは思わないが、現代思想系の人の悪癖で学者方言みたいなのを当たり前のように織り混ぜて語るし、如何せん話が難しすぎる。
それをメンバーにも分かる言葉に置き換えて説明し直せるのが豊栄だと思うのだけれど、暫くは不在が続く。
豊栄は、たまに話を振られて二た言三言返すくらいで、ほぼお飾り程度の扱い。
「21世紀の資本」についての説明だけで時間切れと言う感じではあったのだけれど、物腰は柔らかい乍ら口を開くと舌鋒鋭く田中もピケティも袈裟懸け。 ばっさり斬っても呼吸するように伝わりにくい嫌味を言う小林秀雄的な悪意は無い。
冷酷と怜利は似て異なるのだけれど、理性的な物言いを心掛けた結果、意図しない形で冷たさを感じさせてしまう。 それを自覚しているからこそ、特に求められない限りは柔らかい物言いを心掛けているように感じられた。
もう少し対論に時間を割ける題材の時に呼んでいただければ、豊栄の「にっこり笑って人を斬る」部分が生きると思う。
終演後に会場でチェキ会。
ご母堂の前で行われると言うおそろしい特典会。
選抜衣装は澤村のところに行ったのだと思われ、PIPポロシャツを着用。
休業するとそれまで放っていた光が消えてしまう人もいるが、豊栄はその限りではなく、PIPの豊栄としてそこに座ってた。
静かに復帰を待ちたい。
PIPメンバーがこれ迄客前で歌ったことのない曲を披露し、ソロパフォーマーとしてのパフォーマンスを競う企画。
舞台に立つ人としての自覚が醸成されつつあり、金の取れる芸になってきたからこそ出来る企画。 良いタイミングだと思う。
1500円とは言え木戸銭が発生する所為か、定期公演と比べると客の入りは薄めだが、それなりに入ってはいた。
客入れで「パワー上昇」が掛かり続けており、少々苛々してきた頃合いで開演。
司会は石橋哲也(カオポイント)。 スコットランド人の正装みたいな恰好で登場。
審査員としてTOKYO IDOL NET代表のアライトシロウと、元avex SKE48担当の江川慎也。 この二人の持ち点が30点ずつ、石橋の持ち分と言う体で全員に40点が加算され、100点満点での採点。
石川野乃花「無人駅」(岩佐美咲)
朱の着物に白い帯。 コーディネートとしては悪くないが惜しむらくは着付けに難。
裾が一寸高くて、足首まで見えてしまっていたのだけれど、後ろから見て足袋が見えるか見えないかくらいにした方が美しい。
帯が蝶結びのような一文字結びのような感じで、端の始末が悪くて解けかかっていた。
髪を編み込んで纏めて落ち着いた感じにするのであれば、お太鼓の方が良かったように思う。
色々書いたが、自分でしたプライベートの着付けとしては及第点。 客前に立つとなると話は別、と言う事。
歌い終えたところで客が花束を渡していたが、どうせ仕込むなら日本銀行券の首飾りの方が生々しさが出たのではないかと思う。
歌は破綻なく纏まっていた。 勝負に出るときの石川は、兎に角大しくじりをせず、高いレベルで堅実に纏めて来る。
空井美友「雨のピアニスト」(SKE48)
黒のドレスで花の髪飾り。 そこはかとなく革新系婦人代議士感。
緊張の所為か、いつもより激しい 1/fゆらぎ歌唱。
歌い進めるうちに揺らぎが収まって行くのも微笑ましい。 やり始めたことを照れも衒いも言い訳もなく、最後まで遣り切るのは良い。
森崎恵「パワー上昇」(ぱわーすぽっと)
二た悶着くらいあった曰く因縁のある曲を敢えて持って来る森崎。
テンパリ大会で頭に血が上りすぎて煽りを間違えたりもしていたが、テンション芸で乗り切っていた。
アイドルに耽溺して人生を踏み外したような業の深さは伝わったと思う。
小室志織「必殺テレポート」(AKB48)
音程が乱高下するのはご愛嬌。
大人数グループの全体曲を一人で演ると間をもたせ難いのであるが、空元気でも一生懸命やっている健気さでなんとかしていた。
濱野舞衣香「BLUE Velvet」(工藤静香)
風邪が治らず、前日まで殆ど声が出ていなかったのでどうなるかと思ったが、とりあへず歌にはなっていたので執念に驚いた。 そうでなければ務まらない稼業だとは思うが、芯が強い。
そんなこともあってか、震えているのが分かるくらいの緊張。 ところがこれが歌声には乗らない。 そんなところにも唸らされた。
万全な体調での歌声を聴きたい。
ゆたんぽ「千本桜」
森崎恵の妹。 森崎プロデュースの派生ユニットからの刺客と言う位置付け。
ボーカロイド曲と踊ってみた系の振付け。
こちらも緊張からか凶相になっていたが、挙動不審振りが姉そっくり。
ここまでがAブロック。 籤運による偶然だが、小室以外年長はメンバーで固まっている。
福田蘭奈「彼女になれますか」(AKB48)
何をやらせてもサラリとこなす福田らしさは出ていた。
サラリと出来過ぎて大変な事が大変そうに見えないところで損をしているようにも思うが、高いレベルで安定。
永瀬綾香「僕らのユリイカ」(NMB48)
そつは無いのだけれど守備的というか、小さく纏まりすぎている観はある。
ひと仕事終えて客として楽しむ森崎。
工藤千里「ラララのピピピ」(道重さゆみ)
道重さゆみに耽溺する工藤による情念たっぷりのカバー。
PIPの客でハロプロ方面からと言うのは少ない所為か反応は渋めだったが、工藤の客が少数精鋭で頑張っていた。
柚木萌花「ごめんねSUMMER」 (SKE48)
PVをイメージしたとかで、出だしから作り込んでおり、歌も振付も腐すところが無い。
予選で見た中では出色。 出色と言うより一人勝ち、モノが違う。
橋田唯「大声ダイアモンド」(AKB48)
森崎に振り入れをお願いしたとかで、きっちり歌って踊れていた。
「華」と言う点に於いては柚木と双璧であり、更には「時分の花」と言う物も働いて場を支配。
山下緑「やっぱ好きやねん」(やしきたかじん)
何と言うか、猿島郡のパート事務員の休日のような出で立ち。
「アラビアの怪人」的な怪しい動きで歌い上げるが、音程も怪しい。
それでも間が持ってしまうのが凄い。
予選Aブロックからは石川(90点)と空井(83点)が、Bブロックからは柚木(91点)と橋田(90点)がそれぞれ勝ち上がって決勝。
空井美友「君しか」(ノースリーブス)
シャンパンゴールドのドレスに着替えて登場。
自棄糞感は薄れ、振付けに情緒が出て来ている。
石川野乃花「夜風のしわざ」(柏木由紀)
白いドレスに着替えて登場。 歩いたり腰掛けたり、原曲の演出を踏襲。
最後の最後で歌詞が飛んだようだが、上手く誤魔化していたので言われなければ分からない。
舞台度胸は素晴らしい。
橋田唯「ふわふわタイム」(桜高軽音部)
予選と同じ衣装なのを司会の石橋に突っ込まれ、答えて曰く「お金が掛けられないので」。
ジョージ・ワシントン級の正直さ。
振付もなく、東海林太郎の如く直立不動で淡々と歌っているだけなのに全部持って行ってしまう強さ。
巧くは無いのだけれど歌声に説得力がある。
柚木萌花 「 don't cry anymore 」(miwa)
アイドルらしい振付けは封じて歌のみで勝負。
PIPに於いて歌う部分を担っていたメンバーの相次ぐ離脱を踏まえての決意表明ともとれる挑戦的な選曲。
正直申し上げてここまで歌えるとは思っていなかった。
不明を恥じつつ息を呑む数分間。
選考時間に2曲。
ロンドンブーツの工藤と自棄糞に高いピンヒールの濱野が危なげなく歌って踊れていて驚く。
激しい動きにイヤリングを落とす森崎。
拾う隙が無いと見るや、他の連中が怪我をしないよう袖に蹴り飛ばす好判断。
なんだかんだでグループとしての底上げはされていた。
決勝の審査結果は、85点の同率3位が空井と橋田。
86点で柚木が2位。
88点で石川が優勝。
私の見解とは異なるが、殆ど予備知識なく見に来て、目の前で起こったことだけで判断した結果として考えると大きく外してはいないと思う。
石川は勝ちに行ったら勝ってしまった横綱相撲。
柚木は予選で別次元のものを見せて、決勝はその先へ行ってしまい、圧倒的ではあったが判定基準からは離れたところに着地してしまった。
橋田は原石としての大きさと可能性を見せ、空井は今出来る最大限を見せた。
実際にレースをものにしたのはマクラーレンのアラン・プロストであったが、競技委員長のジャッキ・イクスがレースを短縮しなければ勝っていたであろうと言われたのはアイルトン・セナであり、しかしながらその日一番早かったのはティレルのステファン・ベロフであった1984年雨のモナコグランプリを思い出した。
(空井は奮闘に奮闘を重ねて入賞したケケ・ロズベルグ)
審査結果は審査結果として、少なくとも決勝はそれぞれがそれぞれにやるべき事を試み、やり切っていた。
柚木のやろうとしたことはグループとしてのPIPに於ける立ち位置についての決意表明であり、審査員はそれについてどうこう言う立場ではなく、それについて評価していなくても仕方がないと言えば仕方がない。
然しながら起こした波紋の大きさは優勝したことを俄かには受け入れられずに戸惑っていた石川の振る舞いからも察せられるし、結果として2位には甘んじたけれど意味のある2位だったと思う。
私個人の評価としては先ず柚木、次いで橋田、石川、空井の順。
六本木ミッドタウン近くの雑居ビルの三階にあるフリースペースにて、カメラマン4人のグループ展。
小池伸一郎
都内の高速道路の分岐点で引いたり寄ったりして撮ったモノクロ作品4点。
広角で撮ったものはレンズの効果と道路のカーブで歪曲した線と、放射状に伸びる直線を組み合わせてある。
黒と灰色の間、白と灰色の間のトーンがしっかり出ており、じっくり楽しめる。
視点が中央に収斂して行く中央下の写真が良かった。
丁度ほかに客がいない時間帯だったので、部屋の端まで引いたり近くまで寄ったりして見たが、画面に吸い込まれていくような不思議な感じがした。
門嶋淳矢
蛙や錦鯉などの生き物を彩度を上げたクローズアップ。
思い切って寄っていたり、アウトフォーカス気味にしたり、箍と言うか羽目と言うかそのあたりを外し気味に撮っていつつ、質感を見せたいところにはピントが合っていたり篤実なところが出てしまっていて、そのあたりも面白い。
岡本尚也
鏡を挟んで撮ったような、ロールシャッハテストのような画。
ポートレートと言うかパーツのブツ撮りと言うか、水が介在するので見ていてなんとなく息が詰まるような圧迫感。
寺坂Johney!
等身大に近い大きさの場末ストリップ的ヌード2点。
美と醜のはざま(しかし美寄り)のモデルの生々しさ。
私の嗜好としては小池伸一郎のもの。
広い部屋に飾って寄ったり引いたりしたい。
渋谷と恵比寿の間、都営バス渋谷車庫にほど近い明治通り沿いにある写真専門のギャラリーにて、19人のカメラマンの作品を集めた写真展。
展示スペースが限られているので、一人あたりの出品数は少ないが、その代わりそれぞれの写真集も展示販売している。
写真そのものを買うとなるとそれなりにハードルが高いが、写真集なら気軽に手を出せる価格。 好きな写真を手元に置くと暮らしが華やぐので、まずは写真集から試してみて欲しい。
ネイチャーから現代アート的なものまで、作風に合わせてプリントサイズも展示方法も様々。
松田忠雄の職人写真(これは別項にて)以外で目に付いたものが幾つかあった。
名古根美津子の頭だけのポートレートと三浦咲恵の台形のアクリル板に貼ったプリント、そして幸本紗奈の小品。
幸本紗奈の小品「しるしの話」は同名の写真集からの一枚。
どこにもピントが合っていないようでいて、見ているとどこかに合っているような気がしてくる。
作者曰く「見る人にピントを合わせて欲しい」。
ざっくりと大掴みに切り取り方故に、見る側に様々な解釈が成り立つ。
こちら でいろいろ見られる。
写真集は小ぶりなものであったが、紙質もプリントも良く割付けも丁寧。
昔は女子っぽい女子の写真は嫌い(女子っぽい写真部員は大抵めんどくさいから)だったのだけれど、そういうしがらみを離れて漸く写真そのものを見られらるようになったのかもしれない。
tokyo arts galleryにて、建設現場で働く職人のポートレート展。
入って正面奥に等身大くらいの大きいのが二枚、左右の壁面に合わせて十数枚。 貼り切れなかった作品まで含めてコラージュにした大きいのを右手奥の壁に。
詰め込みすぎず、高さも程よく、ライティングも考えられている。
いつもは白壁なのだけれど、今回はアクション・ペインティング的にペンキで汚しを入れてあって、これも面白い。
ペンキの染みついた塗装工のズボンからヒントを得たとのこと。
「ポロックみたいでしょう?」と笑っていた。
写真はすべて黒バックで、足場板の上に立たせた縦位置で撮ったカラー。
現場で撮る訳にも行かないので、近くのコインパーキングや空き地に仮設の写場を設えての撮影。
それぞれの職種を象徴する道具を持たせたりしつつ、ほぼ同じ構図。
土間工はゴム長、鳶は地下足袋。 塗装工がサンダル履きだったのは意外だった。
こう言う写真を見た記憶が確かに有り、帰宅して本棚を眺めていて思い出した。
ウジェーヌ・アジェの巴里。
唐棧のような縞のニッカボッカなど、おやっと思うと寅壱。
作業着の着こなし一つでも個性が出ていて、糊を効かせてパリッと着るものもあれば、擦り切れて穴が開いたのを着ているものもあり、それぞれに味がある。
十代から六十代まで年齢も職種も様々だが、それぞれに逞しい面魂。
それに惹かれてか、いつもよりふらりと入ってくる女性のお客さんが多かったらしい。
小体だが明るく見やすく、何より入りやすい「場の力」も働いていたのだと思う。
初日に観に行った所為か矢張り混んでいて、喧騒の中で落ち着いて見られなかったこともあり、最終日の早い時間に再訪。
階ごとに壁の色や照明が異なり、それに合わせて展示される作品の傾向も異なる。
雄弁な写真と解釈を見る者に委ねる写真とがあり、後者がまとまっていた四階がもっとも居心地が良かった。
比較的小さな作品が多かったのも、私には好ましかった。
展示空間が狭い事もあって、大きなプリントは圧迫感が出てしまう。
Megumi Michelle Kawaguchi の作品は深い額の中に在り、ファインダーを通して見たような「覗き窓の世界」。
大きく伸ばして映える写真もあれば、小さいからこその良さを持つ写真もある。
被写体との距離の取り方であったり、人物と背景の配置の仕方であったり、私の好みに近く、且つ私が撮るときにはそうしないであろうやり方も、また面白かった。
アキレス腱の怪我が癒えない瑞野と消息不明の北川が休み。 今月は濱野智史も忙しいと見えて告知が遅れたり抜けたりすることが多かったが、ついに休演するメンバーの発表は無かった。
北川の消息不明な件についてもまるで説明は無いのだけれど、ALLOVERでの生存は確認出来ているので色々あるのだと思う。 ALLOVERに関しては掘り下げると碌な事が無い。
今のところPIPのメンバーではないが森崎恵プロデュースの派生ユニット LasRabbiのメンバーである ゆたんぽ%(※森崎の妹) が参加。
前説代わりに空井美友と石橋哲也(カオポイント)で「プロ野球負けられない宣言」と題して野球駄話。
順位としては石橋の贔屓の西武の方がまだ上にいるが、中継ぎが打たれて負ける厭なパターンに嵌って順位を下げており、出て来るのもボヤキばかり。
空井の応援する千葉ロッテはデスパイネとクルーズが大当たりなのに加えて、昨シーズンは二軍でお茶を挽く事の多かった清田が狂い咲きでチームも上り調子とあって終始笑顔。
私はイ・デウンのなんだか良く判らないけれど打たせない謎のピッチングが他チームを狂わせているのではないかと考えている。
そう言えばイ・デウン、石橋哲也になんとなく似ている。
バラエティー部分は
・一周年記念リーク合戦
・検索クイーン
の二本立て。
一年経っても歌って踊る部分が壊滅的なのをメンバーに詰められて居直った山下緑に激怒する福田蘭奈など生々しいのもありつつ、洒落になるリークで済んでいた。
検索クイーンは自分を象徴するであろう単語を三つ挙げて大手検索エンジンでの的中率を競う物。
客の作ったweb事典的なものに助けられたメンバーも多かったが、森崎姉妹は一般記事でほぼ的中。 ネット廃人としての格の違いを見せつけていた。
この辺り日頃からエゴサーチをしているか否かの差が出たように思う。
「如何に見つけて貰うか」がこの道で食って行く上での鍵になる訳で、動画投稿をしている割に見つけて貰う営為に無頓着な高城には危うさを感じた。
森崎が終始エッジの利いた拾いやすいガヤを入れており、良い仕事。
ちょっとした間繋ぎや、微妙になった場の空気を入れ替えるのに貢献。
ボヤく空井、黒い石川、シモに走る柚木。 無理にキャラクターを作るのではなく、受け入れて求められる自分になることで石橋が発言を拾いやすくなり、話の拡がりにくい・引き出しにくいメンバーも生かせるようになって来た。
上手く番組が回っている。
石橋哲也の面白いのは政治と宗教の根多はサラリかわして流すところ。 賢明だと思う。
後半ライブは暗転したのちにBGMが流され、場の空気を換えてから開演。
ライブ序盤はオリジナル曲で畳み掛ける構成。 人数が減ったことが幸いして選抜もアンダーもへったくれも無くなりつつあり、森崎はほぼ出ずっぱりだし永瀬も出たり入ったり忙しい。(山下だけ、蚊帳の外。)
流れも良く、安心して見ていられる。
柚木は例によってとんでもない芸当を涼しい顔で織り込んで来たりするのだけれど、そんな「本気の柚木」が顔を出しても全体のバランスは崩れない。 これも全体的な底上げがなされているからだと思う。
森崎にしても空井にしても、或る程度出来てはいたが演るだけで精一杯だった連中が周囲を見渡せるゆとりを持てるようになり、それが「釣った魚に餌をやる」ような形で矮小化せず、客席を大掴みで見る方向に働いている。
ここのところ色々有り過ぎたが、グループとしてのPIPのパフォーマンスレベルは上がっている。
森崎恵プロデュースの派生ユニット LasRabbi 、メンバーは工藤千里、ゆたんぽ%(※森崎の妹)、森崎恵。
工藤の表情が良い。 滲み出てくるような柔らかい笑顔。
ゆたんぽ%はスカートを操るのが上手い。 慣性を使って揺らしたり翻したり。
5月生誕コーナー前半、永瀬が「ロミオとシンデレラ」小室が「あの空に向かって」、二人で「狼とプライド」。
永瀬の「ボカロ曲」と言う選択が"らしい"。 勢いだけでは歌いこなせない「あの空に向かって」を選んだ小室の直面する課題に対する覚悟も良かった。
「狼とプライド」は、オリジナルを見ている友人も褒めていた。
プレゼント贈呈などの儀式を挟んで、山下緑のソロは「荒城の月」。
選曲そのものは悪くないが、歌詞を碌すっぽ憶えていないと言うのはいただけない。
うろ憶えの一番の歌詞とハミングだけで間をもたせるのは大したタマだと思うが、歌って踊る部分をあまりにも蔑にし過ぎているように思う。
終盤は新富町時代によく演っていたAKB48楽曲をズラリ。
勢い余って客席に靴を飛ばす高城。 ぎこちなくはあったが、そのまま一曲踊り切ったのは良かった。
最後の曲の前に告知など。 一周年記念公演や出演イベントなどのお知らせの後、濱野智史より運営業務からの部分的撤退と言うか、メンバーやサポートスタッフへの業務移管の発表。
勤務先の組織変更で多忙を極めているのが主因である由。
ブログや写真投稿サイトへの投稿の確認と承認、各種イベントへの出欠確認、交通費の清算などプロデュース業務以外のもろもろからメンバーへ移管したいとのこと。
末広町のアーツ千代田 3331で開かれたガジェットのお祭りへ。
スタッフの数が潤沢で、それぞれスタッフとしての仕事を楽しんでいたのが印象に残った。 こうしたイベントだと客としての意識が抜けきらないでいる「スタッフ」に煩わされることがままあるのだけれど、要領の良し悪しはさておき、油を売っている人員が居なかったのには感心した。
PIP: Platonics Idol Platform ミニライブ
会場が元は学校と言う事もあり、ライブステージも教室サイズ。 そんなこともあってか、出演メンバーは7人(石川、小室、空井、濱野、森崎、柚木、福田(※途中から))
ミニライブと言っても尺は長めの45分。 オリジナルは5曲しかないので、あとは借り物と言う仕儀に相成る訳だが、演り慣れたAKB48系の曲が中心。
PIP目当てで来る客中心の公演ならまだ良いが、何時もの客以外の人の目に触れる機会に組むセットリストとしては適当でないように感じた。
柚木萌花(PIP: Platonics Idol Platform)
非メジャーのアイドルは同じ鍋の中の客を取り合うような状況にあり、なかなか客層を広げる事が出来ないし、出られるイベントも定例のごった煮ライブばかり。
そんな中慶應の三田会であったり、麻布学園の文化祭であったり、濱野智史プロデュースであるからこそ捻じ込める毛色の違うイベントに出られるのがPIPの強みであると思うのだけれど、そこで偽物感が出てしまう曲を演るのは如何なものか。
人数が変動してもうろ覚えであたふたするようなところは無く、とりあへずは形にしてくる対応力は良い。
福田は途中からの合流だったが、すっと溶け込んでいた。
福田蘭奈(PIP: Platonics Idol Platform)
終盤はオリジナル曲で畳み掛け、「桜のまた咲く日まで」でしっとりと〆。
小室志織(PIP: Platonics Idol Platform)
例大祭『写真部:グラビア対談』
いしたにまさきと松嶋初音がグラビアについて対談する企画。
撮影会部分のモデルとしてPIP: Platonics Idol Platformから福田と濱野。
グラビアと言う物の認識と嗜好が両氏と私とで異なるので、話の内容は頷けたり頷けなかったり頷けけなかったりしたのだけれど、怒りがこみ上げるような話は無かった。
撮影タイムとしてカメラ持参の客に1分間与えられ、その間モデルの二人(福田と濱野)を自由に撮れるのだけれど、撮影者として透明でありたいので、差し向かいで撮れると言うのも有難迷惑。 差し向かいであれこれ指示して撮るってのは、どうにも性に合わないのでここはアリバイ的にカメラを廻し、私がカメラを持っていることに慣れてもらっておいて別の時間に横合いから撮影。
ウェアラブル運動会
歩数や消費カロリーが計測できるムーヴバンド、360°撮影できるデジタルカメラTHETA、バブルサッカーのバルーンなど、ウェアラブルデバイスを使った運動会。
既に夏の陽気だが風があるのが救いで、皆さん汗だくになりつつ楽しげに競技に参加していた。
ムーヴバンドやTHETAはどうにかなっても、バブルサッカーのバルーンにはこんな事でもなければ触れない。 バルーンを装着した楽しさに、大人げないはしゃぎっぷりの人も居たが、これはまぁどうにもしょうがない。
当初予定より参加者が多かったようで急きょチームを増やしたり、臨機応変に対応できているし、目的意識のあるスタッフが潤沢にいるので長丁場の運動会でもダレない。
主催者と思しきスタッフは熱いが冷静と言う稀有な人物で、こまめに参加者を廻って感想を訊いていた。
次回開催は反響次第なので未定との事だったが、是非続けて欲しい。
柄にもなくお天道様の下で汗だくになる一日だったが、快い疲れの中で帰途につくことが出来た。
森崎恵(PIP: Platonics Idol Platform)