武蔵野線新三郷駅前のショッピングモール「ららぽーと」のスカイカーデンステージにて、 ぱすぽ☆ のライブを観覧。
新三郷駅と言えば、国鉄でも有数の「ふざけた駅」だった訳だが、上りホームと下りホームが500mくらい離れていた往時の面影は無く、普通の郊外の駅になっていた。
後楽園のラクーアと較べると規模は小さいが、周りの騒音が無い分ライブは集中して見られる。
のんびり移動していたら一回目のライブは終わってしまっており、握手会が始まったところ。 ステージ後方のベンチに座り、流しっぱなしになっている ぱすぽ☆ の曲に浸ってみる。
ぱすぽ☆ の曲は80年代産業ロックの香り漂うものが多く、心地よく聞き流せて適度に耳に引っ掛かる。 AKB48を含め、束モノアイドルでは奇を衒った曲が多い中、正攻法で押すやり方が清々しい。
若い人にどれだけ受けるかは判らないが、年寄りの耳には心地よい。
客席後方に立てられた看板が良かった。
小さなお子様にも大人気、ぱすぽ☆が今月もやってくる! みんなで応援しよう!!
新三郷ららぽーとのスカイカーデンステージにて、ぱすぽ☆ のライブを観覧。
先週のフライト(※ぱすぽ☆用語でライブの意)にて色々有ったらしく、今回から荷物による場所取りとコール(メンバーの名前含む)が禁止となり、酒盛りには自粛要請。 1回のフライトも短縮。
家族連れが主たる客層である商業施設なので、これは当然といえば当然。 TPOを弁えられない輩と言うのは何処にも居るもので、これが何を意味するのか理解できずに禁止事項は遵守しつつ別の迷惑を生み出している莫迦もちらほら。
フライトは短縮はされたが、その分凝縮感はあり、締まった印象。
二回目の始まる一時間程前に到着したが、目当てで来ていると思しき客は少な目。 これは近隣の商業施設でもアイドル系イベントが打たれていた為で、そこから流れて来た客が三々五々集まってそれなりの集客に。
何故か男性スタッフが美顔ローラーをコロコロやりながらうろうろしていたり、CD店のスタッフと称する女子が無駄に美形だったり、謎の多い現場。
客と見分けの付きにくいちゃらちゃらした格好のスタッフが多いのだけれど、見かけによらず仕事はしている。
先週より多めに設えられた椅子席の最前列は女子席、その前の砂被りにブルーシートが敷かれて子供席。 今週も飽きて帰ってしまうお子様は皆無で(親が迎えに来たりってのは有ったが)、楽しそうに見ていた。
相変わらず自分が知らないものを実態も知らないのに「自分は知らない」と言う理由だけで嘲笑するような愚民も見られたが、それなりに好意的に認知している民間人も居るようで「なんか衣装が変わったね」なんて声も。
スピーカーがショボいので、舞台正面で見ていないと音は良く聞こえないのだけれど、フォーメーションの切り替わっていく様を見ていたかったので二回下手側にて観覧。 歌はともかくとして喋りは丸で聞き取れず、少々ストレスは溜まるが、曲に浸りながら動きを見ているだけでも十二分に楽しい。
ぱすぽ☆の曲には聞き流せる心地よさと適度に耳と心に引っ掛かる訴求力が有り、打ち込み全盛の昨今にあってギター小僧が勢いで作ったような疾走感が嬉しい。
振り付けの先生が帯同しているのだけれど、しかめっ面で監視している訳でも脂下がって客として楽しんでいる訳でもなく、曲の間は真剣に動きを注視しているが、MCになると時折笑みがこぼれたり。 遠目から細かい表情は窺えないが、メンバーとのアイコンタクトで相互の信頼は看て取れる。
フォーメーションは細かくステップを踏みながらピラミッド型から円形に、更には二列になったりそれが回転したり、目まぐるしく変化しつつ、その中でメンバーの個性に合わせた小ネタを仕込んでいるので、何度観ても驚きが有り、飽きない。
明確な中心を置かないからこそ出来る自由度の高さ。
個々の振り付けも、それぞれの独自解釈を或る程度認めつつ、逸脱し過ぎないように〆るところは〆て揃えている。 この「矯め過ぎない」ところも良い。
二回目と三回目の間に知己と感想戦。 アイドルイベントにしても野球観戦にしても、楽しさの何割かはこれにある。 英気を養ってから三回目を観覧。
日が落ちてイルミネーションも点燈。 メンバーはいつものスカーフの代わりに白いビームサーベル型のペンライトを使用。 客も色とりどりのサイリウムやらペンライトやらを振り回す。
目の前でこれをやられると邪魔で仕方が無いのだけれど、遠くから見ている分には綺麗。
皓歯 歌い、
細腰 舞う。
況んや是れ青春 日将に暮れんとして、
桃花 乱れ落つること紅雨の如し。
李賀の「将進酒」のような光景。
あまりに酷いので今週は購入見送り。 備忘録的に雑感など。
宮澤佐江
撮影は今村敏彦。 楽しく撮り撮られつつ生々しさも出す今村敏彦の「らしさ」は出たグラビアだが、水着にひん剥いときゃ良いだろ的な安直さが鼻に付く。
単調な表情と、体形の粗ばかり目立つ。 宮澤佐江から何も引き出していない。
AKB48から誰かしら載せときゃ売れるってのに寄り掛かった最低のグラビア。
bump.y
撮影は矢西誠二。 こちらも「水着がダメならせめて薄着に」と言う感じの、肌の面積さえ増やしときゃ色気が出ると考えている短絡的馬鹿の馬鹿さ加減が実に馬鹿々々しく出た馬鹿グラビア。
一人だとスイッチの入りにくい桜庭ななみだが、bump.yの桜庭ななみになると上手くスイッチが入るようで、表情は良い。 それだけが救い。
今週も酷でぇものであるが、熟読しないと書けないので仕方なく購入。 金をドブに捨てるってのはこういうのを言う。
指原莉乃
表紙と巻頭グラビア、6ページ16カット。 撮影は中山雅文。
壮大な罰ゲーム。 中山雅文らしい、技術的な粗は無いが何の面白味も無い無味乾燥な写真がズラリ。
16カットの中には見るべきものも無くは無いが、扱いは小さい。 編集者の審美眼の無さが詰まらなさに拍車を掛ける。
この編集者は指原の美点を引き出す努力をしておらず、そもそも美点が有る事にすら気付いていない。
大分くんだりまで泊り掛けでロケに出てこのザマたぁ、開いた口が塞がらない。
指原が身銭切らずに帰省出来たのがせめてもの救い。
小池里奈
6ページ10カット。 撮影は栗山秀作
指原莉乃と似たようなロケーションでの撮影なのに、この差は何なのだろう。
過不足無く商売用の自分をカメラの前に出せる小池里奈のモデルとしての技量もさることながら、カメラマンが被写体たるモデルから何を引き出そうとしているか、これに尽きる。
撮影技術そのものは中山雅文の方が上かもしれないが、写真を撮るのは栗山秀作の方が断然上手い。
AKB48(大島優子、前田敦子、篠田麻里子、板野友美、渡辺麻友、高橋みなみ、小嶋陽菜)
巻中グラビアにAKB48から例の7人。
曽根将樹の撮った篠田麻里子と熊谷貫の撮った小嶋陽菜以外はまったくどうでも良い出来。
指原莉乃に付けさせたキャプションも蛇足。
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アイドルオタクの、アイドル。
ネクラなのに、おしゃべり好き。
ヘタレなのに、前に出たがり。
と、このあたりは本人自らの証言だが、彼女を知る誰もが胸抱く大事な一項目を、ちゃんと付け加えておきたい。
かわいいのに、おもしろい。
アイドルはかつて、ファンに擬似的な恋愛感情をプレゼントし、支持を集めていたのかもしれない。 でも、指原莉乃という新世代アイドルは、もっとたくさんの、いろんな感情の全部を、彼女を見つめる人々に追体験させてくれる。 それはとっても、貴重な体験なのだと、この日の撮影を通して実感できた。 そうして自然と、彼女を応援したくなった。
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レビューが進まないのはメディア型アイドルになってしまった(そして大人の事情に「翻弄される側」から「翻弄する側」になってしまった)AKB48やSKE48に対する興味が薄れた為。
売れて来れば仕方の無い事ではあるが、手間と時間を掛けたグラビアも減ってしまった。
紙幅は裂かれているが、感興は催さない。
AKB48 48分の3かける2
仲良し二人組企画グラビア3本。 菊地あやか×仲川遥香、門嶋淳矢の撮影で3ページ18カット。 仁藤萌乃×倉持明日香、細居幸次郎の撮影で3ページ4カット。 指原莉乃×小森美果、細居幸次郎の撮影で3ページ20カット。
仲川と菊池の関係についての話は、初期チームBと最近の話のみで構成されていて、明るさの裏側にあるものがチラリと脳裏を掠める。
指原と小森の「看護婦と患者のコント」が面白い。 小森は何を考えているのか判り辛い謎の微笑に加えて、気心の知れた指原と絡ませる事で生きた表情も引き出されている。
看護婦姿の指原が妙に妖艶で、小森に脱脂綿を突きつけられて厭な顔をしているカットも面白いが、笑っても居ないし困っても居ないエアポケットに入ったような瞬間の表情に引き込まれる。
友人が指原莉乃を評して曰く「今、世界で一番面白い生き物」。
指原が狙ってやった事ではなく、その生態を含めた存在そのものが面白い。
高柳明音
前田敦子のドラマ撮影風景、小野恵令奈の写真集宣伝ページを挟んで高柳明音。 栗山秀作の撮影で4ページ6カット。
制服(夏服)姿で線路端を走り、のんびりと私服で公園。
髪が長く、量も多い上にあしらい方が野暮ったいのだけれど、それを上手く誤魔化して撮ったカットは可愛らしく撮れている。
SKE48で面白いのは、高柳も含めて碧の黒髪を大事にしているメンバーが多いこと。
AKB48ではOGも含めて重いだの何だのと理由を付けて安易に染めてしまう(戸島花!!)連中が多い中、これは貴重。
AKB48 おひとりさま(佐藤すみれ)
小森美果、片山陽加に続いて佐藤すみれが登場。
カラーで1ページ1カット(撮影は古賀良郎)、モノクロ1ページでインタビュー。
携帯サイト連動企画なので、ワニブックスモバイルには更に詳しいインタビューが掲載されている。
カラーページには正面から撮ったカットが使われているのだけれど、顔のパーツが正面を向いているので、斜めから撮った方が映えるのではないかと思う。
赤沼夢羅
長野博文の撮影で2ページ2カット。
スタジオでじっくり撮っており、長野博文らしい光と色。
じっまり撮ってもかしこまった表情にならないのは流石。 1カット目が良い。
制服向上委員会
現代のグループアイドルはおニャン子クラブと比較して語られる事が多いが、客文化にしても送り手側の手法にしても制服向上委員会の影響下(もしくは「車輪の再発見」)にある事が多い。 AKB48がNHKの「日本の叙情歌」でやっていた唱歌のメドレーもそう。
客文化に与えた影響も多く、「PD」「とも〜みちゃん」の言いだしっぺや、「ケチャ」の命名者も制服向上委員会の流れの客。
閑話休題、9月から再始動したその制服向上委員会から5人。 2ページ6カット、撮影は荒木勇人。
担当ライターは村山義典。 流石に判っているだけあって要点を押さえつつ簡潔に。
メンバーは相変わらず変化球主体だが、それがこのグループの魅力でもある。
藤原令子
宮家和也の撮影で4ページ4カット。
4月号以来半年振りの登場。 前回は細居幸次郎の撮影で4ページ6カット。 未だ何者でも無い少女の素材そのものを撮ったグラビアだった訳だが、今回はこの仕事が決まってから担当マネージャーと合宿をして臨んでおり、それが吉と出てモデルとして仕事が出来ている。
カメラの前で上手く表情を作るのではなく、カメラの先に意識を持って行って、良い表情を引き出して貰えるようにしている。
カメラの前に素で立つというのは、簡単なようで難しい。 それが出来るようになりつつあるのを感じる4カット。
逢沢りな
普通の写真は見開きで一枚、コラージュが見開きで2枚、1ページで1枚。 これを7ページに詰め込んである。 撮影は何をやらせても水準以上の出来になる桑島智輝。
纏め方の上手さもさること乍ら、元の写真が良い。
私はコラージュのような小細工は嫌いなのだけれど、これは良く出来ている。
スマイレージ
7ページ6カット、撮影は楽満直城。
1ページ目と最後の見開きで集合、間に個別写真を挟む構成。
個別写真は都電荒川線の9000型車輌を借り切っての撮影。 絞りを開けて撮る事によってレトロ調車輌のわざとらしさを殺し、温かい色合いのみを生かしている。 背後に写り込んだメンバーの表情も、なんとなく判る程度になったボケも頃合い。
しかし最後の集合はいただけない。 一番奥の小川紗季だけアウトフォーカスに。
最近よく見られる「意図しないアウトフォーカス」については、項を改めて書く予定。
どのカットも似たような表情の前田憂佳は別として、あとの3人は表情を作る事に意識が行き過ぎている。 スマイレージについては、送り手側が型に填め過ぎているように思う。 それが無い おはガール メープル with スマイレージ での4人は、実に活き々々としている。
嗣永桃子
最新写真集で使われなかったカットの中から5ページ6カット。 撮影は西條彰仁。
営業的には水着が無いと不味いのだろうけれど、1カット目と3カット目のピーカンの浜辺での水着は蛇足。 光が強すぎると流石に嗣永桃子でも表情は硬くなる。
それ以外は嗣永プロの完璧な仕事。 貶すところは無いし、西條彰仁の腕も冴えている。
矢島舞美
「女優六景」と題して趣向を凝らした6ページ6カット。 撮影は桑島智輝。
桑島智輝の引き出しの多さと、矢島舞美の対応力に感心。
3カット目の「泣く女」が秀逸。 美しい泣き顔。
真野恵里菜
7ページ6カット、うち見開き1ヶ所。 撮影は佐藤裕之。
表情も背景も画面構成も良いのだけれど、肝心なところでピントを外してしまっている。 佐藤裕之の美点と欠点が出ている。
真野恵里菜は、役者としての経験が写真を撮られる際にも生かされており、表情・仕草・立ち姿、どれも良い。 それだけにピントの甘いのが気になる。
70ページ余を裂いてAKB48の特集。 かなり前に買ったのだけれど、歯応えが有り過ぎるので後回しにして来た。 年を越す前にやっつけたい。
いつもは掲載順に書いていくのだけれど、巻頭の荒木経惟は時間が掛かるので個別グラビアから。
大島優子
すべて見開きで10ページ5カット、撮影は藤原新也。
夜の渋谷の街を歩き乍ら撮っており、ストロボが焚かれたカットは、ブレた画面の中にその瞬間だけが浮き上がって切り取られている。 好きな手法ではないが、上手い。
AKB48のステージ衣装も、奇異な感じはせず、渋谷の街に溶け込んでいる。
藤原新也自身がAKB48のコンサートや劇場公演に足を運び、大島優子を観察した上で撮ったと言うだけのことはあって追い込み方が上手く、大島の役者としてのスイッチは入っているし、可愛いだけではない「したたかさ」と言うか、狂気を孕んだ本性と言うか、そんなもの迄写っている。
見ているだけで草臥れるような重い写真だが、その分見応えもある。 写真の並べ方、文章の流し込み方も上手い。
前田敦子
5ページ5カット、撮影は蜷川美花。
例によってピントもヘッタクレも無く、色と雰囲気で押す写真。 前田は全カット機嫌の良い「白前田」。 この秘密は対談の中で明らかになる。
写真の出来はさておき、撮るにあたっての姿勢は素晴らしい。 前田敦子の魅力についても、実に的確に捉えている。 この辺りの観察眼の鋭さと撮影に入る前の周到な準備が、被写体を良い気分で撮影に臨ませている。 それが仕事が引きもきらぬ理由の一つなのだと思う。
こう言う事が出来ていないから、中山雅文の写真はピントも露出も適切なのに退屈窮まる。 ピントや露出や構図は写真と言うものを構成する重要な要素ではあるのだけれど、技術的に上手ければ良い写真になるとは限らない。 以上、八つ当たり。
対談の中で語られる被写体との向き合い方は、方法論として正しい。 以下引用。
だからやっぱりね、撮ってもらう、撮らせてもらうということって、本当に信頼関係だけで、「この人に撮られたら大丈夫」と思ってもらえるかどうかなんだよね。 それで九割方勝負が決まる。 「この人に撮られたら嫌だ」とか何か身構えたりすると絶対うまくいかないの。 だからよく「どうやってその色や世界観を出すんですか?」と訊かれるんだけど、人と人だから気持ちよく仕事ができて信頼してもらえればいいとしか本当に思ってないのね。
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