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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2000-03-08

_ そろそろ

自分の所も何かしないと不味い。 とりあへず食い物関係の記事を追加。

「食べ物に関する部屋」に「謎の店」バーガーランドを、「東京で食べる関西風のうどん」に新宿東口かのやをそれぞれ追加。


2002-03-08 未確認情報ながら

_ Girl's Net Club復活か?

中島舞本人サイト掲示板より引用。

きーてきーて!!! 投稿者:中島舞 投稿日: 3月 7日(木)21時31分32秒
ひさしぶりのまいごですー。
きーてきーて!まいご、Girl's Net Clubのレギュラー復活なのー!!!
その名も,『聖・トレッ娘学園』なりー!!
私,中島舞と、渡部沙季子ちゃんで、毎週木曜日19時から40分
お送りしますうー!!!
14日からなのですが,舞はその日卒業式だから,沙季子ちゃんひとり
で第一回,翌,21日からは,舞も合流しまシュー。
みんな、秋葉原に来てねー!!


いろいろな所に散乱している情報を繋ぎ合わせて考えると、明日辺り事務所サイドからの公式発表があるものと思われます。

ちなみに現行のGirls Net Clubサイトは3/12で閉鎖されるようです。
本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

# なべちゃん [トレーディングカード関連の女の子もなんか閉塞感がありますなぁ、なんとなく。]

# ひろてぃー [まだ発表とかはないですねぇ。 どうなのかなぁ?]


2004-03-08

_ 立川キウイ・マグナム小林勉強会

日時:4月17日(土)5時半開場・6時開演、7時半頃終演予定
場所:膳所(ぜぜ)※茅場町にある呑み屋さんだそうです。
木戸:1000円

・・・ってな感じでやるそうです。
これは何とか観に行きたい。

_ 更新情報

3/6の日記に追記

_ 今日のBGM

ちょっとした切っ掛けでマーラーの9番を引っ張り出して掛けてみた。 ブルーノ・ワルター指揮のウィーン・フィル1938年の録音。 やる気が失せるまったり感が心地よい。 片付けついでにいろいろ引っ張り出してみた。 マゼール指揮のベルリン・フィルのロメオとジュリエット(ベルリオーズとチャイコフスキーとプロコフィエフの奴を全部演ってる)、職場でろ色々有ってイライラしていたのだけれどお蔭で大分落ち着いた。


2008-03-08

_ AKB48 チームB公演(マチネ)

僥倖で昼夜当選、呆けてふらふらと秋葉原。
秋葉原に着いてから忘れ物をしたのに気付いて青くなり、ATMで金を下ろして残高に更に青くなりつつも、なんとかチケットを購入。
チケットを買う時間が分散したので、カフェはカフェとして機能していた。 座って時間潰し。
今日は「メディア収録」との事で、昼夜公演とも多田と渡辺が休み。 開演前に代役予想。
誰が出るかに依ってキャンセルの数が増減するので、キャンセル待ちの人々には切実な事であったりする。
「戸島あたり出ませんかねぇ、確実にヒマでしょう。」「あー、ヒマそうだよねぇ。」なんて話をしたり。

抽選入場の籤運は悪かったが、下手ブロック4列目通路際に空席が会ったので潜り込む。
自棄にゆったり座れると思ったら、真ん中辺の客が二人分占拠している。 常連の無法も酷い時は酷いが、一般客のモラルも知れたものであったりする。

オーバーチュアで幕が開き、ざわざわと小芝居から。 多田と渡辺が居ないということで

「知らない人が居る!!」
「誰ですか?」
「キタリエです。」
「イシダさんです。」

イシダさんなる者への期待が一気に高まる。

円陣を組んで「いつも、感謝。」「冷静に、丁寧に、正確に。 みんなの夢が叶いますように。」「AKB! チームB!!」
明転して一曲目「初日」。 とりあへずイシダさんを探す。
知らない顔は三人。 初めはメガネではなくなった仲谷と研究生二人の判別がつかなかったが、一人だけ動きが危なっかしいのが居て、これが「イシダさん」だろうと見当をつける。 自己紹介になると、果たしてそれが「イシダさん」であった。(メモには「プアマンズ えれぴょん」「挙動不審、好事家向き」と書いてある。)
この「イシダさん」。 実に危なっかしくて、隣の人の振り付けを見ながら踊ったり、足元のバミリを見ながら移動したり、それでも間違っていてぶつかりそうになったり、あっちへ引っ張られたり、こっちへ引っ張られたり。
チームBの連中がこの「イシダさん」にぶつからないのに唸る。 ぶつからないどころか、避けたり、位置を修正してやったり。
連中も伊達や酔狂で一年板の上にゃ居なかった。 おみそれしやした。
二曲目、三曲目と進む毎に「イシダさん」の挙動の怪しさは増して、自己紹介になる頃には忘我の境地と云った趣。 これは客の食いつきも良いだろう・・・と思っていたら、初物好きの連中がこぞって反応していた。

自己紹介では、田名部が「自分が家ではアウェーなんですが・・・」と話していたのが妙に可笑しかった。

_ 「天使のしっぽ」

多田の位置に「イシダさん」。
動きの激しい全体曲にくらべるとまだマシだが、実に危なっかしい。
仲谷と野口が安定しているので破綻無く終了。

_ 「パジャマドライブ」

渡辺の位置に「キタリエ」。
こちらはやるべきことは大体出来ていた。
渡辺に較べると華が無いが、これはまぁ仕方が無い。
平嶋は高いレベルで安定。
仲川に驚く。 仲川なのに指先まで神経の通った綺麗な動き。

_ 「純情主義」

ゲネでは後で踊る子供に目が行ってしまい、ちゃんと見ていなかったので、今日はねぎま隊の葱を中心に鑑賞。 赤葱の片山は体形は貧相ながら、動きと表情は堂々たるもので、歌唱も安定。 生歌率はもう少し上げて欲しいが、動きのある曲なので、これは仕方が無い。
頑なに腹を隠してきた井上は、久々の腹出し衣装。
この曲の良いところは歌にエフェクトを掛けすぎないところで、元根多になったであろう物に感じていた弄り過ぎて歌い手の個性を殺してしまっている様な居心地の悪さが無い。

_ 「でもでもの涙」

柏木の隣に持ってきて吊り合いが取れるのは矢張り佐伯。 手足が細くて長い。 二人とも動きに独特のグルーヴがあるので、並べて踊らせると実に面白い。
三人の頃の dream を思わせる、スタンドマイクを立てて罰ゲームでやらされているかの様な変な動きの振り付けもサマになっている。
この曲の良いところは、スタンドマイク2本で始まるものの、スタンドからマイクを外して上手下手に移動して歌うところ。
これ迄の立ちマイクの曲ではセンターブロックに居ないと碌すっぽ見えなかったのが見事に改善された。
柱外通路から2席目あたりに座ると、ド真正面に來る。

_ 「鏡の中のジャンヌ・ダルク」

最初から最後まで走り回っている上に、曲の後に間繋ぎMCをやらねばならない過酷なユニット。
ゲネを見た後には「フランス革命のパリ市民みたいな衣装」と書いたが、よくよく見ると軍服だった。
菊地の衣装の色使いが「よくわかった人」が使うそれで嬉しい。
アイパッチを着けて出て来て、舞台中央で外して地面に叩きつける浦野。 ちなみにアイパッチは、MCの最中にスタッフの人が拾いに來る。

_ 後半

「イシダ」さんは「僕の桜」だけの出演。 まぁ、客観的に見て無理そうではある。

「命の使い道」の一言科白は、平嶋で「おじさん、寂しいと思った事、有る?」 はい、懐が淋しいです。

「Two years later」「命の使い道」で暗く始まり、「キスして損しちゃった」で明るくなったところに間繋ぎMCが挟まり、「僕の桜」をしっとり歌い上げて本編終了。 この構成も良い。
曲中の人員配置とか、花道の使い方とか、しっかり練られた公演である事が見ていて良く判る。
「ワッショイB!」は、キタリエだけ歌詞に反映されていて、この曲は出ない「イシダさん」は多田のまま。

_ AKB48 チームB公演(ソワレ)

抽選入場の籤運は昼以上に悪く、空席はまばら。 思い切って下手お立ち台の舞台寄りへ。
ここは意外に死角が少なく、客席、PA、上手扉前の関係者観覧スペースまで見渡せる。 そのかわりメモを採ると目立つので、要点のみに留めた。

今日は下手側の本多芸能が良い仕事。 相手の目を見てモノを言える、長いものに巻かれないタイプ。 使える。
暴れ者の知己が最前列で例の如く頑張っていたのだけれど、彼が軍事境界線をはみ出す度に素早く対応。
「ほぉー、やるじゃねぇの」とニヤニヤ見ていたら私もギロリと睨まれた。 クワバラクワバラ。

上手扉前には、研究生の藤江ともう一人若い娘(中田だったらしい)。 秋元も来ていた。

腰骨の位置がはっきり出る衣装を着ると、佐伯の足の長いのが際立つ。 友人の言の如く、井上は水陸両用モビルスーツみたいに見える。
「イシダさん」はソワレも「イシダさん」だった。 仲川や小林の初めの頃もこんなもんではあった訳で、じきに慣れるだろう(むこうもこっちも)

自己紹介で「イシダさん」こと石田晴香が14歳であることが判明。 どよめく客席。 ちなみに「キタリエ」の北原里英は16歳。

「天使のしっぽ」
野口と仲谷は膝と腰を上手く使って尻尾を操っていた。
野口、中谷と較べると、「イシダさん」の尻尾の動きが弱い。 このあたりのたどたどしさも好事家向き。
アンダーが研究生で固定となると、A-2ndの時の峯岸のような、お茶を挽かされたメンバーの劇的な下剋上っぷりは見られない訳で、そのあたりは少し物足りなく思うが、こうして研究生と並ぶと、やっている事の質の高さで、脇にいても客の目を惹く事は出来ると思う。

「鏡の中のジャンヌ・ダルク」
アイパッチをして出てくる浦野。 元根多を考えてみた。

1. 丹下段平
2. タモリ
3. キャプテン・ハーロック
4. 鬼島軍曹

4. が一番近いか?。
意外に重い旗を支えきれずに倒れる事の多かった岩は重くなったようで、運ぶ役の早乙女が一寸辛そうだった。
聴く曲としての好みは「純情主義」と「でもでもの涙」だが、見るとなるとこの曲が一番楽しい。 見世物として、良く出来ている。

「命の使い道」
月蝕踊りで始まる。 最後は「大滅亡」で〆て欲しい。
一言科白は、米沢で
「おじさん、お金持ってる?」
持ってません。

_ 雑感

米沢の猛獣遣いとしての腕が上がったお陰で、浦野はより自由に振舞えるようになり、今日も遣りたい放題。
それを米沢が上げたり下げたり、上手いこと料理。
そこに平嶋が加わるとさらに面白く。 三つ巴でノーガードの殴り合い。
実に面白い。

なんだか井上の動きが機敏になっていた。 まだ怪しい部分はあるが、一番きちんと動けているであろう田名部と並んで踊っても、然程違和感を感じなかった。

バックダンサーで出た研究生の大家志津香は、佐藤夏希を更に地味にしたような感じ。 手つなぎ挨拶で前に行き過ぎてつんのめっていて、初期の大江を思い出した。
緊張しすぎて女の子っぽくなっているが、本当はこんなキャラクターでは無いので、第一印象を決めるのはちょっと待って下さい・・・と息せき切って語るさまが微笑ましい。

田名部の動きが大きくて綺麗。 秋元才加のように成りたいと言っていたが、方向性としては正しいと思う。

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2009-03-08 ネコ科の眼

_ 早碁!九路マッチ(第5週)

なんだかんだとバタバタして、日曜の夕方は家に居ない事が多く、夜中のリピート放送の時間は家族が居間を占拠しているので見づらく、録画できる機械も無いので見そびれていたが、リピート放送のお陰で漸く見ることが出來た。

今週も対談と高梨八段による囲碁入門と対局の三本立て。 対局は戸島花対向井梢恵初段。
アマチュアの戸島には3子のハンデ。 九路盤では2子では少ないし4子では多すぎる、丁度良いハンデらしい(高梨八段談)。

対局前はいささか緊張した様子で、いつもよりクネクネした感じの立ち姿なのだが、いざ対局が始まるとそれが一変する。
見られている事に気を配る余裕が無い状態になると、その人の素の部分が出て来る訳であるが、兎に角姿勢が良い。
考え込むような局面になっても背筋が常にピンと張っている。

戸島は時折小首を傾げるくらいで、表情には殆ど感情が現われない。 寧ろ向井梢恵初段の方に表情の変化が見られる。 相当やりにくそうな感じ。

服装や生活態度に厳しい家庭や学校で育った良家の子女が陥りがちな陥穽として、卒業した途端に箍が外れて服装やメイクに凝り過ぎてウルトラバロックになってしまうと言うのが有り、戸島も一時期「この手で作った料理は食いたくないな」と思わせるような毒々しいまでの付け爪をしていたのだけれど、対局で必然的に右手のアップになったときに見える爪は、多少光沢を出す何かを塗ってあるくらいで、ゴテゴテしたモロモロは乗っていなかった。

プロは接近戦に強いので離れて打った方が良いと言う高梨八段の助言通り、離れての展開。
要所要所で厳しいところに打つ戸島に高梨八段も「素晴らしい」を連発。
「運命の一手」として、勝負を決めた部分を取り上げるのだけれど、これが今回は二回。
「プロの手を打てた」とここでも高梨八段は戸島を絶賛。

盤上が込み合ってくると、アマチュアはミスをしやすくなり、前回の高杉もここで打ち急いで失敗してひっくり返された訳だけれど、一手誤れば分断されそうな場面も戸島は上手く乗り切り、18対7で11目の勝利。 

ハンデがあるにしてもプロに勝てた訳だから相当嬉しいだろうと思うが、戸島は節度ある喜び方、前回引き分けた高杉のやっかみ方がストレートで面白かった。
向井梢恵初段も「打たれたら厭なところに全部打ってくる」と語っていたし、高杉も驚いていたが、戸島は常に一定のペースで冷静に攻めつづけた感じ。
受けに廻っても、その場所に囚われすぎない。 囚われすぎないから捨てなければ成らない石が出ない。 打ち方に人となりが出てしまうのが囲碁将棋の良いところでもあり、厄介なところでも有るが、この対局での戸島の打ち方には好感が持てた。
厳しいが優しい。

前の事務所での仕事だったようで、今の事務所の仕事歴には載っていないが、良い仕事だったと思う。
ただテレビ用のメイクに慣れていない所為か、少々赤ら顔の気味だったのが惜しまれる。

_ 早碁!九路マッチ 今後の再放送予定

【3月放送時間一覧】
3月15日(日) 16:30〜16:55 【第3回】
3月22日(日) 16:30〜16:55 【第4回】
3月29日(日) 16:30〜16:55 【第5回】

変更される場合もあると思われるので番組サイトでもご確認ください。


2010-03-08 前半

_ 雑誌レビュー UTB 4月号(1)

この号から微妙にレイアウト変更。 カメラマンのクレジットが日本語表記になり、フォントも大きくなった。
これまでは写真を見て「おっ!」と思っても横文字表記では検索してもカメラマンについての情報に辿り付けないことがまま有り(すぐに出てくるのは Takeo Dec.くらい)、一時期のとんがった雑誌作りだった頃は実に困った。

メイクやスタイリストに関してはこれまで通り横文字表記なので、バランスは悪く多少品下がった印象はあるものの、便利にはなっている。
ここのところ毎号のように載っていた長野博文の写真が無い。 食傷気味ではあったが、無ければ無いで寂しい。

AKB48(前田敦子、松井珠里奈、渡辺麻友、板野友美、小嶋陽菜)
表紙+巻頭グラビア。 見開きで集合、それぞれで1ページずつ、最後に集合で1ページの8ページ7カット。 撮影は細居幸次郎
集合での板野の撮られ方が上手い。 特に表紙の写真が良い。
天地開闢以来、どちらかと言わなくても嫌いだったのだけれど、最近目にする映像における板野友美は動画静止画問わず質の高い仕事をしている。

前田敦子は定石通りの撮り方(髪の分け目の方向から)で、面白みには欠けるが表情の変化は楽しめる。

渡辺麻友は珍しくカットごとの表情に差異があり、生き物である事が確認できた。

小嶋陽菜は例によってカットごとの出来不出来が激しく、気の抜けた表情もあるが、決めるべきところは決めている。 唇の青海苔黒子が消えていることから見てルージュは厚塗り。

松井珠里奈は表情の大人っぽさと、撮られ慣れていないポーズの隙の齟齬が面白い。
カメラの位置が低い時の顔の向きが少々拙いのだけれど、この人は造作が整いすぎているので、多少の隙は有った方が親しみは持てる。

板野友美は集合で撮った写真の立ち方、身体の捻り方、表情の作り方、全てにおいて一頭地を抜く仕事振り。
他の四人がカメラの方向を向いているのに対して、板野はレンズの向こう側を見ており、下から見上げるように撮られてもうまく顎を引いて隙の無いポージング。
それでいて構えたところは無く、どんな写真でも正体を現さない大島優子とは対象的。
「お耳がピョンピョン」などと無邪気に言っていた頃の可憐さは無いが、歳相応の可愛らしさは出せている。

インタビュー部分も訳知りが書いているので頓珍漢な質問は無く、メンバーも余計な説明をしなくて良い分突っ込んだ話をしている。 板野の演技についての話が興味深い。

桜庭ななみ
桑島智輝の撮影で6ページ12カット。
屋外で夕方から夜に掛けて撮られたものらしく、刻々と明るさと色温度が変化する中で色味にバラつきが出てしまっているが、日が暮れてからと駅のコンコースで撮った人工光源下での写真はピタリと決まっている。
ライトアップされた街の燈りで撮った最後の2ページが、桜庭ななみの柔らかい表情もあいまって味わい深い。

足立梨花
熊谷貫の撮影で6ページ7カット。
屋外で撮った爽やかな色調の前半と、屋内で撮った生々しい色調の後半で構成。
前半は良いのだけれど、後半は少々生々しさ過多。 よくよく見ると、メイクをしていない部分の肌や布地の質感は綺麗に出ている。 どうやら茶色い床や壁に反射した光とファンデーションが喧嘩をしてしまっているようだ。
そのあたりをさっ引いて見ると、良い写真。

柏木由紀・高城亜樹
門嶋淳矢の撮影で、7ページ7カット。
柏木は下瞼が上がった、眩しいのを我慢して目を開いた表情。 それでも不細工にはならないのは流石。
高城は同じ条件でも自然に目を開いている。 撮られ慣れていない所為か、顔の向きはまちまちなのだけれど、そこが面白い。
正面を切るより多少傾いだ方が印象は良いし、右手前になっても左手前になっても破綻はしないので、上手く使い分けると表情に幅が出ると思う。
隙の無い柏木と隙だらけの高城。

ベッキー・クルーエル
桑嶋智輝の撮影。 スタジオでの撮影なので安定した出来。 こう言う箱庭写真はやはり巧い。
造作は整っているが基本的に素人なので、作った表情は単調だが、動かして撮る事によって切り取る角度を変えており、それを上手く散りばめることで見られるものにしている。

藤原令子
デビューを控えたまだ何者でもない少女の「今」を捉えた、4ページ6カットの抜擢グラビア。 先入観無く見られて新鮮。
2ページ目は肖像写真の王道。 唇の縦の線にピントが合っており、光量も深度も頃合。 「写真って良いなぁ・・・」と思える佳品。
こう言う着衣グラビアは若者受けしないと思うが、今後も載せていただきたい。

鈴木愛理、菅谷梨沙子、矢島舞美、嗣永桃子、真野恵里菜
「スクール・デイズ」と題して、ハロープロジェクトから今年卒業と言う節目の年を迎える五人で卒業アルバム的なグラビア。
前半のスタジオ撮影部分は根本好伸、後半のロケ部分は佐藤浩之。
スタジオ撮影は記念撮影的な紋切り型写真で面白みは薄いが、後半は五人五様、上手く撮ってもらえている。
前号に載った写真集からのカットが酷かった菅谷梨沙子もそれなりに。
それにしても嗣永桃子は実体以上の何かが写りこんでおり、何だか良く判らない可愛らしさ。


中盤のモノクロ読み物ページは後回しにして後半グラビアへ。

後半カラーページは封入トレカとプレゼントチェキの一覧から。
封入トレカのハロプロ五人組は卒業アルバムの個人写真然としたものなのだけれど、こうした規定演技になると嗣永桃子の強さが際立つ。
私の買ったものにはCセットが入っていたが、小嶋陽菜が久々に当たり写真。

プレゼントチェキでも嗣永桃子は人智を超えた写真映りの良さ。 神掛かっている。

_ 雑誌レビュー UTB 4月号(2)

プレゼントチェキでは、AKB9期研究生の営業巧者ぶりが目立つ。 目立つというか、鼻に付く。
対象的なのはSKE48の桑原みずきで、こちらは書きこむ面積と文字量は多いものの、内容は真っ向勝負で清々しい。
北乃きいはサインを入れただけの淡白な物。 大物感が漂う。

北原里英
全て大きめの写真で構成した5ページ5カット。
風に躍る髪が夕陽に映えて美しい1ページ目から、水着も有る3カットを経て、〆は夕映えのハレーションも美しい屋外での写真。
ぽってりした魅惑の唇も艶めかしい。
一瞬が一瞬ではない、無限の時間が詰まったような1カット目が秀逸。 このグラビアに通底するのはこの「無限の時間」。 自己過少評価の人 北原里英 の心境の変化が窺えるインタビュー部分も興味深い。
表情からポーズまでガチガチだったこの雑誌での初グラビアから考えると長足の進歩だが、もっと凄い表情は出せるように思う。 まぁ、水着で自然な表情ってのも却って不自然ではあるのだけれど。

AKB48(竹内美宥、石黒貴己、島田晴香、島崎遥香)
AKB48 9期研究生から四人で3ページ5カットの顔見世グラビア。 1ページに二人ずつ、集合でさらに1ページ。
プレゼントチェキでの営業熱心なところを見てからなので、単品で見ればどうと言うことも無い写真でも、何故か鼻に付く。
媚以外に売るものが無いのも判らないではないが、それだけではこの先食って行けない訳で、AKB48になることが自己目的化してしまっている危うさを改めて感じた。 研究生セレクションの後、この中の何人が残れるだろう。
研究生のまま辞めて、表立った活動が出来ているのが鈴木菜絵とだけであると言う現実。
手馴れた感じの表情が並ぶ中、ぎこちない笑顔の島田が一服の清涼剤。
島崎は抜擢もむべなる哉、ただ突っ立っているだけでも目を惹く。

SKE48(松井玲奈、桑原みずき、高柳明音、平松可奈子)
SKE48のチームSとチームKIIから、今春高校を卒業する面子を集めて5ページ5カット。
撮影は週刊プレイボーイでよくAKB48を撮っている飯塚昌太。
プレイボーイで目にする写真が詰まらないのは編集者のディレクションが悪い所為ではないかと考えていたのだけれど、この人のレタッチの癖に起因する部分もあるようだ。 押絵のような奥行きの無さ。
床の白とバックのグレーで極端に輪郭の出方が違う。 弄り過ぎて濁った色合いもいただけない。
ただ、松井玲奈の表情に関しては実に上手く捉えられていて、本人の自画撮り以外では初めてその素材の良さが引き出された写真を見た。

森田美位子
藤本和典で2ページ。
ナベプロ主催オーディションのグランプリということで、押し込んだのかな・・・とも思ったが、流石に素材は良い。
写真の方はと言えば、初々しいの表情と、何と言うか涙ぐましいまでの自己補整を心掛けたポージングが微笑ましく、良い味。
インタビュー部分がどうかしていて面白い。 このキャラクターは掘り下げると無限の鉱脈が出て来そう。
87年2月生まれと言う事で、さほど若くは無いのだけれど、童顔なのと前述の通り初々しいのとで、実年齢より若く見える。

松田芙由香
Talented Beauty と題して、さまざまなジャンルからキラりと光る才能をお届けするらしい新連載の一回目。ミュージカル「アニー」にダフィー役で出演すると言う松田芙由香を寺坂Johny! の撮影で2ページ。
94年生まれなのに、アニーの子供キャストの中では最年長とのこと。 いい笑顔。

団地少女 Vol.11
アライテツヤの連載グラビアも11回目。 今回は「初めてメイクをしてもらった」と語る11歳、葵わかな。
少女と言うより幼女と言う感じでは有るがそれはさておき、この連載には珍しく動きの有る写真もありつつ、斜めに入り組んだ線を上手く使った2ページ。
判りやすい中に判りにくさが同居した2カット。 眼福。

川口春奈
藤本和典の撮影。 ストロボを上手く使った4ページ7カット。
シャッターを開けたままライトを使って光跡を描かせてから、ストロボをドカンと一発炊いてモデルを写しこんでみたり、寄れるだけ寄ってリングストロボを当ててみたり、手の込んだ写真。
技巧だけが先走っておらず、川口春奈も楽しそうなので上手くまとまっている。

北乃きい
桑島智輝の撮影。CDデビューにあたってのグラビアとあって、それらしく音楽スタジオで楽器やアンプを使った4ページ4カット。
桑島智輝は人工光源の下でその場に有るものを組み合わせて撮らせた写真に妙味がある。
照明を抑えたスタジオの中でギターやアンプを道具立てにすることで、役者属性のモデルに上手くスイッチを入れている。

スマイレージ
細居幸次郎の撮影で4ページ4カット。
全員が黒髪ストレートのロングヘアで、素人には見分けが付きにくいが、四人が四人とも平均以上の造作で且つその傾向がそれぞれに違うので、よくよく見れば見分けは付く。
現場派のAKB48客が流れたのがももいろクローバーだとすると、書斎派のAKB48客が入れ込んでいる(少なくとも私の周囲では)のがスマイレージ。
私の琴線には触れないが、身の回りの隠居連中が軒並み転ぶのは頷ける9人四様の可愛らしさ。

矢島舞美写真館 vol.6
隔月刊誌の6回目。 休載した号もあるので、季節は一回り以上。
根本好伸の撮影で8ページ10カット。 見開き1箇所。
曇天と言えど、雪原ともなると眩しげな表情にもなったりしているが、衣装からメイクからきっちり練られているので、写真としては見応えのあるものに仕上がっている。
特に2カット目3カット目が味わい深い。
矢島舞美は目線を外して意識のみをカメラに向けた写真が良い。
前半グラビアで顕著だったような、化学調味料を利かせ過ぎて平板になってしまうハロプロの手法が嫌いなのだけれど、矢島舞美のこの連載企画には、毎度唸らされる。

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2015-03-08 突き付けられる

_ 舞山秀一写真展 "NOIR ET BLANC"

駿河台下の交差点から程近く、再開発街区の手前にある小さなギャラリーでの写真展。

モノクロームのヌードなのだけれど、ざらついた粒感の強いプリント。
被写体もぶれたりボケたりしているので顔かたちなどは判然とせず、美しいが淫靡ではない。

そして銀の絵の具で何やらフランス語の箴言めいたものが書きつけてある。
「ブレ」「ボケ」「ざらつき」
いつか来た道ではありつつ、今これをやる事に意味を見出したのであろう。

被写体以外は漆黒の中に在り、銀塩の頃はこの黒が出せなくて苦労したのであるが、反面プリンタ出力のベッタリとして階調のない黒からは「黒と灰色の間の黒」や「黒より黒い黒」を目指して現像液の中で印画紙を撫で回しながら仕上げた呪術的なプリントから漂う妖気のようなものは感じられず、かつては出来なかった事が出来るようになり出来ていたことが出来なくなる。
その中で抜け落ちてしまったものを補完しようとする意図で書き連ねられた文字列なのかもしれない。

私の好きな写真とは対局にあるプリントでありつつ、嫌な感じはしないし見応えもある、そしてとても疲れる写真展であった。

銀塩からデジタルに移行してどう写真と向き合って行くのか、それを突き付けられたような気がした。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
1998|11|12|
1999|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
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