家でぐだぐだしていたら10時を回ってしまったので慌てて風呂に入り、一路新宿へ。 歌舞伎町のポン引きも体格のいい黒人さんが増えてちと怖い。 そんなのがうろうろするのを掻き分けて会場である魔法島倶楽部へ。 店についたのは11時半過ぎだったが、中は超満員で立ち見まで居る。 終電で帰る人と入れ替わりで漸く席にありついたらゑろい元帥の隣だった。
店の奥のほうは教授とか横山(仮)さんとか巨匠とか癒し系(自称)とかごくらくっ娘とか酒田の伝道師とかナカゴシ盲従分子とか北関東の黒い悪魔とか恐ろしい面子で、絵に描いたような「ワルプルギスの夜」。 そそそんなな中に・・・って文字打つときにどもってどうするっ感じで゛ではあありますが、文字通り「掃き溜めに鶴」が一羽。 堀江奈々を細くして2割増美人にしたようなうら若き女子がモニターかぶりつきで見ていたのでかなり驚いたのだけれど、それが例の 秘書 だった。
いやぁ・・・、これはねぇ、後ろ向きな日記なんて馬鹿馬鹿しくて書かないですよ、その分の労力は現世的な幸せに廻した方が良いです。 相模大野先生には、この幸せを大事にしていただきたい。(大きなお世話か?失礼)
この日の最大のトピックはこれ。 これに尽きる。 イベントの内容は書けない事が殆どで、書ける事は色々な日記にすでに書いてあると思うのでそちらでご覧下さい。
「永久歯になったら大人」(c)テュルシス伊藤先生
「ダメ出しすれば良いってもんじゃない」(c)マスターあめまる師
「いや、ダメ出し出来るだけまだ良いんだって・・・」(c)ゑろい元帥
こう言うイベントは本編よりもその後の懇談が面白いのだけれど、この日はゆたかのさんと月蝕歌劇団について有意義な話が出来た。
「微妙な年齢の女子が蝋燭を持って激しく踊り、その蝋が飛んでくる」とか、萌えポイントを的確に指摘するゆたかのさんは凄い。
松浦についても熱く語っていたゆたかのさんは
「松浦にミュージカルやらせるなら月蝕に出せ!!」
とまで言い切った。 いやホントに面白いんですよ。 27日までやってるから騙されたと思って見に行っていただきたい。 受付で「木塚咲扱いで御願いします」と言えば、当日でも3700円で見られます(・・・って、こんな事書いて良いのだろうか?)
今日見てきてレポは明日書きますが、金払う価値は有る見世物でした。
店を出たのは6時過ぎ。 天一でラーメンを喰って、その後懇談するであろう人々と別れて都内某所へ。 7時半頃着いてそのまま昼過ぎまで仮眠。 途中、寒くて暖房をつけたような記憶がある。
3時過ぎに漸く起きて阿佐ヶ谷駅前に出て昼飯を食おうと思ったら行く店行く店軒並み休憩中。 仕方がないので休み無しでやっている駅前の台湾人の店でラーメン。 まぁ旨くはある。
喰い終わったら月蝕のコンサートの受付時間になってしまったのでザムザへ移動。
昼の公演を観て出てきた客の中に鈴木邦夫。 すっかりしぼんだ感じ。 後姿の背中が煤けていた。
公演中の土日にやる劇中歌と朗読・群舞などで構成されたコンサート。 コンサートでは血糊が飛ばないので安心して見られる。 最前で観てきた。 客で忍者姉妹マスク・ザ・シャドウの監督。
現在、月蝕は一ノ瀬めぐみと長崎萠の二枚看板でやっているのだけれど、演技はさておき歌に関しては長崎の方が上手いので、コンサートは長崎萠の独壇場。 一ノ瀬も「下手なりにかわいく見せる技量」は一流なのだけれど、歌そのものは一寸落ちる。 しかし矢張りトップを張るだけのことはあり、小道具を使ったりしながら自分の世界を作っていた。
長崎萠は今年で26になるんだけど、とてもそうは見えない。 完全に時が止まっている。 顔は丸いがほっそりしていて髪も黒くて艶があり声も通るし歌も上手い。 これくらい褒めておけばバチは当たらないだろう。 長崎萠はなかなか面白い曲をやっていて、「夢は夜ひらく」の三上寛の実に暗い歌詞の奴とかメリー・ホプキンの「悲しき天使」(日本語だけど)とかキキモノだった。
木塚もソロで「キングギドラはなぜ負ける」と言う歌をやったのだけれど、歌も上手かった。 木塚は衣装換え4回、群舞1回、バックダンサー2曲、朗読1回、歌1曲・・・とかなり出番が多く、トラブルが発生しても落ち着いて対処していた。
次に行く。
スギウラユカの朗読は容貌の怪しさも低い声も実にアングラ臭く、且つアングラにありがちな独り善がりの勢い込んだような聞き取りにくい台詞回しも無く、非常に良かった。 朗読物で良かったのは、ネットで検索しても全く情報が得られないのだけれど確かにどこかで見たことが有るような気がする 藤原さえ の押さえた感じでありつつ聴きやすい奴と、暗転した舞台で木塚・松宮で棒組みになってお互いの顔をライトで照らしつつ、床に書かれた魔方陣の周縁をぐるぐる廻ったり戻ったりしつつ交互にやる奴も良かった。
見物だったのは長崎萠を中央においてチェックのスカートに白ブラウス、水色の短いネクタイ。 足元は白いソックス・・・と言う出で立ちの女子4人で囲んで歌って踊るのが有って、木塚くんなんかはさまになっていたのだけれど、三坂知絵子となると実に「微妙」で、それが却って倒錯的で良かった。 もう1人見えにくい所に居ると思ったら、スカートと同じ柄のスラックスを穿いて上は裾を出したワイシャツを着たスギウラユカがさわやかにおどっていてた。 これを見ただけでも行った価値は有った。
しかしこう言うものはどうも文字で表現しにくい。 見ないと伝わらないので兎に角一度見ていただきたい。
コンサートが終って表に出ると、もう芝居の方の開場時間が迫っていて、整理番号順に整列したのだけれど、後ろに並んだ奴がタチの悪い電波で閉口した。 なにやらブツブツ呟いているのはまだ我慢するとして、若い番号の人が来たので前に入れると「後ろの奴なんじゃないか?」と私に突っかかってきたり。 そのうち待ちくたびれて痺れを切らしたのか私が凭れていた自転車置き場の柵をぐーらぐーら揺らし始めた。 これも我慢していよいよ入場となったのだけれど、この野郎が暗くて急な階段で後ろから押しゃぁがるんだな、これが。 当然ブロックした訳ですが、靴脱ぎ場の所でついに後ろから突き飛ばされたんであたしも切れまして、呼び止めて靴で頭をぶん殴ってみたんだが、電波だから痛くないらしく、そのまま駆けて行って前から2列目の「血糊席」のど真ん中に腰掛けやがった。 まぁ、板張りの階段席で暗い上に床も滑るし走ったら危ないのは明らかなんですがそこは電波なのでお構い無しです。
前から2列目くらいは血糊が飛んで来るので血糊よけのビニールシートを渡されまして、普通の人なら話の筋とか舞台上の状況を見れば「あ、そろそろ来るな」ってのがわかる訳ですが、この野郎は電波なので危険信号に全く反応出来ない。 その割にビニールシートだけは膝の上でしっかり握って居やがるから、隣の席の客が「ヤバイッ!!」ってんでシートを持ち上げても上がりきらなくて電波本人だけじゃなくて両隣の客まで血まみれになり、その後ろにいた私もおこぼれに預った。 こんな「おこぼれ」は要らない。
入場が済むと「おみくじ売り」が出てくる。 今回はスギウラ、藤原、花岡と森永理科の4人で前振りの小芝居を軽くやって客席をほぐしてから販売。 短髪になった森永は幸薄そうな感じで良かった。 芝居本編でもそろそろ見たい。
月蝕も宝塚の組み分けに倣ったのか「聖同盟」("セントどうめい"と読む)と「幻同盟」に分かれたのだけれど、まだそれぞれの単独公演は無く、今回も「合同公演」となっている。 芝居その物へは2度目の出演となる木塚咲は「聖同盟」に振り分けられ、チラシ上の序列ではなかなか良い扱いになっていた。 今回は昨年やった演目の再演で芝居の流れはほぼ同じ。 <参考>02 2/3 月蝕歌劇団連続公演「ネオ・ファウスト地獄変」(番外編)
役者がごっそり抜けたりしたので、主役の長崎・一ノ瀬以外は総て入れ替わって、これまで端役で頑張ってきた役者にも良い役が付いていた。 凄かったのは井内俊一(万有引力より客演)。 所作も発声も台詞回しも基礎がしっかり出来ているから、次から次へと色々な引き出しを開けてアドリブを繰り出しても芝居が破綻しない。 長崎萠は年齢不詳どころの騒ぎではなく、人魚の肉でも喰ったかのような「不老不死感」が漂う。 前回公演時は背中のぱっくり開いた服だったが、今回は下に一枚薄いのを着ていた。 長崎と一ノ瀬の芝居と歌は高いレベルで横ばい。 特に褒める所もなければ貶す所も無い。
スギウラユカは肩から入る動きに宝塚的な「華」があり、特徴的な低い声を生かした台詞回しも冴えて悪役としての存在感が素晴らしい。
松宮芙多葉は全編通して着物だったのだけれど、着こなせていて立ち姿が美しい。 台詞回しもしっとりと美しく、大人の味。
細淵仁奈は何があっても落ち着いていて、新人が目の前でトチっても、自分がトチっても何事も無かったかのように芝居を繋いでいたのには感心した。
これが初舞台だと言う藤原さえは、どこかで見たことがあるような気がするのだけれど、何処で見たのかどうしても思い出せない。 また、思い出さない方が良いような気がしないでもない。 そんな事はどうでも良くて、芝居の方は多少硬さはあったもののソツなくこなしているように見えた。 踊りの際の腰の据わりと手の動きの柔らかさがなかなか良かった。
三坂知絵子の関西弁の科白に一寸違和感。 小西智との掛け合いは良かった。
保鳴美凛は不健康な感じが良い。 死に際が特に良かった。
木塚咲については別項を設ける。
客演で男の役者が3人入っていたのだけれど、月蝕の男優陣はどうなっちゃったんだろう?。 前々回公演「メトロポリス」の時の和田浩之が結構良かっただけに、今回見られなくてチト残念。
花井美香は新人だからトチるのは仕方ないとしても、トチった時に顔に出すぎる。
大山母子は蛇足ではないか?
芝居そのものは、初演のときよりすっきりしたような印象を受けた。 これは芝居がこなれた事が一番の要因だと思うが、舞台上に居る人数が減った所為もあると思う。 群舞の人数が少ないと舞台が寂しくなるので、少なすぎるのも問題ではあるが。
設定も展開も結末も滅茶苦茶な芝居では有るが、私はこう言うのが好きだ。 次回公演も観に行きたい。
木塚くんの役どころは、女子高生だけれどバリケードの中に立て篭もる全共闘、しかもそれは北欧の神オーディンの配下のワルキューレの成りすました姿であり、仮面人格である女子高生の「咲」、ワルキューレとしての「二月(きさらぎ)」と言う異なった人格が交互に出てくる難役であり、日記を読むと、役作りには本人もかなり苦労したようだ。 仮面人格としての「咲」は、シーンごとにキャラクターのぶれのようなものを感じたのだけれど、本性たる「二月」の部分に関してはかなり良かったと思う。 嘗て殺された事の怨み、殺した者への憎しみ、神の一員たるワルキューレとして復活した誇り、自らの正義への確信、それらを表現する際の嘲弄、悪罵、呪詛、哄笑と言った「悪役的演技」は文句なく良かった。
悪役部分が良かったので、女子高生としての部分に多少アラが目立ち、科白が聞き取りづらかったり、キャラクターにブレが有ったように見えた。 最後の2日間は、さんざ悩んだだけ有って納得の行く演技が出来たそうで、私の物足りなく思った部分も改善されていたのではないかと思う。
この娘は、色白で顔に占める目の割合が大きく、目そのものにも力がある分、眉をきつめに描くと凄みのある良い顔になる。 腹から出した声はよく通るし、身体が柔らかいのと神経が行き届いているのとで、動きも優美で且つ機敏だから舞台栄えもする。 役者としての演技に対する取り組み方もさること乍ら、裏方仕事もきっちりこなしている所も偉い。 そう言うところでも手を抜かないから短期間で些か特殊であるこの劇団にも馴染めたのだと思う。 楽日も舞台をバラしてから始発で帰って、そのまま事務所の仕事に行ったのだそうな。
所属事務所の仕事との兼ね合いも有り、なかなか難しいとは思うが、今後も可能な限り月蝕の舞台には出ていただきたいと思う。
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