どうも抜けきらない。 身体も財布も。
鼻水は止らず、咳は断続的に出る。 財布も空だ。
知人からチケットをいただいたので練馬へ。 風邪が抜けないので今週は暗室には入れず、自宅から行ったのでかなり時間が掛かる。
大ホールなのでやはり広い。上手側の一階席後方で、辛うじて演者の表情が判る。 長時間一点を凝視していたので、目が疲れた。
「携帯、PHS、ポケベルやアラームの鳴る物の電源を切れ」としつこいくらいのアナウンスが入る。 これだけしつこく言っても鳴らす奴が居るから厭になる。
14時に時間通り開演。
「寿限無」志の吉
口開けは志の輔師の弟子で、昨年二つ目になった志の吉さんが「寿限無」。 マクラで「12時半に楽屋に入ったら誰も来ていない。」と言う話をしていた、大いに有り得る話では有るが、最後迄来ない可能性もゼロではないのがまた恐ろしい。 噺の方はまぁ可も無く不可も無く。 喧嘩をして頭に大きなたんこぶをこさえてきた寿限無寿限無(以下略)を連れて行く医者が大学病院で、会計のあの変なアナウンス口調で寿限無寿限無(以下略)の名前を呼ぶのが新機軸。 ここは面白かった。
「コント」アンジャッシュ
次ぎに出てきたのはアンジャッシュ。 中高年多めの客層を見て、自己紹介からショートコントを幾つか演って客に慣れてもらい、最後に長めのコントを演って降りていた。 ネタも面白いし、客層に合わせて演れるのには驚いた。
「厩火事」談春
談春師が出てきたが、表情が心なしか暗いように思える。 何だろう?と思ったら、談志家元はまだ来ていないどころか、夜の会だと思っており、寝ていたらしい。
「起きてくださーい!!」と電話を掛けるマネージャーに電話の向こうから「俺を昼に呼ぶな」と言うのが聞えたとか、私が「うん」と言う前にマネージャーが「談春さんが繋ぎますから」と言っていたとかそう言う話から、立川流の内輪話などを織り交ぜて長めのマクラ。 おもむろに噺に入ると「厩火事」。 時間はたっぷりあるので腰を据えてみっちり演っていた。 巧い。 緩急、リズム、口調、どれも良い。
志の吉さんとアンジャッシュが、持ち時間20分のところを15分で降りちゃったので、ただでさえ40分だった持ち時間が50分に延びてしまったらしいが、きっちり50分勤めたのは流石。
「江戸文字漫談」文志
中入りの15分を挟んで、江戸文字の文志さんが膝替り。 橘流(寄席文字)、勘亭流(歌舞伎)、相撲字と文志さんが考案した江戸文字を並べて違いを見せたり、中国の簡体字を見せて何の字か?なんてのをひとしきり。 大受けはしないけれど、良い感じで休憩明けのざわついた客席を温め直していた。
「羽団扇」談志
木賊刈の出囃子が終る頃、照れくさそうに出てきた。 口を開くと明らかに寝起きで声がかすれている。 ことによると漫談だけで降りちゃうんじゃないかと心配したが、喋っているうちに声も出てきた。
客がどれくらいのレベルなのか瀬踏みするようなハイブラウなギャグや小噺を織り交ぜてくるのだけれど、今日は客筋が良く、笑うべきところできっちり受けており、こうなると家元も乗って来る。 噺に入ったと思ったら仕込みを忘れていてマクラに戻ったりしつつも「羽団扇」へ。 噺の要所々々に入る辛辣なクスグリやバレネタもことごとく受ける。 「(天狗に)あんまり鼻をしごくと血が出ますよ。」「あぁ、しごくと白い血が出る。」とか、「羽根で飛ぶのは天狗の前座だ、前座とは円楽党の真打みたいなのを言う。」なんてのにも反応する。 良い客で良かった。
演者が「これならどうだ」とネタを振る、客が笑いで反応する。 このラリーの応酬で尻上がりに盛り上がった良い落語会だった。 会場を出るときに時計を見たら17:54. なんだかんだで3時間近く見ていたことになる。
談春師の手拭いを売っていた。 金壱千圓也。 給料日あとなら迷わず買うのだが・・・。 売り子を志らく門下のらく次さんがやっていたが、良い仕事をしていた。
さすがに疲れたし、財布もほぼ空なので帰宅。 途中、中野のPに寄るが、親爺さんは居なかったので寄らず。 明日は志らく一門会。
チケット有難うございました。 大間違いの部分は早速訂正しました。 いやはや、なんともお恥ずかしい。
「なんだかんだで5時間」→終わったのは16時54分です。
3時間ですよ〜。
談春の手拭い、私は買ってきました。(ニヤリ)