仕事帰りに広小路亭。 給料も出たので立川キウイ師の独演会へ。
「持参金」キウイ
「野ざらし」らく八
「権助魚"改"」キウイ
<中入り>
「紙敷き」キウイ
開口一番をキウイさんが勤めて、この春二つ目になるらく八さんに花を持たせる趣向。
「紙敷き」はキウイさんが取り組んでいる一連の改作の一つで、「風呂敷」の後に「紙入れ」でもう一と波乱。 上手く纏まっていた。
キウイさんの高座は、スノッブな向きには受けが悪い。 口調の良さとか、渋みとか、解り易い部分での凄さは無いので、馬鹿にしても構わないような空気が醸されてしまっている所為もある。
が、しかし、凄いときは凄いのである。 「権助魚"改"」は一寸いただけなかったが、「紙敷き」はキウイ落語の特質である「楽しさ」が色濃く出た一席。
キウイさんの落語は、前述の通り解り易い巧さはないし、言い間違いとか仕込み忘れもあるし、ゲラゲラ大笑いしてスッキリもしないし、重厚な芸に痺れたりもしないし、時として頭を抱える出来の日もあるが、楽しい。
昔話に喩えると「おむすびころりん」、のんびり聴ける。
キウイさんの人生は日々不穏でドラマティックなのだけれど、そんな日々もキウイさんのフィルターを通して語られると不穏なりに平穏であるような笑い話になってしまうから不思議だ。