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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


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ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2016-08-20 戯れる女神たちを覗き見るような、厳かで美しい写真たち [長年日記]

_ 七菜乃写真展 私の女神たち -My Venuses-

荒天の日曜。 空いているうちにじっくり見たかったので、開廊した頃合いに観覧。
七菜乃が在廊していると場は華やぐのだけれど、じっくり見られる状況にはなり難い。 そもそも私が落ち着かない。

今回、七菜乃は撮影者であり、被写体はこの撮影のために募られて集まった18人の「女体をもった人」。

A4サイズの紙の真ん中にキャビネくらいのサイズでプリントしたものが中心で30数点。
飾りやすい大きさで落ち着いたデザインの ガラス張りの白い箱のような額装が、写真と良く合っていた。
奥の方でチェキやポラロイドも同様に額装。
心理的なハードルも低い、総じて納得すれば手の出せる値付け。

正面奥の壁に巨大なプリントが一枚。
クリップで挟み、そのクリップを画鋲で壁に留めていたのだけれど、作品を挟むクリップにも緩衝材として畳んだ紙を噛ませているなど、細やかな心配り。

森の中で撮った裸婦像。 七菜乃は「女体」と言う表現をすることが多いが、今回の写真展は「私の女神たち」。
柔らかく写る効果を用いて撮ったものが多いのだけれど、カットごとに効果の出方が変わっているので、スカイライト系のフィルターに脂をつけたのだと思われる。

モデルの配置やポーズに押しつけがましいところは無く、指示ではなく啓示と言うか、何かに導かれるようにして自ずとそうなっているような感じ。
実家の所有する森なので安心して撮り撮られていたであろう事もあり、表情も柔らかい。
膝を抱えて組んだ手の甲、透き通るような白い肌に浮かぶ静脈に目を見張る。

戯れる女神たちを覗き見るような、厳かで美しい写真たちだった。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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