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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2002-09-29 連休なので無茶をしすぎたの記

_ 全身筋肉痛

朝目が醒めたら畳の上で下着のまま大の字になっていた。 目が醒めたは良いが、寒さで筋肉が硬直しちゃってクビから下が殆ど動かせない。 物につかまらないと立ち上がることも出来ない。 なんとか起き上がってフィルムを5本ばかり現像してから筋肉をほぐすために散歩に出かけた。 歩けるんだけれど走れないしなんでも無いところで転びそうになる。 和式便器に座ると立ち上がれなくなるのは確実なので排泄と食事とリハビリの為に散歩がてら飯を喰いに行く事にした。 平日は賑わう街も日曜日は休みの店が多く、休みの店が多いから開いている店が混むという悪循環。 ちゃんぽんを食ってからガード下の商店街の便所で用足し。 ここは綺麗で紙も良いのを置いている。

_ 四ツ谷へ

今日は久しぶりにピカピカを見る。 開場時間がわからないので少し早めに行ってみたら丁度1部が終って客が出てきたところ。 1部のプリンズは過去最高の出来だったらしい。 そのあたりの話も聞くためにジョナサンで時間つぶし。

_ FLASH EX

9/20の日記で FLASH EX に載ったJURI(元ピカピカのマコ)の写真をくさした訳なのだけれど、「それなら巻頭の篠山の写真に言及しないのはバランスを欠くのではないか?」と複数の人から指摘された。 あんなものは批評する気にもならないクソ以下の代物であって、話題にするのも馬鹿らしかったので書かなかったのだ。 あの人は昔から口車に乗せて脱がすのは上手いんだけど、肝心の写真は何の感興も呼び起こさない退屈なもので、今回の写真もデジタルのヘンな色で且つ可愛く撮れていないのに淫靡でもないと言う良い所の無い・・・あ!、一つ良い所を挙げるなら「うまく脱がせやがったな」という事くらい。 だからJURIの写真と篠山の写真どっちが良いかと訊かれたら篠山のそれの方がより程度が低いと答える。 あっはまだモデルの良い表情を引き出すと言う点においてはそれなりに評価できる。

_ アイヲタ界のザ・シーク

9/23に行われたプリンズ+海老原愛ファンの集いの話を聞きながら食事。 話題の中心はタレントよりもむしろ客である次元堂のありえない奇怪な行動の数々について。 何気なく触ったボールがすべてゴールマウスに吸い込まれているのに、本人は何故か浮かぬ顔という不条理。

_ 入場

開場の時間が近付いたのでライブインマジックヘ戻りぞろぞろと中へ。 予約番号はいつもより心持ち少なめだったのだけれど、客の入りは良い。 椅子はほぼ埋まり、左右の壁際も隙間無く人が並んでいる。

_ 開演

馬鹿話をしていたら地雷を踏んでしまい「ここの音は楽屋にも聞えているぞ」と脅かされたりしているうちに客電が落ちて開演。 今回の司会ははるか。 ・・・と言っても最初に諸注意をしたくらいであとは出番無し(苦笑)。

_ ライブ

セットリストは山♪田さんのところにあります。 「WAになっておどろう」のオケはアガルタとV6どっちの奴だったんですかね?。 澁谷ソロは音域が合わなかったためかいつもより多く震えていて、MCまで(震)を引きずっていた。 はるか+さやかで歌った「愛のしるし」(PUFFY)の間奏でティンパニーに合わせて腹鼓を打つ振りの所で、はるかは下腹部を叩いているのに対して、さやかは胃のあたりを叩いていた、リアリズムだ。 愛可は友達が作った曲を貰って自分で詞をつけたという「ランドスケープ(表記不明)」と言う曲を披露。 曲も良かったが、ピカピカの時とは違った歌い方に聴き入ってしまった。 また聴きたいし、歌詞を日記にでもアップしてくれると嬉しい。 藪崎さんのソロは久しぶりの1人イエロードラゴン。 私は初見なのだけれど歌いなれた曲だけあって余裕のある歌と上手い煽り。 これもまた見たい。 ソロ→デュエット(もしくはトリオ)と言う流れで進行し、最後にピカピカの曲を何曲か。 時間は短いような気もしたが、内容は濃かったように思うし、私は満足した。

_ 物販・握手会

なにやらそのまま収録があるらしく、物販・握手会は無し。 外に出た客はそのまま帰ったり、出待ちをしたり、天狗に引っ掛かったり。

_ 振り返って

ピカピカはやはり楽しい。

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2007-09-29

_ AKB48 チケット並び

雨も降っているし、所用で片方しか観られないのでゆるりと秋葉原。
降ったりやんだりで気温も低く、秋の深まりを肌で感じる。
並んでいる間に、知己と「これで小林が居れば完璧に近いんですがねぇ…」なんて話をする。 今見たいのは戸島、小林、大堀。
昼のチケットが無事買えた。 いやしかし小林が観たい。

_ AKB48 ひまわり組公演(マチネ)

先週の籤運が良すぎた所為か引きが悪く、なんとかセンターブロック最後列に潜り込む。
影アナは佐藤(魚)。 緊張の所為か噛んだり泣きそうになったりしながら。 この娘の声にもだいぶ慣れた。

最初の四曲が終わり、気息奄々の成田が声を励まして始まりの挨拶。 自己紹介のお題は「好きなソフトクリームの味」。
直前になってから決めるので答えられないと正直な奥。
「ハロウウィンが近いので」(「波浪注意報」のハロウの発音で)カボチャと板野。
中野系がどうしだこうしたでブロードウェーの地下にあるデイリーチコの巨大ソフトクリームの話をする佐藤(魚)。
「中野系とは何だ」と執拗に食い下がる駒谷。 戸島花に訊けば判ると思う。 そもそもコマタニのお友達の富澤さんの元の相方がそのものズバリだ。

「アイドルなんて呼ばないで」の奥が面白い。 笑顔を含めて表情の種類が増えてきた。 「そのうち○□△」のくだりで困ったような顔をするのもまた良い。
上目遣いでねっとりとポンポンを振る大堀。

「僕とジュリエットとジェットコースター」は、今日も佐藤(由)を中心に観る。

「ヒグラシノコイ」では珍しく高橋の声にドッペルゲンゲル。 どうもミキサーの腕がよろしくない。

増山と宮澤が不在の「愛しさのdefense」は峯岸が代役。 14歳の色気。
動きの傾向が異なる駒谷はともかく、板野は少々喰われ気味だが、これは相手が悪い。
斥候からの報告によると、今日はソロパートも一人で歌っていたとのこと。
自分が歌うパートになると動きまで活き活きして来た星野とは逆に、歌が入ると表情が硬くなる峯岸だが、最近は開き直れるようになったのか、あからさまに辛そうな表情は出さなくなってきた。

大堀のリップグロスが妖しい光を放つ「向日葵」。
出番待ちの間に塗りなおしているのだと思うが、大堀の「観せる工夫」と言うものの積み重ね方には頭が下がる。
歌の後は心理テスト。
「海で泳いで暮らすならどんな魚が良いか」と言う設問で、選択肢は鯨、鮫、膃肭臍、熱帯魚。 鯨と膃肭臍はほ乳類だが、連中が考えた問題ではないのでそこに突っ込むのは野暮と言うもの。
膃肭臍を選んだ人は独占欲があるってんで、それを選んだ客を睨めつけて大堀が説教をする一コマ。
そいつが最前列に座った客から三千円で公然と席を買い取った後だけに沸く客席。 もっとも幕の向こうに居た大堀はそんな事ぁ知る筈も無いが。
大堀と倉持は「鮫」。 心理テストの診断結果より「大堀さんと一緒なのがいやです。」大堀の目を見つつ後ずさりしながら倉持。 良い仕事。

三曲終わって着替え待ちMC。 「根多切れなんです」と居直る高橋。 この場で何がやりたいか話し合おうってんで端から意見徴収。 ネイルの話を始めた川崎に、高橋がここでネイルをやりたいのかと尋ねると
「成田先生の滑舌講座が聞きたい」
ってな訳で、今日も舌っ足らずな成田に色々な事を言わせるコーナー。 司会は何故か佐藤(由)。
(由):「先生、『らりるれろ』って言ってみてください。」
成田:「だりるでろ」
(由):「先生、『ブログ』って言ってみてください。」
成田:「ブドグ」

言えて無くても目を見開いて胸を張る成田。

ここから何故か早口言葉に話題が変わり、端から「生麦生米生卵」。

「ナマムギ、ナマナマナマ・・・」
うろたえて「ナマ」を連発するだけで淫靡な大堀。
ここに戸島がいれば赤面してもじもじする様が見られる筈なのだが、今日は板野なのでニコニコするのみ。

「夕陽を見ているか?」は、振り付けの自由度が大きい所為か、奥をかまう佐藤(由)やら獲物を求めて飢狼のようにうろつく大堀やら、各自ぶっ壊さない程度に好きな事をやっていて面白い。

先週は大人しかった大堀が、今週は弾けた「Lay down」。
今日の犠牲者は佐藤(由)と増田と成田。 この曲の「やる気のあるミネギシ」も乙りきな見物なのだけれど、大堀のはその更に上を行く物凄さ。 果敢に逆襲を試みた増田であったが、敢え無く返り討ちに遭っていた。
今日も良いものを観た。

歌の後の間繋ぎMCはミネギシ主導だが、こちらも根多切れで投げ遣りな進行。 遣りたがったくせに飽きると投げ遣りに成るのがミネギシらしくはある。
それでも一応「結婚願望」と言うお題に沿って進行。
「24歳で結婚したい。」と佐藤(魚)。 これが24歳の大堀の逆鱗に触れたらしく、後で悲劇を呼ぶ。
「若いお母さん」と言う物への憧れが有るらしかったが、「若いうちに結婚すると色々有るらしいよ。」と蓮っ葉な口を利くミネギシ。 頷く成瀬。
峯岸の親は客より若いくらいなので、色々と愚痴も聞いているのだろう。

ここで着替えた連中と選手交代。
「もてる子になるには・・・」と言うお題。
「何も無い所で、わざと転ぶような子がもてる。」「あれは頭に来る」と熱弁を振るう高橋の横で俯いてモジモジする河西。 河西ならやりかねない。
何時の間にやら「大堀先輩への悩み相談」に変わっており、「男の人ってやっぱり顔なのかなぁ・・・」と佐藤(由)。
「私達は観られるのも仕事のうちだから良いのよ」と達観した大堀。
身の回りの佐藤(由)ファンを見る限りにおいては、容姿だけでなく、立ち居振舞いや言動に惹かれている人の方が多いように思われる。

大堀効果で、佐藤(由)や川崎がどんどん良くなって来ている。

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2009-09-29 墨田ペトリ堂文庫の100冊

_ 文庫カバーについての一考察

太田プロの三人が文庫カバーのモデルになったのは何月だったか、前田が太宰の「人間失格」、大島が漱石の「坊ちゃん」、小野が堀辰雄の「風立ちぬ」。
今度はホリプロの三人が揃って太宰の作品のカバーのモデルになるそうな。

板野 → 「斜陽」
河西 → 「ヴィヨンの妻」
宮崎 → 「パンドラの匣」

穿った見方かもしれないが、福々しい宮崎が「パンドラの匣」とか、何と無く起用のされ方に底意を感じる。

この「底意」がツボだったので、私も考えてみた。
考えては見たが、友人の考えた

峯岸みなみ → 「氷の涯」夢野久作

これ以上のものは考え付かなかった。 峯岸で破滅したい。

小原春香 → 「城」フランツ・カフカ
乱暴に要約すると、理不尽に盥回しにされる話。

高橋みなみ → 「オリバー・ツイスト」チャールズ・ディケンズ
乱暴に要約すると、艱難辛苦は報われるという話。

佐藤亜美菜 → 「ヴァルドマアル氏の病症の真相 」エドガー・アラン・ポー
乱暴に要約すると、とろけかかった人の話。 最初期の佐藤亜美菜の印象から。

渡辺麻友 →「堤中納言物語」
乱暴に要約すると、通底する「ゆるやかな狂気」

片山陽加 → 「二十四の瞳」壺井栄
乱暴に要約すると、昭和。

大堀恵 → 「新ジュスティーヌ」ドナシアン・アルフォンス・フランソワ・ド・サド
乱暴に要約すると、延々酷い目に遭い続ける話。

以下、本人のイメージから

平嶋夏海 → 「潮騒」三島由紀夫
森紗雪 → 「地下鉄のザジ」レーモン・クノー
佐藤由加里 → 「びんぼう自慢」古今亭志ん生
大江朝美 → 「車輪の下」ヘルマン・ヘッセ
戸島花 → 「日本橋」泉鏡花
小林香菜 → 「にんじん」ジュール・ルナール
浦野一美 → 「砂の女」安部公房
篠田麻里子 → 「この人を見よ」フリードリヒ・ニーチェ
高井つき奈 → 「風の又三郎」宮沢賢治
秋元才加 → 「火星の女(『少女地獄』より)」夢野久作
河西智美 → 「何んでもない(『少女地獄』より)」夢野久作
増田有華 → 「殺人リレー(『少女地獄』より)」夢野久作
奥真奈美 → 「痴人の愛」谷崎潤一郎
菊地あやか → 「五番町夕霧楼」水上勉

_ 大島優子

大島で考えると「春琴抄」とか、「死の棘」とか、「智恵子抄」とか。
役者馬鹿としての大島を、私は見たいらしい。

_ そんなこんなで

太宰の「女生徒」を読み返して、井上とか野口とかを思い出す。

おやすみなさい。私は、王子さまのいないシンデレラ姫。あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか? もう、ふたたびお目にかかりません。


2012-09-29 大毎ミサイル打線アイドル

_ 「IDOL SUMMIT Vol.1 発売記念イベント」

寝惚け眼で秋葉原へ。 ASOBITCITYにて表題のイベントを観覧。
電車が遅れて開演後に入場。 パイプ椅子が3列(30脚くらい)並べられ、後方に広く立ち見エリア。
わいわい賑やかに観たい向きが多いようで、空きが有った椅子席へ。

思い入れの殆ど無いアイドルが入れ代わり立ち代り出てくるこの種のイベントを観るってのも久し振りだったのだけれど、演者にも客にもスタッフにも殆ど知った顔の無い気楽さ。
スピーカー2対、モニタースピーカーが1対。 照明は螢光燈とスポットを併用しているが、切り替え等は無しで照らしっ放し。

ROCO GIRLS
一と組目が始まっていたのだけれど、口跡が悪く自己紹介が聞き取れず。 帰宅してから調べてユニット名を知る。
ネイル屋のやっている"オシャレユニット"との事であったが、衣装だけはオシャレであった。
幅はともかく奥行きの無い舞台なので仕方ないっちゃ仕方ないのであるが、歌の最中にぶつかったり、見知った客の奇態でも目に入ったのか笑ってしまったりしたのは興醒め。
シンセのみで作ったオケは安っぽい上にも安っぽいのだけれど、曲がりなりにもオリジナル曲があり、振りも付いているってのは幸せな事だ。

mocomoco
だぶだぶのサロペットで出てきた二人組。
MIXが入り始めるが、国家社会主義的な統率の取れたものではなく、散発的且つ間歇的な、別箇に進んで別箇に打つ人民戦線的MIX。

メグリアイ
3組目に目当てのメグリアイ。 内容については後述。

Saki(2&)
この御時勢にピンでアイドルか・・・と色めきたってみたが、普段は 2& と言う二人組で今日は相方がお休みとのこと。
上手くは無いが生歌で押し切る気概は買える。 要所々々で「イェイッ!」と自ら合いの手を入れ、「ハイタッチしまーす!!」と最前列に下りて行く自己完結ぶりも楽しい。
制服っぽい衣装は茅野しのぶインスパイア系と言うか、国民的アイドルモチーフAVみたいな感じ。 くっつき過ぎるとどうしても贋物感が出てしまうので離れたほうが良いと思うのだが。

B-Limit.
こちらも三人のうち一人欠席。
「次の曲はorzから始まるので(略)みなさんお願いします。
「正座して聴け」を超える立ち見客と最前列の総ダイイング状態は壮観だった。

さっちゃん
名前が名前なので検索しても情報が出てこないのだけれど、結構な飛び道具。 蜜蜂風の衣装で登場、Melodybeeを思い出したり(あれはこう言う衣装ではなかったと思うが)。
ステージを降りてエニウェアフォール・マッチをおっぱじめたので驚いた。

Mary Angel
大阪から遠征。 踵落としのような動きを多用するくらい動きは良く、歌も安定しているし、歌っている時の表情も良い。
スクール系が強い所為か、大阪発のアイドルはなんと言うか押しが強いのが多いのだけれど、Mary Angelも客を上げたり下げたり自在に操る感じ。

寄席の初席のような、細切れの持ち時間でパッパッと廻していくライブ。 生理的に受け付けない芸風もありつつ、切り替えが早いので助かった。

終演後に物販があったのだけれど、ほぼ同じ面子でライブ三回廻しとあってか、客の動きは鈍かった。

_ 今日のメグリアイ

メンバー8人中何人かが出る体制になっているようだが、このライブの出演は岡崎みさと、坂本樹莉、山田渚、山中香穂の四名。

先に出た二た組とは明らかにオケの出来から違う。
どこも大体シンセのみで作っていて、その中で音の広がりとか厚みとかで力の入り具合と送り手の技量が推し量れるのだけれど、メグリアイは楽器の音もするオケ。 帰ってから聴き込んでみたらミックスもしっかりしていたので驚いた。

4人並べて見るとそれなりに揃った動きをしているのだれけれど、振り付けの解釈に幅が有るので全く別のことをやっているようにも見える。
岡崎みさとの振る舞いがアイドルとしての最適解に近いように思うのだけれど、テーゼに対するアンチテーゼと言うか、他のメンバーも異なる発想でアイドルと言うものを体現しているのが面白い。
岡崎みさとが客席の隅から隅まで3点バーストで殺して行くのに対し、山田渚は全体に弾幕を張るような目配り。
弾幕と言っても機関砲や高角砲なんてチンケなものではなく、三式弾を46サンチ砲で盛大にブッ放す感じ。 これはハコが大きくなり、客の分母が大きくなると生きてくるのではないかと思う。

客の求めるものを提供しようとする岡崎みさとと、客により良いものを提供しようとする山田渚の対比。 どちらも間違いではないのだけれど、もう少し全体の調和を考えられるようになると、グループとしても舞台映えしてくる。

一緒に観ていた友人曰く「(山田渚は)結果オーライの4打数4安打では納得しないが、4打数1安打でも会心の当たりなら納得するタイプではないか?」。
やる気と努力が結果に繋がっても周りとも自分自身とも折り合いの付け難い榎本喜八タイプで、私としては非常に面白いのだけれど、当世の主流を占めるアイドルファンにどこまで受けるかについては、不安が無きにしも非ず。

メグリアイそのものも大毎ミサイル打線のようなところがあり、繋がりと機動力はさておき、長打率は高い。
今後も可処分所得の許す範囲内で見て行こうと思う。


2013-09-29 「カーツ大佐=指原莉乃」説

_ UTB+ 2013 11月増刊

川栄李奈
表紙と巻頭グラビア、13ページ12カット、うち見開き1箇所。 撮影は佐藤裕之。
顔が大分大人びてすっきりしてきたのと、機嫌の良し悪しが表面に現れにくくなってきたのとで、ハズレの表情が減って打率が向上。
仕草やポーズは単調で、その辺りの面白みは無いが、撮り方次第でさまざまな色に染めやすいと言えないことも無く、光の当て方一つで表情も変わる。
盛大に眩しいと流石に写真にならないが、一寸眩しいくらいだと味のある表情になる。
4ページ目中段などがそうなのだけれど、下瞼が心持ち上がったくらいのカットが良い。
姿勢も悪く、首が据わらないのも相変わらすだが、動物写真の要領で操ると絵になる。

志田未来
来年のカレンダーからの other cut で6ページ8カット、撮影は大江麻貴。
当たり障り無く、上手く撮れた女優グラビア。

真野恵里菜
6ページ8カット、撮影は長野博文。
撮り方も色も長野博文らしい6ページ。
悪くは無いが開けることの出来た引き出しの数が少なく、一寸物足りない。

北原里英
6ページ6カット、撮影は佐藤裕之。
写真を撮られることに対して構えすぎていたり、逆に思考を停止して呆けてしまったり、カメラと上手く向き合えない時期(それはそれで仕方の無いことではあったが)を漸く脱して、一と皮も二た皮も剥けた感がある。
カメラと正対せずに一寸だけ外す。 レンズを目の端には入れつつ、直接は見ずに意識だけを向ける。 身体から適度に力を抜き、ポーズと仕草に意味を込める。
こうした「文字で書くと簡単そうに見えるが、やるとなると難しいちょっとしたこと」を積み重ねたものが北原里英の魅力となっている。
衣装やメイク、ロケーションを含め、北原を支える部分での「ちょっとしたこと」も含めて良く出来たグラビア。 眼福。

高柳明音
6ページ11カット、撮影は細居幸次郎。
髪型はいつもの「マンガトリオ」的なものだが、固めすぎていないのは良い。
鳥グラビアと銘打ってはいるが、前回のそれほど企画モノっぽくはない。 巻き毛カナリアのような黄色いニットを纏ったカットが良い。
そう言えば高柳、「坑道のカナリア」のようなところもある。 この人が元気に囀っているうちはSKE48も大丈夫。

薮下柊
6ページ10カット、撮影は佐藤裕之。
物怖じしない性格を生かしてカメラと正対させたカットは当たり。
目線を外させるとどこを向いてよいか分からずに意識をカメラに向けすぎるところもあり、すべてが上手く行っている訳ではないが、表情や仕草の柔らかいのは良い。

若月佑美
6ページ7カット、撮影は佐藤裕之。
素でカメラの前に立てる分、撮る側の力量も試されるタイプのモデル。
上手く乗せて撮れている。

星名美津紀
6ページ7カット、見開き1箇所。 撮影は佐藤裕之。
「売り」がはっきりしている以上仕方の無いことではあるのだけれど、水着の面積は少なめ。 水着と服を着たものとでの表情の差は小さいので、かなり割り切ってこの仕事をしているのだと思う。
それでも飛び切りの表情は2ページ目中段の服を着たカット。

吉川友
6ページ6カット、撮影は西條彰仁。
カフェオレの広告に合わせてか、白と黒の衣装。
黙っていると綺麗なお姉さんなのであるが、口を開くとかなりのトンチキであるのはオブラートに何重にも包んだような筆致のインタビュー部分からも窺い知れるが、そうしたことで美しさがより際立つように感じられる匙加減の妙。

穴井千尋
指原莉乃企画のHKT48グラビア連載、6ページ8カット。 撮影は長野博文。
例によって指原もオマケで一枚撮って貰っているが、ドス黒い何かを内包しているであろう指原をも白っぽく撮ってしまえる長野魔術。
穴井千尋の「純朴」「生真面目」「押しは弱い」を上手く生かして撮れている。

松岡茉由
4ページ4カット、撮影は佐藤裕之。
何かしらの役を設定したほうがカメラの前に立ちやすい役者属性らしく、カメラと「本人」として向き合うと精彩を欠く感じ。
前半のカメラと向き合わないカットは本領に近いのではないか。

Juice=Juice
6ページ6カット、撮影は本田龍介。
ハロー!プロジェクトらしい、紋切り型顔見世グラビア。
私には退屈でしかないべったべたな写真群であるが、好事家受けしそうな半玉感は出ている。

鈴木愛理
8ページ8カット、撮影は西田幸樹。
鈴木愛理はポーズから仕草から表情から、文句の付けようの無い仕事振り。
西田幸樹も強すぎず弱すぎず、光を上手く廻した手練の技。
欲を言えばもう少し曇っていれば猶良かった。

総評
気が付けば佐藤裕之祭りの様相。
肝心なところでピントを外していた時期、安全策に走りすぎてつまらなくなってしまった時期を経て、非常に良いバランスで撮れているように思う。
忙しすぎて仕事が荒れてしまうことだけが心配である。

_ 週刊プレイボーイ 2013 No.40

川栄李奈
巻頭グラビアの前のオマケ写真集で8ページ18カット、撮影はTakeo Dec.
売りたいイメージに合わせてか馬鹿面中心の構成。 テレビで作られたイメージを敷衍した紙面構成しか出来ないから週刊プレイボーイのグラビアもここまで衰退してしまったと思うのだが、AKB48絡みのものは相変わらずお粗末な出来。
馬鹿で名を成しているうちに「それだけではない部分」を出さないと飽きられるのはあっという間。

吉木りさ
6ページ7カット、見開き1箇所。 撮影は橋本雅司。
屋内で一寸暗めにゴリゴリ撮った、橋本雅司らしいグラビア。 被写体ブレが出たカットもあるが、写真に芯がある。
キャプションの拙さが瑕だが、写真そのものは素晴らしく、雑誌としての地力を感じさせる6ページ。

佐藤すみれ
5ページ4カット、見開き1箇所。 撮影は桑島智輝。
だいぶ以前の話になるが、ヤングマガジンに載った時の水着グラビアが罰ゲームのような陰惨な表情で、この手の仕事はやりたくないのかと思っていたら、さにあらず。 今年に入ってからはブログやツイッターに露出度の高い衣装でも生き生きとした表情の写真を載せるようになってきたので期待して待っていた。
然るに上がってきたグラビアは期待値が大きかったこともあって、一寸残念な出来。
表情も単調で、ポーズや仕草も単調。
ジュニアモデル上がりの苦労人で仕事に対する矜持がある分、撮られることに対する気負いが有り過ぎるのかも知れないし、服ではなく自分を見せるために写真を撮られることへの切り替えが上手く出来ていないようにも思える。
もっと出来る人だとは思うので、次の機会を待ちたい。


「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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