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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2004-02-17 [長年日記]

_ 最近の読書

「私とライカ」木村伊兵衛
木村伊兵衛の自伝とか写真論とか自作解説とか対談を纏めた本。 これに土門拳との対談が載っていたのを思い出して読み返してみた。 これまで土門拳と言うと、被写体の心の中まで土足で踏み込んでくるような印象があってあまり好きではなかったのだけれど、それは被写体によりけりで、優しく撮る時は優しく撮っているのが判ってきて、最近はだんだん興味が湧きつつある。 対談を読むと、土門拳が木村伊兵衛の写真を良く研究し、理解しているのが判る。 木村伊兵衛の写真に限らず、良く研究し、理解した上で、如何に違う写真を撮るかを突き詰めて行ったのが土門拳の写真であるように思えてきた。

「小型カメラ写真術」木村伊兵衛
戦前に書かれたライカで写真を撮る為の教本。 朝日ソノラマが酔狂にも殆どそのまま復刻した。 私の機材の基本的な部分はこの時代のものであり、フィルムもモノクロしか使わないし、現像液もD−76なので、70年前の本なのにそのまま教科書として使える。

「近代写真の生みの親 木村伊兵衛と土門拳」(図録)
暇を見つけてはページを繰るようにしている。 どちらが撮ったか見ないで写真だけを見ると、土門拳の撮った物にも好きな写真が結構有ることに気付く。

「アジェのパリ」
洋書屋のタッシェンから出ているのを買ってそのままにしていたのを引っ張り出してみたら、妹にパリで買ってきてもらった馬鹿でかいアジェの写真集の縮刷であることが判って一寸がっかり。 持ち運び用と割り切る事にした。

「サバト恠異帖」日夏耿之介
漢字の使い方が独特で難解と言うか晦渋。 読み進むのに骨が折れるので、用事のある部分から拾い読み。 「名人鏡花芸」「『高野聖』の比較文学的考察」あたりから。
「鏡花は、本より米びつの為に少なからずの分量をその生涯中にいやでも書いた、書かされたのであるから、身心疲憊の間に強ひてまとめれば、筆がくすみも為ようし、思つた事の半分も言はずに歇むためしもあらうが、それにも渠の持味だけは部分乍ら燦然と光つてゐる。」
この辺りはまさにその通りで、どんな中途半端な駄作でも、文章そのものの味わいは格別であり、それが傑作・神品ともなれば震えが来るほどで、他の小説なんざ味気なくて読めなくなるのだ。 頷く所多数。 しかし、疲れる。


「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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