パティオ十番近くにある、十番会館が会場。 「麻布十番寄席」の幟が立ってたのでなんとか辿り着けた。 十番会館は商店街の事務所みたいなビルで、2階が貸席になっている。 丁度、旅館の宴会場みたいな感じ。
運営に関して、色々と問題は有ったけれど、そのへんは主催者に直接伝える事にして感想のみ。
「おもしろい話+前説」 つっちゃん
殺陣コントの「サムライ日本」のお弟子さん。 役者修行の一環としてお笑いの勉強もしているそうだ。 ガソリンスタンドを舞台にした一人コントの後、前説。 ガソリンスタンドの制服は自前。 アルバイト先の物らしい。
「味噌豆」 立川談一
「勉強」と言う事で観に来ていた談一さんが一席やる事になり、キウイさんの着物を借りて「味噌豆」。 短い噺だけれど、気負いなく演れる席だったからか、のびのび出来ていて良かったと思う。
「ちりとてちん」 立川こらく
今朝がたアメリカの元大統領が亡くなったので、それにちなんで「宮戸川」を演ろうと思ったと言うんで、どう言うことかと思ったら、家から締め出しを食らった主人公二人が泊めて貰いに行くのが霊岸島の叔父さんのところ・・・と言うオチ。
元々博識な人なので、こう言う考えオチのクスグリを仕込んでいけば幾らでも面白く出来るんじゃないかと思うのだけれど、これ一つだったのは残念だった。 瞬間的に切れる頭ではなく、じっくり考える強い頭の人だとも思うので、その場に合わせて喋るのではなく、前もって仕込んだ方が良いように思った。
人としてのおかしみが落語に出てこない事が多く、一寸歯がゆい。
「湯屋番」 快楽亭ブラ談次
飄々としたキャラクターと綺麗な口調が印象に残った。 大事な所での言い間違いがあったりしたが、湯屋の番台に上がった若旦那まの妄想が膨らんで芝居掛かった口調になる所なぞは中々良かった。 快楽亭の一門会は最終土曜の昼間なので見に行かれないのだけれど、機会があればまた見てみたい。
<中入り>
「漫談+筋肉予報」 ぶるうたす
「お笑いスター誕生」で一世を風靡したぶるうたすセンセイである。 学校から飛んで帰って見ていた番組に出ていた人を至近距離で見ることが出来た。 今年51だそうだが、頑健な肉体はそのままだった。
「たがや」 立川キウイ
4/18に復帰後初の勉強会をやってから一と月ちょい。 2回目である。
重かった空気がマクラを振っている間に徐々に軽くなっていき、良い感じになったところで本編へ。 「巧い!」と膝を打つような落語でも、腹を抱えて爆笑するような落語でも無いのだれけれど、観ていてホッとする、しみじみ良い気分になる不思議な落語である。 この日の演目の中で客席が唯一惹き込まれたのは、この噺の後半の立ち回りの部分で有ったと思う。
いただけないのは自虐ネタ・内輪ネタのギャグを入れ込む事。 これはマクラの間だけにした方が良いと思う。 次に期待。
「千早振る} 立川こらく
本人も言っていたけれど、知ったかぶりの噺が2本ってのは如何なものか、事前にある程度打ち合わせはしておいた方が良いと思う。 ヒザが「たがや」でトリが「千早振る」ってのもバランスが悪い。
金さんと兄ィのやり取りの、「なんとかのぉー、なんとかのぉーで畳の上の札をバタバタやる奴・・・」「カルタか?」「カルタに似たようなもので・・・」「歌る多に似たようなものってぇときく姫か?」ってのがツボに嵌まった。 こう言うのがもっと盛り込まれれば面白くなると思うのだが・・・。
色々なしがらみも有ったらしく、構成には窮屈さも感じられた。 演者がそれぞれの落語に専念できる環境でまた見てみたい。
落語の楽しみ方を教えて戴いた気がします。私は破門になった芸人キウイを見に行っただけの古典落語の分からない寄席ファンです。破門理由?に興味がある「クスリ」でもやったのか?ブラ談次とキウイを又聞きたい・・・そして、あなたの講評を読みたい。