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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
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petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2004-07-22 [長年日記]

_ 今週の読書

今月の「東京人」の書評欄に出ていた辻静雄の「フランス料理を築いた人びと」を書店にて購入。 文章そのものは平易なのだけれど、料理の専門用語が当たり前に使われていて、細部が理解できない。 料理事典を買おうと思う。

「私はこれを、特に濃い生クリームだけでエスキャロップにしたヒラメをポシェすることにして、ポシェした後の残り汁を煮詰めてオルランデーズと合わせて出すのである。」

・・・と言うくだり、フランス料理情報サービスなるサイトの用語集で調べるとエスキャロップは薄切り、ポシェはワインやだし汁、湯の中で静かに加熱したものと判ったが、オルランデーズが判らない・・・卵黄・バター・酢で作るマヨネーズに似た温かいソースですか、有難うございます。
何故、今頃フランス料理に首を突っ込み始めたかと言うのには事情がある。 昨年暮れの「SHIPクリスマスライブ&パーティー」で食べたレストラン欅さんの料理は非常に美味しかったのだけれど、料理の技法に関する知識が少なすぎるため、口に運んでも何をどうしたのか想像がつかなくて、けっきょくなんだか判らないまま嚥下しなければならず、精神衛生上あまりよろしくなかった。 とっかかりになりそうな本を見つけたので何とか次に行くまでに多少の知識を頭に入れておきたい。

_ クリスマスパーティーのメニュー

何をどうやって作ったのか気になって仕方が無かったので、後日教えていただいたメモがあったのを思い出した。 判りやすく書いていただいたので、参考までにここに写しておくことにする。 以下、メモより引用。

初めに
 昭和42年、酒田で初めてフランス料理店を開店。以来36年、地元の素材に拘り、魚介類は全て酒田港で水揚げされた物を使用しております。その新鮮な素材を活かす為、ソースはなるべくシンプルに軽く仕上げるようにし「フランス風郷土料理」であると自負しております。

赤目フグのベニエとヤリイカのファルシー
 ベニエは言ってみれば「洋風天ぷら」の様な物であり、隠し味にビールを衣に少量混ぜる事で衣をふんわりさせています。ソースは「ソートピストー」(エストラゴン、エシャロット、トマト、ニンニク、レモン汁、オリーブオイル等)です。生野菜と合えて、さっぱりとサラダ仕立てに仕上げました。
 ファルシーというのは「詰め物」という意味です。地場の野菜をたっぷりと詰めこみ、中の野菜の旨みを引き出す為にトマトフォンデュというソースを掛けました。

大越中バイ貝のパイ包み焼き
 地元の人からも珍しがられるこの貝も、勿論庄内浜で獲れた物です。殻ごと白ワイン、香草、水で3時間程じっくりと煮込み、中の身を柔らかくします。その後、身を取り出し、一口大に切り分け、きのこ、煮汁、白ワイン、ブルギニョンバターを加えて殻に詰め直し、パイの皮をかぶせてオーブンで12分間焼いて出来上りです。

的鯛のムース挟み焼き
 的鯛は非常に淡白で刺身にしてもおいしい白身魚です。難点は水揚げされてから短時間で風味が落ちてしまう事です。その為、この魚を扱う店は新鮮な魚貝を使っているという点で信用される程です。「ムース」は今回、帆立貝を主に白身魚と共にすり身にし、生クリーム等で味を整えた、いわば「洋風かまぼこ」の様な物。贅沢なムースを的鯛で挟み、ソースブールブラン(白ワイン・バター・トマト等をベースの軽いソース)で仕上げ、さらに帆立貝の貝柱まで添えてみました。たまりませんでしたでしょう!

牛フィレ肉ステーキ
 山形牛のフィレに、ソースシャスール(3種類のきのこ、エシャロット、フォン・ト・ヴォー(子牛肉の出し汁)・バター等で仕上げた茶色のソース)を掛けただけ。如何だったでしょうか?

パン
 形は丸いけれども「フランスパン」です。パン屋さんは、こんな形は手間がかかるので焼いてくれませんが、系列店の「ママの台所」(パン・お菓子・デリカの店)は手間を惜しまずに焼いてくれます。そして私は、この焼きたてのパンを敢えて冷凍します。お客様に提供する直前に解凍して、オーブンで焼いております。

コーヒー
 開店以来浮気することなく、「コクテール堂」さんの豆を使用させていただいております。独特の極深煎りの苦みばしった味こそが、私どもの料理を最後に引き立ててくれると固く信じており、期待通りによろこんでいただいております。

以上SHIPクリスマス特別メニュー如何でしたでしょうか?的を絞った皿数で私どもをご理解いただけるように工夫いたしました。よろこんで頂けたら幸いです。

レストラン欅  太田


引用終わり。
読み返してみると、凄いものを戴いていたんだなぁ・・・と、感慨深い。 次回こそは是非・・・。
本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
# 『あのよろし』か? (2004-07-22 14:57)

Sauce Hollandaise: オランデーズソース。卵黄・バター・酢で作るマヨネーズに似た温かいソース。

# 『あのよろし』か? (2004-07-23 04:50)

手が込んでるなあ! 読んでるだけで五感と食欲を揺さぶられる。フランスに赴く動機はなくても酒田だったら行きたくなる。SHIPに関心は無いのかと責められそうだけども、こういうお店が力添えしてくれてるというのは弥増すにいい話だ。「たまりませんでしたでしょう!」ごっくん。←もう一段気持ちが傾いてきた

本の方も気になってきました。あのソースは白アスパラガスやカリフラワー用かと思ってたけどそういう使い方があるんだな。安易版でやってみよう、ヒラメの刺身の牛乳しゃぶしゃぶのマヨネーズがけ(うッ! やっぱ手抜きはだめか)。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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