隣室の奇人が壁を叩いて騒ぎ出したので目が醒めた。
隣のキ〒ガイ爺ぃのお蔭で起きる事が出来たので御徒町へ。 小袁治師匠が鈴本の昼の部の主任なので、そちらにも行きたかったが、あそこはどうもマイクの音量を上げすぎるのが気に入らないのと、暗室作業が溜まっているのとで断念。 広小路寄席のI部だけ見る事にした。
「牛ほめ」松幸
先だって談幸師匠のところに入った前座さん。 「まつこう」と読む。
途中、仕込みを忘れて詰まって目が泳いだりもしたが、まんとか纏めていた。 気を付けて声を出して演じ分けをしようとしているのは良かった。 上下の使い方が曖昧だったりもしたが、そのあたりは今後に期待。
「道灌」康四楼
談四楼師匠のところに入った前座さん。 なんと34歳。
巻き舌なので八っつぁんは良い感じ。 一本調子で早すぎるところだけは気になったが、楽しく聞けた。 今後に期待。
「転失気」風吉
噂には聞いていたが、本当に小さかった。 そして意外にと言っては失礼だが、上手かった。
本人の所為とばかりは言えないが、「過ぎるとブーブーが出ます」と言うサゲはどうも違和感がある。
「たらちね」志らべ
マクラはいつも面白いのだけれど、これまでは噺に入るとダレて仕舞うきらいがあった。 それが今回は最後まで面白く聞けたので、正直驚いた。
一門会の前座バトルの講評で志らく師匠に指摘された部分に気を付けているのだろうと思う。 良いものを観た。
「看板のピン」らく次
相変わらず安定して上手く、面白い。 以前、一門会で演った「湯屋番」のように、独自の視点からの演出も見てみたい。
<中入り>
「味噌豆」ブラ汁
可愛げのあるキャラクターなので、こう言う小僧さんの出てくる噺は嵌まる。
「浮世床」千弗
「太閤記」を読むあたりをさらっと短くやってから、「立川流は唄と踊りが出来ないと二つ目になれないんです。」「このへんでちょっとヨロケてみようと思います」ってんで、先に上がったブラ汁さんを呼び込んで踊りへ。
「深川」(踊り)千弗・ブラ汁
2人並んで踊ると、振りの解釈とか切っ掛けのタイミングとかそのあたりの違いが出ていて面白かった。
千弗さんは動きは硬いけれどキレがあり、ブラ汁さんは指先まで神経が行っていて柔らかい動きだった。
「目黒のさんま」ブラ房
さんまが実に旨そう。 来る前に神田駅の田毎で肉南蛮を手繰っただけだったので、観ていて空腹感に苛まれた。
これで漸く快楽亭一門を全部見たことになる。
「平林」談大
12:30開演で、途中「中入り」を挟んで終演が14:30。 ここに10人出る訳で、各自時間配分に苦労しており、談大さんもあちこち細かくつまんで、短く。
かなり端折って演っていたが、上手くまとめていた。
「つる」キウイ
前座で前に9人上がっているなんて言う状況はあまり無い訳で、ネタが被らないようにするにのに、最後の方の人は大変だったろうと思う。
マクラから「国なまり」を少し演って「つる」へ。 客層の所為か、「国なまり」の方が受けていた。 頑張らない噺の方が合っている所為も大いに有ると思う。
この人の、巧まない、力まない時の「客を引き込む力」には驚くべきものがある。
夕方、暗室に戻り、酒田市内のスナップとりえくらぶ関連の写真をプリント。
深夜帰宅。