モノクロの読み物ページは、桜庭ななみのインタビューと、出演する映画に絡めて書道の腕前披露が3ページ。 お天気キャスターになった森田美位子の密着記事が2ページ。 新人さん紹介記事が3本3ページ。
℃-ute と嗣永桃子の連載は2回目。 地味なページながら嗣永桃子が凶悪なまでの嗣永桃子っぷりで異彩を放つ。
AKB48絡みでは、前号で惜しまれつつ(少なくとも私には)終了した小林香菜のよのなか入門に替わり、AKB48のメンバーを一人ずつ紹介する「AKB48おひとり様」が始まった。 第一回は小森美果。 これについては別項にて。
小松彩夏、福田萌、小林涼子、徳永えりの連載が最終回。 さて、次号から何が始まりますか。
後半グラビアページは封入トレカとプレゼントチェキの一覧から。
封入トレカはBセットが凄い。 私の買ったものにはCセットが入っており、大島優子、小嶋陽菜、柏木由紀、矢島舞美と並んだこちらが世間的には当たりなのだと思うが、Bセットは北原里英と渡辺麻友の出来が凄まじい。
プレゼントチェキは成海璃子と北乃きいの客に媚びないサインが豪快。
嗣永桃子のものは接客業としてのアイドルとしての技巧に長けた連中より更に訴求力のある仕上がり。
AKB48 (前田敦子、柏木由紀、大島優子、板野友美、北原里英、島田晴香)
ヘッドフォングラビアで6ページ6カット。 撮影は細居幸次郎。
前田敦子は定番の角度からではなく、仰向けに寝たところを俯瞰で。 面白い出来。
学校の机にペタリ座る柏木由紀。 X脚を逆手に取ったポージング。
携帯音楽プレイヤーを手に飛び跳ねる大島優子。 珍しく生き生きした壁の無い表情。
しどけなく寝転んで、左手に持ったソーダのストローを口元にやる板野友美。 ストローが視点をその特徴的な口元へ誘導。 何をしているわけでもないのに、妙に艶かしく。
その板野と隣り合ったページに、北原里英。 ただ文庫本を頭の上で持っているだけなのだけれど、板野友美に引けをとらぬ凄艶。 最近の北原里英は実に堂々たる物で、立場が人を作る好例。
島田晴香は傘に縋る様にしゃがんで、とりあへず笑ってみたような表情。 このでくの坊っぷりが初々しい。
島田も含めて、それぞれがそれぞれに持ち味を出した写真になっているが、中でも北原里英が出色。 節度のある艶。
宮崎美穂
5ページ5カット。 撮影は中山雅文。
下手に隠さず、取り繕わない真っ向勝負の宮崎美穂が清々しい。
髪が舞い上がって額が露わになった写真も珍しい。
5カット全て良い出来だが、1カット目のクローズアップが眼福。
ノースリーブス(高橋みなみ、峯岸みなみ、小嶋陽菜)
3ページ4カット。 見開きでピンの写真が3枚並び、集合で1ページ。 撮影は古賀良郎
ピンの写真は三枚の中央に峯岸。 集合でも珍しく funny ではなく pretty な峯岸。 峯岸が良くなった事で、グループとしてのバランスも向上したように思う。
同じスタジオで撮りつつ、背景の壁を変えて変化を付ける細かい工夫が光る4カット。
AKB48 おひとり様(小森美果)
「AKB48 にはかわいくて面白いコがいっぱい でもなかなかファンの人以外知らないので ここで一人ずつ紹介!!」・・・と言う事で、第1回は「ほのぼのシュール」な小森美果。 カラー1ページ、モノクロ1ページ。 携帯サイトとも連動して、一人あたり8回更新。 グラビアの撮影は藤丸修。
空のお城に住んでいる小森はインタビューをしても全く話が噛み合わない。 噛み合わなくても小森本人はニコニコと可愛らしい。
可愛らしくはあるのだけれど、目が此処ではない何処かどころではなく、此の世の何処も見ていないような四次元的な空ろさ。
特技として、プロ野球選手の物真似を披露。 中日の浅尾・森野、巨人の小笠原。 浅尾を持ってくるところが名古屋人らしいのだけれど、投球動作そのものではなく、その一部を切り取った額縁ショー的な物真似なのがシュルレアリスティック。
佐藤ありさ
光の柔らかく廻った屋内と曇天の屋外、静的動的取り混ぜて4ページ6カット。 撮影は今号では3度目の登場となる桑島智輝。
長野博文のように灰汁が強いのが3度も出てくると飽きるが、撮り方に変化を付けてきているので気にならない。 まぁ私がこう言う写真が好きだということもあるが。
ハウススタジオ+屋外と言う似たような構成乍ら、ベッキー・クルーエルのものより光線が弱く柔らかいのと、黄色人種なりの白さにあわせて撮っているのと、プロのモデルとしての仕事が出来る被写体なのと、様々な要因が引っ絡まって趣の違う写真に仕上がっている。
屋内で暖色、屋外で寒色のキャミソールワンピース。 モデルとしてのポージングの屋内と、自由に動かした屋外。 最後のカットが巧い。
団地少女 Vol.12アライテツヤの連載グラビア。 今回は可憐Girl's→さくら学院の武藤彩未。
京葉地区の団地で撮影された2カット。
この手の団地で育った亡友は「この街には文化の香りがしない」と嘆き、中央線沿線にアパートを借りて週末を過ごしていたのだけれど、葬儀の折に訪れたその団地の何とも言えぬ閉塞感を思い出した。
住むのに不足は無いが、暮らすには潤いが足りない。 チェーン店ばかりで個人商店の存在しない、実用本位の街の味気なさ。
そんな風景の中で屈託無く微笑む武藤彩未。 建物の線を生かしたアライテツヤらしい写真。
相楽樹
今年デビューした新人の青田買いグラビア。 藤本和典の撮影で4ページ9カット。
街角での制服と、屋内での私服。 指示されるがままと言った感じのぎこちなく、手馴れていない感じが新鮮。
90ページの中段に、一枚だけとてつもない表情の写真がある。
西田麻衣
一度に沢山見ると胃もたれするが、載っていなければ載っていないで寂しい長野博文の撮影で4ページ6カット。
あまり煽情的な水着グラビアは載らないこの雑誌には珍しく肉感的なモデルの布地面積の小さい水着のグラビアではあるが、そこは撮り手が長野博文なので、生々しさは無い。
成海璃子・北乃きい
主演映画「武士道シックスティーン」の公開にあわせた対談とグラビア。
すっかり貫禄の付いた成海璃子。 役者馬鹿な感じが見るたびに強くなる。
素でカメラの前に立つ成海璃子と、常に「北乃きい」でありつづける北乃きいの対比が面白い。
矢島舞美写真館 最終回
橋本雅司の撮影で7ページ9カット。
晴天の海辺ながら無理の無い表情。 眩しげでは有りつつも、無理に目を開かず、眩しいなりに美しい表情。
この「無理の無さ」が矢島舞美の特質なのではないかと思う。
同じモデルを違うカメラマンで撮影し、一定の紙幅を裂いて掲載してきたこの連載も今回で終了。 見応えのある良い企画だった。
撮り下ろしを加えて、6月に写真集として刊行予定とのこと。 纏めて見る事によって、新たな発見があるかもしれない。
4月号のレビューの後半を下書きのまま放置していたことに気が付いたので追記。
雑誌レビュー UTB 4月号(2)
「ファッションブック」と言う体裁で出されたが、表紙が下着で裏表紙が水着。 これは看板に偽り有りと言はざるを得ない。
水着はともかくとして下着にひん剥く意味が判らない。
「AKB48」と冠が付けば何でも売れる時期に、ここまで安売りする運営側の意図も読めない。
一度上げた露出度を下げるのがどれだけ大変なのか理解しているのだろうか。
評価出来る点は、何度も書くが斉藤亢に撮らせたという事、これに尽きる。
やっつけ仕事の好い加減なつくりの本の中で、それが唯一の救い。
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