表紙と巻頭グラビア、オマケピンナップにAKB48。 この号から始まる週替り連載に北原里英。 ピンナップは、グラビアに出ている7人ではなく、柏木由紀、北原里英、渡辺麻友の3人。
AKB48のグラビアとしては当分これ以上のものは出ないのではないかと思う。
AKB48(板野友美、大島優子、河西智美、小嶋陽菜、前田敦子、峯岸みなみ、宮澤佐江)
表紙+巻頭グラビア11ページ11カット。 撮影は桑島智輝。
携帯サイトの別カットまで見てみたが、集合は1カットも無い。 集合を撮らないのが意図したもので無いとすれば、それだけ撮影に掛けられる時間が無かったと言うことになる。
そんな訳で、表紙も大島優子を真ん中にして他の連中の写真をコラージュ的に散りばめたものになっている。
時間が無かったのではないかと思うもう一つの理由は、桑島智輝らしからぬ詰めの甘い写真も散見される事。
本誌に掲載されているものは良いが、携帯サイトにある別カットには構図の切り方が甘かったり、影が出てしまっているものもある。 それでも最低限の枚数はアタリを出してくるのは流石。
板野、大島、小嶋、前田は2ページ2カット。 河西、峯岸、宮澤は1ページ1カット。 例の茶番の順位に比例してなのか扱いに差があるが、河西を巻頭の1ページ目に持ってきたり、刊中も見開きの小嶋の前の扉に宮澤を持ってきたり、並べ方まで考えてあるので然程気にならない。
殺風景なスタジオで衣装も1パターンの簡素なグラビアなのだけれど、その分桑島智輝の上手さが生きている。
その場にある物と光を使って組み立てたグラビア。 光の質と強さも頃合い。
宮澤佐江は「元気」「ボーイッシュ」と言う表層的な部分に縛られ過ぎた写真が多く、女の子らしい部分を掘り下げて貰えない事が多いのだけれど、1ページ乍ら宮澤の良さが引き出された写真を使ってもらっている。
携帯サイトではいつもの宮澤の写真も使われているので、敢えてこの写真を撰んだ編集者の審美眼は褒めてよい。
峯岸みなみは、他の連中と絡んでいない単独の写真では久々の当たり。 自分を活かし、内側から光を放つ写真。
河西智美も、気だるげな引きの強い表情。 劇場公演では見慣れたこの表情が、なかなかグラビアでは出ない。
板野、小嶋、前田あたりは高いレベルで均質。 前田を髪の分け目と逆の方向から撮ってきっちり絵にしたのは上手い。
大島優子は抑制の効いた衣装とポーズの中で、目や口、指先などで変化を付けている。
細かく見れば見るほど凄い。 何処まで意図してやっているのかは判らないが、内容の濃い仕事。
今回は水着の色に合わせた太腿迄のタイツを穿かせたり、照明の色と強さで変化を付けたり、キャプションに意味と装飾性を兼ねさせたりしたくらいで、衣装にもセットにも凝ったところは無いのだけれど、グラビアとしての完成度は高い。
大島優子と同じく桑島智輝もある程度の制約があった上で仕事をした方が、その枠内で良い仕事をするように思う。
忙しくなり過ぎた上に船頭も多過ぎる現在に於いて、そしてより以上にしっちゃかめっちゃかになるであろう今後に於いて、特別な場合を除けばグラビアに時間を掛ける事は益々難しくなると思われる。 その中でこれ以上のグラビアが出来るかどうか・・・。
きたりえの妄想文学少女道 (第1回)
AKB48絡みの週替り連載の一回目は北原里英。 毎回作家一人をお題にしたグラビアとインタビュー。
今回はテーマが宮沢賢治と言うことで、グラビアは「セロ弾きのゴーシュ」に因んでチェロを小道具にしっとりと。
水着などで露出度を上げたグラビアより、こうして衣装や小道具やロケーションに凝ったグラビアの方が私は好きなのだけれど、世間ではどうなのだろうか。 看板に大いに偽りがありつつも「初の水着写真集」と銘打った粗悪品が版を重ねている事から見ても、私のような人間の方が少ないのだろう。
閑話休題。 携帯サイトの別カットを含めて、良く撮れている。 フライデーで撮った小嶋陽菜のグラビアも良かったが、細居幸次郎の屋内での撮影は、桑島智輝とはまた違った組み立ての上手さがあるし、北原里英も肩の力が抜けた良い表情。
私のように捻くれた人間には、宮沢賢治の潔癖性の裏側にあるものに興味が湧くのだけれど、北原の妄想は妄想でありつつ健全に正面から。 それでも幻想的な部分より悲劇性に惹かれる辺りは、膏肓にまでは至らないにしても矢張り病が深い。
こうした連載だと課題図書を一冊与えて事足れりとする事が多いが、「銀河鉄道の夜」から「春と修羅」まで話題は多岐に渡り、訊く側も語る側もしっかり読み込んでいる事が判る。
ヤングジャンプの対象読者には解かり難いかもしれないが、退役(もしくは予備役の)文学青年の琴線には触れるのではないかと思う。
普段漫画雑誌など買わない向きにも、是非一読願いたい。
チームYJの一連の連載と同じく、人となりや魅力を上手く引き出した連載。 次回の指原企画にも期待したい。
>みつ さん
むしろアクセスもコメントも少ないブログの方が面白いことが多いのですが、そのあたりはまた別項にて。
小林のブログは面白いです。 モバイルメールと両立させて、どちらも面白いのも凄い。
表紙と刊中グラビアにAKB48。 11ページ10カット、見開き1箇所。 撮影は小笠原真紀
集合で1ページ、大島優子→前田敦子→板野友美→小嶋陽菜の順で2ページ2カット+インタビュー、最後に見開きで4人並べてのカット+対談。
女性誌なので肌露出の多い衣装を着なくて済んでいると言うこともあると思うが、集合では色調を揃えつつそれぞれに合わせたワンピース。 個別写真ではよりそれぞれに特化した衣装。
服飾に疎い私のような人間にはそれぞれの衣装の詳細が記されているのは有難い。 和服はともかく、洋服となるとまるで判らない。
板野と前田・大島で撮られ方が違うのが面白い。 板野はファッション誌での仕事が多いからか、服をより良く見せるポーズと邪魔にならない表情。
前田と大島は前田・大島そのものを撮った写真。 小嶋陽菜はその中間。
板野と前田や大島の撮られ方が異なり、それぞれがそれぞれに良い仕事をしているのは、任に合った仕事に恵まれているからであり、小島がどちらとも付かない撮られ方なのは、モデルから役者から仕事が多岐に渡っているからだと思う。
前田と大島は表情の作り方が似ており、それは前田が大島に感化されて似たのだろうと以前は考えていたが、カメラの前に素の表情で立てる前田に大島が触発されたってのもあるのではないかと最近では考えている。
大島優子は撮られる機会が増えたからか、カメラの前での振る舞いが上手くなっている。
「〜してしまいます」と女性誌らしい言葉遣いに直してあるので、どう考えてもそんな事ぁ言いっこ無い板野インタビューは可笑しくて仕方が無いのだけれど、口調を想像して読み替えてやれば「らしくない事」は喋っていないし、捻じ曲げたり端折られたりもしていないように感じられる。
今回の撮影を担当した小笠原真紀は他のページでも撮っているのだけれど、技術とセンスの両方を持っており、35ページの佳つ乃を撮った写真なんざ実に巧い。
加齢感が出やすい顔や手はハイキーに白く飛ばしつつ、着物は丹念に描写し、居住まいの美しさを切り取っている。 清方の美人画や鏡花の文章に通ずる省略の美学。
畑違いの分野からアイドルグラビアに引っ張ってくるなら、こう言う素材を活かす技術とセンスを持った人にしていただきたい。
自分の写真表現の為にモデルを型に填め、個性を引き出さずに矯めて殺してしまう手合いが多過ぎる。
以上余談。
女性誌の表紙は初と言うことで同じAKB48とは言え事務所もチームもバラバラで忙しい4人を集めて撮れたのかもしれないが、衣装2パターンスタジオのみの撮影でも見応えのあるグラビアが成立するということを男性向け雑誌のグラビア担当者には重く受け止めていただきたい。
徒に衣装や小道具やセットに凝った挙句、グラビアとしては褒めるところを探すのに苦労するようなのが多過ぎる。
潤沢な広告費に恵まれているからか、週刊誌にしては下手な男性向けグラビアより紙も印刷も良い。
印刷難易度の高い写真を多く使えるのも頷ける。
お洒落とは縁遠い我々には少々買い難い雑誌ではあるが、この11ページの為だけにでも420円払う価値はある。
私も図書館で流し読みして済ませようと思っていたが、恥を忍んで駅前の本屋で買った。
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