給料日前で逆さに振っても屁も出ないところ、友人からチケットをいただいて夜の部のみ観覧。
待ち合わせの為、早めに現地へ行ったのだけれど、マチネが押しに押していたため、なんだかんだで殆どの出演者の歌は聞こえた。
マチネのみの出演だった中では、トーキョーチアチアパーティが好印象。 Aellの「エコロジーモンキーズ」の気持ち悪いミニマル加減に怖気が走る。 現代の踊り念仏。
終演も押しに押したので、二部の開場も30分遅れ。 一緒に開場を待っていた友人がポツリ。
「久し振りに『歌姫時間』と言う言葉を思い出しました。」
時間通り始まる訳ゃ無いと私は思っていたし、そう思っていた人も多かったようで、時間通りにオープニングアクトのアイドルカレッジが出てきたときには実にどうも驚いた。
物販列に居た連中をはじめとして、会場に居た客の多くが対応できずにいるうちに、一曲演って「灰さやうなら」で引っ込んでしまった。
小桃音まい
好き嫌いはあると思うが、芸としてちゃんとしている。 伊達や酔狂で年に300本からライブをやってない。
ダンスではなく、振り付けの動きなのだけれど、隙が無い。 客の民族大移動は固定座席のハコでは些か迷惑なのだけれど、まぁご愛嬌。
CDの予約販売の告知をする際、「買ってください」ではなく、「物販コーナーに"遊びに来て"ください」という婉曲な表現だったのにも好感が持てた。
制服向上委員会
整列して行進しながら歌う古典芸能。 落語に譬えると、落語協会ではなく落語芸術協会の薫り。 「てれすこ」のクスグリで、未だに森永砒素ミルク事件の根多が出て来る笑三師匠の高座を思い出した。 一種に見ていた友人曰く「時代というより世紀が違いますね」。
「テレビにさようなら」と「清く正しく美しく」が並んでも、どっちが昔の曲なのか知らない人にはわからないだろうと思う。
「テレビにさようなら」はオケのバランスが悪く、肝心の歌詞が聞き取れず。 政治的な内容を論われる事も多いが、内容としてはごくごく当たり前の事しか言っていない。 その「当たり前」が当たり前として通らない世の中のほうがおかしい。
ski:「今回の地震で判った事は、政府の対応は遅いと言う事です。」
客:「そのとーり」「よーし」
ski「脱原発!脱原発!!脱原発!!!、脱AKB!!」
客:「異議ナシ!!!!」
実に楽しい。
バニラビーンズ
多重録音で作った凝った出囃子に乗り、こどものバックダンサー「こどもビーンズ」をキノコ外ハネ各二人ずつ連れて登場。 こどもに沸く会場。
「ニコラ」一曲でこどもは引っ込んでしまい、客は騒然。 そこここで「こども行かないで〜」。 まったく、腐っている(良い意味で)。
持ち歌のほかに、ピチカートファイブのカバーを昼夜で一曲ずつ。 マチネは「baby portable rock」だったのだけれど、ソワレはほぼ七時に「東京は夜の七時」を演ると言う、粋な演出。 野宮真貴のねっとりしたのと違って、サラリとした歌い方。
オケはオリジナルだと思うのだけれど、よく通る音。 中音域がスッコ抜ける野音の音響特性に合わせたのではないかと、友人は話していた。
選曲も演出も練りに練って攻めた構成。 送り手の本気を見た。
<つづく>