未来(a.k.a 石田未来)のインストアライブがあると聞いて銀座。 ガラス張りで且つ各駅停車のエレベーターに戸惑いつつ3階へ。
スクリーンになっている壁と階段状の客席が向かい合うミニシアターのような造りで、客は石田姓当時からの人が多かったのではないかと思う。 5割ほどの入り。
7時を回って店の人の前説から開演。 まずは TAURUS BONEHEAD の二人が出てきて一曲、そして未来を呼び込んで曲の説明などを交えつつ4曲。 正味30分程度のミニライブ。
先日23歳になったと言う未来は23歳なりの容貌と服装で、往時の凄みこそ薄れたが歳相応の可愛らしさはあった。
曲は良く言えば爽やか、正直に書くと耳に引っ掛からない。
後ろの二人が腕っこきなのと、気心が知れていて息が合っているのとで、曲の好みはともかくとしてライブとしての出来は良かった。
アイドルのアイドル後の人生のひとつの答えとして、やりたい事を見つけて、それを出来る範囲で無理せず形にして行く未来の音楽活動は、最適解かどうかはさておき、幸せな答えであることは間違いない。
活動拠点が地元である名古屋と言うことで、なかなか見る機会もなかろうとは思うが、こうした気軽に足を運べるライブがあれば、また行って見ようと思う。
辺鄙な場所にあるショッピングモールのイベントスペースでのミニライブ。 場所が場所なのでアイドルとは無縁の友人に頼み込んで車を出してもらい観覧。
開演30分前くらいに現地に着くと、ステージ前にはブルーシートが敷かれており、後方に椅子席。 どちらも既に八割がた埋まっていたが、知己の隣が空いていたので潜り込む。
ブルーシートの桟敷には、大きなお友達と小さなお友達と家族連れ。 椅子席には大きなお友達と年齢層高めの買い物客。 客席の半分以上は地元の買い物客で埋まっていたのではないかと思う。
avex はこう言ったショッピングモールでイベントを打つ意味を正しく理解しているので、買い物客への周知にも余念がなく、また会場でもより多くの人が快適に見られるよう、気を配ってもいた。
椅子に荷物を置いたまま席を離れて戻らない無作法なアイドル客を角が立たない形で牽制し、嗜めつつ、放置された荷物をスタッフが預かるかたちで席を地元の客に回したり、そつの無い運営。
前述の通り、若者や親子連れだけでなく比較的高齢の買い物客も足を止めており、感心しながら観ていたのが印象に残った。
既に八割がた埋まったところで、開演前にリハーサル。 これで更に客を集めて、散らないうちに本番を始める流れも上手かった。
正味30分ほどのミニライブだが、その前にみっちりリハーサルをやることでイベントにも厚みが出ていたし、立ち位置や振り付けの確認を入念にやっている事を目にした地元の人の反応も良好。
「東京女子流」と言うのが今日初めて聞いた名前だったとしても、ここで与えた良い印象が、彼女らをテレビや雑誌で目にして繋がったときにプラスに働くのは間違いない。
私の近くで1部も2部も観ていた老夫婦は、リハーサルを見ては「おぉ、練習しとる」「えらいねぇ」。 激しいダンスを見ては「すんごいねぇ」。 小西彩乃のソロパートを聴いては「んまいねぇ」と一々感心していた。
その場でCDを買ったり迄はしなかったようだけれど、確実に心には響いていたと思う。
「目当て」の客を囲い込んで収奪することに血道を上げがちな昨今のアイドル業界ではあるが、「目当て」では無い層にも響くイベントが増えれば、アイドルというものの裾野も間口も広がるのではないかと思う。
温かい、良いイベントであった。
ちょっと下妻の人間バカにしすぎではないですか?