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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2011-12-18 克己心と快楽主義 [長年日記]

_ MARIKO magazine

篠田麻里子責任編集のファッション誌の体裁で作られたムック。 ファッションに関しては全くの不調法なので(ファッショは得意科目なのだけれど)、私にとっては興味の無い部分もよく判らない部分もあったが、全体的に面白く拝見。
私の美意識に照らすと「なんだこりゃ」な写真も散見されるが、それを差っ引いても980円払うだけの価値はある一冊。

先ず、表紙をめくると目に飛び込んでくるエッフェル塔を借景にした写真に唸る。 ファッション写真の文法に則って服そのものを見せつつ、「篠田麻里子が着ている」ことも判らせる写真。

ロンドンロケの部分は41~42ページ辺りの不可解なピンボケ写真を除けば概ね面白く、30~31ページの見開き、37ページのガラス越しのカット、41ページのバストアップのカットなどは見応えが有る。

86ページからの、オードリー・ヘプバーン出演作の衣装をアレンジした写真も良い。
映画そのままではなく、篠田が着て映えるようにアレンジを加え、シンプルなグレーバックで撮っているのだけれど、きっちりした仕事。

終盤のインタビューは内容も濃いが写真も良い。 一冊の中から一枚選べと言われたら、137ページの机に凭れたようなカット。 これは私の理想のポートレートに近い。

それで〆ずにカレーレシピとお奨めのお店紹介で4ページ、占いで2ページ。

集英社に近いからか、お奨めのお店は4軒中2軒が神保町なのだけれど、共栄堂でもキッチン南海でも(ましてや「まんてん」でも)なく、ボンディとペルソナであるところに、我々と篠田の間に横たわる暗くて深い川があるのだと思う。
三食カレーでも良いと言う篠田が紹介するカレーのレシピも、食べると健康でいられそうな克己心と快楽主義のバランスの上にあるもので、このあたりに私が篠田を好きだけれど嫌いで、嫌いだけれど好きな理由の一つが有るのではないかと思う。

念の為書いておくが、この本の中で篠田の仕事について貶すところは一つも無い。
本としての出来も非常に良く、似たような体裁でも、大駄作のやっつけ仕事であった「わがままガールフレンド」(汚点と言ってもよいだろう)と較べると、格段に良心的な作り。
末永く書架に置きたい一冊。

_ 第76回 浅草早朝寄席

「山号寺号」錦魚
「藪医者」談奈
「物真似漫談」名和美代児
(略)
「三年目」錦魚

根多出しで「時そば」だった談奈さんは間に合わなかったそうで、「藪医者」。 笑いどころの多い「時そば」よりも、「藪医者」のような笑いどころの少ないどうでも良い下らない噺を淡々と演る談奈さんが私は見たい。
名和美代児先生は素人寄席の思い出から懐かしい師匠連の声色。 「何を喋ってるのか判らない志ん生の真似」は流石であった。


「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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