落ち着いて見たかったので、開場する時間に合わせて駿河台下の神保町画廊へ。
既に先客はおり、何やら語らいながらじっくり見ていた。
確かに考えさせれれるし、語りたくもなる。
小さめだが揃いの白い額に装丁されたプリントが25点、同じようにチェキを額装(昆虫標本のようになっている)ものが5点。
身長165cmの私の目の高さより若干低めに飾られており、平均身長に近い女子だと、丁度見やすそうな高さ。
額と額との間隔も含め、広くは無いスペースと見せたいものの数と見易さのバランスに腐心した跡が見られる。
裸体と言ってもさまざまな状態に在り、何も着ていなかったり、下着のみだったり、何も着ていないようでいてよくよく見るとそうではなく。
魂魄が肉体を纏い、更にその肉体が光であったり影であったり、水であったり空気であったり、はたまた衣服であったりを纏ったり纏わなかったりするさまが、写真と言う形で紙に描かれている。
桜色に上気していたり、寒さでか白くキュッと締まっていたり、水に濡れていたり乾いていたり。 撮った状況や被写体の状態によって、肌も表情を変える。
変わらないのは、手を触れたら吸い付きそうな、白く薄くしなやかな皮膚。
喜怒哀楽がはっきりとは表れない、如何様にも解釈できる顔貌。
「裸体というドレス」と言う概念が感覚的に解ってくる写真たちであった。