前座勉強会なのだけれど、ゲストが琴調先生。 客の出足は読めないが入れない事も無かろうと何時も通りに家を出て、何時も通り軽く手繰ってから福徳稲荷に額づき、のんびり歩いて日本橋亭へ。
開演時間まではまだ少しあったが、既に20人から並んでいた。
「熊田甚五兵衛」田辺いちか
前に聴いた時は半ばまでだったが、通して演っていた。
途中で絶句してとっちらかったりもしたが、持ち直して最後まで。
口調も声も悪くないので、あとは場数であろう。
「三方ヶ原軍記 五色備」神田みのり
修羅場読みである。 客の前で演らない事には 身になっていかないので出来不出来は兎も角、こうした場があるのは良い。
リズムも抑揚も些か単調ではあったが、先ずは読めてからの話。
「中村仲蔵」宝井琴調
前座時代、三方ヶ原軍記の稽古をする場所に困って開場前の本牧亭で浚っていたら前進座の面々が見学に来てしまった思い出から話に入る。
張り扇をパタリと鳴らして場面転換、会話と地の文を行き来。 聴く方が前のめりになってくると軽く入れ事をして空気を入れる。 程が良い。
言葉が綺麗。 仲蔵が蕎麦屋で出っ食わす御家人の江戸言葉が、実にらしくあった。
タワーレコード錦糸町店の十周年を記念したイベントウィークの最後に里咲りさ。
例によって仕込みから進行から特典会まで、全部ひとりでやる里咲。 勿論歌もうたう。
リハーサルの最中も間繋ぎに喋っているくらいで、歌っているか喋っているかなのだけれど、黙っているときは黙っているときで何かしら考えている。 企んでいるて言った方がより正確だろうか。
ポケットに隠しているのが別れの気配ではないことを祈りたい。
機材の扱いであるとか、拙いところはまだまだあるのだけれど、客の転がし方は実に上手い。
無手勝流で出たとこ勝負のイベントも、顧客満足度は高い。
なんだか良く分からないまま足を運んでも、なんだかんだで楽しめることは私が保証する。
その他の写真はこちらに。
里咲りさ
ペンタックスK10D
ノボフレックス ノフレクサー240mm/f4.5
iso=800 1/100s f5.6 -1補正