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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2016-12-11 写真展廻し [長年日記]

_ Noriko Sakai 30th Anniversary Concert ~熊本地震復興支援写真展~

夕方から tokyoarts gallery へ。
先日、大和田良ゼミ第6期修了制作展を見に行った際に教えていただいた写真展。
最終日の終了間際だったがとりあへず寄ってみたら、思った以上に良かった。
空いている時間帯に来て、じっくり見るべきだった。

大和田良によって撮影された、酒井法子の30周年コンサートの模様。
上から降り注ぐ照明の光、場内の熱気。 演者だけでなく、観客やスタッフを含めたコンサート全体の雰囲気、空気を写真に閉じ込めている。
演者に寄って撮ったものもあるが、引いた構図が実に良い。

酒井法子も、薹は立ってきているものの節目のコンサートとあって流石に仕上げては来ており、きっちり「舞台の上に立つ人」としての威厳が現れていた。
大和田良の上手さはその「薹が立った」部分を糊塗せず、年相応の美しさとして写真にしているところ。 客席も写ってはいるのだけれど晒す感じではなく、コンサートの一部として扱っている。
移動の自由、撮影の自由を与えられていたからこその写真だとは思うが、唸らされた。

_ 月刊槙田紗子×魚住誠一写真展

下北沢のバロンデッセギャラリーで開かれている、クラウドファウンディングで資金を調達して行われたもの。

昭和の雑居ビルの三階部分。 天井が低いので照明に俯角を付けられず、一寸見づらいのだけれど、そこは建物自体の雰囲気と相殺。

良くも悪くも魚住誠一と言う感じ。 構図も角度も突き詰めない撮り方。 緊張を強いないので表情そのものは柔らかく、諧調も豊かだが、どの角度から撮れば映えるかについての試行錯誤はないので写真そのものは単調。
単調な写真をズラリ並べた、弾幕を張ったような写真展。 それでも良い人は多いようで、私以外の皆さんは楽しそうに見ていた。

クラウドファウンディングで資金を募って沖縄ロケをしつつ、水着の上にTシャツ一枚着る以上の露出はしない槙田紗子の筋の通し方には感心した。

_ 金利健司写真展 ムーニー劇場~切った女と切られたかった男~

下北沢から神保町へ移動。 閉廊間際に神保町画廊に駆け込む。

阿部定事件と津山事件をモチーフにした連作。 カメラマンやらモデルやら、身の回りの友人知人を集めてそれらしい恰好をさせ、それらしい場面を組み立てて絵を作り込む。
衣装から小道具からロケーションまで、凝る部分は凝っているのだけれど、それ以上どうしようもない部分への割り切りもさっぱりしており、程が良い。
髪型や化粧は現代人のだけれど、「それらしく」見えてしまう匙加減の妙。
猥雑であり、陰惨でもあるのだけれど、思わず笑ってしまうような滑稽味。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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