乃木坂46から選り抜きで4人。 「至高の美少女カルテット」て銘打って巻頭から巻末までぶち抜き25ページ。
西野七瀬
表紙と巻頭7ページ38カット(うち27カットは過去に撮影された分をコラージュ的に小さく)、撮影はTakeo Dec.
白ホリで白ワンピース、これまでに撮られた写真の夥しい数のプリントを床に散乱させた上に黄色のTシャツで座らせたり寝そべらせたりと2パターン。
これまでのグラビアを振り返りつつシンプルに。
西野七瀬の魅力は負圧を帯びたものだと私は考えるのだけれど、素でカメラと向き合うだけで表情に愁いを帯びるその特質をよく捉えており、笑顔と組み合わせることで「負圧の陥穽」に誘導される。
若月佑美
巻中4ページ7カット、撮影は桑島智輝。
画面内を様々な直線が走るのだけれど、水平垂直から自由でありつつ、見る側の平衡感覚に違和感を与えない。
これは被写体が屈んでいたり、首を傾げていたり、そもそも水平も垂直も無いと言う事でもあるのだけれど、被写体と撮影者の撮り撮られる呼吸が合っているため、其処に惹き込まれるのではないか。
そんなことを考えた。
与田祐希
巻末5ページ11カット、撮影は細居幸次郎。乃木坂も三期はまだスケジュールにゆとりがあるのか、山奥の木造校舎でのロケ。
五月の頭の発売とは言え、桜の花を花入れに活けたり手にしたりしている事から考えて、それなりに遠くまで行ったのだと思う。
乃木坂特有の閉塞感、何をどうすれば現状を変えられるのか分からない絶望のような物を未だ知らないが故の無邪気さがそこかしこに。
スーフィーの旋舞のようにワンピースの裾を翻すカット。
階段の下から見上げるように撮っているのだけれど、膝頭が覗くか覗かないかくらいの角度に止め、透けそうで透けないのも良い。
曇天の光を柔らかく廻すことで、晩春の山間部の空気の湿り気まで伝わる。
齋藤飛鳥
8ページ8カット、撮影は細居幸次郎。
袋綴じのオマケ写真集なのだけれど、横長に開く凝った造りに、写真集企画を他社に持って行かれた悔しさが滲むようにも感じられる。
見開きごとに衣装3パターン、暗めの屋内7カット、最後に屋外で1カット。
閉鎖空間での濃密な空気感のあとに晴天の屋外を持ってくる配置も良い。
屋内あっての屋外。
他社から出た写真集も良い出来だったとは思うが、齋藤飛鳥ならではの、肉感由来の物とは別趣の色香を引き出し得ているヤングジャンプの手による写真集も見てみたかった。