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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2017-07-18 月曜日のSUNDAY GIRLS [長年日記]

_ SUNDAY GIRLS 5(2017.07.17 神保町試聴室)

振替休日の月曜だが SUNDAY GIRLS 、早くもと言うか漸くと言うか5回目の開催。
「神保町試聴室」だが住所としては西神田3丁目。 神保町駅からも九段下駅からも水道橋駅からも、等しく遠い。
周囲は学校とオフィスビルなので、休日の午後は人影もまばら。

例によって10分ほど遅れて開場。 西日にたっぷり焙られたあとのビールが沁みる。
次のライブがあって出演後に移動するSAKA-SAMAが前物販。 お祭りムード。
前物販が終了し、BGMの音量が上がって下がってフェードアウトして開演。

姫乃たま
訳知りの演者と訳知りの客。 確信犯同士のの腹の探り合い。
良く出来た予定調和の中で進行するライブ。
韜晦なのか前面には出さないが、丁寧に作り込まれた楽曲も良い。

SAKA-SAMA
何とも形容しがたい奇天烈な曲。
仕掛ける大人の趣味嗜好が出た楽曲だが自由に歌い踊っており、実に愉しそう。
やらされてる感が無いのは良い。
戸惑いつつ見始め、あっけにとられているうちに終わった。

宗像明将×関美彦×姫乃たま(鼎談)
宗像明将はリリースイベント週が終わると精神状態が悪くなるとの事で、不機嫌だが饒舌な状態で始まった。
「Stereo Tokyo はっきり解散しないままサイト削除」な話など、昨今の宗像の「不愉快の種」についてひとしきり。
関美彦が制服向上委員会に楽曲提供(初のアイドルへの提供曲が制服と言う修羅の道 )したことを発表するも、宗像が話の腰を折って終了。
(※ちなみに作詞はサンダル高橋。)

宗像明将がサンダル高橋の政治的言動について腐していたが、あんなのは所詮ファッションでやっているにすぎないので、政治でも何でもない。
そもそもサンダル高橋に人の道を説く資格なぞ無い訳で、真に受けてはいけない。
宗像は「知っている事」について語っている時は放言でも聞き流せるが、したり顔で知りもしない昔のことを語り出すのはいただけない。
ボロしか出ないのだから止めた方が良い。

小林清美
様々なアイドルに提供した楽曲をセルフカバー。
アイドル的な振る舞いをしながら歌う事に味を占めたらしく、楽し気に客を煽る。 ひとしきりそんな感じで歌った後、ピアノ弾き語りに移行。

「さよなら惑星」に感服。 Peach sugar snowの儚げな歌声とは打って変わって、力強いピアノと毅然とした歌唱。
別趣の物になっていたが、これがまた良かった。

作文と化してしまった歌詞が蔓延る昨今であるが、小林清美の書くそれは、解釈と想像の余地を残した詞であり、詩である。
歌い手が変わり、解釈が変わるとまた別の意味を持ってくる。

Mi-Ⅱ
「Mi-Ⅱ?」と思ったら曲が始まって石田彰プロデュースの富士山麓アイドルであったことを知る。 歌って踊っての部分がしっかりしていて更に驚く。
間繋ぎのお喋りでは、近況として「自校(※自動車教習所の意)に通っている」てな感じで、じつに牧歌的。
曲が始まると鋭く激しく踊ってしっかり歌う。 もっと緩い感じのものだと思っていたので意外だったが、感心しつつ堪能。

ユメトコスメ
ユメトコスメはサポートバイオリンを加えた3人編成。
こともなげにやっているが恐ろしい技巧。 長谷泰宏のピアノが、いつもながら洒落乙で華やか。
長谷泰宏はピアノを弾く姿も実に絵になるのだけれど、今回は下手に座れなかったので撮れていない。 優しくも強くも弾けるのだけれど、タッチが柔らかいので耳への辺りは穏やか。 そして要所々々でグリッサンド奏法、これが良い。
譜面台を二個並べて長大な楽譜と向き合うユメトコスメサポートバイオリニストの田中氏。
ポロシャツに半ズボンと言う夏休みの少年のような出で立ちでいて腕っこき。

やさしくせつない歌声。 華やかで明るいピアノ。 的確に音を刻み耳をくすぐるバイオリン。
何も考えたくなくなり、何も考えなくて良い。 ユメトコスメの音楽にひたる至福のひととき。

南波志帆
出囃子代わりに The Cardigans の "Lovefool" を流し、口ずさむような口ずさまないような感じで、何やら良い香りを漂わせつつフワリと登場。
得も言われぬ良い香りを纏い、歌えば場を支配し、語れば相手を手玉に取る。 そして舞台からの「圧」が桁違い。
徳が高い。

後半はユメトコスメの長谷泰宏を呼び込み、ピアノ伴奏で。
モニタースピーカーからの返しが弱くて音がとり辛かったらしく、ミキサーとやり取りをしつつ歌っていたのを見ていての対応だと思うが、いつもより強めの大きな音で弾いており、南波志帆も歌いやすそうだった。

音数が多く、諧調が豊かで、演奏として聴き応えのあるものでありつつ、伴奏としても機能している。
南波志帆は「世界の長谷」と執拗に持ち上げていたが、そう言わせるだけのことは有る至芸。

外はうだるような暑さ、中も冷房は機能していつつも静かな熱気に満ちていた。
SUNDAYGIRLSは関美彦の顔付けが素晴らしい。 目と耳の肥えた音楽家が「見たい」「聴きたい人」を呼ぶシステムだからハズレが無い。
そして呼ばれた人と呼ばれた人が繋がり、其処此処で新たな化学反応。

_ 臆面

Mi-Ⅱの出番が終わり、目当てで来ていた客が物販に行って空いた最前列の席に、南波志帆目当ての客が移動してきたのだけれど、ユメトコスメの出番中にずっと携帯と睨めっこでLINEをやっている。
で、南波志帆の出番後半にゲストピアニストで長谷泰宏(ユメトコスメ)が登場すると、臆面もなく拍手で迎える。

天知る地知るどころではなく、客からも演者からも可視化されている状態でこの振る舞い。
「人と人との繋り」に鈍感な人と言うのがコアな客の中に居たのに驚いた。
どの面提げて物販に行くのだろう。

_ 聴けない客

昨日気になったのは、なんと言うか「聴けない客」。
聴くと言う行為に集中できない客が、隙あらば手拍子を入れてくる。 それも繰り返しの部分が表になったり裏になったり。
長谷泰宏の伴奏を超えた伴奏と、さらに挑発するような南波志帆の歌声。 スリリングな駆け引きが行われているのに、聴けない。
「手拍子=盛り上がっている」と言う短絡的発想。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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