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墨田ペトリ堂の身辺雜記 「二面楚歌」


ペトリあんてな
二面楚歌 断章
二面楚歌 グラビアレビュー備忘録
寒空文庫(仮)
写真日記二面楚歌 隠居所
petri's fotolife
酒田へ行きたい
ザ・インタビューズ

投票などするな!

投票行為は君たちの人間性の否定なのだ。
投票を依頼してくる連中など無視せよ。
連中は諸君の敵だ、連中は権力を握りたがっている。
すべての政治家はそれが共和派であれ、王党派であれ、
共産党であれ、われわれの敵だ、
投票用紙を破り捨てろ、
投票箱をぶち壊せ、
候補者だけでなく、選挙管理委員たちの頭もなぐり割れ。


1933年11月 CNT(Cofederacion Nacional del Trabajo)の声明より


2003-07-18 遠き道のり

_ 都内某所へ

明日の晩から酒田へ向けて旅立つので、置きっ放しにしていたカメラバッグを回収するため、仕事帰りに都内某所へ。
ついでにCDとポータブルCDプレイヤーも回収。 久しぶりにヘッドフォンで音楽を聴いた。

_ 晩餐

遅くなったので駅前の富士ランチで「本日のスペシャル」を食す。 「本日のスペシャル」は、何時行ってもチキンカツとハンバーグだったりするのだけれど、これが両方美味しい。 揚げたてのチキンカツに醤油を垂らすと「ジュー」っと音をたてながら芳ばしい香りが立ち上る。 塩・胡椒・香辛料を加えてよく練ってあるハンバーグのタネは焼く直前に捏ねなおして整形してからフライパンへ。 煮込み系のハンバーグよりもステーキ然としたこう言う物の方が私は好きだ。 下に敷いたキャベツは、空いた時間に刻み足している。 水に晒していないからちゃんとキャベツの味がする。 しなっとした奴を残ったデミグラスソースに絡めて喰うと旨さもひとしお。
隣のカップルが二人で生姜焼きを食べていたのだけれど、これもまた旨そうだった。 ロースの肉塊から5mmくらいの厚さに切り分けたのを筋切り・整形して3枚で一人前。 これを生姜醤油のタレに絡めてからフライパンで焼くのだけれど、実に旨そう。
ここで飯を食ってから松屋の前を通ると、いつも混んでいる。 これがよく判らない。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

# 墨田ペトリ堂 [SHIP僕ピンフォトコンテスト。なんと「特選」になっちまいました。洒落になりません。]

# かりん [レフ持ちさせてください、笑]

# ZERO−ONE [おめでとうございますm(__)m]

# 果歩 [師匠、おめでとー]


2004-07-18 食い物に始まって終る日記

_ 涙の出る朝食

朝食はこばひろ家自家生産のコシヒカリの銀舎利と車麩と若布の味噌汁、それにおかずが沢山。
きらきら光って見た目にも美しいご飯は文字通りの「銀舎利」で、口に入れると米の良い香りが鼻に抜け、舌触りもよく、噛むと甘みと旨みが口に広がる。 菜園からもぎたてのキュウリを紫蘇味噌でいただいたが、これがまたキュウリの匂いのするキュウリで、実に旨い。
ごちそうさまでした。

_ 酒田へ

海沿いの道を北上。 渡る川渡る川すべて濁流。 沖合いまで泥水。 道まで波しぶきが飛んでくる。 無理して夜中に移動しなくて良かった。
通行止めや渋滞にも遭遇せず、11時過ぎに酒田着。

_ 今月も寿司を食う

清水屋の横合いの寿司屋「しばらく」へ。 今月は諸事情で酒が呑めないのでいつもより高いコースを注文。
カワマスのヅケと生のシャコ、地物のマグロの中トロ、ノドグロやアラ。 今月も旨いものを食べる事が出来た。
カワマスのヅケは、脂ののった身に醤油が染みたのが口の中でトロリととろける。 ヅケにして旨いのはカワマスの他には鯛とマグロ。 マグロはヅケにする時は皮付きの方が旨いのだそうだ。
生のシャコってのは初めて食べたが、海老とはた違う感じの舌触りと口どけ、これも旨かった。
あとはこの辺りの固有種のオキニシ貝。 これも噛めば噛むほど磯の香りが口の中に広がる。 来月は酒も飲みたい。

_ 一仕事

寿司を喰った後に一仕事。 胃が痛くなる。

_ もう一仕事

ライブで4人で写っているモノクロの写真が欲しいと言う事で、特別に最前に入れていただいて撮影。 途中でレンズが一本壊れた。 20mmと35mmの中間のレンズの必要を痛感。 距離を測り損ねた、28mmで丁度だった。

_ フォトコンテスト結果発表

それぞれのメンバーの必死系の客が特選に決まった。 私はれっぴいで佳作に引っ掛かった。
なんとなく肩の荷が下りた気分。

_ 買い物に奔走

地元SHIP客 五番 さんのご好意で酒田駅まで車で連れて行ってもらい、運行状況を確認したところ、羽越線と上越新幹線は動いていたので指定券を取ってから一旦市内へ帰還。 ト一屋で本日限定発売の「SHIP味噌汁の友」を一箱、いつも買っている東根市のみうら食品のとろろ蕎麦と天童の後藤製麺工場の「梅印高級うどん」を棚に有った分を根こそぎ、鶴岡市すがわら製麺の「日本海とびうおのだしつゆ」2本を購入。
となりの杉山麹店で味噌1キロ。 清水屋の食品コーナーの平田牧場で「しゃぶ巻きチーズカツ」と「やわらかポークカツ」、うめばちで「SHIP小にぎり弁当」と「豆ごはん」。
木村屋で調理パンと「明太マヨネーズラスク」。 さいとう精肉店で鶏の唐揚げとレバーの唐揚げをそれぞれ購入。
途中でケルンに寄ってコーヒーチケットの残量を確認したら残り一枚だったので、更新。 残った一枚で水出しのアイスコーヒーをいただく。 薫り高くこれも実に旨い。
ジェラートのモアレさんと仏壇のさとうさんには行っている時間が無かった。 また来月。

_ しかし

「こんなに必死になって何をやっているのだろう」と帰って来てから思う。

_ 酒呑んで寝るのも旅

いなほに乗り込んですぐ弁当を腹に収め、ビールを開けて晩酌。 さいとう精肉店のレバーの唐揚げはレバー臭さは無いのにレバーの旨みは有って、実にビールに合う。 これだけでも帰りのつまみ+土産として充分足りるので、来月からはこれも買って帰ることにする。

_ 帰宅

流石に疲れたが、こばひろ邸に泊めて貰って熟睡したお蔭でなんとか連休は乗り切れそうだ。 重ねて御礼申し上げる。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

# こばひろ [お疲れ様でした(^_^) コシヒカリいつも食べているのでありがたみを実感しないのですが、 朝食喜んでいただけたようで..]


2009-07-18

_ ブログ考 4

現役よりOGのブログの方が、私には面白い。
これは日々の断片を積み上げたブログより、日記に近い書き方をしているからだと思う。

_ 駒谷仁美 ひよこのひいちゃん

コンスタントに更新していて、文章も写真も駒谷らしい味が出ている。
温度は低いが冷た過ぎず、読んでいて心地良い。
あの駒谷が、こんなにちゃんと文章を書けるとは思わなかった。

_ 戸島花 戸島花Yahoo!ファンクラブ

宵っ張りの戸島らしく、明け方の更新もある。
漢字を知らない訳ではないが、敢えて平仮名で書いたような文章なのも戸島らしいし、質問コーナーをやっても答えたくない質問はキッパリ拒否するのも戸島らしい。
兎に角、戸島らしさは出ている。

_ 星野みちる ちるちるの青い鳥ぶろぐ

精力的且つ脱力的に更新。
日めくり絵手紙のような日記。


2011-07-18 AKB48史上最悪の罰ゲーム

_ 週刊プレイボーイ 2011 No.29

Not yet
8ページ7カット、見開き1箇所。 撮影は今村敏彦。
作りこんで撮っていないので、大島あたりは顔に疲れが出ているカットも有るが、その分それぞれがそれぞれに「らしい」表情。
横山由依が変に構えずに素でカメラの前に立てるようになり、4人のバランスも良くなった。
セットや小道具を仕込んだ撮影に今村敏彦を使うのが的外れではあるが、写真そのものの出来は良い。

武井咲
写真集からの other cut で4ページ4カット、撮影は橋本雅司。
綺麗は綺麗なのだけれど、一本調子で面白みが無い。 橋本雅司にして撮りあぐねた感じ。

荻野可鈴
4ページ7カット、撮影は萩原和幸。
あまり上手くは行っていないが、様々な角度から素材の良さを引き出そうとした形跡は見られる。
写真の選択が悪く、1ページ使ったカットより、2ページ目に小さく使われたものの方が表情も構図も良い。
カメラマンが編集者の審美眼の無さに足を引っ張られている。
荻野可鈴も慣れが悪い方向に働きつつあるように思える。 それをなんとかするのがカメラマンの腕である訳で、その辺りが物足りないグラビアではあった。

川村ゆきえ
写真集から4ページ6カット、撮影は西田幸樹。
1ページ目と3ページ目、特に3ページ目の横からのカットが上手い。
過不足無い光と厳密な構図での一枚、匠の技。
川村ゆきえも撮られ慣れ過ぎて新鮮味に欠けるところがあるが、まだ開いていない引き出しも有る。 それをこじ開けるのが、カメラマンの腕。

篠崎愛
7ページ9カット、見開き1箇所。 撮影は西條彰仁。
童顔の篠崎愛を、なんとか大人っぽく撮るべく秘術を尽くしたグラビア。
3ページ目と6ページ目上段の木漏れ日を使ったカットが巧い。
真正面から撮らないことで、丸顔から来る子供っぽさに打ち消されがちな「大人」の部分を引き出している。

吉井怜
写真集からの other cut で6ページ7カット、撮影は橋本雅司。
こちらは橋本雅司らしい写真。
これはモデルのカメラに対する向き合い方の違いから来るものてはないかと思う。 撮り甲斐の有無で、写真の出来も変わってくる。

総評
前号の出来が酷かったので買わずに済まそうと思ったが、立ち読みしてみたら予想に反して出来が良かったので購入。
撮り下ろしは少なめだが、無理に撮り下ろして質を下げるよりは良い。

_ 週刊プレイボーイ2011 No.30

板野友美
7ページ6カット、見開き1箇所。 撮影は渡辺達生。
板野友美のグラビアとしては最低に近い出来。 もっとも板野友美そのものはカット毎に表情を変えてきっちり仕事はしているので、出来の悪さはカメラマンと編集者に係る部分。
2nd シングルの発売に合わせての巻頭グラビアなのだと思うが、さながらダメージキャンペーン。

光が強すぎて肌は白っ飛びしてのっぺりした質感、あまり眩しげな表情をしない板野友美であるが、下瞼が上がってしまっている。
人はモノではないので、光が強すぎれば表情も硬くなる。 そして質感の表現にも失敗していると言う事は、ブツ撮りとしても落第。
巻頭に値しない仕事、板野友美の無駄使い。

剛力彩芽
5ページ5カット、撮影は橋本雅司。
80年代っぽいメイクと構図、これが癖の有る顔立ちの剛力彩芽には合っている。
写真の選択や配置も最適解に近いのではないだろうか。
好みではないが、良く出来たグラビア。

佐山彩香
5ページ8カット、撮影は薮下剛士。
単調な表情の続く、退屈な8カット。
身体を見せるグラビアとして見れば、及第点ではある。

小林さり
3ページ7カット、撮影は井ノ本浩二。
何をどう生かして撮りたいのか判らない写真。 綺麗々々に撮るでもなく、下衆な視点でもなく、些か中途半端。
手馴れた感じの表情もいただけない。

梅宮万紗子
7ページ9カット、見開き1箇所。 撮影は西田幸樹。
例によって例の如く、見えそうで見えない(見せない)グラビア。
熟れた無花果を手掴みで婪り食わせるベタな演出は興醒めだが、全体を通して綺麗に撮れてはいる。

菊地あやか
借金のカタに売り飛ばされて脱がされたかのような、陰惨なグラビア。  尾木プロは全カット没にすべきであった。
ポージング、ライティング、構図、全てが菊地あやかの良さを消す方向に働いている。
「おさわがせしてごめんなさい」とキャプションが被せられているが、読者に謝罪すべきは巻頭にアイスの実の広告をグラビアと偽って載せたプレイボーイ編集部である。
厚顔無恥、ここに極まれり。

2014-07-18 媚薬系

_ Dorothy Little Happy 「sky traveler」リリースイベント(7/18 サンストリート亀戸 マーケット広場)

仕事を遣り繰りしてサンストリートへ。 18:20過ぎに着くとベンチは既に埋まり、立ち見で二重三重の人垣。 早く来てベンチに座っている連中は比較的自由な服装。 立ち見はサラリーマン風の出で立ちが多い。

18:30頃からリハーサル。 一曲だけ浚う感じ。
結果が付いて来ているからだと思うが、ステップワンも漸く"東京"と言う場に対して肩の力が抜けてきた。

スタッフからの諸注意のあと、ライブスタート。 短めの自己紹介と告知を挟みつつ、既存曲から3曲、新しいシングルから3曲。 みっちり30分。

新曲の衣装はまた形容しがたい形状で、前から見るとコートのようでありつつセーラーカラーの付いた淡いピンクのワンピース。 立っていると身体の線にぴたりと合っているが、プリーツは深く取ってあって、クルリと回るとフワリと広がる。
カチューシャなのかカチュームなのかヘアバンドなのか、遠目からは判然としないが、同じ素材でそれぞれ違うデザインの髪飾り。

5人それぞれに見せ場があり、聴かせどころもあるのだけれど、早坂香美が目を惹いた。 すーっと動いてぴたりと止まる、激しく動いても決して流れず、柔らかく静かに収束。

今度のシングルはタイトルチューンの "sky traveler" 、白戸佳奈が作詞を担当した "keep on tryin' " 、そして"恋の花火"。
昨秋に出た "ASIAN STONE" の頃から売り方が変わり、私は非常に好きなのだけれど、これで売れるのか些か不安でもある。 その極みが"恋の花火"。
バックバンドがバックバンドに徹しつつ、とても楽しそうに演奏しているオケも素晴らしいし、歌がそれに乗っかって更に楽しそうに伸び伸びと。
「渋谷系」のレッテルを貼られて怒った川勝正幸が「渋谷系じゃない、媚薬系だ」とライナーに書きそうな洒落乙なポップス。

こう言う曲を聴きたい層に上手く届いて、広く売れて欲しい。


2016-07-18 目の奥がひりひりするような感覚

_ 中悠紀写真展「AUTUMN LEAVES 2」

四谷四丁目のギャラリーニエプスへ。
2013年から2015年にかけてのパリを撮った、厳密に構図を切ったりピントを合わせたりする工程の無い種類の、構えたら撮る写真。

出合頭に撮られた被写体は怪訝そうな顔をしたり、不快感を顕わにしたりしていて、私には撮れない(撮ろうとも思っていない)種類の写真なのだけれど、生々しく瑞々しい、パリと言う都市の現代が切り取られている。

プジョーやルノーが走り、石造りの建物も並ぶ、紛うことなきパリなのだけれど、肌の色や服装からそれと分かる中東やアジア・アフリカの人々が当たり前のように暮らす街。
今のパリを今のパリとして切り取るには、この激しい撮り方が適しているのだと思う。

ひりひりした感覚を醒ますために、何時もより少し先のバス停まで歩いて帰宅。


2017-07-18 月曜日のSUNDAY GIRLS

_ SUNDAY GIRLS 5(2017.07.17 神保町試聴室)

振替休日の月曜だが SUNDAY GIRLS 、早くもと言うか漸くと言うか5回目の開催。
「神保町試聴室」だが住所としては西神田3丁目。 神保町駅からも九段下駅からも水道橋駅からも、等しく遠い。
周囲は学校とオフィスビルなので、休日の午後は人影もまばら。

例によって10分ほど遅れて開場。 西日にたっぷり焙られたあとのビールが沁みる。
次のライブがあって出演後に移動するSAKA-SAMAが前物販。 お祭りムード。
前物販が終了し、BGMの音量が上がって下がってフェードアウトして開演。

姫乃たま
訳知りの演者と訳知りの客。 確信犯同士のの腹の探り合い。
良く出来た予定調和の中で進行するライブ。
韜晦なのか前面には出さないが、丁寧に作り込まれた楽曲も良い。

SAKA-SAMA
何とも形容しがたい奇天烈な曲。
仕掛ける大人の趣味嗜好が出た楽曲だが自由に歌い踊っており、実に愉しそう。
やらされてる感が無いのは良い。
戸惑いつつ見始め、あっけにとられているうちに終わった。

宗像明将×関美彦×姫乃たま(鼎談)
宗像明将はリリースイベント週が終わると精神状態が悪くなるとの事で、不機嫌だが饒舌な状態で始まった。
「Stereo Tokyo はっきり解散しないままサイト削除」な話など、昨今の宗像の「不愉快の種」についてひとしきり。
関美彦が制服向上委員会に楽曲提供(初のアイドルへの提供曲が制服と言う修羅の道 )したことを発表するも、宗像が話の腰を折って終了。
(※ちなみに作詞はサンダル高橋。)

宗像明将がサンダル高橋の政治的言動について腐していたが、あんなのは所詮ファッションでやっているにすぎないので、政治でも何でもない。
そもそもサンダル高橋に人の道を説く資格なぞ無い訳で、真に受けてはいけない。
宗像は「知っている事」について語っている時は放言でも聞き流せるが、したり顔で知りもしない昔のことを語り出すのはいただけない。
ボロしか出ないのだから止めた方が良い。

小林清美
様々なアイドルに提供した楽曲をセルフカバー。
アイドル的な振る舞いをしながら歌う事に味を占めたらしく、楽し気に客を煽る。 ひとしきりそんな感じで歌った後、ピアノ弾き語りに移行。

「さよなら惑星」に感服。 Peach sugar snowの儚げな歌声とは打って変わって、力強いピアノと毅然とした歌唱。
別趣の物になっていたが、これがまた良かった。

作文と化してしまった歌詞が蔓延る昨今であるが、小林清美の書くそれは、解釈と想像の余地を残した詞であり、詩である。
歌い手が変わり、解釈が変わるとまた別の意味を持ってくる。

Mi-Ⅱ
「Mi-Ⅱ?」と思ったら曲が始まって石田彰プロデュースの富士山麓アイドルであったことを知る。 歌って踊っての部分がしっかりしていて更に驚く。
間繋ぎのお喋りでは、近況として「自校(※自動車教習所の意)に通っている」てな感じで、じつに牧歌的。
曲が始まると鋭く激しく踊ってしっかり歌う。 もっと緩い感じのものだと思っていたので意外だったが、感心しつつ堪能。

ユメトコスメ
ユメトコスメはサポートバイオリンを加えた3人編成。
こともなげにやっているが恐ろしい技巧。 長谷泰宏のピアノが、いつもながら洒落乙で華やか。
長谷泰宏はピアノを弾く姿も実に絵になるのだけれど、今回は下手に座れなかったので撮れていない。 優しくも強くも弾けるのだけれど、タッチが柔らかいので耳への辺りは穏やか。 そして要所々々でグリッサンド奏法、これが良い。
譜面台を二個並べて長大な楽譜と向き合うユメトコスメサポートバイオリニストの田中氏。
ポロシャツに半ズボンと言う夏休みの少年のような出で立ちでいて腕っこき。

やさしくせつない歌声。 華やかで明るいピアノ。 的確に音を刻み耳をくすぐるバイオリン。
何も考えたくなくなり、何も考えなくて良い。 ユメトコスメの音楽にひたる至福のひととき。

南波志帆
出囃子代わりに The Cardigans の "Lovefool" を流し、口ずさむような口ずさまないような感じで、何やら良い香りを漂わせつつフワリと登場。
得も言われぬ良い香りを纏い、歌えば場を支配し、語れば相手を手玉に取る。 そして舞台からの「圧」が桁違い。
徳が高い。

後半はユメトコスメの長谷泰宏を呼び込み、ピアノ伴奏で。
モニタースピーカーからの返しが弱くて音がとり辛かったらしく、ミキサーとやり取りをしつつ歌っていたのを見ていての対応だと思うが、いつもより強めの大きな音で弾いており、南波志帆も歌いやすそうだった。

音数が多く、諧調が豊かで、演奏として聴き応えのあるものでありつつ、伴奏としても機能している。
南波志帆は「世界の長谷」と執拗に持ち上げていたが、そう言わせるだけのことは有る至芸。

外はうだるような暑さ、中も冷房は機能していつつも静かな熱気に満ちていた。
SUNDAYGIRLSは関美彦の顔付けが素晴らしい。 目と耳の肥えた音楽家が「見たい」「聴きたい人」を呼ぶシステムだからハズレが無い。
そして呼ばれた人と呼ばれた人が繋がり、其処此処で新たな化学反応。

_ 臆面

Mi-Ⅱの出番が終わり、目当てで来ていた客が物販に行って空いた最前列の席に、南波志帆目当ての客が移動してきたのだけれど、ユメトコスメの出番中にずっと携帯と睨めっこでLINEをやっている。
で、南波志帆の出番後半にゲストピアニストで長谷泰宏(ユメトコスメ)が登場すると、臆面もなく拍手で迎える。

天知る地知るどころではなく、客からも演者からも可視化されている状態でこの振る舞い。
「人と人との繋り」に鈍感な人と言うのがコアな客の中に居たのに驚いた。
どの面提げて物販に行くのだろう。

_ 聴けない客

昨日気になったのは、なんと言うか「聴けない客」。
聴くと言う行為に集中できない客が、隙あらば手拍子を入れてくる。 それも繰り返しの部分が表になったり裏になったり。
長谷泰宏の伴奏を超えた伴奏と、さらに挑発するような南波志帆の歌声。 スリリングな駆け引きが行われているのに、聴けない。
「手拍子=盛り上がっている」と言う短絡的発想。



「按ずるに筆は一本也、箸は二本也。 衆寡敵せずと知るべし」
斎藤緑雨


文責:墨田ペトリ堂
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