バスを降りたところで車軸を流すような雨、駿河台下の交差点は機動隊に封鎖され、九段下方面に侵入しようとするエセ右翼の怒号が聞こえる中、神保町画廊へ。
先客は一人だけ。 静かに見ることが出来た。
撮影者としての七菜乃の写真展は三回目、自分以外の被写体を撮ったものとしては二回目になると思う。
表現の幅が拡がったと言うか、無限にあるイメージを写真として具現化する手札が殖えたと言うか。
加工はされているのだけれど、塗り絵にはならず、寧ろ抜ける物を抜いて素描に近づけたような感じ。
モデルはすべて女性の体をもつ人々。 うすものを羽織る程度で、ほぼ裸体。
群像は顔の判然としない写真、一人もしくは二人で写っているものは顔まで判る。
群像の写真が良い。
囁きは聞こえるが何を話しているのかは分からないような、静かな賑やかさ。
凝視せずに全体を見ると、構成する個々が浮き上がってくる。
カメラにしても技法にしても、イメージを形にする手段であり、手段が目的に忠実なので使う機材が何であっても、七菜乃の写真は七菜乃の写真で在り続ける。
柔らかいが芯は強い。
写真で出来る事は、まだまだある。
例によってCURATIONS出演部分のみ短評。
ハロープロジェクトは守備範囲外と言うか御宗旨が違うと言うか食い付けないと言うか、まぁむそんな感じで回避しようと考えていたのであるが、行こうと思っていた19日のライブが飛んでしまったのでそちらの予算を転用することにした。
一寸早めには並んだのであるが、大手のところのお客さんが輪を掛けて必死だったので三列目。
このあたりの箱のライブでは通常みられる出演者毎の客の入れ替わりとは別の文化の人々。
M1.チュッ!夏パ~ティ(橘 桐谷 春名
M2.ね?ぇ?(桐谷
M3.kiss me 愛してる(桐谷 春名
MC
M4.cha cha sing(全員
どうやったら盛り上がれるかに特化した選曲。
このあたりはハロープロジェクトに親炙と言うか惑溺と言うか、一家言ある桐谷の仕事だと思う。
2曲目の桐谷ソロ。
表情が最初から最後まで柔らかく、一心不乱になった時の凶相が出ない。
趣味とは言え歌詞も振り付けも身体に染み付いており、考えなくても動けるから、表情を作るゆとりもあったものと思われる。
持ち歌でもこれは出来る筈なので、今後に期待したい。
「kiss me 愛してる」は春名あかりが流石の安定感で桐谷を支えていた。
橘まきはトチりもあったが、可憐さと愛くるしさで帳消しに出来ている。
一色と月城は全体曲のみの出演だったが、この手のライブは頑張れる人が頑張ればよい。
それぞれの負担と役割と盛り上がりを勘案しての4曲だったと思う。
今やれることをやって、目の前の客を掴みに行く。
普段は5人でやっていますと言う印象も残せた。