市ヶ谷にあるレンタル暗室「カロタイプ」のワークショップ、中藤毅彦・元田敬三ゼミの終了展を見に、四ッ谷のギャラリーニエプスへ。
広さと参加人数との兼ね合いで、前半後半で出展者入れ替え。
先ずは前半の三組。
菊田淳「トーキョーJACK」
距離感近めのストリートスナップ。
水平垂直はその時々の構え方次第。 撮られる人とのコミュニケーションはとらず、出会い頭にぶつかって行く撮影手法。
それ故の生々しさはあった。
松尾幸枝「WORM HOLE」
俯瞰や遠景なども取り混ぜて、今ある東京の姿を寄ったり引いたりして切り取る感じ。
俯瞰の写真に面白さを感じた。
多田洋「PHANTOM」
建設・解体現場を中心に、建物の描く縦横斜めの線で画面構成。
解体中の建物から露わになった、骨格の描く一寸崩れた縦横斜めが生々しかった。
橋本有史「NEW IDENTITY」
ガラスなどで、一枚隔てた東京。
映り込みを利用して奥行きを出した写真が良い。
一歩引いた、醒めた感じの視線。
ガラス越しではありつつ映り込みはないものもあったが、ここは揃えた方が良かったように思う。
写真としては一番面白かった。
デジタル全盛の世の中で暗室に入ってプリントをしよう、増してやワークショップに参加して修了展まで開こうというのは生なかのやる気では無いと思うが、それにしても熱気の溢れた写真展だった。
粒感もあり、黒も締まったプリント。
意欲が溢れて盛り込みすぎるところなきにしもあらずだったが、初めから枯れてしまっているよりは良い。