撮影は原則禁止なので場所取りに血道を上げる必要もなく、現状では行けば確実に入れるので客の出足はのんびり。
開場前になると流石に混んでくる。
客の話を聞くともなく聞いていると「秋葉原で見た」と話している人が多く、制約も規制もあってままならない部分はあると思うが「路上」の効果は確実に出ている。
ほぼ定時に開場。 オールスタンディングだが後ろから全く見えないと言うこともなく、最前列に張り付くメリットも然程無いため、客はまんべんなく散る。
発散しに来ている向きは或る程度のパーソナルスペースを確保できる真ん中あたりの方が快適なのであろう。
開演前に客が円陣を組んでなにやら儀式が始まる。
「アイドルは仲間と楽しむもの」と考える人もいれば、「アイドルは一人で楽しむもの」と考える人もいる。
「ライブは参加するもの」と考える人もいれば、「ライブは享受するもの」と考える人もいる。
私は後者に属するのだけれど、人口比では前者が圧倒的に多い。
私の楽しみ方が絶対だとも正しいとも思わないけれど、周りに迷惑は掛けないようにしているので、とりあへずは放っておいて欲しくはあり、今のところそうして貰えている。(今後もそうであって欲しい。)
Negiccoのラインダンスのように、同調圧力が排除の方向に暴走しないことを祈る。
開演前に茶番の前振りのような、おどろおどろしい曲に乗せたアナウンス的な物もありつつ、幕が開けば何事もなくライブが始まる。
クリスマス間近と言うことでそれっぽい衣装。道地・別所がトナカイ、残りはサンタ。
クリスマスソングはビッグバンドアレンジっぽいもの。 振り付けも含めてその場しのぎではない物になっている。 この辺りの送り手の姿勢は評価できる。
別所佳恋が「かれんちゃん」と「佳恋さん」の間を行ったり来たり。
動くとまだまだ子供なのであるが、ぴたり止まった瞬間にドキリとさせられる。
他のメンバーのサンタ帽やトナカイのツノが脱落していく中、石川野乃花のサンタ帽だけは最後まで頭上に在り、帽子キャラクターとしての矜持を示した。
杏斉ゆかは任されたソロパートは歌いきり、客席全体も巨視的に見られている。 満遍なく目配りをするだけでなく、大掴みに見ることが出来ているのに感心した。
宮瀬しおりの「判りにくい質の高さ」が私は好きだ。 正確でぶれない動きと、止め撥ね払いの美しさの両立。
大変なこともあると思うのだけれど常に「楽しそう」に見えるようにしているところも評価したい。
道地文子は自虐キャラクターにされつつあるが、もっと自分の振舞いや趣味嗜好に自信を持って良いと思う。
自虐もやりすぎると「踏みつけにして良いもの」と勘違いする手合いが出てくる。
神咲くるみは髪型から振る舞いから「わかりやすさ」に徹しているのが面白い。 客もわかった上で填まっている。
開演前に前振りのあった件。 メンバーの声が出なくなっていると言う設定で、「客と一緒に発声練習をすると出るようになる」と言うオチだったのだけれど、ここが些か冗長でダレた。
録った客の発声練習の音を取り込んでおいて、最後に歌う「きよしこの夜」のコーラスに使うという凝った仕掛けではあったのだけれど、時間が掛かりすぎて中だるみ感は否めない。
毎回何かしら仕掛けてくる「より良い物にする」姿勢そのものは悪くないので、次回以降の巻き返しに期待したい。
最後にひとりひとりこの一年を振り返っての所感を述べていたが、それぞれしっかり考えて話せている。
普段から考える習慣をつけさせているのだと思う。