昨年の12月、ライブ中に負傷。 以来休養していた渡邊ちこの復帰ライブ。
予約サイトのクリック合戦は熾烈を極め、日本標準時と睨めっくらをしつつ勝負してみたが、敢え無く二十番台。
消防法上の定員は(記憶が確かならば)98人なので、そこまで必死にならなくても見るだけなら見られるのだけれど、撮ろうとするとそうは行かない。
受付開始時間からほんの数秒で入場総数の1/3くらいは埋まってしまっていると思う。
それくらい「ひとを狂わせる撮りたい魅力」がnotallのライブにはある。
四人四様で「映えかた」が異なり、撮りやすくはないが面白い光がある。
昨年までは21時開演で前物販だったが、今年から開演が早まり、20時開演で後物販に改められた。
仕事やっつけてカメラを取りに帰ってからでも間に合うし、終演して物販で(多少)散財しても終バスには間に合う。
私にとってはありがたいタイムテーブル。
開場したところで既に熱気が漲り、少々暑いくらい。
オーバーチュアから4人出てきて開演。
渡邊ちこは休養明け気合十分。
この人は舞台に立つ人としての自分を、常に整えて来るのだけれど、いつも以上に仕上げて来ていた。
肌も張りがあり、身体も絞れている。 休養期間を「見つめ直す期間」として糧に出来たのだと思う。 よくここ迄戻したと言うか、軽さとキレのある、より良い動きだった。
挫傷と言うのは私も経験したことがあるのだけれど、地味で分かりづらく後を引く。 似たような状況でやってしまった瞬間がフラッシュバックすることもあるだろうし、気圧の急激な高低が鈍痛を齎すことも有ると思う。 うまく付き合ってほしい。
途中、渡邊ちこから三人に宛てたお手紙の朗読。
待っている人々、帰ってこられる場所。 そこに戻れた喜びと感謝が溢れていた。
泣かせに掛かる渡邊ちこ、泣くまいとする顔三態。
目を見開く佐藤遥、端正な顔を歪める田崎礼奈、上を向く片瀬成美。
同じ時期にミュージカルの稽古と本番があった片瀬成美が、文字通り一と皮剥けていた。
「動かない状態で演技をし、自分の出せる音域の限界に近いところで歌う。」 難しい仕事を努め仰せた経験が生きている。
歌に説得力が増し、表情の諧調が格段に豊かになった。
これまでは口を開いた表情の写真は撰びにくかったのだけれど、その状態でも柔らかさを保てるようになっているのが良い方向での明らかな変化。
「撮られた自分たち」と日々向き合えるのがnotallの強みだと、私は思う。
撮った写真を整理していたら、佐藤遥の頬に安心と喜びの涙一と雫。
4人のnotallの2018年が始まる。